2023.3.31fri
岐阜県初導入!イオンシネマ各務原にIMAX®シアターが5月1日(月)オープン!
全国に94劇場ある「イオンシネマ」。今年の夏までにオープン予定のIMAX®シアター7劇場のうち、「イオンシネマ各務原」の他、「イオンシネマ シアタス調布」「イオンシネマ福岡」の3劇場で2023年5月1日(月)に「IMAX®レーザー」が導入されます。革新的な4Kレーザー投影システムにより、鮮やかで明るく、コントラストが深い超高解像度の映像をIMAX®ならではの大スクリーンで体験できる「IMAX®レーザー」。さらに、最新の12chサウンドシステムで、これまでの水準を超えるダイナミックレンジと精密度を実現。臨場感あふれるサウンドでシアター全体を満たし、圧倒的な没入感を体験しながら、映画の世界へと連れて行ってくれます。
IMAX上映作品として『名探偵コナン 黒鉄の魚影』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』を上映予定。映画ファンからも高く評価されている「IMAX®シアター」で新しい映画体験をぜひお楽しみください!
イオンシネマ各務原
- 場所
- 岐阜県各務原市那加萱場町3-8 イオンモール各務原3F
- 導入日
- 2023年5月1日(月)
日本福祉大学×映画『ロストケア』公開特別授業に松山ケンイチさん、長澤まさみさん、鈴鹿央士さん、前田哲監督、原作者・葉真中顕さんが登壇!
3月24日(金)より絶賛公開中の映画『ロストケア』。第16 回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した葉真中顕さんの『ロスト・ケア』を原作にした介護がテーマの社会派エンターテインメントです。監督は、映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、『そして、バトンは渡された』を手がけた前田哲監督。松山ケンイチさんと長澤まさみさんが初共演した、二人の魂がぶつかり合う対峙するシーンにも圧巻です! 介護士でありながら、42人を殺めた殺人犯・斯波宗典に松山ケンイチさん。彼を裁こうとする検事・大友秀美に長澤まさみさん。大友と共に斯波を追う検察事務官の椎名幸太を鈴鹿央士さんが演じ、現代社会の家族のあり方と人の尊厳の意味を問いかける本作。 今回、日本福祉大学の美浜キャンパスにて、映画『ロストケア』を題材に介護について学ぶ公開特別授業を実施。授業には、松山ケンイチさん、長澤まさみさん、鈴鹿央士さん、前田哲監督、原作者・葉真中顕さんが登壇し、20年以上にわたって介護殺人の研究に取り組んできた社会福祉学部の湯原悦子教授と学生さんと共に学びました。 介護問題をリアルに映し出す本作は、フィクションでありながらフィクションで終わらせてはいけない 本作を観た湯原教授のゼミ学生からは、「介護殺人の映画ということで、私自身が13歳から17歳の約4年間在宅介護をしておりまして、映画内での親子の言い争うシーンなど、私の家庭でもわりと日常的にあったので、介護者も被介護者も過剰な演出ではなくて、リアルな家庭の問題を映し出しているなと感じました。介護を経験された方は共感でき、そうでない方も外から見えない家庭の問題を知ってもらうきっかけとなる映画だったと思います」と感想を語りました。 別のゼミ学生からは「この映画はフィクションで終わらせてはいけないと強く感じました。映画の始めにある刑務所の話も実際にあり、映画の中での認知症の問題や、介護の限界は、日本で現実に起こっています。映画で“見えるものと見えないもの”じゃなくて“見たいものと見たくないものがある”とういうセリフが印象的でした。“見たくないもの”こそ、大事なものであって、社会福祉学生としてそういったところに目を向けて、どのような解決方法があるのか、介護されている側もそうですし、介護者が幸せに暮らせるためにどうしたらいいのだろうと、考えていかなければならないと強く感じました」とコメントしました。 介護者の背中を押したり、介護について考えるきっかけに 湯原教授 学生と同年代の鈴鹿さん、コメントを受けていかがでしょうか? 鈴鹿さん 僕よりしっかりと感想を述べていらっしゃるので、しっかりと観ていただいて本当にうれしい気持ちとありがたいなという思いがあります。映画だからフィクションだけど、フィクションでとどめてはいけないと、問題提起にしっかりなっていて、そこまで届いていたんだなと思いました。