タイトル『Section #11』の意味や思い入れなどは、ありますか?

「11」の部分をとると、オリジナルアルバム、カバーアルバム、ベストアルバムを含めて、インディーズの頃から通算で11枚目になります。加えて、来年デビュー11年目ということもあって、「11」がかかっています。
僕らの伝えたいロックンロールというのは、進化の必要のない音楽だと感じています。初期衝動や爆発力のあるところで生まれたロックンロールは、誕生した時が一番かっこよくて、それ以上は必要ないと思っています。僕らがバンドを結成した時の最初の目標も、ロックンロールのエネルギーを現代の人たちにも伝えていくことでした。
ただ、50~60年代に誕生した音楽を今の人たちに伝える時、やっぱりその時代によって伝え方が異なると感じています。例えば、現在、機械的にどうとでも操作できる音の厚みを聴いて育った、10代の若い世代の人たちに、50年代の「リトル・リチャード」や「チャック・ベリー」のレコードを持ってきて、「めちゃくちゃかっこいいよね!」って言おうとした時、当時とは音の作り方やレコーディング技術も違っているので、「なんか音しょぼくない?スカスカじゃない?」みたいに感じやすいんですよね。本来のロックンロールの激しさに気付く前に、今の音楽として受け取れないことになるので、僕らはまず現代の音楽に変換をして、ロックンロールの素晴らしさを伝える。その後に、僕らが影響を受けたロックンロールを聞いてもらうと、「なるほどね!」と分かってもらえることがあると思います。その橋渡しが僕らTHE BAWDIESの役目だと思っているので、進化は必要ないけれど、時代に合うように少しずつ変化をさせていっています。
進化と言うと、一章から二章とか、第一部から第二部と、大きな変化があると思いますが、僕らは1枚1枚進化しているのではなく、「section:節」として、一節、二節の小さな変化しかしていません。それは、デビュー当時から何も変わっていなくて、今、僕らの歴史物語は11節目にあり、「ずっと変わらないロックンロールを伝え続けているんだよ」というメッセージを込めて、セクションという言葉を使っています。

実際に今回のアルバムを聞いてみて、自然と身体が動くような曲ばかりでしたが、それは意識的に作られているのですか?

そうですね。僕らの音楽は何も考えずに感じてもらって、その喜びを伝えるバンドです。だから、僕らがロックンロールで最初に影響を受けた、アメリカの音楽の魅力をストレートに伝えたいからこそ、英詞でやっています。
日本には、歌詞が素晴らしい曲がたくさんあるんですよね。そのせいか、初めて新しい曲を聴いたら、まず歌詞が読みたい、歌詞を追いたい性質が根付いているんですよね。身体で音楽を感じるよりも先に、頭で考えてしまう癖があります。でも、ロックンロールはそういう音楽ではなくて、感じたままに身体が勝手に動かせて、グルーヴに身を任せるものなので、その文化や喜びを伝えたいんですね。
実際に、アメリカのロックンロールの歌詞を見てみると、たいしたことは言ってなくて(笑)。でも、彼らから感じるエネルギーは、メッセージではなく、みんなで音楽を楽しんで、そして前に進もうというポジティブなエネルギーが宿っています。そんな力強いエネルギーは、歌詞を読まなくても感じられるものだと思います。
お祭りの時に、みんなで神輿を担いで、「わっしょい!わっしょい!」している時の「わっしょい」という言葉は、頭で考えてないんですよね。その感覚にロックンロールは近いと言いますか。いちいち頭で考えなくてもグルーヴに身を任せられる、お祭り文化が日本人にはあるので、日本でもロックンロールは根付くのではないかと期待を込めて、僕らはこのスタイルでずっとやっています。その気持ちは、デビュー当時から何も変わっていないので、今回、全曲を通して、身をゆだねていただければ、みんなの心を解放する楽曲がそろっていると思います。


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THE BAWDIES(ザ・ボゥディーズ)、『Section #11』リリースインタビュー!

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