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映画『愛がなんだ』主演の岸井ゆきのさん&今泉力哉監督インタビュー

2019.04.24〈Wed〉

最終更新日:2019/05/08

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最終更新日:2019/05/08

4月19日(金)に公開された、映画『愛がなんだ』。今月グランドオープンした「伏見ミリオン座」で舞台挨拶が行われ、主演の岸井ゆきのさんと今泉力哉監督にインタビューしてきました!

あらすじ
28歳のOL・テルコ(岸井ゆきの)は、一目惚れしたマモル(成田凌)を一途に追いかけ、片思いの恋に全力疾走。自分の生活すべてを捧げてマモルに尽くすものの、一方のマモルにとってテルコは、ただの都合のいい女でしかない。ある日、二人は急接近しテルコは有頂天になるが、マモルからの連絡が突然途絶えてしまう。

『愛がなんだ』は、角田光代の同名小説が原作。みずみずしくも濃密な片思いを描いた小説を今泉力哉監督が見事に映画化されました。今回、どのような経緯でこの映画ができたのでしょうか?

今泉監督 プロデューサーから、「こういう原作を映画にしようと思うんですが、興味ありませんか?」と連絡をいただいて。角田さんのことは知っていましたが、『愛がなんだ』は、読んだことがなくて。読ませていただいて、「すっごく面白いけど、(映画化は)めちゃくちゃ難しい」と思ったのが第一印象です。同時に「やりたい」とも思いましたね。

難しいと思ったのは、どういう部分ですか?

今泉監督 小説でしか表現できない面白さがたくさんあったところですね。例えば、心の声とか一人称の語りも多いので、ナレーションを使うかどうかとか。あとは、一歩間違えると、テルコがただのイタい女性になってしまったりとか、そのあたりの難しさがあるなと思いました。ただ、自分はコメディ要素を結構入れたりするのと、あとは演じる俳優さんによって、小説の暗さの部分は補えると思っていたので、主演が岸井さんに決まって、自然と解消されていった悩みでしたね。

テルコの人間像から、岸井さんがぴったりだと感じられたのでしょうか?

今泉監督 色んな候補の方がいたのですが、「幼く見えないんだったら、岸井さんにやってもらいたいですね」とすごく言ってて。テルコが20代前半に見えちゃうと、「その年だったら、不毛な片思いをすることなんていっぱいあるよね」というように受け取られてしまう。原作の良さがなくならないよう、年齢の見え方には気を付けていました。

まさに岸井さんは“ピッタリ”だったと。

今泉監督 ピッタリでしたね(笑) じゃあ誰が他に出来たんだろうと思ったり。それは他のキャストに関しても同じです。江口さんが演じるスミレは、「こんな人、いないよ!(笑)」と原作を読んでいて思いましたけど、彼女が演じたらそれこそ役に対する理解・解決が早いと思いましたね。

『愛がなんだ』 ©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

岸井さんのコメントで、「原作のテルコに対して、少し引いてしまった部分もあった」と拝見しましたが、テルコと初めて出会った印象はいかがでしたか?

岸井さん テルコは「私とは違う」と思いました。物事の選択が全部、私の逆なので。好きな人に対して、あそこまで形振り構わず行くこともないですね。私だったら仕事辞めないし、友達も大事だし!でも、現場に入ると、テルコの気持ちが分かるんですよね。今は違うけど、“そういう人”に出会えば、テルコのようになってしまう危険性はあるなと思いました。

自分の中に、潜んでいる何かがあった?

岸井さん 誰でもあるんだと思います。出会う人によって、みんな違う人生を歩んでいるだけで、“そういう人”に出会ったら、テルコみたいになってしまうんだろうなと。
今泉監督 突然、電撃引退とかやめて下さいね?これは「“そういう人”に出会ったな?」みたいな(笑)
岸井さん そうなったら、しょうがないしょうがない(笑)

『愛がなんだ』 ©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

映画を拝見した印象では、ドロドロした恋愛という感じがありませんでした。サラッとしているのに、やけにリアルでヒリヒリするというか。そういった心情の機微を描く上で、監督と岸井さんが意識していたことはありますか?

