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名古屋城「本丸御殿」の楽しみ方をレクチャー!
#おでかけ

2019.5.2thu

名古屋城「本丸御殿」の楽しみ方をレクチャー!

「名古屋観光を、もっと楽しみたい!」と思っても、ここで毎日暮らす私たちにとって、地元・名古屋は“日常”の当たり前すぎて、いざ“観光”となると、なかなかいいアイデアが思いつかない…。

そこで編集部が、地元での遊び方に詳しい、その道のプロ「大ナゴヤツアーズ」代表の加藤幹泰さんに、おすすめを教えてもらいました。

「大ナゴヤツアーズ」では、“あなたらしいすぐそこにある旅”をコンセプトに、「名古屋のまちを中心とした東海エリアのまちの魅力を、『体験』『学び』『見学』『まち歩き』などを通して楽しめる体験プログラムツアー」を数多く届けており、地元民でも行きたくなる提案がいっぱい。いつもと違う視点で、名古屋の街を見てみると、新しい魅力に気付くはず。

名古屋城「本丸御殿」の楽しみ方をレクチャー!

今だから知りたい!大人が楽しい「名古屋城」

加藤幹泰さん
NPO法人「大ナゴヤ大学」2代目学長。2017年春に「大ナゴヤツアーズ」を立ち上げ、実行委員会の代表を務める。

はじめまして、加藤です!今回ケリー編集部からお声がけいただき、“地元民のための名古屋観光”を案内させてもらうことになりました。まず初めに紹介したいのは、やっぱり「尾張名古屋は城でもつ」と呼ばれる名古屋のシンボル、名古屋城!天守閣の木造復元が全国的にも話題となりましたが、もともとすごいお城だとご存じでしょうか?徳川家康の命で築城され、最大規模の城郭で国宝第1号にもなった名古屋城。僕の周りの地元で暮らす人たちに聞いたところ、「大人になってから、名古屋城に行ったことがない」という回答が大半で驚きました。

僕は、大ナゴヤツアーズのツアーやプライベートで、何度も名古屋城を訪れていますが、行くたびに発見があり、奥が深くて面白い。知っているようでまだまだ知らない名古屋城の楽しみ方を、「本丸御殿」「石垣」「天守閣」と連載します。

美術館のように、国内最高峰!の日本芸術に触れる「名古屋城本丸御殿」

名古屋城築城の命が出てから天守閣完成の3年後、1615(慶長20)年に完成した「名古屋城本丸御殿」は、江戸期の最先端技術を極めた“近代城郭御殿の最高傑作”と呼ばれていました。初代藩主徳川義直の住居として使われていた室内は、絢爛豪華に飾られ、建築・絵画・美術工芸においても高く評価されています。そんな「名古屋城本丸御殿」を“美術館”を楽しむように巡ると、歴史は苦手という人でも、十分楽しめるはずです。

「名古屋城本丸御殿」を訪れた人が通される玄関となる車寄(くるまよせ)は、中央に丸みがあり、弓形にそり曲がった曲線が美しい屋根が特徴的です。よく見ると、3ミリの薄い木の板をたくさん貼り合わせた、杮葺(こけらぶき)といわれる、神社の社殿などにも使用される伝統的な屋根になっています。木曽ヒノキをふんだんに使用して造られた巨大城郭御殿に、玄関から圧倒されます。

虎と豹がお出迎えする玄関

玄関に入り一際目立つのが、金地にじゃれあう虎と豹が描かれた『竹林豹虎(ちくりんひょうこ)図』。お出迎えをしてくれていると思いきや、客人を威圧し、緊張感をあたえるために描かれたようです。またなぜ虎と豹?と思う人もいると思いますが、江戸時代の絵師は、豹が“雌の虎”だと勘違いをして、豹虎をセットで描かれたと言われています。ちょっと可愛らしいエピソードですね。

格式の違いは、天井を見上げよ!

「名古屋城本丸御殿」の建築様式は「書院造」と呼ばれ、部屋の格式によって、天井や欄間、装飾、障壁画などのつくりやデザインが大きく変化。見学コースでは、どんどん格が上がっていきます。今回は天井を見上げて、格式の違いを楽しんでみましょう。玄関の天井は、細い横木と天井板でつくられたシンプルな竿縁天井(さおぶちてんじょう)。そこから奥の部屋へ向かう度に変化していく、格天井(ごうてんじょう)と呼ばれる格式のグラデーションが面白い!

玄関

鷺之廊下

上洛殿 三之間

上洛殿 上段之間

「格天井」とは、升目に組まれた天井のこと。升目の中に、さらに細かい格子が組まれたり、黒光りする漆が塗られたり、金具や絵が描かれていきます。最上級の格である「上洛殿」の上段之間は、「黒漆塗二重折上げ蒔絵付格天井」という名前を聞くだけで、全部のせ的なゴージャス感!もちろん見た目も素晴らしく、もう首が痛くなるまで、天井を惚れ惚れと見上げてみましょう。

天才画家集団「狩野派」の美の世界

天井や欄間と同じように、格式に合わせ各部屋を飾っていた、障壁画にも注目したい。手掛けたのは、幕府の御用絵師として、400年にもわたり画家の社会の中心に君臨した、天才画家集団「狩野派」です。障壁画は各部屋の機能や格式に合わせ、走獣→花鳥→人物→山水と変化していくので、見ているだけでも、バリエーションが豊富で楽しめます。

表書院

見学範囲内で可能な限り、絵に近づいて見るのがおすすめ。動物や鳥の表情も荒々しいというよりは可愛らしく、桜の花びらなどはモコモコと膨らみがあり、描写に生命感まで宿っています。

対面所

「対面所」を彩る風俗画では、田植えや相撲、綱引きなど、当時の人々の営みが描かれています。日本人のDNAから、どこか懐かしいという感情を覚えるかもしれません。

ここは、まさに最高峰の日本美術展!絵画を見るように1つ1つの絵に向き合い、ゆっくりと鑑賞する「名古屋城本丸御殿」は、見応えたっぷりです。

※掲載されている情報は、2019年4月時点のものであり、変更となる場合があります。

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KELLY Editors

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