僕の地元ではまだ実際に介護をしたことがない人が多い世代ですが、介護されたことのある方の背中を押し、介護に触れたことのない人も映画で介護について考えるきっかけになってほしいなと思っていましたので、全て言ってくれました。 湯原教授 若い方々にとっては、高齢者介護の話は聞いていたけれども、自分はそこまで経験ないなって人も多いかなと思います。本学の場合は学生さんの中に介護経験があって、その思いを元に福祉を学びたいと思われた方や、実際にそうなられる方がご兄弟にいて、ご兄弟も介護が必要など、ヤングケアラーとして過ごされてきたという方もいらっしゃいます。鈴鹿さんが今お話ししてくださったように、若い人にこちらの映画を届けることができて、実はあまり知られていない若いケアラーの人たちに対しても非常に世の中の気付きが広まるという点で、すごく意味のあることなんだなと思っております。 湯原教授 特に印象に残ったシーンも教えてください。 鈴鹿さん 綾戸智恵さんが演じられていたように、刑務所に入れてほしい高齢者の方も実際にいるというのを聞いて、あのシーンは撮っていて不思議な感じでした。監督はどうでしたでしょうか? 前田監督 実際にそういう方もいらっしゃるので、あのシーンから本作を始めたいと思っていましたし、そういう方がいらっしゃるということも知っているようで知らない方もいらっしゃいますので、そのように感じてもらえて良かったと思います。 湯原教授 あのシーンは、私もとても印象に残っているシーンで、今作は介護をテーマにした映画ではありますけれども、高齢者問題はそれだけではないです。犯罪をする方も犯罪をしないと生きていけない、そういう何か理由があるのかなと思いを馳せていただけるといいかなと思っております。問題提起ありがとうございます。 次のページ 葉真中先生自身が当事者となり、介護と向き合った経験から生まれたもの 葉真中先生自身が当事者となり、介護と向き合った経験から生まれたもの 湯原教授 葉真中先生の『ロスト・ケア』を原作にした映画ですが、本作を書かれた年代は、高齢者問題として介護保険が導入された後に本当に様々な混乱が起きました。一番大きな介護事業者が突然なくなる事態もあり、とても動いていた時代でした。こちらの作品が生み出される背景に葉真中先生の経験など、どのような思いがあったのか、お聞かせください。 葉真中先生 『ロスト・ケア』がデビュー作となりまして、出版されたのが10年前、執筆していたのは15年ほど前になります。介護問題にものすごく混乱があった時期で、その時に私も家族の介護をする当事者になりました。まだ30代でしたが、何も準備もしていないのに突然やってきました。当事者になってわかったのは、介護と言ってもいろんなレイヤーがあって、しかも当時は日本社会で格差と言われるようになった時代で、そういう格差ってこういうところにくるんだと本当に現場でたくさんの人の事例を見る中で思いました。お金だったり、家族間の密度だったり、ちょっとしたことで同じような状況なのに人と人との間にものすごく格差が開いていて、同じ世代で生まれて、同じくらいの親を持って、同じような病気になったのにAさんとBさんとで天国と地獄みたいになってしまう。そこに業界の混乱が重なって、これはすごいことになっているなと肌で実感しました。当時、これを小説にしようと思って書き始めました。 湯原教授 ありがとうございます。葉真中先生自身が当事者として、この時代に介護に向き合われたということですね。本当に原作の中でも介護の状況がリアルに描かれていて、映画の中でも斯波の介護を通じて胸を痛めたり、いろんなことを考えたりされていたのではないかと思います。 世の中の様々な問題に対して、まずは興味を持ってもらうことが社会を動かす原動力になると信じている 湯原教授 本作を映画化するにあたり、介護以外に高齢者の犯罪の問題もありましたし、大友の父の孤立死という大きな問題提起もありました。 前田哲監督 2013年に原作と出合って、憤りのようなすごく熱い思いを感じ、映画化しなければいけないなと思い、松山さんとやりましょうと話を進めていきました。今でこそ“ヤングケアラー”という言葉も言語化されてきましたけれども、それまでは、知らない間にそういう状況に陥っている人もいたと思います。少しでも社会が良くなるように、誰しもが幸せに暮らしていけるように、映画の力は未知数ですが、映画を観た人が映画を観たことを話題にすることが、一つのきっかけになる。ニュースでも見出しだけで素通りしていた人が内容を読んでみるなど、興味を持ってもらうことがやっぱり社会を動かす原動力になるのではないかと、僕は常に思っています。