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【近日公開】山﨑賢人さん×松岡茉優さん共演の映画『劇場』が間もなく公開!先駆けて行定監督にインタビュー

2020.03.30〈Mon〉

最終更新日:2020/04/15

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最終更新日:2020/04/15

お笑い芸人で芥川賞作家・又吉直樹さん初の恋愛小説『劇場』を原作に、山﨑賢人さんと松岡茉優さん共演で描かれたラブストーリー。今作で監督を務めたのは、映画『GO』(01)や『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)『ナラタージュ』(17)でも知られる行定勲監督。早速、作品の見どころを編集部シモムラがインタビューしてきました!

あらすじ
中学からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。しかし、思うようにはいかず、劇団の前衛的な作風は上演ごとに酷評され、劇団員は永田を見放してしまう。解散状態の劇団と、演劇に対する理想のはざまで悩む永田は、言いようのない孤独を感じていた。そんなある日、永田は自分と同じスニーカーを履いている沙希(松岡)に出会い、普段の永田からは考えられない積極さで声をかける。演劇のことだけを考えてきた永田と女優になる夢を抱き上京し、服飾の学校に通っている学生・沙希との恋はこうして始まった。やがて、お金のない永田は沙希の部屋へ転がり込むようになり、一緒に暮らし始めるが―。

©2020「劇場」製作委員会

主演に山﨑賢人さんと松岡茉優さんが選ばれた理由を教えてください

行定監督  永田という役は、先入観を持って見て欲しくないという思いがあり、こういう役をやってない人に演じてほしいとプロデューサーと話している中で、山﨑賢人の名前が挙がりました。その時に意外だと思いました。彼は綺麗な顔立ちをしているから、最初は彼の顔写真に髭を描いてみたんですよ。そしたら、意外と色気があるなと思って、髪の毛も少しぼさぼさにしたりしました。すごく好青年な印象なので、今までそのような役をやってきた俳優さんがやるより、彼のほうが新鮮でリアリティが持てるのではないかと思いました。彼は本当に見事だったなと思います。演じているのを見ていても、非常に彼のポテンシャルが高いと思いました。

松岡茉優のキャスティングのバランスも良く、例えば、アイドルのような可愛らしい人に演じてもらうと、ただみじめな役になってしまいます。そうではなく、松岡さんは台本を読み込み、全ての言葉を踏襲したうえで、どういうふうに演じたらいいのか細かい部分まで考えてきていました。映画の前半では前髪を触るクセが目につくと思いますが、あれは松岡さん自身が考えたクセで、最初現場でも本人のクセなのか役としてのクセなのかわからず、2、3日後に役のクセだとわかりました。後々認めることになる自分の気持ちを、隠そうとして自然と現れる態度みたいなことが役の中で計算されているんですよ。

二人のキャスティングで本当に良かったこと

行定監督  二人は全く角度の違う演技方法で、山﨑は衝動的に、場面ごとに根本を変えずに演じるタイプ。松岡は計算が成り立っていて、最初からエンディングまでどう演じ分けていくかを考えながら演じています。非常に良かったのは、松岡の沙希の在り方によって、山﨑がどんなふうにリアクションしていくかという演者によって演者の魅力が引き出されていくこと。二人の関係もとても良く、このキャスティングで本当に良かったと痛感していますね。

©2020「劇場」製作委員会

現場の雰囲気はどうでしたか?

行定監督  二人はずっと会話していましたね。役についてではなく、撮影ぎりぎりまで全然違うことを話していました。役に入りこんで、ずっとそれでいるスタイルではないんですよね。もちろん、ヘビーなシーンでは、距離をとって離れていた時もありますけど、基本的にはフレンドリーで撮影になると集中するような感じでしたね。緊張感もありましたし、カメラの前で山﨑賢人が思いもよらない表情をする時もあって、そういうところも思わす惹きこまれますし、そういう演技を引き出す松岡にも女優の才能のようなものをひしひしとみんな感じていました。すごくいい雰囲気の現場だったと思います。

特にこだわったシーンを教えてください

行定監督  下北沢の実在する劇場が小説に出てくるのですが、劇場は年中空いているわけではないため、撮影時に借りられず、撮影用に完全再現することになりました。その実際の劇場に立ったことのある俳優さんたちも実際の場所で撮影したと思うほど、細かい部分までこだわって造りました。僕もびっくりするほど完全再現していましたね。リアルに再現するということは実は重要で、下北沢で撮影していましたが、彼らの行動範囲の地図が描ける範囲内に沙希の家もありました。手間がかかっている、簡単に撮っていないという、あえて手をかけることでエンターテインメント性を高める、見えるものではないけれど、スタッフやキャストの意識も変わります。あるプロデューサーには、「六畳一間の同棲物語なんだなと小説を読んで思ったけど、全然貧乏くさくない映画だな」って言われて、それはうれしかったですね。

©2020「劇場」製作委員会

過去作の恋愛映画だと性愛で愛を表現している作品が多く観られたかと思いますが、今作ではあまりなく、今までとは違った視点で恋愛を表現されているのでしょうか?

行定監督  最初の脚本の段階でも性愛を描かないということは明確に決めていて、原作でもあまり描かれていません。ずっと考えていたのですが、男女間の性愛とはどんな位置づけなのか、彼らの結びつきって何だろうか。性愛には、欲望をぶつける瞬間があり、大概の人は大切な人に対してそう簡単にはぶつけられないのではないのかと、今回の永田で思いました。だから、その描写は本当に必要なのかなって、大切にしている人に対しては、意外に積極的にできないものなんじゃないかと思い、今作ではあまり描かない表現にしました。

ラストシーンに込められた思いは?

行定監督  小説を読んだときにこれを映画にしたいなと思えたのは、ラストシーンが想像できたからなんですよね。六畳一間で終わる小説というものはいろんなものが含まれていて、あの二人にとって「劇場」は、あの六畳一間だったんだといのも1つの考え方。あの部屋を違う異空間、演劇的な空間に変貌できないかなと思った時にそれが想像できたんですよね。ラストの小説での彼の気持ちを“今もなお、演劇をやっている”という表現に解釈を変えました。映画でしかできないことをやりたかったですね。演劇的な何かで表現したいとずっと考えていた思いも込めて、今作のラストシーンを作りました。

最後に、行定監督からケリー読者へメッセージをお願いします!

行定監督  20代30代を過ごしていると、20代の前半から後半にかけてだいぶ変貌していくと思うんですよね。「夢を追いかける」という言葉が、美しい時代から現実をおびてきて、残酷な時代へ変わっていくと思います。この二人は夢を追いかけて東京に出てきた地方出身者。一人は兵庫、一人は青森から出てきた二人が出会ったわけですが、夢を追いかけることの美しさから残酷さまで、二人がその中で必死に向き合った記録が描かれています。きっと観る度に違う印象を持つだろうし、この二人の話はそんな悲しい話でもなかったかもと思える時が来るかもしれない。何者でもない人間が人を必要として、相手を理解するラブストーリーなので、きっと皆さんにも刺さるものがあるんじゃないかと期待しています。

映画『劇場』

ミッドランドスクエアシネマ他で近日公開
※公開日につきましては作品公式HPをご確認ください
監督 / 行定 勲
原作 / 又吉直樹『劇場』(新潮文庫)
脚本 / 蓬莱竜太
出演 / 山﨑賢人、松岡茉優、 寛 一 郎、 伊藤沙莉、井口理(King Gnu)、浅香航大 ほか
配給 / 松竹 アニプレックス
公式サイト / https://gekijyo-movie.com/

©2020「劇場」製作委員会

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