2023.6.15thu
【二宮和也と波瑠が初共演】ビートたけしの原作小説を映像化!『アナログ』特報映像
集英社文庫より出版された、ビートたけしさんによる原作小説をもとに描く、映画『アナログ』が2023年10月6日(金)より全国の映画館や東宝系映画館にて公開されます。
主演には、日本を代表する実力派俳優の二宮和也さんと、話題作に多数出演をしている波瑠さんをヒロインとして抜擢。主人公である悟(二宮)と、携帯を持たない謎めいた女性みゆき(波瑠)が交わしたたった一つの大切な約束を軸に、2人の関係性を描く、懐かしくて新しいラブストーリーです。
誰もが携帯電話を所持していて、いつでもどこでも連絡ができる時代。そんな時代だからこそ忘れがちな、好きな人に会えたときの愛おしさと、会えないときの悲しさが改めて実感できる作品です。ぜひ劇場で愛おしくも切ない2人のラブストーリーを見届けてください。
STORY
映画『アナログ』
- 公開日
- 2023年10月6日(金)
- 監督
- タカハタ秀太
- 脚本
- 港岳彦
- 原作
- ビートたけし『アナログ』(集英社文庫)
- 出演
- 二宮和也、波瑠
- 公式サイト
- https://analog-movie.com/analog-movie.com
©︎2023「アナログ」製作委員会
©︎T.N GON Co., Ltd.
【インタビュー】ココリコ・遠藤章造さん、初のエッセイ本『吾輩はアホである』が発売中!
お笑い芸人・ココリコの遠藤章造さん初となるエッセイ本『吾輩はアホである』が、2023年4月24日(月)に発売しました。 この本は、自他ともに「アホ」と認める遠藤さんの「アホ力」を存分に生かして、ここまで生き延びてきた過程を赤裸々に綴っています。 野球漬けだった少年時代、社会人を経てお笑い芸人を目指した経緯、相方の田中直樹さんの存在、そうそうたる芸能人の先輩・後輩との交流で学んだことなど。 遠藤さんの人生を振り返りながら、「アホって最高!」と元気をもらえる一冊です。 今回は、初のエッセイ本の出版を記念して、遠藤さんにインタビューしました! 人生の節目で「感謝を伝える」エッセイ本を出版 ――本日は名古屋プロモーションということで、名古屋の思い出はありますか? 今から25年くらい前に、「CBCラジオ」さんでのお仕事がありました。ちょこちょこと仕事で名古屋に来ていますが、ここ最近で言うと久しぶりかもしれないですね。大体、1年に1~2回くらいのペースですね。 ――名古屋へ来るたびに楽しみにしていることはありますか? 「山本屋」の味噌煮込みうどんですかね。今日も行けたらいいなと思っています。名古屋グルメで言うと、ひつまぶしも好きですね。 ――ぜひ食べて帰ってください! 改めて、ご出版おめでとうございます!! ご出版後、周りの方の反応はいかがでしょうか。 「読みやすかった」と言われることが多いですね。活字離れと言われている20代の人も「さらっと読めました」と言ってくれました。 本の中では、僕の口調っぽく展開しているので、その点からも読みやすさに繋がったのかと思いますね。 ――本を出したいという思いは、前からあったのでしょうか。 全然なかったです。本を出すタイミングが、僕が50歳、芸能界に入って30周年なんですよ。娘はちょうど20歳で、長男が7歳で、次男が5歳で。人生を振り返ることはあまりないんですけど、自分が50歳になって、何か残したいなという気持ちはあって。「パパはこんな人だったな」と子どもたちが思えるものがあったらいいなと思ってて、それが本だったっていう感じですね。 YouTube上で話して残すとか、時代的には他の方法もあるんですけど、やっぱり僕の世代って、“モノ”として残るものがいいと思って、本になりました。 ――20歳の娘さんはすでに本を読まれましたか? どうかな。今度会うんで、その時に本を持って行こうと思っています。「見ておいて」っていう感じで渡すと思いますね。子どもたちに本を渡せるというのは、こういう仕事している冥利に尽きますね。 ――素敵ですね。どれくらいの期間をかけて書籍ができたんですか? 半年はかかってますね。吉本興業の事務所で、「今日は小学生から中学生のころまでを振り返ってみよう」と僕が話をして、そこから出版社の担当者が話をピックアップして、ライターさんが原稿を書いて、それを僕が確認するっていう感じでした。 ――過去を振り返る作業にあたっては、アルバムや日記などを見て思い出すという感じだったのでしょうか。 すべて僕の頭の中にある記憶でした。自分の中で印象的な出来事がメインですね。元々、思い出とか出来事は覚えているタイプなんです。 ただ、人の顔と名前は全く覚えられません(笑)。ゴルフしている時のキャディーさんの名前は、一日一緒にいても覚えていないんですよ(笑) ――書籍制作期間には、何かルーティーン化していたことはありますか? 打ち合わせの時に思い付いたことを話していたので、特にルーティーン化するようなことはありませんでした。 でも、「あのことについても書いておけば良かったな」と思うことはありますね。 ――もしかしたら第二弾もありますか?! ないです(笑) 次のページ… 遠藤さんにとって初のエッセイ本 相方・田中さんのリアクションは?! “親友”から“相方”になった田中さんとの関係性 ――ココリコさんのYouTubeチャンネルで、相方・田中直樹さん扮する「山際さん」が、遠藤さんにインタビューされていたのを拝見しました。お二人のやり取りがとても面白かったです! 田中さんからは本について、どんな感想がありましたか? 特になかったですね(笑)。マネージャー経由で、僕が本を出すことは知っていたかと思いますが、そのインタビュー動画も、本が出版するにあたって、本を絡めたネタを作った感じです。 ▼自伝を発表したココリコ遠藤に山際がインタビュー! ――普段から個人のお仕事について、お互い話をしたりすることはあまりないのでしょうか。 そうですね。小学生のころから一緒ですし、コンビを組んでもう31年になるので、あんまり各々の活動については話さない感じですね。 ――書籍の中でも、田中さんとの出会いについて書かれていましたね。いわゆる“親友”の田中さんと、“コンビ”になったんですね。 他の芸人さんは、「NSC(吉本総合芸能学院)」でコンビ組むことが多いんですけど、僕たちは小さいころから一緒で、そのままコンビになりました。なので、他のコンビとはちょっと空気感が違うのかもしれないです。 ――親友の存在である田中さんが相方で良かった、と思うことについて教えてください。 とにかく助かっています。僕が芸能の世界にいきたいと思っていて、でも一人ではいく勇気はなくて。そこで、田中さんを誘ったら、付いてきてくれたんです。田中さんがいなかったら、この世界で活動できていないです。感謝、感謝ですね。 ――制作を通して、新たに気づいた自分の一面はありますか? 自分の一面ではないでんすけど、“改めて気づいた”ことはあります。それは「周りの人への感謝」です。 こうやってインタビューを受けていることはスタッフのおかげですし、ダウンタウンさんのおかげで、日本のどこに行っても「遠藤くん」と声をかけていただいていると思います。 今回の書籍のテーマは「縁とタイミングと感謝」なので、それは強く感じましたね。 ――エッセイは著者に寄りがちになると思うんですけど、この本は、遠藤さん以外の人の描写が非常に多いなと思いました。 そうですね。僕のフィルターを通した、ダウンタウンさん、木梨憲武さん、明石家さんまさん、タモリさんという感じで、楽しんでもらえたらと思います。 ――改めて、「あのエピソード面白かったな」と思うものは? いっぱいあります! 特に、僕のお父さんの教育ですかね。お父さんが「阪神タイガース」の熱狂的なファンなんですよ。芸能界に入るまで、いわゆる巨人軍の「江川・原・徳光は悪い人間」とずっと洗脳されていて(笑)。その洗脳が解けていない状態で東京に出てきたんです。 それで、徳光さんと初めて会った時に睨んでいた自分が本当に恐ろしいです(笑)。今では徳光さんとも仲良く、徳光さんの息子さんとも仲良くさせてもらっていますけど、そういうこともありましたね。 あとは、タモリさんにかわいがってもらってて、「合コン行くか?」と誘われて行ってみたら、タモリさんの同級生のクラス会で、「あ、そういうことか…」と(笑) ――そうだったんですね(笑)。特にお気に入りの章は、何章ですか? 第4章の「スターから学んだこと」ですね。自分のフィルターを通して、いろんなスターの人の話を書いているので、ぜひ読んでほしいです。 あと、第2章の「野球に打ち込んだ青春時代」です。