そのために映画というエンターテインメントの入口が少しでも役に立てるのではないかなと思って、作っています。 湯原教授 世の中のいろんなところで実はいろんな問題があって、苦しんでいる人がいるというところで、私たちはかなり無自覚なのかもしれません。無自覚でも生きてはいけるのだけれども、本当にそれでいいのかなと、それを投げかけるのは私たちのような研究者の役割の一つでもありますが、なかなか人々に届かないところもあります。私も研究テーマについてお話をさせていただいておりますが、やはり来ていただく方はある程度関心がある人になってしまいます。それだけでは社会は変わらない。この映画で素晴らしい演技をされるみなさまが出てくださったことで、今まで介護問題に対して目を向けてこなかった人にも注目していただけるきっかけになったと思います。この問題に対して、私宛の問い合わせも多くなり、それも一つ社会の動きとして大きく、影響力を感じでおります。 湯原教授 さらに介護殺人について掘り下げていきたいと思います。ゲストのみなさまもよろしいでしょうか? 松山さん 大丈夫です! 湯原教授 松山さん、ご協力ありがとうございます。もし私のゼミでしたら、ゼミ長に指名したいです(笑) 次のページ 介護の限界を迎えた斯波に対して司法は何ができるのか、とても難しい問題 介護の限界を迎えた斯波に対して司法は何ができるのか、とても難しい問題 湯原教授 長澤さんは、検事の大友役を通じてこの問題をどう考えればいいのか?映画の主題歌にもなっている“そうであろう”という意味の「さもありなん」という言葉もありますが、本当にそうでいいのか?検事の貫く正義を問いかけてくださっていました。斯波に対して、どのような刑罰が必要かと考えられますか? 長澤さん とっても難しい質問ですが、斯波がした行為というのは、やはり許されるものではないと思いますし、厳しい刑罰を受けるということは必要なのかなと思います。だけど、斯波自身が自分の犯したことに対して、これは“救い”だと、彼の正義を元に語っていて、法的な刑罰を与えても、斯波にとって罰として捉えられるのが難しそうに思います。斯波自身も父親を憎んでいたわけではなくて、すごく大切にしていた存在であったからこそという、彼の正義があるという部分もまた難しくて、斯波と同じような事件が年々増えているようなことを聞くと、やはり解決するにはとても難しい問題だなと思います。 そういったところも踏まえて、悪いことをしたから罰を与えるだけではない考えを、今後考えていかなくてはいけないのかなと思いました。一言でこうしたほうがいいというようなはっきりとした答えは言えないですが、そういったこともまた変わっていくのかなと思いますので、都度考えていかなくはいけないなと思いました。 湯原教授 ありがとうございます。本当にすごく難しいことを聞いてしまったなと思いますが、斯波は“救い”だと語っていて、自分のしたことに対して、罪悪感を表に出していません。原作でも繰り返し問われている部分になっていて、斯波がこのままかなり重い刑でずっと刑務所にいるようなことがあった場合に、斯波はこの時間をどう過ごすのか、どういうふうに居続けるのかとも思います。司法が斯波に対して、何ができるのか、本当に長澤さんがおっしゃったように難しい問題で、個別に考えていかなければならない問題だと思います。 みなさんは映画を観たので、斯波の背景を知り、考えを知り、その中で考えているかと思います。でも先ほど新聞の話もありましたが、新聞ではやったことや内容があり、それに対してこういうことになったという情報だけなので、その背景にも目を向けてほしいと思います。 介護の課題をたくさんの人と共有していくことで、救われる命が増える可能性がある 湯原教授 松山さんは、プロセスをたどりながら、愛する父親に対して犯行を行い、“救い”という考え方で犯行を重ねていく役でした。介護者が直面する困難が様々な角度から描かれていて、特にここが大事だとか、みなさんにぜひ知ってもらいたいとシーンを教えてください。 松山さん 異常者ではないというのを大事に、斯波はみなさんと何も変わらない、僕とも変わらないということをすごく意識しました。柄本明さんが演じるお父さんと斯波は、母親や親族もいない親子で孤立化しやすい状況ではあったのですが、小さい頃から男手一つで育ててきてもらったのだから、今度は自分が返す番だと一生懸命介護をしていく。その中で限界がきてしまって、選択肢の一つでもあった生活保護を申請しに行くが断られてしまう。