2024.3.28thu
「第96回アカデミー賞」撮影賞受賞!ホイテ・ヴァン・ホイテマ撮影監督のおすすめ作品をご紹介
2024年3月11日に「第96回アカデミー賞」が開催され、クリストファーノーラン監督の『オッペンハイマー』が作品賞や監督賞など最多7部門を受賞しました。今回は、その撮影監督であり、撮影賞を受賞したホイテ・ヴァン・ホイテマさんに注目してみました。過去には、同じくノーラン作品の『TENET』や『インターステラー』をはじめ、『her/世界でひとつの彼女』や『007 スペクター』など多くの話題作の撮影監督を務められています。
この記事では、デザイナー・ミノグチがおすすめする、ホイテマさんが過去に撮影監督として携わった映画をご紹介します。
実話を元にした、緊迫感あふれるスペクタクルアクション『ダンケルク』
最初にご紹介するのは、第90回アカデミー賞でも撮影賞にノミネートされた『ダンケルク』です。
これは、第2次世界対戦下のフランスで実際に起こった「ダンケルクの戦い」を描く作品。ダンケルクまで追い詰められた約40万人の英仏連合軍を撤退・救出する「ダイナモ作戦」という、史上最大の救出作戦が描かれています。ダンケルクからの脱出を図る陸軍兵士、兵士達を救出するためダンケルクへ出航する民間船。そしてダンケルクからの撤退を阻害する、ドイツ軍を阻止するために向かう空軍のパイロットたち…。陸・海・空それぞれの視点からの様子が描かれ、群像劇形式になっているところが面白いです。3つのストーリーがいつ交錯するのか?ドキドキします。
ダイナミックで没入感のある映像に、思わず引き込まれる作品
まず、作品の約75%をIMAXカメラで撮影しているという、ダイナミックで美しい映像に引き込まれます。そして、セリフで物語が語られるシーンは少なく、シンプルな映像だけでストーリーを魅せてくれます。そのため、観ている自分までもが、登場人物たちと同じような体験をしているかのような没入感を得ることができます。また、実際の舞台となったダンケルク海岸での撮影、戦闘機や船、軍艦の多くは実物を使用しており、CGではなく本物にこだわった映像も見どころの一つです!
ダンケルク
- Prime Video、U-NEXTなどで配信中
- 2017年/アメリカ/106分
監督/クリストファー・ノーラン
出演/フィン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン他
空に浮かぶ謎の飛行物体をめぐる『NOPE/ノープ』
続いてご紹介するのは、『NOPE/ノープ』です。
ロサンゼルス郊外にある牧場を一家で経営をする主人公OJ。牧場主の父親は、空からの落下物により死亡してしまいます。OJは父親の不可解な死の直前に、巨大で早い“何か”を目撃したことを妹に明かします。やがて兄妹はその飛行物体の物的証拠を収めた“バズり動画”を撮影することを思いつきます。設置した監視カメラの映像に映る“動かない雲”の存在。それを追う彼らの行方はどうなるのか?不穏な空気を漂わせながら、スリリングに展開していく物語に、グッと惹きつけられます。
約4割を専用のIMAXカメラで撮影した、雄大なロケーション映像に注目
南カリフォルニアで撮影された壮大な牧場の景色や、不穏な雲が浮かぶ空。そして、夜の大地を舞台にしたシーンが印象的な作品です。暗闇の中でも、いかに大地が広大なのかわかるよう、かなりのこだわりと工夫を持って撮影されているそう。闇の奥深くまで覗き込めるような、壮大な夜のシーンは本当に注目です!
映像の綺麗さはもちろんですが、何度も観て、考察したくなるようなストーリーも楽しいですよ。
NOPE/ノープ
- Prime Video、U-NEXTなどで配信中
- 2022年/アメリカ/131分
監督/ジョーダン・ピール
出演/ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン他
いかがでしたか?今回ご紹介した映像監督ホイテ・ヴァン・ホイテマさんが撮影されている、映画『オッペンハイマー』は現在公開中です。そちらのご鑑賞と合わせて、過去の映像作品もご覧になってみてはいかがでしょうか?
※2024年3月時点の情報です
【絶賛公開中!】映画『罪と悪』名古屋での公開記念舞台挨拶に石田卓也さん、齊藤勇起監督が登壇!サプライズバースデーも!
2月10日(土)、ミッドランドスクエア シネマにて映画『罪と悪』の公開記念舞台挨拶が開催され、キャストの石田卓也さん、齊藤勇起監督が登壇しました。 オリジナル脚本で描く、罪の真実と正義の在り方を問う本格ミステリー。監督には、井筒和幸監督を中心に、岩井俊二監督作品などの助監督を経て本作が初監督となる齊藤勇起監督。本作では、齊藤監督が脚本も務め、真の意味での悪人とは何なのかを問いかけます。主演の春役には、『横道世之介』など数多くの話題作に出演し続ける高良健吾さん。地元の不良たちを集めた闇の仕事を請け負う建設会社社長・春役を演じます。春と同じく罪を背負いながらも、過去の秘密を隠し刑事になった幼馴染・晃役に大東駿介さん。引きこもりになってしまった双子の弟の面倒を見ながら家業の農業を継ぐ幼馴染・朔役を石田卓也さんが演じます。舞台挨拶では、本作に込められた想いや、制作の裏側を語っていただき、舞台挨拶当日がお誕生日だった石田さんのサプライズバースデーも!その様子をレポートします。 STORY 何者かに殺された14歳の少年・正樹。彼の遺体は町の中心にある橋の下で発見された。同級生の春(高良)・晃(大東)・朔(石田)は、正樹を殺した犯人と確信した男の家に押しかけるが、もみあいになり、犯人らしき男は1人の少年に殺される。彼は家に火を放ち、事件は幕を閉じるはずだった。時が過ぎ、刑事になった晃は、父の死をきっかけに町に戻り、朔と再会する。ほどなくして、20年前と同じように、ある少年の死体が橋の下で見つかる。晃は少年の殺害事件の捜査の中で、春と再会し、それぞれが心の奥にしまっていた過去の事件の扉が再び開き始める―。 齊藤監督のデビュー作、仲間と一緒に舞台に立てて感無量 ――ようこそ、お越しいただきました。 お帰りなさい。主人公・春の幼馴染で、地元に残って農業の家業を継ぐ朝倉朔を演じました、石田卓也さんです。 石田さん 皆さん、こんにちは!朝倉朔を演じさせていただきました石田卓也です。上映後ということで、皆さんの感想や質問など、いろんな意見がある中で短い間ですが一緒に楽しんでいけたらなと思っています。今日はよろしくお願いします。 ――ありがとうございます。本作が監督デビュー作となります齊藤監督、よろしくお願いいたします。 齊藤監督 今日は、皆さんありがとうございます。本当に数ある作品の中でも、この作品を観ようと思って、わざわざ足を運んでいただいて、しかもこんなにたくさんの方々。今話した通り、本作が僕のデビュー作であって、せこせこずっと書いていたオリジナル脚本です。それが今、日の目を浴びて、仲間と一緒に舞台に立つことができ、そして、皆さんにお披露目することができて、本当に今感無量です。