平成・令和を生きている若い子たちにとっては、「この時代、何ですか?」と思われそうな昭和のバリバリの野球部の話なので、そのギャップとかは楽しめると思いますね。 ――お父さんの「阪神タイガース」教育もありますが、野球は遠藤さんの人生において大半を占めているんですね。 小学校2年生の時に野球チームに入って、礼儀とか人間形成、チームワークはもちろんですけど、理不尽とかもいろんなものを学びましたね。 ――そこまで野球に打ち込めた理由は? それは、両親に喜んでもらいたい気持ちですね。今は、自分の子どもの長男が「パパって、僕がプロ野球選手になったら泣く?」って聞いてくるんですよ。「野球選手になっただけじゃ泣かないな。活躍してくれたら泣くよ」って言ったら、「大谷(翔平)選手みたいになったら泣く?」って聞いてきたんで、「そりゃ泣くよ」と言いましたね。 長男は特にそういうのを感じていて、僕もそれに近いのがあって、「いつかお父さん、お母さんを喜ばせて泣かせてやろう」っていう思いが常にあったんですよね。その延長線上で、野球を続けて、甲子園に行って、プロは厳しかったんですけど、多少の理不尽があったとしても、野球に打ち込めましたね。 今思えば、そうやって自分のコミュニティの中で「この人のためにやろう」と思っていたことが、結果的には「いろんな人に支えてもらっていたな」というのはあります。これは、どの職業でも、どの年代でもあると思いますけど。 次のページ… 「実は〇〇だったんです」 盛りだくさんの制作秘話 奇跡的な縁とタイミングでできた制作秘話 ――ご両親の話が出ましたが、本の帯には「遠藤家 父・母 大絶賛!!」とありますね! これは、両親に許可もらっていないんですよ(笑)。“帯問題”もありまして、「ダウンタウンさんにお願いしてみようか。いや、さんまさん? タモリさんかな? 憲武さんか?」とかいろいろ考えたんですけど、全員にお願いしていたら本が帯だらけになるってなって(笑)。 もういっそのこと、『吾輩はアホである』っていうタイトルでもあるんで、「うちの両親も大絶賛しています、みたいな感じにしておく?」ってなりました。こいつアホやな、っていう帯ですね(笑) ――温かい帯ですね! タイトルもとても印象的です。 タイトルもいろいろ候補があったんですよ。『吾輩はアホである』は、吉本興業のスタッフさんがアイデアを出してくれました。これくらいのノリが良くない?ってなって、決めました。 ――表紙の写真もタイトルにぴったりで良いですね! これは、タイトルが決まる前に撮影へ行ったんですよ。書籍制作の取り掛かりが表紙撮影からでした。 撮影場所は、千葉県にある「東京ドイツ村」なんです。前に僕が家族で行った写真を見て、「きれいな写真だな。ここ良いな」と思って。撮影当日はすごい良い天気で、最高でしたね。 ――タイトルが決まる前に撮影されていたとはびっくりです! 衣装もタイトルにぴったりでしたね。 そうなんです! これも“タイミング”ですね。 ――すごいです! 今回の書籍や過去のインタビューを拝見して、給与明細が25円だった時の明細を持っている、というエピソードがとても印象的でした。他に、ずっと大切にしているモノはありますか? 高校野球をしていた時に、もう亡くなったおじいちゃんとおばあちゃんが、自分のためにグローブをプレゼントしてくれたんです。当時、メーカーで自分の手形を使ったグローブを作るなんてすごい贅沢なんですけど、それが欲しいなと思って、両親にお願いしたんですよ。でも、やっぱり無理で。それをおじいちゃんとおばあちゃんが、「息子が頑張ってんねんから作ったれや」と言ってくれて、お金をくれて、グローブを作りに行きました。 そのグローブは未だに家で大切に保管しています。もう35年くらい前のものですね。きれいな状態を保っていて、いつか自分の息子が野球を始める時に渡したいと思っています。 ――素敵ですね! 今は“モノ”のお話でしたが、気持ちの面で大切にしていることは何ですか? やっぱり「周りの皆さんへの感謝」ですね。僕は突き抜けた才能とかなくて、ココリコというコンビも、「突破していく!」みたいな性格の二人でもないので。 お笑いを始める時が20歳だったんですけど、テレビに出るような人たちはアクの強い人たちばっかりだったんです。これは無理だと思って、アテもなく東京に出たんですよ。