【新感覚アート】写真や言葉では伝わりきらない“香り”の体験ができる「嗅覚のための迷路」へGO!
#アート

2019.10.19sat

【新感覚アート】写真や言葉では伝わりきらない“香り”の体験ができる「嗅覚のための迷路」へGO!

10月12日(土)〜12月8日(日)に開催されている、愛知・清須市「清須市はるひ美術館」の開館20周年記念展「嗅覚のための迷路」の内覧会に行ってきました!展示作品とともにその様子をレポートします。

今回の企画展は、どんな内容?

芸術と嗅覚の融合を試みる、嗅覚アートのリーディング・アーティストであるMaki Ueda の美術館初個展。絵画や彫刻を観るといった、みなさんが想像するような、これまでの美術館で鑑賞する芸術とは一味違い、3つの異なる嗅覚体験をする刺激的な企画展です。

嗅覚アートも様々なジャンルがありますが、「この香りは何の香り?」という展示の仕方をMaki Uedaはしていません。その理由も、日本の香りを展示する海外の個展で、みそ汁の香りを表現したとき、外国人には「地下水のドブの臭いがする」と衝撃的な意見を聞いたことがきっかけです。感じ方が人によって違うことから、香りを記号として扱い、中立な距離を保つ作品を心がけています。今回の3作品からも感じ取れます。

嗅覚アートは、行ってみないと分かりませんが、どんな作品があるのか紹介します。これを参考にして、体験しに行きましょう!

【作品①】OLFACTOSCAPE – ローズ香の分解 –

みなさんは、バラの香りが「バラ」という単一の香料ではないことを知っていますか? バラの香りを構成している成分は約400種類以上と言われ、様々な香りが混ざり合ってはじめて、私たちが嗅いでいる「バラの香り」になります。これを体験的に説明しているのが、《OLFACTOSCAPE – ローズ香の分解 -》で、「OLFACTOSCAPE」シリーズの新作になります。

筒状の空間に、主な成分である8つの香りをパーツごとに噴きつけているので、布に近づいて香りを楽しむと、香りのグラデーションを感じることができます。「これがバラの香り?」と思うほどのウッディさやスパイシーさ、中にはカメムシのような香りまで、個性豊かな8つの香りを一周して体感します。その後、真ん中に立ってみてください。8つの香りが一つになり、フローラルなバラの良い香りがします。目をつぶって、さらに嗅覚を研ぎ澄まして体験してみてください。

【作品②】嗅覚のための迷路 ver.4

一見、同じ小瓶がただぶら下がっているように見える空間ですが、テーマは「お花見」。一番綺麗に咲き誇るサクラの木の近くを場所取りしますよね。このような日本の「お花見」文化を、作者がブラジルで展示を行う際に体験的に説明した作品です。ここには3本のサクラの木があり、グリッド状に散りばめられた空間を歩き進めると、香りの強弱が次第に分かります。

3段階の濃度で、サクラの木に見立てたものは10%、その次が0.33%、0.01%と続き、数字だけ見ると簡単に見つけられそうですが、結構難しいです。みなさんは、サクラの木を3本すべて見つけることができるでしょうか? ぜひ、チャレンジしてみてください。

【作品③】嗅覚のための迷路 ver.5

作者が犬と散歩をしているとき、犬が人の足跡を辿って歩いていることから発見を得た作品で、自分の嗅覚で香りを辿り、まさに犬になりきった体験ができます。7つのカラフルなスリッパの底には、それぞれ異なる香りが付いています。一人はスリッパを履いてマットの上を歩き、もう一人がその香りを自分の鼻を使って追いかけます。目には見えない「香り」だけの情報で、ご主人様の跡を辿れるでしょうか? 必死に香りを追跡したい人は、ズボンスタイルで来ることをおすすめします。

チケットで香りを持ち帰り♪

美術館に入った瞬間から良い香りが広がりますが、実はチケットにも一工夫。香水のテスター紙のようなマットな紙質を採用し、展示で実際に嗅いだ「サクラ」か「ローズ」の香りをお土産として、持ち帰ることができます。香りを思い出すことはなかなか難しいので、記憶の再生をするきっかけになるような願いが込めれているのだとか。細部まで行き届いたデザインに感銘を受けました。

嗅覚は五感の中でも個人差があり、最初から人と異なります。自分自身が嗅いだ香りも他者と共有することで、認識ができるものです。友達や家族など、グループで来館し香りのシェアをしていってくださいね。

ガイドツアーも開催中!

担当学芸員が本展の案内をしてくれます。予約不要で、より深く作品のことを知ることができるのでおすすめです。
10月26日(土)・11月23日(土・祝)11:00〜
11月10日(日)・12月8日(日)14:00〜
<視覚障がい者向け> ※電話より事前申込必須
10月26日(土)・11月23日(土・祝)14:00〜

開館20周年の特別な展示も!

「清須市はるひ美術館」で開催した企画展のポスター、過去20年分が飾られています。デザイン性の高いポスターばかりで、見ているだけでワクワクします。この機会に、ぜひ足を運んでみてください。

開館20周年記念企画展 嗅覚のための迷路

開催日時
2019年10月12日(土)〜12月8日(日)
10:00〜19:00(最終入場は18:30)
定休日
月曜(祝日の場合は翌平日休)
場所
清須市はるひ美術館(愛知県清須市春日夢の森1)
駐車場
あり(無料)
料金(税込)
一般500円、中学生以下は無料
問い合わせ
052-401-3881
公式サイト
http://www.museum-kiyosu.jp/
LINEお友だち登録

Please Share

【新感覚アート】写真や言葉では伝わりきらない“香り”の体験ができる「嗅覚のための迷路」へGO!

WRITER

KELLY Editors

KELLY Editors

「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。

  1. トップページ
  2. EVENT
  3. アート
  4. 【新感覚アート】写真や言葉では伝わりきらない“香り”の体験ができる「嗅覚のための迷路」へGO!

KELLY’S
RECOMMEND
おすすめ記事

PICK UP! 注目の記事

SERIES 連載もの

ABOUT日刊ケリーとは

"GOOD LOCAL"な、
東海のライフスタイルマガジン。

雑誌『KELLY』がお届けする、"GOOD LOCAL LIFE(地元でのよりよい暮らし)"のためのWebマガジンです。「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。身近な巡り合いで、地元がもっと好きになるはず。