2021.7.3sat
高岡早紀さん主演の話題作、映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』インタビュー
高岡早紀さん主演の話題作、映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』インタビュー
第2回ホラーサスペンス大賞を受賞した原作『リカ』シリーズがドラマ化を経て、ついに6月18日(金)より全国ロードショー。映画版では、市原隼人さん、内田理央さん、佐々木希さんら豪華キャストも登場します。そんなサイコスリラーな映画の見どころや裏話などを、“リカ”を演じた主演の高岡早紀さんにうかがってきました。
――今回はドラマも含め、最初に台本を読んで、高岡さん自身どんな感想をもたれましたか?
高岡さん ドラマで言いますと、最初に台本をいただいて、「サイコな女性の話なんですけど」って言われて「サイコか。あんまり得意じゃないな」と思いながら読み進めていました。さらに、「雨宮リカ、28歳です。」という有名なセリフがあって、そこにたどり着いた時に、「ちょっと待てよ。このドラマは大丈夫なんだろうか…」というのが一番最初の感想ですね。長年やっていると分かってくるじゃないですか、この作品がどういう風になるかとか、自分の役がどういう風になっていくかとか。その上で、これはこの年齢で改めて何かに挑戦しなきゃいけないのかなという感覚になったので、よく考えて“やるかやらないか”決めさせていただいたっていう感じですね。
――今回演じているキャラクター「リカ」は、かなり個性的でやりがいのある役柄だったと思いますが、演じる上でのルールやポイントはありますか?
高岡さん 役について「こんな風に演じよう」と思った気持ちをブレないように演じ切るということですかね。台本をいただいた時は、どうしたらその役が脚本の中で生きてくるのかを考えます。どう台本を読むかによって、その本の作風も変わってくると思うんです。それこそ、リカは今回のメインキャラクターなので、私がどう演じるかによって、その作風って全く違うものになると思うんですね。そういう上で、自分がこういう役にしたいなというものを信じて、その気持ちをブレずに押し通す!ということですかね。
――「リカ」に対して共感できるとか、こういうところは分かるなという部分はありますか?
高岡さん “サイコ”のだいぶ手前のところですけど、一途に何かを思う気持ちやブレない気持ち、ずっとピュアな心を忘れないところは共感できますね。
――「リカ」というと花のイメージがあり、衣装や服にも花がたくさんついていましたよね。衣装の提案は、高岡さんからされたのですか?
高岡さん 衣装は、その人物を作り上げるとても需要な要素になるので、今回は撮影に入る前に、衣装を選んでくれる方を誰にしようかというところから話し合いを重ねました。その衣装もどんなものにするかみんなで話し合った中で、リカはお花をこよなく愛している人物なので、「お花が要素としていいよね」って話になったんです。そこでプロデューサーが、「全て花にしちゃおうか」と。ポイントで花柄の衣装を着るというのはよくある話だと思うんですけど、全て花柄というのはなかなかないですよね。これはリカがこうして映画化までされて、成功する大きな重要な要素の一つだと思います。
――――ドラマ『リカ~リバース~』では、リカの母親役を演じていましたが、今回の映画に繋がるものはありますか?
