SCANDALが新アルバム『MIRROR』をリリース!HARUNAさん(Vo&Gt)、MAMIさん(Gt&Vo)にインタビュー
#インタビュー

2022.1.26wed

SCANDALが新アルバム『MIRROR』をリリース!HARUNAさん(Vo&Gt)、MAMIさん(Gt&Vo)にインタビュー

昨年、結成15周年を迎えた、日本を代表するガールズバンド・SCANDAL(スキャンダル)が、2022年1月26日(水)に通算10枚目となる新アルバム『MIRROR』をリリース!

2021年にリリースしたシングル曲「eternal」「アイボリー」「one more time」を含む、計10曲が収録されています。

今回、愛知県出身メンバーのHARUNAさん(Vo&Gt)、MAMIさん(Gt&Vo)に、アルバムについてたっぷりとインタビューさせていただきました!

SCANDAL(スキャンダル)

プロフィール
2006年大阪・京橋で結成。2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞受賞。近年ではSCANDALの影響で楽器を始める女子も増え、10代女子を中心に絶大な人気を誇っている。2019年プライベートレーベル“her”を始動、名実ともに日本を代表するガールズバンド。

――結成15周年おめでとうございます!15年目を迎えられたということで、今の心境はいかがですか?

HARUNAさん この長い間、4人で一緒にやって来られたのはすごいなあと感じています。結成した当時は10代で、30代の自分たちのことは全く想像できなかったんですけど、大人になってもガールズバンドを続けられていることを誇りに思っています。メンバーは、家族のような存在ですね。

MAMIさん 思い返せば、本当にいろんなことをやってきて、15年もよくやってきたなって。人生の半分くらいバンドをやっているので、「バンドをやってなかったら何してますか?」って聞かれても思い浮かばないぐらい、SCANDALに捧げた15年でした。すごく貴重な経験をさせてもらって、転生しても味わえない人生だろうな、続けてこられて良かったなって思います。

――SCANDAL結成日の8月21日には、15周年記念のワンマンライブもありましたね。

HARUNAさん 自分たちにとって大阪城ホールは、すごく大切な場所なので、まずはそこでライブができて、お客さんと一緒に過ごせたっていうのが、一番のお祝いだったなあと思います。こういった状況なのもあって、みんなで集まってご飯とかはできなかったんですけど、ライブがとっても良い夜だったので、もうそれだけで充分でしたね

MAMIさん コロナ禍になるまで、今まで当たり前に8月21日はみんなで集まって、13年間ずっと何かしらやってました。コロナ禍になってから結成日を迎えるのは2回目だったんですけど、ものすごく久しぶりに感じましたね。去年は配信ライブだったので、大阪城ホールっていう広い会場で有観客ライブをやらせてもらえて、すごく感動しました。1年で状況もちょっとずつ良くなって、「大阪城ホールで絶対にライブをやる!」っていうのを決めていたので、無事に実現できて良かったです。


――1月26日発売の新アルバム『MIRROR』は、どういったコンセプトで制作されたんでしょうか。

HARUNAさん コロナ禍になってから、制作面で立ち止まってしまったり、つまずいてしまうこともあって、シングルの「eternal」を何とかリリースできたところから始まりました。そこから「アイボリー」「one more time」とシングルをリリースしてきましたが、そのちょっと立ち止まってしまったところから、心境の変化も感じられるかなと思っていて。この一年半の中で自分たちも、もがいたり苦しんだりしながら、でもその間に有観客ライブができたりして、「もう一回、ちゃんと音楽で楽しむっていうことをみんなで感じたい」っていう前向きな気持ちになれたこともあったので、そういう気持ちの流れを綴ってこられたアルバムに仕上がったなと思います。

MAMIさん コロナ禍の影響もあったし、ライブがあまりできなかったというのもあって、楽曲制作の方向をどこに向けていいのかわからなくて、個人的にはすごく苦労しました。完成した時も、もちろん達成感があって、完成してよかったなっていう気持ちもありつつ、この状況が続くなら、もっともがいて苦しんで作っていかなきゃいけないなと、また一つ気合を入れて、「気を引き締めていかなきゃ」って感情になりました。でもそのおかげで、自分たちの寿命を延ばすことができたというか。ライブとか誰かに向けてとかを考えずに、自分が本当に作りたいものって何なんだろうって向き合ってできた曲たちでもあるので、改めて新しい可能性を感じていて。それはそれで良かったなって、ポジティブな気持ちになれました。

――今回のアルバムは、温かさや前向きな気持ちになる歌詞が多く感じました。コロナ禍など環境の変化が大きいと思いますが、どんな思いで制作されたんでしょうか?