それで、たまたま縁があって吉本興業のライブに顔を出して、今に至るんです。本当に周りに感謝ですよ。 ――普段からそういった感謝の思いは口に出すタイプですか? そうですね。言わないと伝わらないと思うので、僕は結構言うタイプです。先祖の皆さんにも感謝を伝えています。毎日、手を合わせて感謝を伝えていますね。 ――言葉で伝えているからこそ、これまでも縁やタイミングを引き付けていらっしゃるんですね。お子さんや先輩・後輩の方以外に、今回の書籍を特に読んでほしいのは、どんな人たちですか? こういう人っていうピンポイントな人はいなくて、いろいろな人に読んでほしいです。このエッセイの内容は、全員に共通していると思うんですよ。 僕みたいな人でも楽しく生きていられるから、「皆さんも楽しく生きられますよ」というのを伝えたいですね。ピンチもあればチャンスもあるし、嫌なことも良いこともある。人生はその繰り返しなんですけど、「何とかなりますから」と。かっこつけずに自分を剥き出して、素直に生きてほしいですね。 ――遠藤さんが仰っていたように、遠藤さんの口調もあいまって、そういうメッセージを受け取りやすい一冊だと思います。 カリスマ性のある特別な人が特別なことを言っている本ではないので。普通のおっちゃんが普通のことを言っています(笑)。なので、みんなが読みやすいと思います。 ――私も周りの人へ宣伝します! 今回は50歳、芸能生活30周年の節目での出版でしたが、次の節目・60歳に向けて、やっていきたいことなどありますか? 基本的には、“今”の積み重ねですね。5年、10年の目標をもって、みたいなのが大事だと思うし、若いころはそういう目標をもっていました。「その目標にいかなかったら良くない」とか反省もして、今があるんですけど、今後は目標とかは一切立てずに、「明日おいしいものを食べるためにがんばろう」とかそういうことを大切にしたいです。 ――身近なことへの幸せですね。 そうですね。50歳になって、「もう好きな人と一緒にいればいいや」と思っていて。この前、ゴルゴ松本さんと会ったんですけど、「20~30代はいろいろな縁があって、それは良くない縁もあるけど、50代からの縁は良縁しかないぞ」と話していて。たしかに、好きな人との時間を過ごしていけたら最高ですよね。 今の若い人の考え方は、それはそれで良いんです。50代には50代の考え方がある。そういうことですね。 ――節目、節目で人生の豊かさのフェーズが変わってくる感じですね。本日はありがとうございました! またぜひ名古屋にお越しください!! 遠藤章造さんにとって、初のエッセイ本『吾輩はアホである』は、絶賛販売中です。 「アホやったからここまで来られた」と自信の生き方をゆる~く語っていて、世代問わず、楽しく読みやすい一冊になっています! ぜひチェックしてみてください♪ 『吾輩はアホである』 発売日2023年4月24日発売 著者遠藤章造 発行ヨシモトブックス 発売ワニブックス 価格1430円 判型四六判/224P 販売サイトhttps://www.amazon.co.jp/dp/4847072677 ※掲載内容は2023年6月時点の情報です ※価格は税込み表記です
【絶賛公開中】カンヌ映画祭で2冠!映画『怪物』是枝裕和監督にインタビュー
監督・是枝裕和さん、脚本・坂元裕二さんによる映画『怪物』。カンヌ国際映画祭コンペティション部門で「脚本賞」ならびに、日本映画初の「クィア・パルム賞」を受賞するなど、今最も注目が集まっている作品です! 今回、編集部では、カンヌに滞在中の是枝監督にリモートインタビューを行いました!以前より、ファンだったという坂元裕二さんについて、『怪物』の制作秘話など、詳しくお聞きしました。 ※取材日は2023年5月24日 さらに、映画の公開を記念して、映画『怪物』オリジナルトートバッグを抽選で3名様にプレゼント! ※応募フォームは記事の最後に記載しております。 カンヌに滞在中の是枝監督 尊敬する脚本家・坂本裕二さんに対する想い ――是枝監督は、かねてより坂元裕二さんをリスペクトされていたとお聞きしました。今回、念願のコラボレーションとなりましたが、これまで抱いていたイメージや、コラボを経て改めて感じた坂元さんの脚本の魅力を教えていただけますでしょうか。 