今作の魅力に迫る、映画女子トーク!
話題のインフルエンサーTAEさん(@tae_624)。名古屋を中心に活躍するフリーランスモデル。『NYLON JAPAN』や『GLITTER』など、幅広い雑誌で活躍中。
率直な感想を聞かせて!
TAE 一言では言い表せないほど、胸を打たれた作品でした。“嘘”がひとつのキーワードだと思うんですけど、嘘って相手を傷つけることもあれば、人を守ることもあるから、一概に悪いことだとは言えないし、難しいなと感じました。
山崎 それで言うと、何に着眼点を置くかというか、誰に感情移入するかで、だいぶ見方が変わってくる映画だと思いましたね。2組の母と息子、2人の孤独を主題として描いているので。
TAE そうですね、誰だってジョンのように孤独を感じている部分はあると思うし、ルパートのように著名人と手紙のやり取りをしていたら、自慢したくなる気持ちも分かるから。私も、大好きな久本雅美さんと、石原さとみさんと秘密の文通やりたいもん!(笑)。文通どころかお友達になりたいですけどね(笑)
山崎 それはすごく分かる(笑)。やっぱり秘密の文通って憧れますよね。しかも大スターならなおさら! そういう風に考えながら、本作を友達と見て意見を交わすのも、また面白いかもしれないですね。
愛と真実を描いた、心揺さぶられるヒューマンドラマ
山崎 「母と子の悩み」「恋愛における苦悩」「孤独」など、様々な葛藤を取り上げている本作ですが、共感した部分などはありますか?
TAE 親子の関係性かなあ。うちは、悩むこととかはなくて、何か少しでも些細なことがあると、母に相談するような良好な関係が築けていると思うんですけど、だからといってずっとそうとは限らないなとも思って。ジョンやルパートと同じような悩みを抱えるかもしれないし、親子というのは一番近いようで一番遠かったりもするのかなって、思いましたね。
山崎 「セクシュアリティ」という主題も、繰り返し問い続けているドラン監督ですが、今回も同性愛について描かれていました。クラブでしばらく見つめあうシーンが色っぽくて、本当に恋をしているかのようで驚きましたし、グッと胸に込み上げるというか、恋愛に性別も年齢も関係ないんだなって思いましたね。
TAE 同性愛の葛藤って、LGBTQの見地からも注目される要素だと思うし、現状いまだに問題になっていて、理解しあえていないことが多いですよね。そういった内容を積極的に取り上げている監督は、意思を貫いている感じがして素敵。もっといろいろな人が住みやすい環境だったら、ジョンやルパートにも違う未来があったのかなって、映画の内容に重ねて思ったりもしました。
山崎 人それぞれ考え方は様々で、誰が正解とか言えないですけど、この映画を見て、親子の関係性やセクシャリティなど、少しでも何か感じてもらえたらいいですよね。少なくとも私は、喧嘩中の母親と仲直りしようと思ったので(笑)、見た人すべてに何かしら響くことがあるのではないかと思います。
TAE そう!私の場合はこの映画で、やっぱりありのままの姿・言葉で相手に愛情を注いだり、守ったり、“素直”に生きることが大事なのかなって感じたから。あと言いたいのは、みんな違ってみんなイイってこと!
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