今日はどうぞよろしくお願いします。 ――ありがとうございます。監督は、大阪の舞台挨拶から名古屋へ来られて、愛知県出身の石田さんとスクリーンの前にお立ちいただくのもまたいいものですね。 石田さん 久しぶりにこうやって名古屋で挨拶させていただけて、本当に今日を楽しみにしています。 ――改めまして、監督デビュー本当におめでとうございます!武正晴さんや、堤幸彦さんなどの愛知県出身の監督さんのもとで助監督されていて、いろんな方々からきっとメッセージや感想をいただいているんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか? 齊藤監督 先輩方もそうですけど、他の仲間の監督さんだったり、プロデューサーさんだったり、絶賛してくれる方もいれば、良かったけど言いたいことが結構あるような。観終わった後、そりゃそうだろうなと思いながら聞いていました。でも、そういった先輩方も観終わった後に食事へ行って、そこで話がだいぶ白熱していたようで、その代表の1人がずっと質問をしてきて、分かりましたって色々答えていました。僕もやりたかったと言いますか、観終わった後に気持ちよくなって映画のことをすぐ忘れてしまう映画もいいんですが、観終わった後の3日間や1週間とか、それぐらい映画のことをちょっと思い出してくれる時間があるような、そんな映画を目指してはいたので、兄貴分たちや師匠さんにあたる人たちもそうなってくれたことは、僕がちょっとうれしいです。 ――語りたくなる作品ということで、石田さんはいかがでしょうか? 石田さん 僕の友だちも公開初日の1番朝早い時間に、仕事を休んで観に行ってくれたようですが、やっぱり重すぎて、午前中に観る映画じゃなかったみたいに言っていました。でもそれぐらいいろんなことを感じてもらえたんだなと思って、すごくうれしかったですね。 ――石田さんにオファーをされた理由をぜひ教えてください。 齊藤監督 助監督時代に、本当にディープな映画ファンでもなかなか存在を知らないかもしれない武監督の映画『モンゴル野球青春記~バクシャー~』という映画に僕が応援で行って、その時に石田さんの活躍を見て、ああいい役者さんだなって思いました。そう思っていたのもあり、高良さんからも石田さんが今いろんなことやられていてと話が出て、ああ、お願いしよう!と思って会いに行きました。突っかかれたら怖いなと思ったんですけど(笑)、もう驚くような本当に立派なもう素晴らしい・・・ 石田さん 僕のことをすごいやんちゃなイメージだったみたいなんですよ。だいぶ!(笑) 久しぶりに会ったら、なんかすごくなんか落ち着いてびっくりしたって、いろんな人に言われるんですけど(笑) ――10代や20代前半はやんちゃなイメージがあったんですかね? 齊藤監督 業界ではまあまあ(笑) 石田さん 違いますよ(笑)すごく厳しい監督たちと戦っていたんですよ、僕は(笑) 齊藤監督 戦うと言いますか、自分を守るためですよね。 ――齊藤督監からオファーをもらって、脚本をご覧になった時の心境はいかがでした? 石田さん 純粋にすごくうれしかったですし、僕も普段少し農業を経験させていただいているんですけど、僕が演じた朔も農家の役で、細かい気持ちの部分で共感できるところがあったので、ぜひこの役はやらせていただけないかなと思いましたね。 石田さん、高良さん、大東さんの約15年ぶりの再会が映画みたいでリアル ――共演者には、同年代の高良さんと大東さんでしたね。 石田さん ずっと一緒に俳優を続けていたんですけど、2人に会うのも本作の映画の3人と同じで、本当に15年ぶりとか、それぐらいに久しぶりに会ったんですね。久しぶりに会ってなんかすごく恥ずかしい気持ちと、みんな成長しているのがわかる感覚と、すごくたくさん感じるものがありました。撮影前の本読みをしたときにすごくなんかこう、なんていう気持ちって言ったらいいのか、うれしいっていう一言では言い表せないような気持ちになったんですよね。実際にこうやって映画を作って、今こうやって皆さんに観ていただけるということが、本当に今自分の中でうれしいです。感無量です! ――監督オリジナルの脚本とはいえ、石田さんがおっしゃったように何年かぶりに会ったっていうのは、まさしくリアルですよね。 齊藤督監 いつもだと衣装合わせなどで撮影前に少し会って、その時に軽く話してよろしくみたいな感じなんですけど、初監督でやる時にはそういうふうにはやりたくないと思っていました。撮影前にしっかり会って、石田さん、高良さん、大東さんと僕4人で、スタッフルームで話したときに、久々に会ったので皆はじめはぎこちないですけど、旧友を思い出しながら、高良さんが「昔、僕は石田くんのバイクの後ろに乗せてもらって家に行ったことある」と言って、「いや、俺覚えてないや」とか(笑)そういった話とか、大東さんからも出たり、そんな感じで少し気持ちが和んだところで、このセリフだけちょっと言ってみてもらっていいですか?って、感覚をつかむためにやらせてもらいました。雑談しながら映画のこともやりながら、それぞれの世界観を共有できたのは、本当に貴重であっという間でしたね。6時間ぐらいいたかな。 石田さん そうですね。お昼に始めて2時間ぐらいで終わる予定だったんですけど、気づいたら夜でした(笑) 齊藤督監 そうそう!それぐらい貴重な時間で、僕もそのやり取り見て本を変えていた部分もあるんで、セリフ回しだとかいろいろ。 ――本当に幼馴染が集まったみたいな感じだったんですね。 石田さん 本当に、なかなかこういう経験ってないですね。 監督の出身地・福井県でオールロケで豪雨も経験 ――皆さんで作り上げていったんですが、本作は監督のデビュー作であり、監督の故郷・福井で撮られたんですよね? 齊藤督監 都内近郊とか関東圏などで撮ればそれなりにいけると思ったんですけど、知っている場所じゃなくて、どんな場所なのか皆さんが全然知らない福井は、映画の舞台にもならないし、逆にそれがチャンスかなと思いました。今回出てきた映画の場所は、オール完全福井ロケでやっていましたが、それを普遍的にしたく、日本全国どこでもあるような話にしたかったので、目線というのは決して外から見た観光とかそういう世界じゃなく、町に生きる人間たちの生きる目線で、景色や風景とか町の人たちの気持ちを出すようにしました。観光地とかはあえて排除し、目線にこだわって、小さな町で起こる事件も名古屋だと大都市なのでもっと派手かもしれませんけども、全国どこでも起こりうる話にしたいなと思ったので、福井県をチョイスしたのは良かったかもしれないです。 ――福井県はわりと名古屋と近いですが、石田さんは今まで行かれたことはありましたか? 石田さん 実は、なかったんです。妹の旦那が福井県出身で少し話を聞いていたので、行くのが楽しみでした。実際に行ってみて、食べ物の素材のおいしさにびっくりしました。名古屋はどっちかというと味付けじゃないですか。そうじゃなくて、素材のおいしさ、お魚もカニもそうですけど、すごく素材が生きているなっていう感じがしました。 ――皆さんで食事に行かれたりしました? 