クリストファー・ウィールドンさんの振付は、すべての動作に意味や感情をのせる踊りとありますが、踊ってみてどうですか?
振りも結構難しいですが、そこが楽しいところでもあります。踊りだけで進むシーンがありますが、そこでは何が起こっているかを伝えるために「踊りでセリフを言う」ことを意識しています。観ている方に、「今どういう心情なのか」を表情に加えて、動作に強弱をつけたり、体のラインで表現したりして、できる限り伝えたいと思います。また、毎回1日が始まる前に、昨日の反省点や上手くいった場所を共演者と話し合います。そうやって見つかった新しい課題をすぐに調整して…とその繰り返しで、全部完璧に成功したことはありません(笑)ですが、それがいい状態だと思います。もっと先に行くには、チャレンジしていくことが重要なので、ギリギリのところを狙って、挑戦していくことがおもしろいです。撮影者:下坂敦俊
公演を楽しく観るためのポイントはどこですか?
私もそうでしたが、1回観ただけでは作品の良さが伝わりきらないと思います。「衣裳が素敵だな」「プロジェクションマッピングを使っているな」「曲もガーシュウィンで楽しいな」と、とにかく魅力的な情報が多いので、2、3回観ていただくことで、作品の良さや見どころが消化できるのではないかと思います。また、2、3回観るとより多くの気づきがあります。私も1回目は、リズを追って観ていましたが、ジェリーなどの他のキャラクターの目線では、作品の見え方が全く違い、それだけ深い作品だと思います。何度も足を運んで、味わっていただきたいと思いますね。私のおすすめは、3回です。3回観ると作品への理解が深まって、おもしろいと思います。それくらい内容が濃いですね。その中でも、やはり一番の見どころは?
劇中に「バレエの舞台」という設定で、約14分間バレエだけのシーンがあります。よく「バレエ公演を見たほどの充実感がある」と、言っていただけることが多く、大変嬉しいです。ただ歌や芝居が好きで、ミュージカルを観に来てくださる方は、びっくりされると思います。ですが、メインもアンサンブルも全員のダンスレベルが高く、「こんなにダンスができる人がそろうことはないな」と思うほどのクオリティです。私たちがチャレンジしている部分でもあり、観て良かったと思ってもらえるように、全力で踊っているので、注目して見ていただきたいです。一流の音楽やダンス、最新技術による舞台美術が混ざり合った『パリのアメリカ人』。石橋さん演じる「リズ」に、思わず見入ってしまうはず。ぜひ劇場で、ご覧ください。
劇団四季 ミュージカル『パリのアメリカ人』
- 上演期間
- 2019年9月1日(日)~2020年1月5日(日)
- 問い合わせ
- 0570-008-110
- 会場
- 名古屋市中村区名駅南2-11-11 名古屋四季劇場
- 時間・公演日
- 公式サイトで確認
- 料金
- 一般S席1万1000円、A席8000円、B席6000円、C席3000円(+税)