実は働きやすい!?税理士のお仕事を現役税理士さんに聞いてみました☆
#暮らし

2023.11.11sat

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実は働きやすい!?税理士のお仕事を現役税理士さんに聞いてみました☆

税理士」と聞くと、なんだか堅いお仕事…というイメージがありますよね。でも実は、自分の生活スタイルに合わせて働ける、柔軟性の高いお仕事なんです!企業や経営者を支える存在として安定したお仕事が見込めるうえ、最近は税理士資格も取りやすくなっています。

「でも、実際のところどうなの?」そんな疑問を解消すべく、タレントの高木マーガレットさん・加藤里奈さんが、現役の税理士さんたちに話を聞いてきました!

高木マーガレットさん@margaretm0e
ハワイ生まれ・テキサス育ち。日本語と英語はネイティブレベル。TBS系列の静岡放送でアナウンサーとして入社し、テレビ、ラジオ、イベントの司会などで活躍。静岡放送退社後はバイリンガルアナウンサーとして日本と海外で活動の場を広げている。

加藤里奈さん@rinakatoktriiina
モデルでありながらNHK名古屋局のキャスター・ディレクターという異例の肩書きを持つ、“取材・構成・執筆・編集“ができるタレント「カトリーナ」。

税理士・近藤優子(こんどうまさこ)先生
名古屋市出身。工学部を卒業後、事務職として名古屋市内の税理士事務所に入所。その後、大学院に入学して勉強し、税理士資格を取得した。現在は自宅兼事務所を構えて活動中。3児の母。

税理士・木下晃良(きのしたあきら)先生
愛知県一宮市出身。経営学部を卒業後にIT系の企業に就職するも、倒産の危機に直面したことをきっかけに税理士に。現在は名古屋市内の税理士法人に勤務しつつ、名古屋青年税理士連盟の会長も務める。

「税理士が働きやすい」と言われる理由は「◯◯」!

「税理士が働きやすい」と言われるのは、“自分に合った働き方ができる職業”だから!

税理士試験に合格した後は、会社員として税理士事務所に勤務する「所属税理士」と、自宅など好きな場所に事務所を設ける「開業税理士」から、自分の好きなほうを選べます。

事務所に勤務し続けるも良し、税理士事務所に勤めてから開業税理士として独立するも良し。どんな働き方を選んでも、自分らしく充実した日々が過ごせるようです。

加藤さん

近藤先生は自宅を事務所にしている開業税理士ですよね。その働き方を選んだ理由は?

近藤先生

仕事と子育てを両立したかったんです。以前は税理士事務所に勤めていましたが、今は独立して自宅の一室を事務所に。企業に訪問して仕事をする日が多く、来客もほぼありません。

高木さん

育児もしながら、リラックスして働けそうですね。木下先生は所属税理士ですが、なぜその道に?

木下先生

気の合う先輩の事務所に入ったんです。ただ、事務所の仕事に限らず、いろいろな活動もできていますよ。今は税理士の仕事を広める広報活動もしていますが、とても楽しいです!

そして税理士試験そのものも、マイペースで取り組める試験。

試験科目は全11科目で、そのうち5科目を選択して受験します。どの科目も一度合格すれば、数年・数十年経っても有効です。運転免許証のような更新も不要で、一生有効な資格。年齢制限もなく、過去には子育て中に税理士の勉強を始めて合格した方もいます。

しかも、一度にすべての科目を受験する必要もありません。たとえば「今年は1つの科目の合格を目指して、来年は別の科目の合格を目指す」など、自分のペースに合わせて受験できます

高木さん

勉強を始めてから税理士試験合格までに、どれくらいの期間がかかりましたか?

木下先生

4年です。最初の3年間は専門学校で受験に専念して、4年目は税理士事務所で働きながら受験して、5科目合格するまでに4年かかりました。移動時間とか、ちょっとした時間も全部勉強に充てていましたね。

近藤先生

私は5年ぐらい。最初の3年ぐらいは独学でしたが、途中で夜間の大学院に入りました。要件を満たして卒業すると試験の一部の科目が免除されるので、そこも魅力だと感じて。

加藤さん

うーん、やっぱり楽に目指せる職業ではないんでしょうか…。

木下先生

どうでしょうね。中には2~3年で合格する人もいますから、取り組み方次第だと思います!

税理士の仕事内容&1日のスケジュールは?

税理士の仕事内容は、大きく3つ。依頼人に代わって税務署への申告・申請をおこなう「税務代理」と、確定申告書のような「税務書類の作成」、税金に関するさまざまな相談に乗る「税務相談」です。

では、実際の働き方をチェックしてみましょう!まずは、税理士事務所に勤める木下先生の1日から。

会社員と同じく、朝、事務所に出勤して7~8時間ほど勤務。ただし、依頼人の企業のところに行ったり、セミナーに参加したりする日は、ほとんど事務所にいないこともあるそうです。

加藤さん

会社員と似たスケジュールですね。基本的には、毎日事務所に出勤するんですか?

木下先生

外出が重なった日は事務所には出勤せず、出先からリモートワークに切り替えることも多いですよ。でも忙しい時期は、朝から22時ぐらいまで事務所で働いていることもあります…。

続いて、自宅を事務所にしている開業税理士・近藤先生の1日も見てみましょう。

近藤先生は、基本的に8時半~16時半までを仕事の時間に、それ以降は家事をしたり家族と過ごしたりする時間にしているそう。通勤時間が無い分、朝にバタバタしなくて済むのも、ひそかに嬉しいポイントだとか!

高木さん

通勤の必要が無くて、就業時間も自由なのはすごく魅力的ですね!

近藤先生

手が空いたら休憩もできるし、気楽です。ただ、自分で決めた就業時間は依頼人に押し付けすぎないようにしていますね。18時ごろに連絡が来ても、その場で対応しますよ。

「税理士に向いている人」はこんな人!