石田さん そうですね。カニを食べに行ったり、撮影終わった後にちょっと居酒屋さんのような場所でお刺身食べたりと、どれもすごくおいしかったです。 齊藤督監 ちょっとお店が閉まるのが早かったですけどね(笑) ――撮影中は場所の思い出などありますか? 齊藤督監 少年時代の川って結構濁っていて、台風のゴーっとなっている映像を少し入れていましたが、始めは大人パートから撮ったんですね。大人パートの時は、緑が生い茂っていて、死体を見つける時も薮みたいな所を抜けて行くように撮影しましたが、少年時代の時は全部藪をカットして、きちんと整備された状態で撮影しようと思っていました。でも、ちょうど少年時代を撮影しているときに福井県で豪雨が発生して、土砂崩れとかも起きて、川とかも大変なことになってしまっていました。それでも撮影しなきゃと思ったときにどうせならこれを生かそうと、逆にラッキーだと思って、汚れている川の状態で撮影して、豪雨の映像もカメラマンにもっともっとって、なるべく川岸に寄ってもらって、カメラマンは嫌がっていましたけど(笑)迫力ある映像を撮ってもらいました。そこは思い出深くて、本当に撮影が止まるかなと思ったんですけど、一番喜んでいたのは、もしかしたら制作かもしれないです(笑)。周りを全部管理する制作部がいるんですが、あのすんごい大量の草を刈らなきゃいけないことにだいぶ嫌な顔をしていましたが(笑)、豪雨が全部流してくれたんで、そのままでいけました。 石田さん 監督に今聞かされるまで、あれはCGだと思っていました。 齊藤督監 CGをフルで使える予算がなく、アナログですね(笑) 次のページ… 誰に注目するかで見方が変わる!? 誰に感情を入れるかによって全く見方が変わってくるので、そこも楽しんでほしい ――タイトルにあります『罪と悪』についてどのように考えていらっしゃいますか? 石田さん 『罪と悪』…これは難しいですよね。罪というのは、少し僕の中では表面的と言いますか、そんなイメージがありますね。だから、人の見方や人生経験によってはある角度から見ればそれは罪じゃない?と、いうような感覚かな。悪というのは、もうちょっと人の心の奥底にあるようなもので、された側が嫌な思いや不快な思いを感じた時点で、それは悪なんじゃないかなと思います。どうですか?この質問はすごく難しいなと思いますが、そんな感じがしましたね。 ――生みの親に聞いてみましょう。 齊藤督監 人の捉え方でいろいろな解釈が求められると思います。ちょっと漠然とした答えをテーマにさせてしまっていますけど、罪というのは決まり事としてあって、悪は概念じゃないですか、人がどう思うかという、それを分かった上で生きている人間たち、そして罪を背負った人たちが、果たしてそれはすべて悪なのかということが、僕が書いた時に思ったテーマなんですね。 罪を犯した人がすべて悪人ということで、僕たちが見た概念として悪人なのに裁かれない人もいて、そういう人間も劇中に出てきます。そういった罪と悪もあるけれど、その中でもう一つ、罪悪感というのが、かなりこの少年たちに残した深い傷と言いますか、罪を背負ってもらったり、なんであんなことをしてしまったんだと、春以外はそれを乗り越えられなくて、悩んで苦しんでしまう。でも、その罪を背負って悪人になった春という人間は、すべてを受け入れているかのように生きているけども、下の人間にえぐいことをやらせているし、決して男らしいいい男でもないんです。ただ彼の存在は、じゃあ町の悪なのか…桔平さんにも言ってもらいましたけど、悪人って放っておくと当然違う町でも必ず犯罪を起こして、その連鎖を切るときに彼が一つのよりどころで、石田さんのセリフで言ってもらった、「よるべなき若者たちに人気の就職先なんだろ」という側面もあって、彼が囲うことによって町の一つのバランスを作っている。それをじゃあ、彼が罪人だっていうことを決して断罪もできないし、でもそれだけじゃなく、「罪というのは、認めなきゃ罪じゃねえんだ」というセリフもありますが、いろいろ取材したときに出てきた言葉で、そうやってやんないと彼らももしかしたら罪悪感、真面目に正面から向き合った瞬間に罪っていうものに自分が押し潰される感覚がもしかしてあるのかなとも思ったりもしました。いろんなパターンの罪を背負った悪人だとか、罪を逃れている悪人だとか、そういったトピックスを置かせてもらったんで、いろんな側面から観てもらって、どこかこのタイトルがスポンって落ちるところがあれば、それはそれで僕はうれしいですね。 ――語りたくなる作品で、ここはどう思う?とか、質問されたりしますね。 齊藤督監 いろんな視点から観てくれますので、お子さんがいる方は、やっぱり大人が作る世界のせいで子どもがいつも被害者になっているという、この世界自体がよくないと思ったとか。まだまだいろいろ語れることがありますね。 ――結末が分かってから、もう一度ご覧になって観ていくとまた違う視点で観られますね。 石田さん そうそうですね。誰に感情を入れるかによって、この作品って全く見方が変わってくると思うので、そこも楽しんでいただけたら、うれしいですね。 齊藤督監の名古屋めしは味仙!行くときにいつも気をつけていることがある!? ――愛知県出身の石田さん、監督におすすめの名古屋めしをお願いします。 石田さん 個人的に好きっていうのもあるんですけど、ひつまぶしを監督にはぜひ! 齊藤督監 ひつまぶしはもう最高です!本場のこの地では、本当に何年間に1回ぐらいしか食べられないんで(笑) ――監督は、よく名古屋で撮影されていたから、名古屋のことはよく知っていますよね? 齊藤督監 助監督時代に撮影で何度も訪れさせてもらっていて、いつもパンチのあるお昼ご飯の弁当が出てきて、名古屋の人はこれを食べているだと、ものすごく元気の出るお弁当でした。10年以上前かな…撮影が終わった後は、味仙の今池本店で、まだ東京でのブームが来ていない地元だけだった時に連れてってもらって、そこから撮影終わる度に行って、いつも腸詰めから始まってと… ――石田さん、まだ行ったことないんですよね? 齊藤督監 僕のほうがだいぶ詳しいですね(笑) 石田さん そうなんですよ。監督のほうが名古屋詳しいかもしれないですね(笑) 齊藤督監 〆は台湾ラーメンですよ!〆の台湾ラーメン食べる時は、食べたら次の日とんでもなくニンニクの匂いがするんで、次の日のスケジュール確認していました(笑)。俳優部のそばへ行って、ニンニク臭いって言われたらね、怒られちゃうんで(笑) 石田さんへのバースデーサプライズ!“37年間で1番うれしい誕生日” ――実は本日は、石田卓也さんのお誕生日です。ケーキが運ばれてきます!37歳おめでとうございます!今日は持って帰ってくださいよ(笑) 齊藤督監 おめでとうございます! 会場 (拍手) 石田さん 37歳です!ありがとうございます。すごい!びっくりです! 齊藤督監 石田さん、37歳おめでとうございます!政治家のパーティーみたい(笑)。