そこで残った選択肢というのが、柄本さんが伝えていた「自分を殺してくれ」という言葉だった。 外側から見ていると、法律やルール、社会の常識でしか物事が見づらいので、事件ということだけを見て、何でこんなことになったんだろう、誰か助けてあげれば良かったじゃない、助けを求めれば良かったじゃないと、思ってしまうと思いますが、そうではない状況が内側にあります。立場によって見ている景色が全く違うんですよね。それを防ぐために斯波ができたことは、誰かとこの話を共有する、介護をしていることを共有することだったり、どういったセーフティーネットがあるのか調べることだったりと、選択肢を持っといてほしかったなと僕は思いますね。 ただ、それも結局余裕のある人ができて、余裕がなければそれすらもできない、本当に今目の前にあるお父さんの介護で精一杯になってしまう。ある意味子育ても一緒だったりすると思います。周りの人たちが孤立化させないというのもまた一つ大切になってくる。 みなさんも介護の経験をされたりとか、これから介護の仕事に関わってくることになるかもしれませんが、こういう素晴らしい大学で学んでいらっしゃるみなさんですから、知識を持って目の前にある介護の課題をたくさんの人と共有していくことで、介護する側も介護される側も救われる命が増える可能性があります。学んだ人だけが見えている問題ではなくて、たくさんの人が見ていかなくていけない課題で、そういうところが大事だと思いました。 湯原教授 ありがとうございます。本当に異常さがないというところは大事なことで、私も何人もの介護殺人の加害者の方に出会ってきましたが、みんな一生懸命に介護しようと思っていて、普通の生活をしていたけど、こうなってしまったという人でした。私もこの斯波が誰かと共有できる人がいたら良かったなと観ていてつくづく思いました。最後にスライドでまとめたいと思います。 一人でも多くの人がこの社会問題に関心を持ち、個として考えること ――斯波の第一の事件を防ぐとしたら、どんなことで防ぐことができたのか。 湯原教授 まず、斯波の第一の事件を防ぐとしたら、どんなことで防ぐことができたのか。介護殺人の中でも防げる事件と防げない事件があると思っています。今回のこの事件は非常に難しいです。なぜかと言うと、斯波はできる限りの努力をし尽くしていた。介護殺人の法廷でも「自分は精一杯できることをやったので、一体何を反省したらいいのかわからない」と述べる被告がかなりいます。父親が息子へ殺してくれと頼んでいる。介護当事者の努力による状況打開は見込めない、父親がいくら努力しようともこの状況が良くなったかと問われると非常に難しいと思います。 かなり貧困な状況でしたので、介護サービスを使うことに関してもサービスの利用料が払えない状況で、使用できなかったのではないかと。高齢者への虐待防止法、障害者への虐待防止法などもあり、もし斯波が虐待していて通報されていたら、外部の支援が入りました。でも今作では、そういうことはしていないため、孤立していったのだと思います。唯一斯波が助けを求めたのは、生活保護の申請へ行った時、この時に斯波は助けを求めていました。でも、あなたは働けるでしょと言われてしまった。生活保護の行政からしたらしょうがなかったと言われるかもしれませんが、ここでみなさんにぜひお願いしたい。支援者としてこういった方をサポートする時は、目の前にいる人の背景にぜひ思いを馳せてください。なぜ働ける人はここにいるのかなど。介護者が力尽きないようにする、私は支援者として行った斯波のケアはとても素晴らしいと思いました。自分がやってもらえなかったことをやっている。葬儀での介護者への言葉がけもよく頑張られました。これは介護者としてかけてもらいたい言葉だなと思います。 そして、要介護者のみならず、介護者への支援が必要だということをぜひわかっていただきたいと思います。介護者自身の健康は大丈夫か。きっと斯波もこの介護が始まる前は東京で働いていた普通の若者だったんでしょう。介護者が大切にしたい自分の時間や大切な人と過ごす時間のためにも、良くなってほしいなと思います。介護者自身の人生、例えば、あのままお父さんを看取ったとしても斯波は仕事をしていないし、お金も持っていません。これからどうやって生活していくのか、とても辛い状況であります。それもぜひ気にかけるということが必要です。 介護者を支援するための法律は、全国的なものは今はまだないのですが、条例が立ち上がっています。