2019.4.27sat
伏見ミリオン座グランドオープン記念!おすぎさん&戸田奈津子さんが登場
映画館「伏見ミリオン座」が移転し、グランドオープンとなった4月19日(金)、式典と記念トークショーが開催されました。イベントには、おすぎさんと戸田奈津子さんが出席し、俳優さんのプライベートな話も織り交ぜながら、平成の映画史を振り返りました。
グランドオープンの式典では、経営会社の大石社長がご挨拶
まず、スターキャット・ケーブルネットワークの大石社長がご挨拶。「初代、二代目が昭和、平成と各時代の名画を届けてきた。新館も令和のミリオン座として、多くの皆さんに愛され続ける映画館となりたい」と話されました。
おすぎさんと戸田奈津子さんも新館「伏見ミリオン座」のオープンに駆けつけ、テープカットでお祝いしてくださいました。
おすぎさんと戸田奈津子さんが語る映画の世界
式典後に開催されたのは、映画ファンにはたまらないイベント! タレントなど多岐にわたり活躍されている映画評論家のおすぎさんと、必ず誰しもが一度は見たことのある映画翻訳家の戸田奈津子さんのトークイベント。
平成の映画史やスターについて語る
おすぎさん 平成が終わるじゃないですか、平成で好きだった映画は何?
戸田さん 昭和と平成の区切りがわかんないですよ。
おすぎさん 『ターミネーター2』あたり、1991年。
戸田さん それ字幕翻訳やったわ。ターミネーター系はね。
おすぎさん 『フォレスト・ガンプ』は?いい映画よね。
戸田さん それやりました。いい映画でした。
おすぎさん トム・ハンクスはどう?
戸田さん 最初コメディアンだったから、ジョークもすごくて、いつも私のことを“お母さん”って言うから、それほど歳じゃないって話したり(笑)でも、とても頭も良くて、悪口言う人がいないって言われるくらいいい人なのよ。
字幕翻訳家の仕事の流れは?
おすぎさん 字幕は映画会社から来るの?一時期、翻訳するのが戸田さんだけの時がありましたよね。
戸田さん 作品は、こちらから選べないのよ。映画が重なるともう大変ですよ。映画によってもセリフの量が違うのだけれど、なんでも1本1週間でお願いされるの。一人で年間50本やったわ。たくさんの作品を翻訳していたものだから、助手がいると思われていたけれど、この仕事は分業できないから、一言一句全部自分でやったわ。“I”とか“俺”と訳すか“僕”とするのか人によって違うじゃない。キャラクターがごちゃごちゃにならにように一人でやるの。
おすぎさん 『ミッション:インポッシブル』もやったの?
戸田さん 全部やっていますよ。トムはいま『トップガン2』です。いま作っているのよ。最初は30年前で、やっぱり続編をやってほしいという声が多かったみたい。来年の夏に公開です。いま55歳ですが、最初の『トップガン』の時は坊やね(笑)
おすぎさん トムは、ファンに対する対応がすごいわよね。嫌がらないで全部に対応しているもんね。
戸田さん 嫌な顔見たことない。最後の一人まで対応しているから。スターだから、汗をかかないように、イベント時は水も飲まずにコントロールしているのよ。本当にすごいでしょ。
おすぎさん 変な言い方だけど、付き合いたくはないわね(笑)
戸田さん あんまりいい人だから付き合っちゃいますよ。スタントもすごくて、“全部顔を出して、トムだってわかるようにするのがファンへ対する礼儀だと思っている”って言ってました。
おすぎさん なっちゃんが言うくらいだから、すごいわね。『グッド・ウィル・ハンティング』もいい映画だったわね。
戸田さん 私も大好き。ロビンとすごく仲良くて、本当にいい人。天才だった。知らない人が3人以上集まると、楽しませようとサービスするの。臨機応変になんでも言うのよ。日本の人には日本のお坊さんのネタをやったりね。本当に優しかった。
おすぎさん 少し話しただけでどんな人かわかるの?
戸田さん スターに会うときは、先入観を持たずに会うようにしているけど、デニーロは気難しそうとみんなが言うから、怖いなと思っていたけど、すごく穏やかで優しい人だったの。役を演じるのはすごいけど、しゃべるのは下手よ(笑)
おすぎさん 一番親しい人は誰なの?
戸田さん 家に行ったり、泊めてもらったりするのはリチャード・ギアかな。二枚目に思われているけど、面白い人よ。
おすぎさん 私も何人かお会いしたけど、一番良かったもん。気さくな人で。なっちゃんの最初の通訳の仕事はいつ?
戸田さん 活字だけでやってきて、留学したことなかったから、最初はしゃべれなかったわよ。30歳まで外国の人と話したことなかったんだから。でも映画が大好きだったから、映画の知識が助けてくれたの。通訳は映画のことも知らないとだめなのよ。
おすぎさん なっちゃんは、とことん映画のことも知っているから、すごいのよ。
戸田さん 映画の知識でいろんな方に会うことができているのかな。『グリーンマイル』や『チャーリーとチョコレート工場』もやったわよ。
共演することの多い、おすぎさんから見た戸田さんの印象
おすぎさん 戸田さんと講演することが多いけど、同じ話をすることがないのがすごい。いつも驚くわ。
戸田さん 今日は俳優さんの話が多かったけど、監督のほうがもっと奇人変人が多いわよ。
おすぎさん 一番変わっている人は?
戸田さん デヴィッド・リンチも変わっていたかな。あの人の映画を観ると、尋常じゃないでしょ。でも、素敵な紳士ですよ。目のつけ所が違って、前に東京の街を移動しているときに、日本の電線を見ていて、電線の構図がすごいって言っていて、私なんか電線なんか目に入らなわよ(笑)
おすぎさん 人間って面白いね!私はぼーっと生きてきたような。
戸田さん そんなことないわよ。
おすぎさん 今日も面白かったですね。私は戸田さんをしゃべらせるために来ていますから。本日もありがとうございました。戸田奈津子さんでした。
最後はおすぎさんのコメントで締めくくりました。
50分ほどの時間があっという間に感じるほど楽しく、まだまだ続きが聞きたいぐらい。個人的に好きなロビンの話にもグッときて、話を聞いているだけで、また映画が観たくなるイベントでした。これからも新作の映画がどんどん公開するので、楽しみですね。
新館「伏見ミリオン座」ってどう変わったの?
新館ではスクリーンが1つ増えて、全部で4スクリーンに!また、チケットも先売りシステムと座席指定制を導入し、事前にwebでも購入可能になりました。
「カフェミリオン」もリニューアルし、有機栽培の豆を使用した自慢のコーヒーをカフェ利用時は、マグカップで提供。ホットスナックには「グルマン ヴィタル」のパンが新登場しました。
ミリオン1には、重低音システムを取り入れて、作品に合わせて迫力や臨場感のある音響が楽しめます。
これからも目が離せない、「伏見ミリオン座」!
オープニングイヤーの今年は、今後もイベントが開催され、まだまだ楽しい時間が続きます。4月30日(火)には「ミリオン改元オールナイト」、GWには今年アカデミー賞3部門を獲得した映画『ROMA ローマ』の公開も決定!イベント盛りだくさんの「伏見ミリオン座」で、楽しいひとときを過ごしてください。