出会った頃は、20代の元気な石田さんでしたが、こうやって37歳の誕生日を地元名古屋で迎えられて、またこの映画でPRに一緒に迎えられたってことが本当にうれしいんで、まだまだこれから40代になった石田さんも30代後半になっても楽しんで、頑張って! 石田さん ありがとうございます!もしかしたら37年間で一番うれしい誕生日かもしれません! ――今日は、こんなたくさんのお客さんの方にお祝いしてもらっています! 石田さん ありがとうございます!まさか自分の地元でこんなにたくさんの人にお祝いしていただけるなんて、思いもしませんでした。このケーキのプレートもすごくカッコイイですね。 ――石田さんはもう名古屋のスターですが、どんどんと頑張っていただきたいなと思いますので、抱負をお願いします。 石田さん 37歳。もちろん、いろんな作品でいろんな役を演じたいと思っていますし、今、農業に興味があって、農の道も極めていけたらいいなと思っています。役者の道も農業の道も両方やっていけたらなというのが今の目標かな。 ――農業とエンタメですね。相性が良いと思います!ありがとうございます!またこういったステージの前で立っていただければなと思っております。はい、本当におめでとうございます。 石田さん ありがとうございました! 次のページ… インフルエンザで欠席された高良健吾さんからの熱いメッセージ 高良健吾さんから皆さまへ熱いメッセージ! ――インフルエンザで今日お越しいただけなかった高良健吾さんから長文の手紙が届いております。熱いんです。 石田さん 熱い男なんです。 齊藤督監 人柄を現しています、本当に。 高良さん(手紙) 阪本春役の高良健吾です。今日は舞台挨拶に参加できず、申し訳ありません。大阪・名古屋・福岡キャンペーンが『罪と悪』の宣伝の一区切りだったので、最後の最後で作品としっかりとお別れができず、舞台挨拶にいらっしゃった皆様と顔を合わせることができず、残念です。『罪と悪』は、親切な映画ではないと思います。観客の想像力、考える力を信じている作品だと思います。物語の答えを提示するのは簡単ですが、あえて観客の皆様の心に委ねることによって観てくれた方々、それぞれの心の中で広がりを見せて育っていく作品だと思っています。与えられるより見つけることに意味を感じる方には刺激的な作品になっていると思います。そして、『罪と悪』を観ることによって、普段考えないこと、考えたくないこと、感じないこと、感じたくないことが刺激されて、“罪と悪”とは“正義”とは、それぞれの立場役割によって変化するものだと感じていただけると思います。だからこそ、この映画は簡単に人のことを裁いていません。今の世の中、簡単に白黒はっきりさせ、簡単に人のことを裁き、それぞれの正義を振りかざして傷ついている人も多くいると思いますが、そんな単純なことではないと思います。この『罪と悪』が皆様の中でじっくりと育ってくれるとありがたいです。今インフルエンザでダウンしております。回復したらどんな形でもいいので、皆様の前で挨拶ができたらうれしいです。楽しんでくださいという言葉が合う映画かわかりませんが、やはりこれは映画なので、楽しんでいただけるとうれしいです。 会場 (拍手) 石田さん 熱かったですね!長かったですね。素敵でしたね。 ――素敵でしたね。石田さんからも一言皆様にお願いします。 石田さん 今、健ちゃんの手紙にも書いてあったと思うんですけども、本当にあの簡単に答えが出るような映画ではないと思います。自分の作品を1回はもちろん観るんですけども、何度も観返した映画って今まで一度もなくて、監督にも何回観るの?って言われるぐらい、4回か5回ぐらい観たと思うんですね。何度も観ても、いろんな感想や感情というのが自分の中に出てくる映画だなって思ったので、先ほども言いましたけど、じゃあ今回は春の目線で観てみよう、今回は晃の目線で観てみようとかね、いろんな登場人物の目線で観ていただけると、また違った楽しみ方ができると思うので、ぜひまた『罪と悪』をよろしくお願いします。 ――どうもありがとうございました。最後に監督よろしくお願い致します。 齊藤督監 ありがとうございます。本当に今、おっしゃったように、観ていただいて、いろいろ考えたりしていただくこと、“罪と悪”をどう捉えるかというお話をさせてもらったんですけども、皆さんの疑問に思うものも全部撮影したバージョンをはじめに作ったときに、ミステリー映画になってしまって、これは自分の求めるところじゃないなと。3人の再生に見えても、やっぱり失われていくもの、分かり合えたと思ったけども、そこに残る切なさと言いますか。「なかったことはならねえからな」と劇中で浩市さんも言っていますけども、そういったテーマも深く突き刺さるようにと思った時に、ミステリー要素のわかりやすい部分は、極力ちょっと排除させてもらいました。そうしていくうちに僕が思っているような形になったなと思って、観終わった後に議論が生まれたり話したりと、それが補完できるように微妙な伏線と言いますか、答えが実は散りばめています。それがわかるとまた繋がったときに、実は結末の見え方が変わっちゃうみたいな。そういった試行錯誤も重ねた上で、皆さんに観てもらう映画として完成させました。もし皆さんの心の中に残って、3日や1週間ぐらい語り合って、咀嚼して、皆さんなりのこの映画の答えや、そういったものが見つかったら、それは絶対皆さんの答えだと思って、それが映画の完結。この映画の最後の終わりだと思っています。願わくは、あと10年先でもいいんで、こんな映画あったなとふと思い出して、そういったときにちょっと心の片隅に残るような映画になってくれたらもう幸せです。この度は、本当にわざわざ皆さん足を運んでいただき、ありがとうございました。 タイトルにもなっている“罪と悪”について、本作では3人の幼馴染を通して今の世の中や自分と向き合い、答えを模索していきます。人によって考えが異なる奥深いテーマの答えを追い求め、本作がたどり着いた、監督が考えていなかったラストとは―。ぜひ劇場で結末を見届けて、その答えを自分の中で完結させてください! 『罪と悪』 劇場ミッドランドシネマ名古屋空港(公開中)、刈谷日劇・小劇(3/8~) 他で公開! 監督・脚本齊藤勇起 出演高良健吾、大東駿介、石田卓也、村上 淳、佐藤浩市、椎名桔平 他 映倫PG-12 公式サイトhttps://tsumitoaku-movie.com ©2023『罪と悪』製作委員会 ※掲載内容は2024年2月時点の情報です
【公開中!】映画『ファイアバード』に出演するトム・プライヤーさんとオレグ・ザゴロドニーさん、ペーテル・レバネ監督にインタビュー! 名古屋で開催された舞台挨拶の様子もレポート