何よりも大切なのは、このような高齢者の調査、介護者支援が充実する法的なものもさるものながら、一人でも多くの人がこの社会問題に関心を持ち、個として考えることです。今回の『ロストケア』でメッセージを伝えることができ、本当に期待しています。みなさま、ありがとうございました。 映画『ロストケア』を通して、高齢者問題や介護殺人など、どう向き合っていくべきなのかと公開特別授業で呼びかけました。校内には、大きなパネルも設置され、公開特別授業後には多くの人が撮影する場面も。今後の課題として、介護問題について深く考えることのできる授業となりました。決して他人事はない、今考えるべき社会問題に向き合った衝撃の感動作。柄本明さんが演じる父と、斯波の迫真に迫る親子の葛藤するシーンにも注目です。目を背けず、社会問題としっかり向き合う本作をぜひ劇場でご覧ください。 STORY 早朝の民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。捜査線上に浮かんだのは、介護家族に慕われる献身的な介護士・斯波(松山)だった。検事の大友(長澤)は、斯波が勤める訪問介護センターで老人の死亡率が異常に高く、彼が働き始めてからの死者が40人を超えることを突き止める。真実を明らかにするため、斯波と対峙する大友。斯波は自分のしたことは「殺人」ではなく「救い」だと主張する。彼が多くの老人を殺めた理由や、彼が言う「救い」の真意とは何なのか?そして彼女は、法の正義のもと斯波の信念と向き合っていく―。 ロストケア ミッドランドスクエア シネマ他で絶賛公開中! 監督 / 前田哲 原作 / 葉真中顕「ロスト・ケア」(光文社文庫刊) 主題歌 / 森山直太朗「さもありなん」(ユニバーサル ミュージック) 出演 / 松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、峯村リエ、加藤菜津、やす(ずん)、岩谷健司、井上肇、綾戸智恵、梶原善、藤田弓子、柄本 明 他 公式サイト / https://lost-care.com/ ©2023「ロストケア」製作委員会 ※掲載内容は2023年3月時点の情報です
【絶賛公開中!】映画『すずめの戸締まり』名古屋での舞台挨拶に岩戸鈴芽役・原菜乃華さんと新海誠監督が登壇!
11月21日(月)、ミッドランドスクエア シネマで開催された新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』の“「行ってきます日本」全国舞台挨拶”に岩戸鈴芽役の原菜乃華さんと新海誠監督が登壇しました。動員460万人・興行収入62億円を突破した大ヒット上映中の本作。制作の裏話や名古屋について語っていただきましたので、その様子をレポートします! STORY 九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという―。不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。 名古屋めしがおいしくて、羨ましい ――はじめに会場の皆様にご挨拶をお願い致します。 新海監督 皆さんこんばんは、初めまして。映画『すずめの戸締まり』の監督をいたしました、新海誠です。2時間の長い映画を観てくださり、本当にどうもありがとうございます。お疲れだと思いますが、30分程お時間いただいておりますので、楽しいお話ができればと思います。ぜひ、一緒に楽しみましょう。どうぞよろしくお願い致します。 原さん 岩戸鈴芽役を演じさせていただきました、原菜乃華です。本日はお越しいただき、本当にありがとうございます。こんなにもたくさんの方に観ていただくことができて、すごくうれしいです。短い時間ですが、本日は宜しくお願い致します。 ――どうもありがとうございます。日本全国舞台挨拶ということで、本日は名古屋にお越しいただきました。新海さんは、名古屋はお久しぶりですよね。 新海監督 名古屋には、3年前に『天気の子』という映画を作って、6年前に『君の名は。』でお邪魔いたしましたので、3年ごとに来ているという感じです。この3年間、新型コロナウイルスだとかすごく大変なことがあったと思うんですけれども、今日、また皆さんの顔を見られたことがとても幸せです。皆さん、お元気でしたか。 会場 (拍手) 新海監督 元気そうですね。菜乃華さんは名古屋には? 原さん 名古屋は6、7年ぶりに来ました。子供の頃に来た時以来です。