僕が書く脚本は、「スライス・オブ・ライフ」というか、日常の一コマを切り取って照らすような作品が多いんですが、今回の映画は、先へ先へ引っ張っていくストーリーラインが強いところがとても力強くて魅力的だと感じました。これまでも、自分と同じモチーフを持っていて、違う角度から表現している作り手だと思っていたんですが、僕は、基本的に“何かが起きた”あとのアフターを描くことが多くて。今回の作品は“何かが起きそう”なビフォアの時間を描いていて、「なるほどな」とすごく勉強になりました。次回、脚本を書くときにはこのテクニックを盗もうと思っております(笑)。 ――坂元さんの脚本の素晴らしさに気付いた・出会った作品はなんでしたか? もちろん、90年代に書かれていたラブストーリーなどの脚本も面白いと感じて見てましたが、改めて“おっ”と思ったのは、ドラマ『わたしたちの教科書』(2007年放送)ですね。その後の、ドラマ『それでも、生きてゆく』(2011年放送)が決定的で。あのドラマは、20年に一本のものだと思っております。90年代に国民的ラブストーリーを書いていた作家が書いたのか、と。被害者と加害者という関係で、こんなふうにラブストーリーが成立するのか、というところに本当に脱帽でした。そこからもう作られていくものをずっと追いかけている、ただのファンです。 ――『怪物』が始まる前、自分が書く人物に飽きてきたとお聞きしました。 やっぱりどうしても自分が書ける人物像・物語が固定化してきたという気をしていたので、もう一回解体して組み立てなおそうと。組み立てなおすからには、何か違う遺伝子を入れなきゃいけないので、海外でやってみたりということも繰り返しながら模索していこうかなと思っていました。 ――“登場人物それぞれの視点”がとても重要となる今作を、演出の面で意識したことはなんですか?特に、瑛太さんが演じた保利視点が気になります…。 “ギリギリを攻める”という感じですかね。そもそも坂元さんの脚本がギリギリを攻めているので、やりすぎないところでどう留めるかっていうのは意識しました。ただ、安藤サクラさんが演じるサオリの視点では、異様に見えていたほうがいいので、観ている人に「なんだこの人は」って思われながらも、「まあ、ギリギリありえるかな」というラインを探っていました。 僕もですけど、保利を演じる瑛太さんもそれを十分わかった上で、「やりすぎてたら言ってください」って言ってくれて。ですが、今回も、役者たちから出てきたものを、そんなに修正していません。瑛太さんは特に、坂元さんの脚本への理解力がとても高くて。坂元さんは「瑛太だったらこういう芝居をするだろうな」とピンポイントで書いていて、瑛太さんも「こういう芝居を求められてるんだろうな」とピンポイントで演じられているという印象でした。 次のページ… タイトルが決まったのは“撮影直前”!? タイトルが決まったのは“撮影直前” ――映画を観終わったあと、「怪物」というタイトルがずっしりと心に響きました。脚本の形ができている状態で、是枝監督のもとに届いたとお聞きしているんですけども、このタイトルも既に決まっていたものなんでしょうか? 僕がもらった段階でのプロットでは、別のタイトルがついていました。「怪物」と最終的に決まったのは、撮影直前ですね。 ――そうだったんですね!どうやって決められたのでしょう? 僕の記憶では、僕が提案したと思ってます。坂元さんの中で“怪物”と決めるのに、躊躇いがあったみたいで、ずっと“怪物”のあとに(仮)がついていて。 最終的に、企画・プロデュースの川村元気さんと僕で、説得じゃないですけど、「怪物がいいですよ」って言って、「じゃあそれで」と。 そこから、インディアンポーカーをしながら「怪物だーれだ」というシーンを坂元さんが書いてくれたりとか、ディテールの書き込みをしていただいて。その段階ではもう「怪物」がしっくりくるようになってましたね。それまでに何度もタイトルが変わったりもしていました。 予告編では、「怪物だーれだ」と言いながら湊と依里がインディアンポーカーで遊んでいる様子が印象深い 次のページ… 「一緒に聴いてくれている、そんな気持ちになりました」故・坂本龍一さんとのやりとり 「一緒に聴いてくれている、そんな気持ちになりました」故・坂本龍一さんとのやりとり ――川村元気さんとは、『舞妓さんちのまかないさん』でもご一緒されてたと思うんですが、今回の作品に川村さんが加わったことによる影響はございますか? もともと、実は『怪物』の制作が先で、コロナ禍の影響で一旦ストップになっちゃったんです。