HARUNAさん 制作期間は、バンドや自分自身に向き合う時間が多かったですね。改めて、自分たちがどういう経緯で結成したバンドなのかとか、どういう強みがあるのかを考えたりして。15年走ってきて、ちょっと忘れかけていたことを思い出して、ちゃんと自分たちで向き合って肯定できたような気がします。

MAMIさん そう、なんか「肯定」っていう言葉がすごくぴったりだなと思います。できることがたくさんあることにも気付けましたね。バンドだから、何々しちゃいけないとか。SCANDALは、そういった固定概念にとらわれないことを大事にしているバンドで、そこに気付けたから作れた曲がアルバムに入っています。大きな愛を感じる曲がたくさんできたなぁと思います。

――主にMAMIさんとRINAさんが作詞作曲をされていますが、今回のアルバムで思い入れのある曲はありますか?

MAMIさん 二人で作った曲だと、「one more time」はめちゃくちゃ楽しく制作できました。最近、K-POPにハマっていて、メンタル的にも音楽的にも、コロナ禍のおうち時間で影響を受けたジャンルで、「K-POPをバンドでやったらどうなるんだろう?」ってアイデアから生まれた楽曲です。楽器も歌も自分たちでディレクションしながら、本当にやりたいように制作しました。元々、ダンス&ボーカルスクールで踊っていた人間でもあるので、今一度、その時の気持ちをって訳じゃないですけど(笑)、「なんか踊れる曲やりたいよね」っていうのがまずあって。ものすごく自然体で、ルーツの楽曲をもう一回やるみたいな感覚で、楽しく新鮮にできました。



――「one more time」はMVがすごく可愛くて、頻繁に見て元気をもらっています!ちなみにK-POPはどのグループが好きですか?

MAMIさん 最初はBTSから入りました。存在は知っていても、名前も顔も曲も知らなかったんですけど、「Dynamite」が爆発的にヒットして、ミュージシャンとして見逃せない存在になっていたので、音楽をやる人間として聴いてみようというところからですね。音楽はもちろん、動画を観たり、SNSをチェックしていくうちに、人としてもすごいなって思うようになりました。スタッフも事務所も彼ら自身も、お互いがメンタルケアをして、辛い状況でも弱音を吐かずに、自分たちのためでもあり、人のためでもあるような生活を送っていることにもすごく感動して。これを自分たちができたら最高だよなって。すごくBTSが好きになって、そこから今はいろんなK-POPを聴いてます。いろんなチームがいろんなジャンルのK-POPを打ち出していて、それを聴くのがすごく楽しいですね。

――HARUNAさんの歌声はすごく力強いんですけど、透き通っていて綺麗なのが魅力だと思っているんですが、今回は歌い方がいつもと違って、キュートな印象を受ける曲もありました。

HARUNAさん これまでのアルバムだと、一曲一曲に寄り添って、ガラッと違う歌い方にしてみようとか、主人公ごとに違う声色を出したいな、みたいなことを考えながら歌っていたんです。今回は、アルバムを通してちゃんと一人の人間でいようということを心掛けていましたね。しゃべっている話し声みたいな、心の声を歌でも表現できればいいなって。


――シングル曲の「アイボリー」は、MAMIさんがメインボーカルですが、シングル曲でメインボーカルを務めるのは初めてですか?

MAMIさん 初めてですね。もちろん楽曲自体は、HARUNAが歌うことを前提に作っているんですけど、“曲の良さが伝わる声”を基準にボーカルを決めていったのもあって。「アイボリー」は、私がデモで歌っている時点でみんなが「MAMIちゃんがいいんじゃない?」「この曲の良さが一番伝わる声だね」って推薦してもらった楽曲です。

――SCANDALの皆さんは、メンバー全員、作詞作曲ができるというのがとても強みだと思うのですが、楽曲はどのように出来上がるんでしょうか?

