ドキドキするようなシーンもありますが、その時の心境はいかがでしたか?
竜星さん 最初のシーンは、いつくるのかタイミングがわからないから、目を瞑りながら待っていましたね。なんとも表現しにくい感情でしたが、一つ言えることは、古川さんの唇は柔らかかったということですね(笑)監督から演出などありましたか?
竜星さん そこまで演出もされていなかったので、僕が自由にやることをみなさん自由に受け入れてくれていましたね。この光臣と大和みたいな、ちょっとちぐはぐな関係というのが、いい意味で活きたのではと思いました。僕がストライクゾーンに投げても、意外と古川さんからしたら、ボールだったり、それをうまくどうやったら古川さんが笑ってくれるかなと思って接したりしていました。竜星さんにとって、今作で一番チャレンジされたことは何ですか?
竜星さん 僕史上の中では、一番可愛らしい自分の姿を見せられたんじゃないかなと思うので、そこはいい収穫だったと思います。こういう可愛らしい姿も見せることができるんだよっていう(笑)監督も言っていましたが、男らしいイメージの役が多かったので、そうじゃない可愛らしい姿を見たかったというリクエストもありましたし。愛くるしさというのは、彼のいろんな笑顔から感じてもらえたらいいなと思っています。田舎育ちの役は、意外と想像しやすかったです。両親が山形出身で、おじいちゃんは農家なので、小さい頃は遊びに行っていましたし、そのあたりは想像しやすかったですね。印象深かったシーンや、ここを観てほしいと思っているシーンを教えてください。
竜星さん 印象的な部分はいろいろとありましたけど、大和目線だとおじいちゃんとのシーンですね。東京へ行く前におじいちゃんに話を切り出すあのシーンでは、大和がちゃんと自分の壁と向き合って、新しく踏み出すというターニングポイントでもある一場面。あのシーンは、おじいちゃんとの本当に家族になったような、僕自身もグッとくるシーンになったかと思います。思っていた以上に良いシーンになりました。30代前の男の人生を見守らせてもらったような感じでした。竜星さん自身が、俳優で生きて行こうと決められたきっかけや作品などは、あったりするのでしょうか?
竜星さん 本気でそう思うようになったのは、このコロナ禍の自粛中の期間ですね。今まで前に進むことしかしてこなかったですが、初めてストップすることが起きて、立ち止まって考えましたね。俳優という職業は向いているのかとずっと考えながら生きてきて、以前に「劇団☆新感線」の舞台をやった時に、そこからお芝居をするということに自信も持てるようにもなりました。その後にいまの状況になって、本気で考えて、俳優という職業をずっとやっていきたいという気持ちになりましたね。ロケ地の長野は、景色が良さそうでしたね。ロケーションは良かったですか?
竜星さん そうですね。この作品は、映画館でぜひ観てほしいなと思いましたね。なかなか遠出ができない状況の中、映画館でこの映画を観ている空間だけは、すごくゆったりとした時間が流れていて、小旅行をした気分にもなれるなと思いました。『リスタートはただいまのあとで』
監督 / 井上竜太
原作 / ココミ「リスタートはただいまのあとで」「リスタートはおなかをすかせて」(プランタン出版 刊)
出演 /古川雄輝、竜星涼、甲本雅裕、螢 雪次朗、村川絵梨、佐野岳、中島ひろ子、三浦理奈 ほか
公式サイト / https://restart-movie.com/
©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会