それで、再開するまでに川村さんから「何かドラマやりませんか?」と声をかけていただき、『舞妓さんちのまかないさん』が始まりました。最初、僕の周りの人たちは、大丈夫なのか?って感じで(笑)“水と油”なんじゃないかって。でも、意外とうまくいきましたね。何でかはよく分かってないんですけど。 いつもプロデューサーに意見をもらって修正していく作業をしているんですが、川村さんの意見って、非常に細かいんです。「このシーンのカット尻、1秒半短くしたほうがいい」だとか。“うるせえよ”って(笑) そこは監督の領分だろっていうところに踏み込んだ感想が届くので、見ないんですけど。見ないまま、自分で直したあとに一応確認しとくと、八割くらい同じなんですよね。そういう価値観を共有してるんだなと思いました。だから、腹が立ったり、カチンとくることとか、なかった。そういう意味でも、良い関係をつくれたと思ってます。 ――今回、音楽を坂本龍一さんが担当されました。オリジナルで2曲作っていただいて、あとは既存曲を使用されたとのことですが、坂本さんとどのようなやりとりを行なわれましたか? 病状のことも聞いていたので、負担になるのは申し訳ないと思いながら、坂本さんに頼めないのであれば、今回、音楽はなしにして、音楽室に響く音だけで押し切ろうと思ってたんです。でも、どうしても、夜の湖のシーンには、坂本さんの曲を入れたくて。 撮影後、編集したものに坂本さんの既存曲を当てて、お手紙を添えて届けました。返事もこない覚悟でいたんですが、すぐにお手紙が届いて。「とても面白かったです。お引き受けします」と。「ただ、映画全体の音楽を作る体力が残っていないので難しいのですが、観終わってイメージできたものが1、2曲あるので、まずそれを形にしてみますので、できたらお渡しします」という手紙でした。 音源が届いて、ドキドキしながらそれを当てて。残りの曲は、昨年発表されたアルバム『12』から使用してもいいとのことだったので、そこから選ばせていただきました。 仮当ての段階から、最後の子どもたちのシーンには“この曲を”と思っていた曲があったんです。2人の気持ちに寄り添って、2人の未来を祝福するような曲だと思っていて。カンヌ上映の時、最後にあの曲が会場に流れてエンドロールが始まったとき、「あぁよかったな」と思いました。あの場には居ていただけませんでしたが、一緒に聴いてくれている、そんな気持ちになりました。 次のページ… 「日常の至るところで姿を出す“怪物”を表現しよう」 「日常の至るところで姿を出す“怪物”を表現しよう」 ――「いじめ」や「モラハラ」などの社会問題が描かれていますが、このテーマを扱うにあたって、どのようなことを意識されましたか? 最初にもらったプロットの段階で、「攻めているな」と思って、逃げずにちゃんと向き合わなければいけないと。色々調査をしたり、勉強会を開いたりもしました。ただ、学校で起きる事件だけれど、学校批判ではないと感じて。この映画は、組織というものが持つ、個人に対しての抑圧だったり、暴力性だったりを伝えるものだと思ったので、そこを踏まえた上で、きちんと描写していこうと。組織や親の心など、日常の至るところで姿を出す“怪物”を表現しようという意識ではいました。 ――物語の中心となる2人の少年を演じる黒川想矢くんと柊木陽太くんはオーディションで選出されたとのことですが、どこが決め手となりましたか? 子役はいつも直感なんです。ただ、タイプの違う二人を選ぼうとは思っていました。色んな組み合わせで見てみても、あの2人の役割や雰囲気にスタッフも満場一致だったと思います。僕も迷わなかったです。 個人的には黒川くんの横顔のラインが好きだったのと、柊木くんに関していうと、役柄に求めている達観した感じというか、人生3週目のような感じが好きでした。 ――「カンヌ国際映画祭」にも出品されたということで、現地での反応はいかがでしたか? 前回もそうでしたが、街中歩いてると、観た方々から声をかけてもらえるんですよね。それもカンヌのいいところだな、と。あとは、やっぱり子役の2人を誉めてもらえることも多くて、「あの2人は最後どうなったんだ?」