MAMIさん 私は、結構メロディは何でも浮かぶんですけど、歌詞を考えるのが苦手なので、RINAちゃんにばっかり頼ってます(笑)。だから「アイボリー」とか、アルバムの中に入っている「愛にならなかったのさ」とか、僕がどっちも書いている曲は、歌詞がパッて思い浮かんだものですね。

――「愛にならなかったのさ」は、サビの最後の「その恋はもう終わったのさ/愛にならなかったのさ」がすごい考えさせられる歌詞ですよね。

MAMIさん でも、メンズは共感しがたいみたいで。ちょっと傷つくみたい。一緒に作ってくれた、アレンジャーの宗本康兵さんは、その歌詞に対して怒ってました。「なんでなの!?なんでこんなこと思うの?」って。歌詞の感情の時点で、女性ってもう絶対にその男性には戻らないじゃないですか。そういうところが、メンズを傷つけてるっていう。

HARUNAさん 宗本さんは、「好きなんだったら一緒にいればいいじゃん」って。違う、そういうことじゃないの!みたいなやりとりもありましたね(笑)。


――HARUNAさんはどうですか?メロディが先か、歌詞が先か。

HARUNAさん 曲にもよるんですけど、今回の「夕暮れ、溶ける」っていう曲に関しては、タイトルが先に思い浮かんで、その言葉が頭に浮かんだところから始まって、短いサビだけを最初に作って、そこから広げていきました。SCANDALの曲って、歌詞を読んで理解できるものが多いと思うんですけど、抽象的な言葉をあえて使っているのは、自分自身が言葉にできない感覚みたいなものを信じるタイプで、大事な局面でそういう直感を信じてきたなって思うので、そういうのもわりと大事なんじゃないかなぁと。今の時代、「風の時代」みたいなことを言われている時代だからこそ、こういう抽象的な言葉で、それぞれの感覚を信じてもらえたら、なんていう思いで書きました。

――「her」を立ち上げる前と今で、意識が変わったことはありますか?

HARUNAさん メンバー全員30代に突入したというのが、結構大きなことだと思っていて、すごく気持ちが楽です。「her」を立ち上げる前は、同じレーベルに10年いたんですけど。10代から20代を駆け抜けてきたので、一生懸命、目の前の出来事に向き合っていたな、走ってきたなぁって感じがするんですけど、「her」を立ち上げてからは、30代になってちゃんと大人の女性としてバンドに向き合えているなぁと思うので、この先、自分たちがまたどんな風に大人として変化していくのか楽しみにしながらバンドをしています。

MAMIさん 本当に自由にやらせてもらってるので、めちゃくちゃありがたいのと、すごい迷惑かけてるんだろうなぁと(笑)。10年一緒にやってきた前のレコード会社は、私たちと同じ気持ちで同じように成長して、年をとっているような感覚でした。ただ、一緒に作ってきたっていう感覚もありつつ、私たちはもう大人になっているんだけど、関係はその当時のままというか。一緒に年をとっているはずなのに、抜けきらない感覚みたいなものがあって。それも新しい環境に行ってみたいなと思ったきっかけの一つでもあったので、今のSCANDALの等身大でちゃんとバンドを扱ってくれているのも、うれしいなぁと思います。

――15年経って、ファン層の変化についてはどんな風に感じていますか?

HARUNAさん 一緒にみんな大人になっているなーっていう感じはしていて。「結婚、出産を経て、子どもが大きくなって落ち着いてきたから、また曲を聴き始めました」とか「ライブに来られるようになりました」みたいな同世代の子たちもいるので、一緒にそうやって変化していってるんだなぁって。

――今回、久しぶりの海外ツアーですが、意気込みを教えてください。

MAMIさん やっと海外に行けるんだなって。2020年に予定していたツアーがダメになってしまった時に、「絶対また来られるようになる。信じて待ってるから」って、海外のファンのみなさんのエールをいっぱいもらって。その時のチケットをずっと持っていてくれている人たちがいるので、2年越しに「必ず行く!」っていう気持ちでいますけど、ちょっとどうなるかわからないのが本音です。海外のファンのみなさんにも支えられているバンドだと思うので、成功させたいなっていう気持ちが今一番大きいですね。

――最後に、愛知県出身のお二人ですが、好きな地元のグルメを教えてください。

HARUNAさん 地元の名物で、「大口屋」の餡麩三喜羅っていう麩饅頭です。小さい頃からよく食べているお菓子で、今でも大好きすぎて愛知に戻ってきたら絶対に買って帰るし、親にも持ってきてもらったりするくらい大好きなんですけど、愛知県民でも知らない人が結構いるんじゃないかなと思って。名駅の新幹線乗り場の近くでも買えるので、すごいおいしいから食べてみてほしい。あと私、ラーメンが好きなんですけど、「スガキヤ」が食べ物の中で一番好きかもしれない。味が好きなんですよ。ソウルフードなんで、一番落ち着きますね。東京でも食べたいんだけどなくて。帰ってきたら、絶対スーパーのスガキヤに行きます。

