足立監督が続編も作っていけたらとお話ししていましたが、もしお話が来たら、ぜひ引き受けたいと思いますか?もし引き受けた場合に、挑戦したいシーンなどありますでしょうか。
水川さん そのような話があれば、ぜひやりたいなと思いますし、監督自身の面白いエピソードもご夫婦ですごくたくさん持っていらっしゃるので、いくらでもネタがあるとおっしゃっていました。いろんなストーリーが作れると思います。
濱田さん 夫婦漫才は外せないですよね(笑)
水川さん そうだよね(笑)そういう話もあって、それは絶対やってみたいなと思います。
濱田さん 僕としても、濱田岳・水川あさみ不仲説で続編不可能ってなるぐらい続けていきたいと思います(笑)
水川さんから見て、チカが豪太と一緒にいる理由は何だと思いますか?
水川さん チカが豪太に対する気持ちは、きっと若い時に出会ってからほとんど変わっていなくて、彼の才能だったりとか自分が持っていないものを持っているところを尊敬していたりとか、最初の回想シーンだとわりとチカが豪太のことを好きなような感じに描いているような気がして、夫婦になってからもその気持ちがずっとあったと思います。だけど、何十年も一緒にいる中で、いろんなものがねじれていって、一番大切にしていたものがちょっと心の奥のほうに隠れてしまっている状態。愛情はもちろんあって、信じているからこそ、どうにか頑張ってほしいし、一花咲かせたいと思っているんだけど…というような。それをも超えて崩れるような出来事が起こっても、その豪太の生き抜く強さにうまく丸め込まれているんだと思います。見えない信頼関係がいっぱい張り巡らされていて、離婚することは絶対にないと思います。
ロケ地が香川ということで、記憶に残ったシーンなどありますか。
水川さん この役で増量したんですが、元々太りやすい体質でもないので、なかなか増量できなくて、香川のおいしいおうどんをたくさん食べに行っていたら、いい感じに増量できて、大好きなおうどんを好きなだけ食べられたので、一石二鳥でした。お酒もおいしかったです。ポスターの撮影も最初の日に撮影したんですが、この小豆島の海もとてもきれいでした。
今年はコロナという特殊な状況になっていて、まだまだ暗い気持ちになっている人が多いかと思いますが、この時期にこういった楽しませるような映画を公開することをどのように思っているかを教えてください。
濱田さん みんなおうちの中で我慢する時期があって、今まで感じられなかったストレスを感じられたかとも思いますし、僕らが演じた夫婦に共感できる部分が以前よりも多いかもしれないです。より僕らのことを笑ってくれる人が増えたんじゃないかなと前向きにとるようにしています。コロナの影響で映画館へ足を運ぶということが難しくなり、なかなか映画館へ行けていない人もいるかと思いますが、僕ら夫婦のドタバタ劇を指さして笑ってもらって結構な映画なので、久しぶりに映画を観る第一歩にはもってこいの映画だと思います。
水川さん 自粛期間を終えてから、映画館へ1度行きましたが、みんなで映画を観るという当たり前のことにぐっときたんですよね。全く知らない人たちが集まって、1つの映画を観て、共感したり、感動したりとか、すごい空間だったことを思い出すというか、映画館でこれを公開できるということがうれしく思います。たくさんの人に映画館で観てほしいと言えない状況は辛いですが、映画館に縁があって来てもらえる人には、思う存分に映画を楽しんでもらえたらなと思います。
映画を観た方の評判を聞いていかがでしょうか。
濱田さん 東京国際映画祭などで素直に反応が見られてうれしかったです。まさか僕らの映画が六本木ヒルズの大きいスクリーンで流されるとは思ってもいなかったので、外国の映画館で観ているようなお客さんが声を出して笑って観ている様子を目の当たりにして、いくら国際映画祭とはいえ、日本の方が多い中で、声を出して観てくれているのは、涙が出そうなくらいうれしい出来事でした。喜劇というのは、誰が観ても笑えるものを喜劇と言うんだと思います。どんな人でも笑える瞬間があると思います、2軒3軒隣りのご夫婦を覗き見している感覚で観てもらって、反面教師として観てもらってもいいです(笑)どなたでも楽しんでもらえる内容になっていると思います。
映画『喜劇 愛妻物語』
- 9月11日(金)よりミッドランドスクエアシネマほか全国にて公開中
- 監督・脚本 / 足立 紳
原作 /足立 紳「喜劇 愛妻物語」 (幻冬舎文庫)
出演 /濱田 岳、水川 あさみ、新津 ちせ、夏帆、大久保佳代子、ふせえり、光石研 ほか
公式サイト / http://kigeki-aisai.jp/