2月9日(金)に公開された映画『Firebird ファイアバード』は、ロシアの無名俳優・セルゲイ・フェティソフが執筆した原作『ロマンについての物語』が題材。セルゲイ自身の経験をもとに綴られた、ノンフィクションの物語です。 監督を務めるのは、エストニア出身のペーテル・レバネさん。2021年に完成し公開された作品で、2年後の2023年3月には、国会で悲願の同性婚法案が議決。2024年3月に法律が施行される原動力にもなりました。 今回、日本公開を記念して、映画に出演したトム・プライヤーさんとオレグ・ザゴロドニーさん、ペーテル・レバネ監督の3人が来日! 映画についてじっくり伺いました。 また、インタビュー後に行われた、公開舞台挨拶の様子もレポート! 映画に対する熱い思いから、仲睦まじくおちゃめな様子までをお届けします。 あらすじ 1970年代後期、ソ連占領下のエストニア。モスクワで役者になることを夢見る若き二等兵セルゲイ(トム・プライヤー)は、間もなく兵役を終える日を迎えようとしていた。そんなある日、パイロット将校のロマン(オレグ・ザゴロドニー)が、セルゲイと同じ基地に配属されてくる。セルゲイは、ロマンの毅然としていて謎めいた雰囲気に一瞬で心奪われる。ロマンも、セルゲイと目が合ったその瞬間から、体に閃光が走るのを感じていた。写真という共通の趣味を持つ二人の友情が、愛へと変わるのに多くの時間を必要としなかった。しかし当時のソビエトでは同性愛はタブーで、発覚すれば厳罰に処された。一方、同僚の女性将校ルイーザ(ダイアナ・ポザルスカヤ)もまた、ロマンに思いを寄せていた。そんな折、セルゲイとロマンの関係を怪しむクズネツォフ大佐は、二人の身辺調査を始めるのだった。 作品の世界観を忠実に再現するために参加したこととは… ――役作りのため取り組んだことや挑戦したこととは。 オレグ・ザゴロドニーさん まず英語を学び、それから軍の規律を学ぶために基地へ伺い、射撃や森の中での睡眠方法など、軍人としての仕事も学びました。とても興味深い経験でした。さらに、1970年代に起きた出来事など、その当時の人たちの恐怖や状況を知っていくことに努め、映画に落とし込みました。 トム・プライヤーさん 私は共同脚本家でもあるので、ライターと俳優として、“セルゲイ”という登場人物を演じる上でのリサーチをたくさん行いました。例えば、衣装や小道具、立ち居振る舞いなど。映画の中では、当時のことを忠実で、真実のままに描きたいと思っていました。 オレグが言った通り、軍のトレーニングも受けたんです。エストニアとNATOの国防部に行って、トレーニングを受けました。 ――作品を制作する上で、困難に感じたことや、鑑賞してくれる人に伝えなければならないと思ったことは何かありましたか。 ペーテル・レバネ監督 この作品を映画館で放映して、観客のみなさんに観てもらうことです。そして、宣伝をしてもらうことも非常に難しかったです。なので今、この物語を共有できてとてもうれしいです。今日ここにいることは素晴らしいことだと思っています。 また、この作品に関して、当時の状況や時代背景を「詳細にわたって全てを忠実に描き出したい」と思っていたので、 エストニアがソ連の占領下だった1970年代の環境を再現することにこだわりました。 映画は、違う世界を見る・経験することができるものだと思っています。だからこそ、この作品を観て、自分とは異なる人生や環境を、周りの人に共有してください。 女性と男性、女性同士、男性同士のラブストーリーを理解してほしいです。この映画を見ることによって、共感や社会的差別の溝が小さくなってくれることを期待しています。 トムさん 主人公の“セルゲイ”が自分の愛というものを追い求めていたように、自分の心に従うということを深く信じ、同時に真実だということを映画を通して知ってほしいです。 オレグさん 人生はいつどんな時でも自分自身のものなんです。でも、映画で描かれている時代は、選択するチャンスがなくて、悲劇だったと思います。セクシュアリティの違いとか、誰とどのように過ごすかとか、自分たちで決断することの大切さを伝えられたらうれしいです。 多くの人が同性愛を受け入れるきっかけに ――『FireBird』の作品力やレバネ監督のロビー活動が、エストニアで同性婚が承認される大きな原動力になったと聞いています。日本ではまだ同性婚は法的に認められていませんが、愛の形が認められず苦悩している人々に、何かメッセージをお願いします。 レバネ監督 2023年にエストニアでは、同性愛が合法化されました。日本は非常に先進的な国で、他人を思いやるという文化があるのに、同性愛が認められていないということは、悲しいことです。全ての人が平等で幸せになるべきですからね。これからの将来のためにも、難しいとは思いますが、声を発信することが重要だと思うんです。何事も、恐れず自分の意見を大切にしてください。 また、合法化には半分以上の投票が必要だったので、エストニアで同性愛が合法化されたのは、ゲイの人たちの力だけではなく、ほとんどはストレートの人たちのおかげだったんです。いつか、平等というものが日本でも与えられることを願っています。 ――主演の2人を抜擢した決め手は何だったのでしょうか。 レバネ監督 最も大切なことは、“何かをしよう”と計画することではなく、俳優に対して、意見や状況に耳を傾けることだと考えています。あることを無理やりこう達成しようと努力するのではなく、信憑性の高いことを見極めることが、監督としての務めだと思います。例えば、悲しい演技をしようと試みてしているのではなく、ドラマの意図を受け入れて、自分ごとのように考えることが、私が思う“良い役者”の定義だと考えています。そのビジョンに、2人が当てはまっていると思ったので、抜擢しました。 公開舞台挨拶をレポート♪ ――まずはトムさんから、皆さんにご挨拶をお願いします。 トムさん 今日は来てくださってありがとうございます。この映画を観て、“愛とはどういうものか”、そして“どれだけ深めることができるのか”ということを分かっていただけたらうれしいです。 オレグさん 今日はありがとうございます。ここに来られて大変うれしく思います。私たちの映画を気に入ってくださったらとてもうれしいです。 レバネ監督 皆さん、おはようございます。映画館で“おはようございます”なんて言うチャンスもないですよね。 朝なのに、わざわざお越しいただき、ありがとうございます。 私たちが作った、実話に基づくこの“アート作品”は、完成までに何年もかかりました。心からの情熱の結果、出来上がったこの映画を今日皆さんと共有でき、これから日本のあちこちで放映されることがとてもうれしいです。 ――アートという言葉が出ましたが、文字通りの美しい作品でしたよね。レバネ監督へ、この映画を撮ることになった経緯を教えてください。 レバネ監督 この物語が私を見つけてくれたんです。私の友人が、主人“セルゲイ”の自伝を所持していて、ロシア語はそれほど完璧ではないんですが、読んだことがきっかけです。 読み終わった後、泣きました。そして、脚本を書く準備ができたときに、ハリウッドのプロデューサーが、この脚本をトムに紹介してくれました。それから2人で数年かけて、脚本を書き、その後オレグと出会いました。 ――レバネ監督とトムさんの共同脚本ということで、この作品のことを映画化したいと相談されたとき、トムさんはどのように思われましたか。 トムさん 軍人やアクション、ロマンティックなスリラー、愛の物語の深さなど、ストーリーが持つさまざまな要素に心を奪われ、プロジェクトに参加することにしました。