今泉監督 演出方法を少し変えれば、ドロドロに見せることもできましたが、あまりそっちに興味がなかったですね。例えば、キスやセックスのシーンにしてもそうですが、今までの作品でも、人と人が接触することを相当敏感に扱っていて。キャストに「なるべく触れないで演技してください」と指示したり。キスとかだけじゃなくて、怒るときや誰かに詰め寄るときとかも、「触らなくてもできることは、なるべく触らずにやってほしい」と言っています。“触る”っていうのは、結構大きなことだから。今回も、テルコからはマモルになるべく触らないようにするとか、距離感は気にしていましたね。あと好みの問題として、自分自身があんまり好まないというか。ともすると熱が高く見えてしまうので。
岸井さん テルコを演じていて、ドロドロにはならなかったですね。テルコの動機がはっきりしてたので。自然と出てきたもの、というか。
今泉監督 テルコは意外と自分からは連絡しないので、その線は越えない人なのかなと。もちろん美術や音楽、小道具も暗くならないよう気をつけてました。あと、カメラワークや色の温度も。ラップのシーンは手持ちで動きがありますが、基本は三脚でカメラを固定した方法で撮っていました。なるべくこっち側で何かを演出しないようにしていましたね。

『愛がなんだ』 ©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

成田さんが岸井さんの口に「追いケチャップ」をするシーンが話題になっていますね。岸井さんが演じている中で、実際にされるとうれしくなるようなシーンはありましたか?

岸井さん 私だったらやだなってシーンのほうが多かったです!もう恥ずかしい(笑)シャンプーもしてほしくないし、作中に焼き芋を分けるシーンがあるんですけど、私だったら「もう一個買うよ~!」と思っちゃうし、「追いケチャップ」も実際にされたら、どうしていいかわからなくなっちゃう。そんなドラマの中で生きてないので!
今泉監督 実際に起きたら、引いちゃうかもしれない?それとも普通に照れたりする?
岸井さん 「バ、バカだねえ♡」と思いますね(笑)
今泉監督 言葉は「バカ」だけど、完全にうれしいほうのやつだね(笑)

「追いケチャップ」は、監督の演出でしょうか?

今泉監督 いやいやいや!あんなのは思いつきもしないんで。「追いケチャップ」のシーンは、料理を作っている最中につまみ食いをするっていうのが台本にあって、「身長差があるので、肩に顎を乗せてください」までは俺の指示ですね。そこからの続きは、成田凌がでちゃってる。蜜月だと、シャンプーのシーンは演出でしたが、向かい合ってというのは、驚いてたみたいですね。
岸井さん 私はびっくりしましたね。もう、照れすぎて。

『愛がなんだ』 ©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

向かい合ってシャンプーするシーンは、前から構想があったんですか?

今泉監督 実は過去に一回やってて。『午前3時の無法地帯』っていうネットドラマで、オダギリジョーさんが本田翼さんをシャンプーするシーンが話題になったことがあって、そのインプットがあったんで。流行ったシーンやセリフは、ガンガン使いまわしますよ!そのうち「追いケチャップ」出てきたら、それは「©成田凌」だからね(笑)

誰かの追いケチャップも見てみたいですね。

今泉監督 「追いケチャップ」で検索すると、皆さん自分の好きな俳優さんで「誰々に追いケチャップされたい~」みたいな呟きがたくさんあって面白かったですね。

『愛がなんだ』 ©2019 映画「愛がなんだ」製作委員会

名古屋はいかがでしたか?

岸井さん ランチにいただいたひつまぶし、すごくおいしかったです!今度はぜひモーニングもしてみたいですね。
今泉監督 大学が名古屋で、4年間住んでたんですよ。学生時代を過ごした街なので、ホームに降り立つだけで、ノスタルジーな気持ちになりますね。ミリオン座やシネマテーク、シネマスコーレで映画を観て過ごしていたので、当時を思い出します。食べ物は、東北出身なので最初、味の濃さは衝撃でした。
岸井さん 昨日、味噌カツ食べたらびっくりしました。これ「おかずや!」と思って。手羽先も台湾ラーメンもおいしかったです。

岸井さんからコメントをいただきました!

映画『愛がなんだ』

4月19日(金)より伏見ミリオン座ほかにて公開中
出演:岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、片岡礼子、筒井真理子、江口のりこ
監督:今泉力哉
原作:角田光代『愛がなんだ』(角川文庫刊)
脚本:澤井香織、今泉力哉
音楽:ゲイリー芦屋
撮影:岩永 洋
照明:加藤大輝
録音:根本飛鳥
美術:禪洲幸久
装飾:うてなまさたか
スタイリスト:馬場恭子
ヘアメイク:寺沢ルミ
編集:佐藤 崇
助監督:八神隆治
制作担当:柴野淳
企画協力:KADOKAWA
企画・制作・プロデュース:アニモプロデュース
制作プロダクション:アンリコ
製作:映画「愛がなんだ」製作委員会
配給:エレファントハウス

©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

公式サイト
http://aigananda.com/

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