タイトルの「カルペ・ディエム」は、「その日を掴め」「今を楽しめ」という意味がありますが、どういった思いが込められているのでしょうか?
菅波さん 「カルペ・ディエム」は、ドラムのマツ(松田晋二さん)が提案してくれたタイトルです。THE BACK HORNの音楽性の根底にあるものって、「曲を聴くと生きるパワーが沸いてくる」というものを目指してるんですね。昔から、音楽に生命力があるかどうか、というのを鍵にして考えていて。今作に限らず、今までも、これからのTHE BACK HORNにとっても、その思いを象徴できる言葉をマツが見つけてきたって感じですね。なるほど。デビューから貫いている思いを表現する言葉を見つけられた。
菅波さん 俺達は「カルペ・ディエム」を「今を掴め」っていう風に訳していて。今を大切に生きていくことでしか、未来のことをつくれないと俺らは思っているので、そういう意味を込めましたね。それがまた、古代ローマの人の言葉っていうのがね(笑)時代を超えてさ。山田さん 古代ローマの人も、生きるのに精一杯だったんだろうね。でも、今も何があるかわからないし、辛いことがある中でみんな一生懸命に生きていると思うし。今この時代で生きているなら、一緒に生き抜いていこうという気持ちを込めましたね。
菅波さん 「カルペ・ディエム」っていう言葉は、「命の根源」という意味でも言ってるんですけど、もう少しライトな解釈だと「一日一日、その日の花を摘んで」みたいな意味もあるらしくて。それってニュアンス的には、日々の楽しみとかちょっとした喜びが生きる糧になっていくんだよ、みたいなことですよね。例えば…(『月刊ケリー』11月号の「最愛のパンとモーニング」特集を見て)、最愛のパンに出合うみたいな(笑)ちょっとした喜びがあって、今日も頑張ろうと思うとか、そんな意味もあると思います。
昔は、スケールの大きい歌詞が多かったんですが、『カルペ・ディエム』は、日常のことを歌った歌詞が目立ってきましたね。日々の喜びや、ちょっとした悩みっていうのも、生きていることだなって思い始めて。そこは、表現の幅が今まで以上に広がったなと感じました。