っていう質問も結構多いです(笑) 観終わった方々の表情も晴れやかで、良かったです。今回、作品に携わった制作スタッフがたくさん来てくれて、皆もうれしそうでしたね。 ――ありがとうございました! 今回、映画の公開を記念して『怪物』オリジナルトートバッグ(非売品)を3名様にプレゼント! ▼ご応募は下記の応募フォームより 【応募締め切りは2023年6月30日(金)まで】 映画『怪物』 公開日 ミッドランドスクエア シネマ他で絶賛公開中! 監督・編集 是枝裕和 脚本 坂元裕二 音楽 坂本龍一 出演 安藤サクラ 永山瑛太 黒川想矢 柊木陽太 高畑充希 角田晃広 中村獅童 田中裕子 STORY シングルマザーの早織は、息子の湊と大きな湖のある町に暮らしている。湊は同級生の依里と仲が良く、子供たちは自然の中で穏やかな日常を過ごしていたが、ある日学校で喧嘩が起きる。双方の言い分は食い違い、大人やメディアを巻きこむ騒動に発展していく。いったい 「怪物」 とは何か。 登場人物それぞれの視線を通した 「怪物」探しの果てに、 私たちは何を見るのか。 その結末に心揺さぶられる、 圧巻のヒューマンドラマ。 ©2023「怪物」製作委員会 ※掲載内容は2023年6月時点の情報です
映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』のコラボドーナツが登場!「ミッドランドシネマ ドーナツ ファクトリー」が魔法にかかる!?
『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)に連載し、アニメ化もされた大人気コミック『ブラッククローバー』(通称『ブラクロ』)が待望の映画化。魔法が全ての世界で、生まれながら魔法が使えない主人公の少年・アスタが魔法の頂点「魔法帝」を目指す物語を描きます。魔法バトルアクションや、夢へ向かって決して諦めないアスタの姿に心が震えると、世界中にもファンが多数!そんなブラクロがいよいよ6月16日(金)より公開。原作でやるか悩んでいた、“魔法帝”の物語を映像化したとのことで内容にも注目が集まっています。 映画の公開を記念し、「ミッドランドシネマ ドーナツ ファクトリー」では、映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』の「コラボドーナツセット」(980円)の販売がスタート。主人公・アスタと、ライバルのユノが持つ魔導書(グリモワール)をイメージしたドーナツ、ソフトドリンク、オリジナル吸水コースターがセットになったオリジナルメニューです。今回のメニューを開発した「ミッドランドシネマ ドーナツ ファクトリー」の近藤さんのブラクロ愛あふれるこだわりが満載で、一つひとつ手作りで作られるドーナツの上には、五つ葉のクローバーやアスタの赤×黒とユノの緑×白のカラーが乗り、ブラクロファンにはたまらない仕上がりに!店内には、キャラクターのポスターが飾られ、ドーナツとともに映画の世界観も満喫できます。 こちらのオリジナルドーナツセットは、数量限定で公開終了まで販売予定。「ミッドランドシネマ ドーナツ ファクトリー」以外に、「ミッドランドスクエアシネマ」「ミッドランドスクエアシネマ2」「ミッドランドシネマ名古屋空港」のコンセッションでも販売中。 4人の最凶の歴代魔法帝と「帝剣」が復活し、クローバー王国最大の危機にアスタと全魔法騎士団が総力戦で挑む、限界を超えた“魔法バトルアクション”がいま開幕。大迫力の“魔法バトルアクション”をドーナツ片手に大きなスクリーンで楽しんだり、鑑賞後も映画の世界観に浸りに訪れてみてはいかがでしょうか。 映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』 公開日2023年6月16日(金)よりミッドランドスクエア他、Netflix世界独占配信! 原作・総監修・キャラクター原案田畠裕基(集英社「少年ジャンプ」連載) 制作studioぴえろ 配給松竹 声の出演梶原岳人、島崎信長、諏訪部順一 他 公式サイトhttps://bclover-movie.jp/ ©「映画ブラッククローバー」製作委員会 ©田富裕基/集英社 ※価格は税込み表記 ※掲載内容は2023年6月時点の情報です