昨日は、新海さんと一緒に名古屋めしの名古屋コーチン、今日のお昼には味噌煮込みうどんを食べさせていただいて、最高においしかったです。 新海監督 やっぱり、名古屋は食べ物がおいしいですね。名古屋の皆さんが羨ましいです。 ――名古屋を堪能してくださって、ありがとうございます。さて、先程、上映後には大きな拍手をいただいておりました。今日初めて観たという方もいらっしゃると思います。 原さん 今日初めて観たよっていう方、手を挙げていただいてもよろしいですか? 新海監督 ありがとうございます。4割ぐらいの方が手を挙げていますね。今日初めてご覧いただいた方には、たくさんの色んな味をギュッと詰め込んだ映画ですので、何を感じればいいんだろうともしかしたら整理できないまま、映画を観ていた方もいらっしゃるかと思います。今日、質疑応答や一緒にお話をしながら、映画が好きだったかそうじゃなかったか(笑)感想を定めていっていただければうれしいです。 最初の直感で、鈴芽の声は菜乃華さんじゃないかなって思いました ――原さんは本当に鈴芽ちゃんがスクリーンからでてきたかのように、ぴったりでした。ぜひ、オーディション時のお話を聞かせてください。 新海監督 ご存知かと思いますが、原さんは1700人の中から選ばせていただきました。宗像草太役の松村北斗くんに関してもそうなんですが、しっかりオーディションを行わせていただいて。中でも、鈴芽役はオーディションの人数が多かったんです。アニメーションですので、声優さん、女優さん、アーティストさんやアイドルの方も含めて、鈴芽の年代に近い方々から広く募って、候補をいただきました。自分の脚本は、自分の子どものようなものなので、1700人いたとしても一目で見つけられるんです。1700人の中で候補を出して、一人ひとり丁寧に、お芝居を聞かせていただくんですが、やっぱり最初に感じた「鈴芽の声は菜乃華さんじゃないかな」という直感を確認していく作業を進めていきました。 僕にとって一番怖いのは、もしオーディションに彼女がいなかったら…1700人の中からいくら探しても見つからなかったら途方に暮れていたと思います。今回、幸いなことに菜乃華さん、そして北斗くんがいましたので、そこから始動したレコーディングについては何の不安もなく、この2人に託せば大丈夫かなと思っておりました。 最初のアフレコでは、北斗さんが叫んでいた!? 原さん やっぱり、最初はうれしさよりも不安や心配の方が大きくて。その度に、監督は「僕たちは何も心配していません」とはっきり言ってくださって、安心しながらレコーディングすることができました。 新海監督 不安そうにしていたのは菜乃華さんも北斗くんもなんですが、特に北斗くんはアフレコを初めて行った時になんか叫んでいましたよね(笑) 原さん 「できないー!!」って叫んでらっしゃいましたね(笑)でも、松村さんもこんなに緊張されているんだったら、私なんかが緊張するのは当たり前のことなんだと思えたので、きっと松村さんなりの優しさだったんじゃないかなと思います。すごくありがたくて、隣で一緒に戦ってくれているような感覚がありました。 新海監督 僕は大丈夫かなと思いましたけども(笑)でも同時に、2人が不安そうに取り組んでくれているのが、うれしいなと思いました。その不安も含めて映画にもらえると思いましたし、映画ってなんでもそうですけど、物語がスタートした時点では、主人公というのは何らかの欠落や不安、不全感というのを抱えていて、それがこうエンディングを迎えたときには一歩背筋が伸びるような状態で「行ってきます」と言えるようになるのが映画だったりしますので、同じ工程を役者たちが2カ月かけて辿ってくれて、鈴芽の成長とシンクロするような芝居をお2人にはいただけたと思います。 舞台挨拶で生アフレコを披露! 新海監督 せっかくの機会なので、ここでアフレコをしてもらおうと思います!よろしいでしょうか? 会場 (拍手) 新海監督 急遽、新幹線の中で台本を書いてきたので、やりましょう! 原さん 実際のアフレコの時の定位置でよろしいでしょうか?目の前に画面があって、ガラスを一枚隔てた向こう側に監督がいらっしゃって、ここからは声は聞こえないのですが、マイクで演出をくださいました。 新海監督 僕たちは役者の横顔や台本を見ながら、声だけ聞いているんですけど、今日はみなさんが芝居をする役者の顔を正面から見られるので羨ましいなと思います。 原さん ガラスの向こうで監督がマイクを通さずに何か喋っている時は、聞こえなくて、すごくけちょんけちょんにされているのではと思っていました(笑) 新海監督 そういうことはないです。