「あおい」のキャラクターデザインのポイントは?
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朗らかな姉「あかね」と、やや反抗的な妹「あおい」。ムスっとした表情をしていることが多いヒロイン「あおい」は、どのように生まれたのでしょうか?
田中 最初にシチュエーションが一つ浮かんでいて。元々本編に出てくる御堂のモデルになった場所が秩父にあるんです。そこをたまたま監督とドライブがてら見つけて、「ここに女子高生が立ってると絵になるね」みたいな話をした時に、“仁王立ちをしている女子高生”しかも“ベースを抱えてる”のがすごくカッコいいな、と。それで今回は可愛いよりも、カッコいい感じの女子なのかな、という話をどんどん進めていくうちに、ああいうちょっと喧喧としたキャラクターになりました。
長井 本編で笑っているシーンってあったかな?っていうくらい。割と珍しいヒロイン像ですよね。
感嘆符が付いたセリフが多いですが、アフレコで苦労した点は?
今回主演に抜擢された、若手声優の若山さん。劇中でも感情のこもった演技が光る、印象的な場面がいくつもありました。11歳の少年・正嗣を演じる大地さんの、こだわりにも驚きです。
若山 感嘆符のセリフは確かに、ちょっと上げたり下げたり、ニュアンスや細かい設定が自分の力不足で直せず、何回もリテイクさせていただくことがありました。一番苦労したのは、姉の「あかね」に“どれくらい当たるか”ということです。私は自分の姉にけっこう厳しく当たっていることに気づいたんですけど、実生活のような当たり方をすると、さすがに「あおい」と「あかね」の間だとどうした!?っていう距離感になっちゃうので。どれくらい柔らかくしていくか、調節するのかがけっこう難しかったです。
大地 「正嗣」のキャラクターデザインは、すごくアニメ的、漫画的なんですけど、芝居に関してはずっと「リアルを貫いていきたいな」って思っていました。一番意識していたのは、「口をあんまり開けないで喋ろう」って。普段の私の喋り方と変わらない感じにした方が日常感というか、“リアルに生きてる感”が出るかなと思って、やらせていただきました。でも、「個人情報ー!」と叫ぶところとかは、子どもらしい部分を出して、スパイス的に印象に残るシーンにできたらいいなぁ、なんて思いながら、やっていました。