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【好評上演中】浅利慶太追悼公演 劇団四季ミュージカル『エビータ』。「チェ」役の芝清道さんにインタビュー!
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2019.7.28sun

【好評上演中】浅利慶太追悼公演 劇団四季ミュージカル『エビータ』。「チェ」役の芝清道さんにインタビュー!

昨年7 月に85 歳で永眠した、劇団四季の創立者で演出家の浅利慶太氏を悼み、選りすぐりの浅利氏演出作品を上演する「浅利慶太追悼公演」。名古屋では、『ジーザス・クライスト=スーパースター』に続き、8月12日(月・休)まで『エビータ』が上演中です。今回は、劇中でストーリーテラー「チェ」役を演じる俳優・芝清道さんに、インタビューを行いました。

『エビータ』はどんな話?

1919年、南米・アルゼンチンに私生児として生まれながらも、美貌と才気でアルゼンチン大統領夫人にまで上り詰めた実在の人物「エバ・ペロン」の半生を描いた物語。ファーストレディの座を手に入れた「エバ」は、金持ちや貴族から金を取り立て、貧しい人にばらまきました。民衆に寄り添ったエバは「エビータ(小さなエバ)」の愛称で親しまれ、今なお国民的に愛されています。本作は1982 年の初演以来、数回のリニューアルを経て、各地で上演。劇団四季を代表するレパートリーの一つとして、根強い人気を誇る作品です。

名古屋公演 撮影者:堀勝志古

ストーリーテラー「チェ」役の芝清道さんにインタビュー

1996年から「チェ」役として『エビータ』の舞台を踏む芝さん。作品の見どころや、浅利先生とのエピソードを語ってくださいました。

名古屋公演 撮影者:堀勝志古

貧富の差が激しい男性社会で、私生児のエバがのし上がっていく様はとても力強く、魅力的です。しかし、政治的には強く批判されている部分もある。女神なのか悪女なのか分からない、「エバ」とはどんな女性でしょう?

そこがテーマなんです。一夫多妻制、男尊女卑の時代に、私生児で生まれたエバの人生は、大変なサクセスストーリーです。今でもアルゼンチンでは、「エビータの時代はよかった」って語り継がれています。しかし、貴族や特権階級の人にとっては、「卑しい人間が自分たちの上に立つなんて」という感じ。エバが“政治ごっこ”をして、国を疲弊させた、という見方もあります。善や正義というのは、立場によっても変わってくる。エバには、「本当に貧しい人を助けたい」という思いもあるし、「女性として煌びやかに美しくありたい」という野望もあります。「エバは女神なのか、悪女なのか?」「何が真実なのか?」「エビータって何?」「結局どういう人なの?」と、男性や女性、観る人によっても見解が変わってくる作品です。

東京公演 撮影者:上原タカシ

―――なるほど。これまで数多くの役を演じている芝さんは以前、『ノートルダムの鐘』の「フロロー」を「運命的な役だ」とおっしゃっていました。20年以上演じ続けている「チェ」にも特別な思いが?

僕は東京へ出てきて、初めて観たミュージカルが劇団四季の『ジーザス・クライスト=スーパースター』なんです。その次に観たのが、『エビータ』。それも本番じゃなくて、たまたまお稽古を観る機会に恵まれて。1幕が終わって、「すげーなー!」って思ったんですが、すぐに出演者がわーっと走っていって。そしたらその先に、怒って「なんだ、あの芝居は?」って言ってる男性がいたんです。

それは浅利さんですか?

そうそう。「すごく怖い!」って思ったのが、浅利先生との、そして『エビータ』との出合いですね。「チェ」はとても良い役なので、その頃から「いつかやりたいな」とは思っていました。劇団に入ってすぐは、アンサンブルにも選ばれなかったんですが、96年の『エビータ』オーディションで、「チェ」役の候補に入れて。でも、その時の候補は“7人”いたんです。最初のシーンに「チェ」が出てきて歌うんですが、それを7回やるんですよ。それで、みんなそれぞれダメ出しをされて。僕も途中で何回も厳しいことを言われて、「悔しいなあ」「リベンジしてやる!」って必死に稽古をして。それを繰り返して、戦いの末に1人残ったような感じです。先生とのエピソードはもっとあって、『エビータ』はそれらが詰まった作品。浅利先生の追悼公演には、そういういろいろな歴史や思いなどがたくさんあふれています。

東京公演 撮影者:上原タカシ

―――浅利氏の厳しいダメ出しの中でも、モチベーションを保てた理由は?

僕はわかっていたんです。ダメ出しをするってことは、「こいつはこれくらい応えてくれる」って、思われているということ。だから、逆に周りからは羨ましがられていました。厳しく言われることも多かったですが、1時間も2時間も僕のために付き合ってくれるんですから。

先生には、愛があったんですね。

愛はたくさんあったと思います。僕が初めて『エビータ』を観た稽古のときも、愛があったから、出演者にダメ出しをしていたんでしょうね。厳しいことを言われても、今でもみんな先生のことが好きなんです。『エビータ』にかける先生の熱意も、すごかったですよ。だからこっちも死ぬ気で覚悟決めてやらなきゃいけない、戦わなきゃいけないって、必死でしたね。たくさん作品について勉強したし、稽古もしました。劇団四季は、人と人が繋いでいく伝承芸術。今ももう一人、後輩が稽古をしているんですが、浅利先生が伝えてきたもの、自分たちが生で受け取った感覚を、今度は僕が伝えています。

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Moeko Mizuno

Moeko Mizuno

岐阜県多治見市出身。雑誌編集者として飲食店やショップを中心に取材経験を積んだ後、家業の陶器屋に転職。現在はライターとの二足のわらじで活動中。趣味は休日に各地のカフェや純喫茶を巡ること。

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