劇団四季の原点ともいうべきミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』。主演「ジーザス・クライスト」役の神永東吾さんが語る、作品の見どころは?
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2019.6.15sat

劇団四季の原点ともいうべきミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』。主演「ジーザス・クライスト」役の神永東吾さんが語る、作品の見どころは?

昨年7月に85歳で永眠した、劇団四季の創立者で演出家の浅利慶太氏を悼み、選りすぐりの浅利演出作品を上演する「浅利慶太追悼公演」。名古屋では6月12日(水)~7月7日(日)に、『ジーザス・クライスト=スーパースター』が上演されます。その中で「ジーザス・クライスト」役を演じる俳優・神永東吾さんに、インタビューを行いました。

『ジーザス・クライスト=スーパースター』はどんな話?

イエス=キリストが十字架にかけられるまでの最後の7日間を描いた作品。ロックの旋律に乗せて、一人の人間として苦悩するキリストが、リアルに描かれます。音楽は『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで有名な、アンドリュー・ロイド=ウェバー氏が若き日に作曲。知名度やスター性に頼らない、“劇団四季のミュージカルスタイルを確立した名作”ともいわれています。

“イエス=キリスト”こと「ジーザス・クライスト」役の神永東吾さんにインタビュー!

―――時代も、年齢も、立場も違うキリストの役ですが、どのように役作りをされましたか?

まず、参考にしたのは聖書です。劇団四季の本作は聖書の内容をリアルに表現しているので、文章を読んで、想像して役作りをしました。あと、個人的にも小さい頃からキリスト教が身近な存在だったので、ある程度はイエス・キリストのイメージが自分の中にあったんです。見た目や、民衆に対する温かさとか。それらをもっと具体的にして、自分なりのこだわりも入れつつ、役を作りました。例えば、最後の十字架のシーンでほぼ裸になるので、見た目の美しさを追求して、太らず、スキニーな体型維持にも気を付けています。

―――『リトルマーメイド』の「エリック」など、数々の役を演じてきた神永さん。「ジーザス・クライスト」役で、これまでと何か違ったことはありますか?

撮影者:堀勝志古

この舞台は劇団四季の長い歴史の中で、“原点”とも言われています。若い頃の浅利先生の才能や、たくさんの先輩たちの思いが、凝縮されている。だからこそ、舞台の真ん中で劇団四季を背負って、お客様と向き合う責任感は一層重いです。この役に選ばれた感謝の気持ちを持って、一回一回の公演を大切に、最後までお客様に作品を届けたいと思っています。

―――アンドリュー・ロイド=ウェバー氏の音楽は、挑戦されてみていかがでしたか?

「なんでこの流れで、この音が出るんだろう?」って思うくらい意外性のある音楽で、表現するのが難しかったです。「本当に喉が耐えられるのかな?」「1回1回の本番が、ちゃんと無事終わるかな?」という不安は、正直今でもあります。アンドリュー・ロイド=ウェバーの曲は、人間の心理を巧みに表現していて、高い音から低い音まで使った、かなり激しいものなんです。だから歌うにも、不安を感じるんですが、お客様にはドラマとともに、音楽の力もまた、感じてもらいたいです。

―――作品の、一番の見どころは?

撮影者:堀勝志古

見どころは、本当に色々ありますが…。例えば、この作品の舞台は荒野を表現したシンプルなセットなんですが、全体が傾斜になっています。客席から見ると、すごく迫力があって。それが、照明や演出によって、シーンごとに大きく変化するんです。例えば、人がお祈りをする場所になったり、エルサレムの賑やかな聖殿になったり。そういうシーンの切り替えにも注目してみると、楽しめるんじゃないかな。

―――観る人には、どんなことを伝えたいですか?

まず、一人の人間であり、神の子でもあるキリストの存在を知って欲しい。浅利先生も稽古のときに、そういうことをよくおっしゃっていて。きっと聖書やキリストのことを、日本の人にもっと知ってもらいたかったんだと思います。あと、キリストは神様からいただいた使命を果たすため、周りの環境に影響されつつ、自分の道を進んでいく。その中で、様々な疑問点があるんです。「最後のキリストの死にはどういう意味があるのか?」「なぜ十字架にかけられることになったのか?」とか。決してそれらに正解はないんですが、個人的にはそういう疑問をもって、考えながら観てもらえたらうれしいです。

―――最後に、『日刊ケリー』読者にメッセージを!

撮影者:堀勝志古

様々な舞台の中でも、『ジーザス・クライスト=スーパースター』は特別感があって、長年愛されている作品です。最初から最後まで“パッション”で溢れていて、それをそのまま感じられます。話自体は古く、重いものではありますが、ロック調の音楽はいつ聴いても全然違和感がありません。心に響く音楽や歌だけでも十分、舞台が完成されてるので、感動は絶対あると思います。ぜひ劇場に来ていただいて、その感動を分かち合いたいです!

浅利慶太追悼公演『ジーザス・クライスト=スーパースター』エルサレム・バージョン

開催日時
6月12日(水)~7月7日(日)※上演時間は公式サイトで確認
会場
名古屋市中村区名駅南2-11-11 名古屋四季劇場
料金
一般S席1万800円、A席8640円、B席6480円、C席3240円
問い合わせ
0570-008-110
公式サイト
https://www.shiki.jp/theatres/nagoya
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WRITER

Moeko Mizuno

Moeko Mizuno

岐阜県多治見市出身。雑誌編集者として飲食店やショップを中心に取材経験を積んだ後、家業の陶器屋に転職。現在はライターとの二足のわらじで活動中。趣味は休日に各地のカフェや純喫茶を巡ること。

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