僕1人で決めるわけでなく、音響監督をはじめ、皆さんに「今、3回目やってもらって1つ目がいいと思うけど・・・」と、意見を聞いたりとか、このテイクだったら次の声はどんなトーンがいいかなだったりとか、そういう指示出しも含めて相談しているんです。 新海監督 今日は草太役がおりませんので、すずめに祝詞を唱えてもらいましょう。扉を押しながらなので、力を込めて言ってみましょう。 原さん わかりました! 新海監督 そして、北斗くんが今日いませんので、本人もとても悔しがっていましたがお仕事がどうしてもあって、みなさんによろしくお伝えくださいと結構頻繁にラインをくださいますので、だったら来てほしいなと思いながらも(笑)僭越ながら、僕が草太役をやらせていただきます。 会場 (拍手) 原さん よーいスタート! 生アフレコを終えて、会場一同拍手 ――体が震えますね!ありがとうございました。 新海監督 今のようにやりながら、北斗くんに今のはもっと泣きそうに情けない感じで言ってみてとか、菜乃華さんには、声は裏返ってもいいから本当に泣き出しそうな感じで言ってみましょうかとか、何度も何度もやりとりしましたね。時には、10回、20回、30回と2カ月かけてやっていました。 ――監督、役がお上手ですよね。 原さん 本当にお上手で、最初に鈴芽役も草太役も監督の声を入れたビデオコンテみたいなのをいただくんですけど、監督がお上手なのでこれを超えなくていけないとハードルがとても高くて、鈴芽役でも違和感ないんじゃないかなと思うくらいです。 新海監督 そんなわけないです(笑)ちょっと声のトーンを上げて喋るんですけど、ビデオコンテのラフに声と仮でアイフォンで録音した効果音を入れて2時間のコンテを作るんですけど、それを声は役者たち、画はアニメーターたち、背景は美術・CG人たちで 1コマ1コマ、1枚1枚、1言1言を上書きしていくんですよね。1年8カ月くらい続けて完成するんですけど、僕にとってはビデオコンテが全部完成カットになって、全部役者さんの声になった時は、本当に空気が入れ替わったような、色が入れ替わったような、新しい作品になったような感動があって、それが楽しみでやっているようなところもあります。今日は聞いていただけてうれしかったです。 新海監督・原さん ありがとうございました。 遊び心ある演出も見どころ ――本作は冒険物語でしたが、どうやって場所を決めたのでしょうか?(会場のお客さん) 新海監督 場所を選んだのはいくつか理由がございまして、映画の尺の中で描き切れる、展開的に観客を飽きさせないルートを最優先に決めさせていただきました。それまでには、神話をモチーフにしている部分もあるので、ヤマトタケルノミコトの東征のルートだったり、「戸」という文字のつく地名を辿っていくだとか、色んな案がありました。 ――私は今回で映画を3回観させていただいているんですが、何度観ても楽しめる注目ポイントを教えてください。(会場のお客さん) 新海監督 僕はいっぱいあるんですけど…最後の鈴芽と草太のシーン。僕としてはすごくいいなと思っていて、鈴芽をより好きになれました。 原さん 私もあのシーンすごく好きです! 『すずめの戸締まり』は、これ以上ないと思う映画 ――薄っぺらい質問になってしまうかもしれないんですが、次の作品は作り始めていたりするんですか?(会場のお客さん) 新海監督 薄っぺらくないですよ、重い質問でいらっしゃいます(笑) 会場 (笑) 新海監督 僕としてはこの前出来上がった作品という感じで、終わったと思ったら休む間もなく色んなところに行っていて(笑)次作はまだ白紙なんです。公開してから「怖くて怖くて仕方ない」と泣き言を菜乃華さんにも言っちゃっているんですけど。怖い理由はいくつかあって、この映画を皆さんにどのように受け止めていただけるんだろうっていう怖さ。8年ぐらいずっと考えてきたもので、最高のスタッフを集結させて、これ以上ないという映画を出したつもりなので、これで無理だったら次どうしたらいいか分からないなっていうくらいなんです。僕はこの先の人生でもう少し映画を作り続けられると思うんですが、『すずめの戸締まり』より良いと思える作品を作れるかどうかの自信が全くないんですね。どうしたらいいですかね?(笑) 会場(笑) 新海監督 ただ、菜乃華さんたちと色んな場所を回りながら、皆さんの顔を見て、もしかしたら何か出てくるんじゃないかなと思っています。次回作を作れと言われた気がしますので(笑)背中を押されたつもりで頑張りたいと思います。 