自分で楽曲をつくるときと、今回のようにテーマのある書き下ろしとでは、制作で意識の違いはありますか?
今回、ドラマのオープニングのお話をいただいた時は、「絶対にドラマを邪魔してはいけない」とか「ドラマに合うものにしなきゃいけない」という責任感が強かったんです。でも、脚本を読んだら自然とアイデアが溢れ出してしまったので、そんな心配を一切忘れて作れました。あとは、なるべく脚本からイメージを膨らませるように意識しましたね。脚本が本当に面白くて、ドラマのシーンが次々と頭の中に浮かび上がってきたので、苦労はしませんでした。自分から作詞作曲するときも楽曲にテーマがあって、言いたいことを決めて作るので、その点は意外と同じかもしれないですね。
「勘違い心拍数」のMVは、「突撃にゃんぞぬTV!」という、働く女性をデシさんが中継するリポーター役ということで、つい最後まで見たくなるような、面白くて楽しい演出だなと思いました。これは田辺監督のアイデアですか?
どんなMVにしようかと話し合っていた時に、「リポーターになりたいという案を出したら、監督があそこまで広げてくださったんです。「勘違い心拍数」は、「言いたいことを言えなかったり、嫌なことがあった時の応援歌になるといいな」と思って作った曲だから、聴いてくださっている方々のそういう気持ちを、全部曲にぶつけて欲しいなって思ったんですね。だから、いつも言いたいことが言えない会社員に、「言いたいことを今言ってください!」みたいな風にしたくて。それで田辺監督に、誰かをインタビューし続けるというアイデアを出していただいたんです。
MVの中では、私がマイクを向けると、会社員の方が本音を言ってくれるんですが、それは「曲を聴いて本音が出ちゃう」というか。MVに登場する私の立場が曲そのもの、みたいなイメージです。