MAMIさん 「コンパル」が好きですね。エビフライサンド一択だと思ってたんですけど、玉子サンドとかもめちゃくちゃおいしくて。最近は、他のサンドイッチにも浮気してます(笑)。あとは「李さんの唐揚げ」がめっちゃ好き。大須に行くと、唐揚げ食べて、タピオカ飲んで、昔ながらの揚げパン買って、牛乳にミルメーク入れて飲んだりしてました。あと「赤から」。お母さんが赤からのお鍋の出汁を送ってきてくれたりして、たまに家でもやります。店舗はあるんですけど、東京では売ってないんですよね。でもコメダもそうで、「東京のは名古屋と違う!」って思うんですよね。名古屋人の意地で、フィルターかかってるかもしれない(笑)。

――最後に、ファンの皆様へメッセージをお願いします!

MAMIさん まだ15年前の制服のSCANDALをイメージされている方って結構いて。今回のアルバムは、その時を動かせるようなアルバムになっていると思うので、「あ、まだやってたんだ」とか「もう制服じゃないんだ」とか、何でもいいので、SCANDALのことをちょっとでも思い出してもらえたら、ぜひ聴いてほしいアルバムだなぁと思うので、楽しみにしていて欲しいです!

HARUNAさん 去年からツアーがまたできるようになってきて、改めて「ライブって最高だな」って。やっぱりステージに立ってる自分が好きだなって思ったし、バンドってめちゃくちゃ楽しいなぁって思っている日々ですね。今年もツアーを周って、ワクワクする日々がまたやってくると思うとすごくうれしくて、できるだけたくさんの人とそれを共有したいなぁという思いでいます。初めてライブにくる人たちも全然ウェルカムです。ホールライブなので、ゆったりした空間で楽しめると思いますし、『MIRROR』からSCANDALを知った人たちにも、ぜひ足を運んでほしいですね。

10th Album『MIRROR』
通常盤(CD)3300円
初回限定盤A(CD+DVD)4400円
初回限定盤B(CD+雑誌)4400円
完全生産限定盤(CD+DVD+GOODS)1万1000円

1月26日(水)より各ストリーミングサービス、ダウンロードサービスにて配信スタート

<収録曲>※全形態CD共通
1. MIRROR
2. eternal
3. 愛にならなかったのさ
4. 彼女はWave
5. 愛の正体
6. アイボリー
7. 夕暮れ、溶ける
8. 蒼の鳴る夜の隙間で
9. プリズム
10. one more time
bonus track
1. Living in the city
2. SPICE

予約特設サイト
https://www.her-label.com/MIRROR/

SCANDAL WORLD TOUR 2022 “MIRROR”
国内公演
2022年3月12日(土)神奈川・厚木市文化会館・大ホール
2022年3月21日(月・祝)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
2022年3月26日(土)宮城・仙台市民ホール
2022年4月09日(土)福岡・福岡市民会館
2022年4月10日(日)広島・上野学園ホール
2022年4月17日(日)北海道・カナモトホール
2022年4月29日(金・祝)石川・金沢市文化ホール・大ホール
2022年4月30日(土)愛知・愛知芸術劇場
2022年6月07日(火)大阪・フェスティバルホール
2022年6月10日(金)東京・中野サンプラザ
2022年6月11日(土)東京・中野サンプラザ
North America
2022.07.09 SAT. Queen Elizabeth Hall(Toronto)
2022.07.11 MON. Sony Hall(New York City)
2022.07.13 WED. Big Night Live(Boston)
2022.07.15 FRI. The Masquerade(Atlanta)
2022.07.16 SAT. House of Blues(Chicago)
2022.07.18 MON. The Imperial(Vancouver)
2022.07.20 WED. The Neptune(Seattle)
2022.07.22 FRI. House of Blues(Anaheim)
2022.07.26 TUE. Legacy Hall (Dallas)
Europe
2022.09.22 BERLIN ‒ LIDO
2022.09.24 LONDON ‒ 02 Academy Islington
2022.09.27 PARIS ‒ Yoyo


※掲載内容は2022年1月時点の情報です
※価格は税込み表記です

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WRITER

Kanon Imai

Kanon Imai

座右の銘は「百聞は一見に如かず」。気になったら、まずは体験する派な編集部員。趣味は読書とジョギングで、猫は目に入れても痛くないほど好き。

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