観客の皆さんと一緒に作ったような濃い作品 ――最後に一言お願いします! 新海監督 長い時間、お付き合いいただきありがとうございました。『すずめの戸締まり』は僕1人の力では出来なかった作品なんですね。エンディングの曲である、RADWIMPSの「カナタハルカ」のなかに「僕にはない 僕にはないものでできてる 君がこの僕を形作ってる」という歌詞がありますが、そういう映画を作ったようなつもりでおります。素晴らしいキャスト、スタッフの力もそうなんですが、観客の皆さんと一緒に作ったような気持ちがどこか濃い作品なんです。皆さんの声がずっと聞こえてきているような気がして、この映画に導かれたと思っておりますので、少しでもこの映画を気に入っていただけましたら「私もこの映画に参加した」というくらいに寄り添っていただけるとうれしいです。『すずめの戸締まり』という映画は、これから日本全国、世界に旅立っていく映画となります。それでは、すずめさん! 原さん 行ってきます! 新海監督・原さん 本日は本当にありがとうございました。 何度も観ても楽しめる、約8年温め続けてきた新海監督のこれ以上ない最高傑作『すずめの戸締まり』。まだまだ大ヒット上映中なのでぜひ、劇場ですずめと一緒に旅へ出かけてみてください! すずめの戸締まり ミッドランドスクエア シネマ他で公開中! 原作・脚本・監督新海誠 声の出演原菜乃華、松村北斗 他 音楽RADWIMPS×陣内一真 公式サイトhttps://suzume-tojimari-movie.jp/ ©2022「すずめの戸締まり」製作委員会 ※掲載内容は2022年11月時点の情報です
新春舞台にファン大興奮!主人公リムル役声優・岡咲美保さんとアニメ「転スラ」プロデューサー・杉本紳朗さんが名古屋に登場!
大人気異世界ファンタジー「転生したらスライムだった件」(通称「転スラ」)初の劇場版作品、『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』が2022年11月25日(金)より絶賛公開中!2023年もまだまだ「転スラ」を盛り上げるべく、1月2日(月・祝)にミッドランドスクエア シネマにて新春舞台挨拶が開催されました。 今回のイベントでは、名古屋では初めての舞台挨拶となる本作の主人公リムル役の岡咲美保さんと、“杉P”でお馴染みの、アニメ「転スラ」の杉本紳朗プロデューサーが登壇。岡咲さんは「テレビアニメから映像はもちろん、ストーリーも進化しているので、クライマックスまで気を抜かず活躍を追いかけてほしい」とコメント。杉本プロデューサーは「テレビ版とは違う、劇場版ならではの画面構成や絵作りに注目してほしい」と語りました。 本作は、原作の伏瀬さんが自ら原案を担当する完全オリジナルストーリー。人間からスライムに転生した主人公・リムルたちが、仲間のために陰謀に立ち向かう劇場版では、壮大な世界観や大迫力の戦闘シーンなどがスケールアップ!「転スラ」ならではの個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるユーモア溢れるやりとりも健在です。 公開から1カ月以上経ち、すでに動員数95万人、興行収入12億円を超える大ヒット映画。大迫力の戦闘と感動のラストを体感しにぜひ劇場へ! STORY 魔国連邦(テンペスト)の西側に位置するラージャ小亜国は危機的な状況にあった。鉱山毒から民を守るため、女王の「トワ」が王家に伝わる魔力を使い毒を取り除き続けてきたが、その代償として彼女の命が蝕まれていた。そんな中、テンペストに大鬼族(オーガ)の生き残りである「ヒイロ」が、命の恩人であるトワとラージャ小亜国を守ろうと、主人公・リムルに助けを求めに現れる。ラージャの危機を救うためにリムルたちはラージャに向かうが……。そこには驚くべき陰謀が待ち受けていた! 映画『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』 2022年11月25日(金)よりミッドランドスクエア シネマ他で絶賛公開中! 監督 / 菊地康仁 脚本 / 筆安一幸 出演 / リムル:岡咲美保、ヒイロ:内田雄馬、トワ:福本莉子、ベニマル:古川慎、智慧之王:豊口めぐみ 他 公式サイト / https://movie.ten-sura.com/ ©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会 配給:バンダイナムコフィルムワークス ※掲載内容は2023年1月時点の情報です