レバネ監督は、構造的な部分の感性が鋭く、私は“セルゲイ”の信念や“真実の愛”を軸に、感情の深さなどをより詳細に追求しました。 また、“セルゲイ”の人生をさらに忠実に反映するべく、ロシアへ行って、本人と対面し実際に話を伺いました。過酷な時代だったにもかかわらず、彼の希望や喜びに満ちた部分を細かく表現できたと思っています。撮影直前まで、彼らの情報が全てクリアに表現できるよう書き換え続け、約2年の歳月をかけて脚本を完成させました。 ウクライナ出身のオレグさんは撮影中に英語をマスター ――オレグさんは、ウクライナご出身なんですよね。今も故郷が戦火にあるとのことで、資材を投じて兵士に軍服を提供するという活動もされています。今着ている服などを販売して、その収益で提供しているということでしょうか。 オレグさん はい。この映画を通して私のことを知ってくれたので「ウクライナ兵士にできることはないのではないか」と思ったのがきっかけです。私が制作しているアパレルアイテムなどの売り上げで、軍服やブーツなど、兵士に必要なものを提供しています。 ――撮影前は英語がほとんど話せなかったのにも関わらず、2カ月ほどでマスターしたと伺いました。何か苦労したことはあったのでしょうか。 オレグさん レバネ監督に、「この素晴らしい作品(マスターピース)に参加したければ、英語を学ぶ必要があるよ」と言われたので…(笑) ――トムさんから見て、オレグさんの英語はいかがですか? トムさん It’s OK.(いいと思うよ)(笑いを交えた冗談で) 素晴らしいと思います。オーディションに彼が来たときは、英語でコミュニケーションをすることができなかったんです。 でも、撮影の過程で、様々な体験を英語で共有できるようになりました。 英語が話せないときでも、撮影を通して強い絆が結ばれていました。でも今は、お互い英語で会話ができて、とてもうれしいです。 ――レバネ監督は、英語が話せないオレグさんを採用したいほど、魅力的だったんですね。 レバネ監督 はい。オレグと一緒にやってみたい、取り組みたいと思いました。(役を演じる上で)大切なことは、その登場人物を具現化することができるかっていうことだと思います。彼と初めて会ったときに、戦闘機のパイロット役にぴったりだと実感しました。 きれいな肌を手に入れるための秘密を大公開! ――お肌がとてもきれいですね。撮影期間中に、何か特別なケアはされたのでしょうか。また、普段から気をつけていることがあれば教えてください。 トムさん はい。〈ドクター・ジャクソン〉という化粧品を何年も使っています。 オンラインで買うことができて、非常にシンプルなケアです。他はやっていないので、秘訣と言えば、何もやらないことですかね(笑) オレグさん 実はトムから、〈ドクター・ジャクソン〉をプレゼントでもらったことがあります。デイクリームとアイクリーム、オイルなどが入っていました。それを撮影が終わるまで、ずっと愛用していました。 ――(ただの冗談じゃなくて)本当のことですか? オレグさん 本当ですよ。もし〈ドクター・ジャクソン〉を使いたいって人がいたら、トムさんにぜひお願いしてみてください! トムさんがプレゼントしてくれますよ(笑) ――では、〈ドクター・ジャクソン〉が欲しい人は、挙手しましょう! (「はーい」と皆さん挙手していました) オレグさん 〈ドクター・ジャクソン〉のウェブサイトをスクリーン上に出すことはできますか?(笑)トムからプレゼントしてほしい人は、「〈ドクター・ジャクソン〉がほしい」と、ずっと書き続けてくださいね。いつか叶うかもしれませんよ! ――兵士役なので、体作りもされたんじゃないかなと思うのですが、体作りについて、何か特別なトレーニングをしているのですか。 トムさん 撮影前と撮影中は、ジムでトレーニングを受けていました。レバネ監督と、作品を美しく撮るために、「制服に合う体や、肌色をよりブライトにしたいね」と話していたので、体づくりにはこだわりました。 オレグさん 私もたくさんトレーニングを行いました。 1970年代の舞台を作るために苦労したこととは ――レバネ監督へ、映画を撮影する際に苦労した点を教えてください。 レバネ監督 1970年当時を再現するために、現代のものは使わないように念入りに計画しました。、マッチ箱やカップ、車、制服などはすべて特注で用意したもので、労力と予算がかかっています。 約120人の徴兵が集まるシーンでは、制服やブーツなどオーダーメイドで全員分制作したんです。 1960年代や80年代のものは普及していたのですが、1970年代のものは借りることができず、素材を集めるのにも苦戦しました。また、サウンドステージはあまり使いたくなかったので、軍基地も絶好のロケーションを探して撮影し、合計約46の拠点に足を運びました。当時ソ連の占領下だった兵舎などは、別々の場所で探しました。 1970年代の状況を、精度や信憑性を高く再現したかったので、演者にも雰囲気を感じてもらいながら演じてほしかったんです。もしかしたら、観ている人には伝わっていないかもしれませんが、役を全うするうえで、当時を再現した小道具は大きな影響力があるものだと思っています。 ――最後にトムさんからみなさんへメッセージをお願いします。 トムさん 皆さん、自分自身を愛してください。そして、〈ドクター・ジャクソン〉を使ってみてください! そして、映画も観てくださりありがとうございました。今日、皆様とお会いできて、私たちの物語を共有できたことをとてもうれしく思います。 作品を通して 「愛は深めるもの」というメッセージを伝えたいです。 オレグさん 私は、このストーリーが好きです。なので、これを観て、皆さんも愛を感じてもらえればうれしいです。 レバネ監督 (朝早くから名古屋に来たため)もう少し睡眠が必要かもしれませんが、今日は名古屋に来れてうれしいです。次回はもっと名古屋を見てみたいです! 私たちをここに呼んでくださって、皆さんとお会いすることができて、作品を共有することができたこと、とても感謝しています。もし、この映画を気に入ってくれたのなら、友人にもぜひ共有してください。 そして、より多くの人が、“セルゲイ”の物語”を知ってくれたらうれしいです。 『Firebird(ファイアバード)』 出演 トム・プライヤー、オレグ・ザゴロドニー、ダイアナ・ポザルスカヤ 監督 ペーテル・レバネ 脚本 ペーテル・レバネ、トムプライヤー、セルゲイ・フェティソフ 原作 セルゲイ・フェティソフ 配給・宣伝 リアリーライクフィルムズ 公式サイト https://www.reallylikefilms.com/firebird © FIREBIRD PRODUCTION LIMITED MMXXI. ALL RIGHTS RESERVED. / ReallyLikeFilms 2023 ※掲載内容は2024年2月時点の情報です
絶賛公開中!映画『ある閉ざされた雪の山荘で』出演の重岡大毅さん、岡山天音さんが登壇した名古屋舞台挨拶レポート!!
