『Lavender』の花言葉、「繊細」「疑い」「期待」「許し合う愛」をテーマに、タイトルを決められたようですが、アルバム自体にはどんなメッセージを込めたのでしょうか?
最初アルバム制作に入るときは、コンセプチュアルなアルバムにしようとは思っていなかったんです。曲作りをする上で、“今しか感じられない気持ち”や、“今しか書けない言葉”を大事にしているんですね。今回もそれで言うと、等身大な1枚になったと思っていて、前作の『chayTEA』から2年5カ月ということは、私が27歳、28歳、29歳という年齢を経て作った曲になります。女性ならではかもしれないですが、20代後半にくる漠然とした「焦り」「迷い」「不安」が、14曲出来上がったときに、一貫したテーマになっていることに気付きました。自分も今こういう気持ちで、こういうことが書きたかったんだなということに気付かされたので、そこを「タイトルにしよう!」と。ただ、ネガティブなワードは使いたくなくて、chayらしい言葉で表現できないかと模索する中で、ラベンダーの花言葉が今の気持ちにリンクしたので、「Lavender」にしました。全体としては、“少し大人になった私たちの心の中にあるもの”がテーマですね。女性男性問わず、年齢問わず、みんなが感じうる気持ちを表現している曲ばかりなので、たくさんの方に聴いてもらいたいと思います。
1stリード曲「砂漠の花」は、普段のchayさんとは少し違い、chayさん自身も最も新境地に挑戦した曲とありますが、どんなところがポイントですか?
今までのchayの世間的なイメージとは真逆で、29歳になった今だから歌えた曲というところです。今までは、色で例えるとピンクでガーリーな曲調で、胸のときめきとか、高ぶりにピントを合わせて、実体験を元に制作していたので、ガーリーなラブソングが主でした。ワードとしても「恋」が多くありました。ですが、今回は「恋」のワードがあまり出てきません。「砂漠の花」の2番サビ「ときめくだけならば それは恋 砂漠の花 愛とは許すこと」も、前作の頃の私だったら理解しがたいような、大人なラブソングに挑戦しました。サウンド面でもR&B調は、今までにない新境地でした。歌い方も今までとはかなり変えています。「砂漠の花」は、念願叶って、私の大好きなタッグの松尾潔さん・川口大輔さんが作ってくださいました。お二方も「今までのchayにはないものを作りたいね」って言ってくださり、普段のchayは高低差のある曲が多いですが、今回は高低差が少ないのに、キャッチーで耳に残るメロディラインで、自分が作る楽曲とは違う角度で制作してもらい、刺激になりました。「こういう作り方があるんだ!」と勉強にもなりました。