一般的に、税理士に向いているのは以下のような人だと言われます。

● 正義感が強く、ルールや決まりをきちんと守れる人
● 几帳面で、コツコツとした作業が得意な人
● 相手の悩みや不安に寄り添える人

でも木下先生・近藤先生によると、「『向いている人』に当てはまらなくても、どんどん挑戦してほしい」とのこと。その理由は…?

加藤さん

この特徴に当てはまらない人でも、税理士を目指してほしい理由は何ですか?

木下先生

几帳面さや正義感の強さ、寄り添う力だけで進められる仕事ではないからです。正確さが求められる仕事もありますが、メインの仕事はそれを踏まえた総合的なアドバイスをすることですからね。

近藤先生

むしろ、視野の広さや柔軟性が求められる仕事ですよね。「自分は向いていない」と思う人にこそ他の税理士にはない強みや視点があって、良い仕事ができるかも!

高木さん

なるほど、相手のことを思って動ける人であるか?が大事なんですね。向き不向きを深く考えすぎる必要はなさそうですね!

さらに2023年からは、法改正によって税理士試験の受験資格要件も緩和されました。「文系か理系か?」「何学部出身か?」などは特に問われず、誰にでも税理士になれるチャンスがあるんです。

加藤さん

そもそもですが、お二人が税理士を目指したきっかけは?

近藤先生

女性でも安定収入を得られる仕事に就きたくて。新卒のころは就職氷河期でしたが、税理士事務所の求人は多かったんですよ。だから、工学部出身でしたが「とりあえず事務所に入って、働きながら勉強してみよう」と。

高木さん

えっ、経済系の学部出身じゃないとダメだと思っていました!木下先生は、なぜ税理士に?

木下先生

勤め先の経営が悪化して、倒産したからですね。私は倒産前に退職しましたが、企業の倒産は経営者・社員・取引先など関係者全員が辛いことだとよく分かったんです。だから、「企業を支えられたら」と税理士を目指しました。私は経営学部出身で税理士の仕事も知っていましたが、新卒のころはあまり興味がありませんでしたね…。

最後にぶっちゃけトーク!結婚や出産をしても働ける?将来性は?

やっぱり気になるのは、結婚や出産・育児などへの影響ですよね。「仕事との両立ができずに、妊娠を機に退職した」なんてこともよく聞きます。

でも、税理士はそんな心配はいりません。今回お話を伺った近藤先生は結婚前に税理士資格を取り、出産・育児も経験していますが、「キャリアに大きな影響はなかった」そうです。

高木さん

本当に、結婚や妊娠・出産をしても税理士のキャリアに影響はなかったんですか?

近藤先生

全く無かったです!結婚や妊娠・出産をして一時的にお休みしても、税理士資格があればいつでも仕事は再開できますから。税理士として登録するときは、旧姓でも良いんですよ。

加藤さん

それを聞いて安心しました。誰でも挑戦できて、一度取得すれば一生通用する資格ですもんね!

税理士の将来性についても聞いてみました。最近は「税理士はAIの登場で無くなる仕事」なんて言われることもありますが、実際のところは?

木下先生に聞いてみると「いえ、無くならないですよ!」との回答が返ってきました。

高木さん

なぜ、税理士の仕事はAIが出てきても無くならないんですか?

木下先生

AIは大量の情報を処理したり条件に踏まえた予測をしたりすることは得意ですが、依頼人の事情や気持ちに合わせた提案は人間にしかできないと思うからです。こちらが与えた情報を踏まえてAIが出した方法が、依頼人に合っているとは限りませんからね。

加藤さん

確かに、私を知る税理士さんに「こういう方法があるけど、あなたはこっちの方法が良い」って言われるほうが安心できますね。

木下先生

そうですよね。ただ、日常的な事務処理はAIの活用と相性の良い業界だと思うので、そういったところには積極的にAIを活用していきたいと考えています。

税理士に興味が出たら、まずは〇〇をしよう!

最後に、今まで全く会計学などを学んでこなかった人がこれから税理士を目指したいときは、何からすべき?を聞いてみました。

その答えは、木下先生・近藤先生ともに「簿記から始めましょう!」とのこと。そして、ちょっと意外なものも…。

近藤先生

税理士試験や税理士の仕事に関わることを学べるので、基礎知識が身に付きやすいです。似た税理士試験の科目で「簿記論」もありますし、普段の生活で役立つ内容も多いですよ。

高木さん

確かに、簿記は「取って良かった資格ランキング」の上位になっていることが多いですもんね。文系でも取れるみたいだし、まずは簿記の勉強に挑戦してみようかな?

木下先生

試験でも仕事でも国語力が問われるから、読書も良いかも。あとは心身のトレーニング!税理士試験は1年に1回だけなので、心が折れずに勉強し続けられる体力と気力が必要です。

加藤さん

試験当日に体調を崩したらまた1年後ですもんね!私も、もっと詳しく税理士試験について調べてみます!

今回紹介した税理士の仕事や試験については、以下のWebサイトでも詳しく紹介しています。この機会に、税理士を目指してみませんか?

DATA

東海税理士会
https://www.tokaizei.or.jp/
名古屋税理士会
https://www.meizei.or.jp/


※掲載内容は2023年11月時点の情報です
取材・文/シモカワヒロコ(Nyima.)
撮影/竹内恵美

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WRITER

Hiroko Shimokawa

Hiroko Shimokawa

岐阜県岐阜市出身。雑誌編集者、子ども向けイベント屋を経て、2021年9月に独立。現在はフリーランスのライター・編集者として、様々なWebメディア・雑誌等で活動中。マイブームは香水集めと日本画を描くこと。

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