監督との初対面の時に「演じるのが得意じゃないです」と話したというエピソードを拝見しました。今までの作品を見る限り、とてもそんな風には思えないのですが、具体的にどういったところが苦手なんですか?

香取さん  決められたセリフを言わないといけないところですかね。あと緊張しますし、色んなことをやってますけど、演じるのが一番苦手ですね、本当に。

現場まで台本はほとんど見ないと伺いましたが、撮影に入るまでに何も準備をしないんでしょうか?

香取さん  本当に何もしないです。苦手なんで。良くない言い方をすると、試験の前日に勉強するみたいな。本当にそうゆう感じですね。

失敗したことは、ありませんか?

香取さん  失敗……どういうのが失敗ですかね。本番と声がかかったときに、120%の自分ができることをして、それで監督がOKと言ったら失敗じゃないのかなと思ってます。そういえば、昔『新選組!』っていう大河ドラマの時に、いつもその場でセリフ覚えるんですけど、「さあ今日はどこだろ」と台本を見たら、お代官様の前で新選組を引き連れて、4~5ページ一人でしゃべるという…(笑)あれは失敗でしたね。「やっべ、これ」ってなりました。その時はメイクさんたちがすごい協力してくれて、セット終わってるのに、スタッフが呼びに来た時に「まだ、できてないよ!ばかやろう!」なんて言ってくれて、覚える時間を作ってくれたりとか。みなさんに助けられてます。

©2018「凪待ち」FILM PARTNERS

この作品で演じたのが、今までとは全く違うキャラクターで、香取さんにとっても挑戦になったと思うのですが、この映画に関してどんなアプローチで、どうこの役を作り上げていったんですか?

香取さん  僕はいまだに役作りというものが、よくわかっていなくて。それこそあんまり台本も読み込む方ではないですし、現場の空気と監督のに言われたことを体現するだけです。今までもそうなんですけど、事前に準備も特にないので、そこに「難しいな」とか、悩むこともないです。監督から言われたことを「本番」と声がかかった瞬間に体現する。なので、結構リハーサルの時は、セリフも覚えてなくて、台本持ったままやってたりします。本番になったら、監督の要求以上の120%、今、自分が表現できることをぶつけるだけですかね。

監督が、演じる役についてポイントなどを明示したことなどがあれば、教えてください

香取さん  不思議なことに、このポスターが発表された時、SNSを見てたら「こんな顔みたことない」ってみんな呟いてて。僕は一番見てる顔なんですよね(笑)

一番の素の状態というか…今日も始まる前に髭剃ってますし、髪もぼさぼさで東京から名古屋に着いて、綺麗にしてもらってて。綺麗にしてもらった状態で30年近く、色んなところに出ててるんですけど、自分自身の40何年の中では、一番見てる顔なんで「みんな、そんなに?」ってなりました。その反応が面白かったです。アイドルとして生きてきたんですけど、それだけ、綺麗にしていたんだなっていうことですよね(笑)

では、自分の中では違和感はない?

香取さん  ないですね。映画の中の姿とかも、一番普段に近いのかな…でも、ちょっと最近思ったのが、この1~2年、それまで人間じゃない役っていうのもいっぱい演じてきたんですけど、40歳越えて人間として、この体でスクリーンに映るっていうの初めてなのかなと。役は役なんですけど、生きてきた背景も映るとしたら、やっぱり30代とは違う顔なのかなとかって、自己分析してて。それも含めて、初めてなのかなと思いました。

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【6/28公開】映画『凪待ち』主演・香取慎吾さんインタビュー!

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Wakana Yamauchi

Wakana Yamauchi

兵庫県出身。京都の大学を卒業後、 編集者になるために名古屋へ。ゲーム、猫、ファッション、写真が好き。自宅をリノベーションして以来、インテリアにハマっている。

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