高岡さん 母親役をやらせていただくことによって、どう母親がリカと接して来たのか、家庭の中でリカはどのように生活してきたのかを知る、とてもいい機会になりました。リカの役は、私ではない若い女の子が演じてくださって、それを見ているのも面白かったですね。とにかくリカの母親役をやるって聞いたときには、リカを生んだ張本人なので、作品の中ってことではなく、高岡早紀としても「全てを私が責任とります」という想いにもなりました。なかなかそういう、リカもやって、リカの母親もやって、という機会はないので、女優としてすごく面白い機会を与えてくださったなと思っています。楽しかったです。
――意外性のあるアクションがありましたね。それもある意味チャレンジだったと思うのですが、エピソードがあれば教えてください。
高岡さん そうですね。今回は、映画版以前にドラマをやっていた時からなぜか走るシーンアクションっていうのが『リカ』の大きな要素となる重要なシーンになっていて、その時からもうすでに大変だったんですよね。全速力で役者を追いかける時に、走るのが不得意ってわけではないんですが、すごく得意ではないので…。あと走り方に特徴があるから、あまり速く走ってるように見えないって昔から言われてたんですね。今回も、「こう走って」とオーダーされたわけでもなく、私が色んな走り方をやった上で、みんなと相談しながら決まった形があれだったという。今回の映画のワイヤーに関しても、「アクションがあまり得意じゃないので」と言っていたんですけど、実際現場で飛ばせてもらったら、思った以上に楽しかったんですよ。すごくいい感じにタイミングが合って、お互いそんなに力を入れてないのに、「あんなところまでリカ飛んで行っちゃったね」みたいな形で飛ばせていただきました。ほんとはちょっとしかやってないんですけど、もっとやりたかったなと思うくらい楽しかったですね。
――サイコパスな役なので、怖がっている様子が見えたらダメですもんね。
高岡さん そうですね。リカは平気な顔して愛のためなら飛びもしちゃうんですからね。すごいですよね。
――サイコと乙女の出し入れがこの作品の魅力じゃないかなと思いました。
高岡さん 一歩間違えるとサイコになりえる要素って、女子も男子もみんな持ってると思うんです。理性でそこまでやるかやらないかで、サイコか乙女か、ピュアで留まるかって紙一重だと思うんですよ。もちろんこれはドラマなんですが、自分もサイコにはならないと思うけど、ここまでの気持ちは理解できるな、共感できるなっていう部分はいっぱいあると思いませんか?男子も女子も共通して、共感出来る部分があるからこそ、この映画がこうやって受け入れてもらえたのかなと思います。
――サイコスリラーな作品ですが、現場での雰囲気と共演者の方の印象やエピソードなどを聞かせてください。
高岡さん 最初にこのドラマ入る時、サイコスリラーみたいな作品は現場も暗い雰囲気なのかなと思ってたんです。でもそんなこともなく、作品は作品なので、作る私たちはいわゆる和気あいあいと、「みんなで楽しく面白い作品を作ろう」という雰囲気でした。私の現場なので、常に笑い声は絶えないですよ、ご想像くださいっていう感じです(笑)
共演者の方達も、最初に「雨宮リカ28歳です」のセリフを撮るシーンを楽しみにしていました。そんなシーン見たことも聞いたこともないから、私がどんな感じで言うのか、スタッフも共演者も私自身も楽しみで。その日もすごく楽しくそのシーンに臨んでいて、私がセリフを言った時にも、みんな想像通りの微妙な…(笑)顔を合わせていいのか目を合わせていいのか分からないけど面白かったのを、スタッフも共演者もみんな覚えていると思います。
そんな感じで「チッ」って言われる人は、どんな気持ちなのかを考えてました。面白いセリフがいっぱいありますけど、それを言う方も言われる方もみんな楽しみにしていたという、そういう面白い現場です。楽しみにできるセリフを待つことってなかなかないですけど、楽しみにすることがいっぱいあって、充実した楽しい現場でした。
――東海テレビからスタートしたドラマですが、ファンの方も映画になったらどんな感じになっているか気になっている人もいると思います。演者から見てここが見どころ、パワーアップしているよというところを教えてください。
高岡さん 今回映画の話が決まったときに、プロデューサーと、「映画化する以上は、ドラマよりパワーアップさせたい」と話していました。映画ですので、テレビよりもさらにエンターテインメントの作品として面白いものを作りたいということで、「飛ぶ」というアイデアをいただいたのですが、最初は腑に落ちない部分もたくさんありました。走っちゃってる以上、「もっと違う部分で作りこんでいたんです」とは言えない部分もありますけど、走るのはまだ人力ですから。でも、エンターテインメントって考えたら、より多くの人たちに楽しんでもらわないといけないんですよね。そういう意味で、サイコスリラーだけで押していくと怖いじゃないですか。私も怖いだけの作品っていうのは得意じゃないので…。笑える要素があったり、エンターテインメントとしてすごく面白い作品になっているのは間違いないと思います。リカの悲哀がちゃんとストーリーの中に埋め込まれているので、だからこそ「ちょっと笑えるサイコスリラー」ってことは、声を大にして言えるかなと思います。
STORY
映画『リカ~自称28歳の純愛モンスター~』
6月18日(金)より109シネマズ名古屋他で絶賛公開中!
監督 / 松木創
原作 / 五十嵐貴久
主題歌 / 『99』FAKY
挿入歌 / 『人形の家』Lil’ Fang(from FAKY)
出演 / 高岡早紀、市原隼人、内田理央、佐々木希、マギー、尾美としのり 他
公式サイト / http://www.rika-28.com/