2024年1月12日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中の映画『ある閉ざされた雪の山荘で』。 本作は、累計発行部数が1億部を突破した“国民的作家”の東野圭吾さんが、1992年に発表した傑作小説をもとに映画化。 発刊時からミステリーファンを唸らせ、長らく映像化は困難とされてきた架空の密室を舞台に描かれる多層トリック。 今回、豪華キャスト&スタッフが集結し、原作者の東野圭吾さん自身も「想像していなかった」映画化がついに実現されたということで、公開前から話題に! 1月15日(月)「ミッドランドスクエア シネマ」にて、映画公開記念の舞台挨拶が行われ、出演の重岡大毅さんと岡山天音さんが登壇しました。 この記事では、映画上映後に行われた舞台挨拶をレポート! 重岡さんと岡山さんの仲良しすぎる様子をお伝えします!! STORY 劇団に所属する役者7人に届いた、4日間の合宿で行われる最終オーディションへの招待状。新作舞台の主演を争う最終選考で彼らが“演じる”シナリオは、【大雪で閉ざされた山荘】という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件。出口のない密室で一人、また一人と消えていくメンバーたち。果たしてこれは、フィクションか? それとも本当の連続殺人か? 彼らを待ち受ける衝撃の結末とは―― 名古屋と言えば「〇〇〇!」 挨拶後、重岡さんの提案でくっついて舞台挨拶をすることに。 ――まず、本作の主人公・久我和幸役を演じられました重岡大毅さんから、ご挨拶をお願いします。 重岡さん 皆さんは映画を観終わったばかりということで、さっきまで作中で久我役だった重岡と申します。今日は上映後の舞台挨拶なので、全部喋られるから、いっぱい楽しいお話ができたらなと思ってます。(岡山)天音と二人、よろしくお願いします。 ――続いて、田所義雄役を演じられました、岡山天音さんお願いします。 岡山さん こんにちは。田所役を演じました岡山天音です。これだけたくさんの人に来ていただけて、本当にうれしく思っております。短い時間ですが、たくさんお話できたらなと思います。よろしくお願いします。 重岡さん せっかくやから、もうちょっと寄ろうや。 ――ぜひ、もう一歩ずつ近づいていただいて。 岡山さん (照れながらも近づく) 重岡さん 照れてるやん! 照れてる時の天音やん(笑) 岡山さん 今、高熱の時の夢ぐらい嫌だ(笑) 重岡さん 今日、天音と一緒なのが楽しみだったんです。現場でとても仲良くさせていただいたんですけど、劇中ではバチバチしているので、二人で何かをするっていうのは、今日が初めてに近いんです。朝からラジオとかいろいろ出させてもらったり、インタビューしてもらったり。楽屋でもずっと二人です。 ――エレベーターの中でもイチャイチャしてましたよね。 重岡さん (岡山さんが)ほんま寂しがり屋なので。 岡山さん (重岡さんの方が)年上なので、嫌だとか言い出せなくて。 重岡さん 嘘つけ~(笑) ――名古屋はお二人とも頻繁にいらっしゃってるんですよね。 重岡さん 僕はライブとかでよく来ますね。 岡山さん 僕はテレビ番組『アナザースカイ』の収録で、この前来ました。 ――名古屋の印象は? 岡山さん ご飯がおいしいですよね。やっぱり、僕にとって名古屋は“アナザースカイ”です。 重岡さん 僕も名古屋はゆかりの場所ですね。ライブでも来ますし、「矢場とん」のオリジナルのTシャツを持っています。今もスーツケースに入っていますよ。「味仙」も好きですね。この前は、サウナの「ウェルビー」にも行きましたよ。 ――先ほどは「コンパル」のサンドウィッチを食べていましたね。 重岡さん とってもおいしかったですね。 岡山さん (重岡さんが)サンドウィッチの具をちょっとこぼして、衣装の袖の中に入っちゃったんですよ。 重岡さん 具だくさんだからこぼしてしまったんです。袖の中から「コンパル」のサンドウィッチが出てくるかもしれない。今も、袖から良い香りがしますね。 岡山さん 今日の舞台挨拶、間宮(祥太朗)くんに来てほしかったなー(笑) 重岡さん なんでなん!? 僕は昨日も舞台挨拶があって、祥太朗と中条(あやみ)ちゃんと一緒だったけど、また違った楽しさがあるよ。もしかして天音、緊張してる? 岡山さん 緊張してきてる。このままじゃまずいぞっていう気持ちに、どんどんなってきてる。 ――岡山さんが直前になって台本を見始めたところを見て、真面目だなと思いました。 岡山さん どんどん話がズレていきそうで、枠組みだけでも先に確認しておこうと思ったんです。 重岡さん 天音がしっかりしているから、安心やね。 二人の役作りと“前髪”について 岡山さんが演じた田所の、印象的なぱっつん前髪の真意とは…。 ――お二人は、撮影中はどんな様子でしたか? 重岡さん 僕らの役は、バチバチした関係だったんですよ。天音が演じる田所は嫌なヤツだけど、憎めない。皆さん、そういうところありませんでしたか? 会場 (頷く) 重岡さん そうでしたよね。それは「全部、僕の計算」だって、インタビューで言ってましたよ。 岡山さん まあ、ぱっつん前髪にしたのはそうです。田所は、結構エグい役じゃないですか。 会場 (すごく頷く) 岡山さん 一番、みんな頷いてるな(笑)。あんまり生々しすぎてもあれなので、キャラっぽくなったらいいなと思って、ぱっつん前髪にしました。久我はどうですか? 重岡さん 前髪? 岡山さん 前髪で話を広げようとしてないよ。気になるけど。 重岡さん 俺の何が知りたい? 岡山さん やめて。なんかイケイケ彼氏みたい(笑)。久我の役作りはどうだったの? 重岡さん 久我は、山荘でのオーディションに招待された役者の中で唯一、異なる劇団から参加した“部外者”なんですよ。“部外者”って、ポジティブなワードじゃないけど、僕は意外と嫌いじゃないというか。普段、「WEST.(ウエスト)」としてグループで活動していて、いろいろなところでお仕事させてもらっている中で、こういう作品に参加させてもらう時、キャストのみんなやスタッフの皆さんに恵まれたな、本当に良かったなって思うんですよ。役者が集まる中で、一人でやっているから、楽しんで演技していましたね。 岡山さん 素敵ですね。“部外者”をネガティブに捉えていないっていうのが、面白いところだなと思いますね。 ――今作はサスペンス・エンターテインメントということで、疑いの目を向ける時の目線や目力など、こだわったところや大変だったところは? 重岡さん 僕は目の前で起きていたことを普通にやっていただけです。大変だったのは、みんなに見られている中、演技するところかな。 岡山さん じゃあ、今も大変だ。会場の皆さんに見られ続けているよ。 次のページ… 重岡さん&岡山さんの公開イチャイチャ♡ 重岡さん&岡山さんの公開イチャイチャ♡ 重岡さんが岡山さんを抱っこするという予想外の展開に、会場からはうれしい悲鳴が! 重岡さん ちょうど一年前の今ごろに、この映画の撮影をしていて、天音はそれから「WEST.」のライブとかも来てくれるんですよ。 ――岡山さん、大ファンじゃないですか。 岡山さん 大ファンです。 重岡さん 実はめっちゃうれしい。 岡山さん ライブへ行った時、関係者席にいたんですけど、ステージ上から(重岡さんが)「天音~! 天音~!!」って言うんですよ。この映画の情報が出る前だったので、「だめ~! うちらの関係バレちゃうよ」って焦りました。 重岡さん (笑) 岡山さん そうしたら、ファンのみんなが「WEST.」に向けていた双眼鏡を僕に向けてきて。あ、やばいと思いましたね。 重岡さん まだ情報が出ていない時だったか。そんなことあったんや。しかも、そんなエピソードを今日の今日まで隠してたんや。天音、笑いの怪物やん。 会場 (笑) ――仲良しですね。 重岡さん どんどん交流の輪が広がっているんですよね。俳優の仲野太賀くんとも仲良くさせていただいているんですけど、太賀くんと天音も仲良いみたいで。いろいろな作品に出て、こうやって輪が広がっていってるのが、本当に幸せですね。 ――撮影中、お二人の楽しかったエピソードは? 重岡さん 結構ありますね。 岡山さん 僕は、初対面で重岡さんに抱っこされました。成人してから初めて抱っこされた…。その時に、どんな顔でいたらいいのか難しかったです。 重岡さん もう天音が愛くるしくて。 ――重岡さん、さっきも抱っこしてましたよね。 重岡さん 久しぶりだったので、抱っこしてやろうと思って。え、みんな見たい? 会場(拍手) 岡山さん だめ、だめ。そういう感じでやってないから、仕事に影響するって!(笑) 重岡さん 焦ってる、焦ってる~! 今から抱っこしますけども、今はどんな気持ちですか? さあ、ステージの真ん中へどうぞ! 岡山さん これは“だこハラ(抱っこハラスメント)”だよ。 重岡さん なんか僕も抱っこされたくなってきた。チャンスがあれば、天音を抱っこさせてもらいます。隙があれば…!(急に岡山さんを抱っこする) 岡山さん ちょっと待って。この姿、親に見せられない。 重岡さん マスコミの皆さん、こちらです!(抱っこしたまま、しばらくステージを歩く) 岡山さん 長い、長い、長い。 重岡さん (岡山さんをおろしながら)大きくなったね。今、どういう気持ち? 岡山さん ちょっと場を繋いでおいて。喋られない。失ってはいけないものを失った気がする(笑)。これ大丈夫かな? 今日は舞台挨拶だよ(笑) 「観た分だけ、楽しさ・発見がある」作品 フォトセッション時も仲良し!な重岡さんと岡山さん ――お二人の仲の良さが十分に伝わってきたところで、最後にメッセージをお願いします。 岡山さん まさか、ここで抱っこされるとは予想もしていなかったんですけど(笑)、今日こうしてたくさんの方に楽しんでいただけたこと、本当にうれしく思います。映画の構造上、何度見ても、その回数分楽しみ方のある作品だと思うので、作品がいいなと思った方は、ぜひまた観に来ていただけたらと思います。ありがとうございます。 重岡さん 今日はありがとうございました! 一年前に撮った作品なんですけど、こうやって公開を迎えて、皆さんの思い出の中に残ったらいいなと願っております。先ほど天音くんも言ってくれましたけども、いろいろな構造やトリックがわかった上で、また観ていただけると、新しい発見があります。それで、その発見がまた新しい発見にどんどん繋がっていく、奥行きのある映画です。また観たいと思った方、ぜひ劇場まで足を運んでいただけたらなと思います。本当にありがとうございました! 会場 (拍手) 映画『ある閉ざされた雪の山荘で』は、絶賛公開中です。衝撃のラストが待ち受ける、サスペンス・エンターテインメントをぜひ劇場でご覧ください!! 『ある閉ざされた雪の山荘で』 出演重岡大毅 中条あやみ 岡山天音 西野七瀬 堀田真由 戸塚純貴 森川葵 間宮祥太朗 原作東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」(講談社文庫) 監督飯塚健 脚本加藤良太、飯塚健 音楽海田庄吾 主題歌「FICTION」(WEST.) 配給ハピネットファントム・スタジオ 公式サイトhttps://happinet-phantom.com/tozayuki/ X(旧Twitter)@tozayuki_movie Instagram@tozayuki_movie TikTok@tozayuki_movie ©2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 ©東野圭吾/講談社 ※掲載内容は2024年1月時点の情報です
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