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【11/13公開!】波瑠さん×松山ケンイチさん共演の映画『ホテルローヤル』の武正晴監督にインタビュー!

2020.10.25〈Sun〉

最終更新日:2020/10/23

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【11/13公開!】波瑠さん×松山ケンイチさん共演の映画『ホテルローヤル』の武正晴監督にインタビュー!

11月13日(金)公開の映画『ホテルローヤル』。直木賞を受賞したベストセラー小説を映画化したことでも話題になっている本作が、いよいよ来月公開。愛知県出身でもある武監督に、映画のロケ地は釧路?キャストは?撮影でこだわったポイントは?などなど、映画の見どころをインタビューしてきました。

STORY
北海道、釧路湿原を望む高台のラブホテル「ホテルローヤル」。美大受験に失敗した雅代(波瑠)は、居心地の悪さを感じながら、家業であるホテルを手伝うことに。アダルトグッズ会社の営業・宮川(松山)へ密かに想いを寄せつつも黙々と仕事をこなす雅代。ホテルには、非日常を求めて様々な人が訪れる。そんなある日、一室で心中事件が起こり、ホテルはマスコミの標的に。さらに父の大吉(安田)が病に倒れ、雅代はホテルと自分の人生に初めて向き合っていく―。

原作者の桜木紫乃さんのこだわりを映画にしたい、映画のロケ地は釧路に

原作もある本作ですが、美術やロケ地含め、監督のこだわったポイントを教えてください。

武監督  原作ものの難しさというものは、他人の褌で相撲を取らないといけないので、原作を好きな人をがっかりさせたくないという思いがありました。ファンの人からしたら、僕らは後から入り込んできた人間なので、映画化ってそこの難しさがありますよね。すごく素敵な原作ですが、映画を作るには原作をいじらなくてはいけないので、どれだけ原作の良い部分を活かして、やれるかということですね。今回の場合だと、ロケ地は釧路だという話になりまして、自分がこだわるというよりかは、原作者の桜木紫乃さんのこだわりを映画にしたいなと思いました。

桜木さんは、北海道に在住して北海道のことを書き続けている作家さんなので、北海道をよくわかっていない我々が、無知のままやれない題材だなと思って、桜木先生の本を全部読んで、先生が北海道の釧路にこだわっている面白さをできるだけこちらでも共有させてもらいました。

そして、映画の主人公になり得る、それぞれの物語を繋げる203号室の部屋をセットで作らなくてはいけないなと思いました。また、ラブホテルという閉鎖された空間で、あえてオールシーズンを見せる表現や、朝昼夜をホテル内で演出するということに挑戦しました。これは映画としても一つのチャレンジでしたね。そこは面白くできました。

ラストの波瑠さんの表情が全て

キャスティングについてと、波瑠さんと松山さんで良かったなと思う場面を教えてください。

武監督  松山さん演じる宮川に惹かれて、波瑠さん演じる雅代が、「体を使って遊びませんか」と宮川を誘う場面は、本作の山場だと思います。ここは二人の芝居が肝だったんですけど、やはりさすがだなと思いました。原作の中でも、このシーンが一番、桜木さんの筆が立っているところで、「いま奥さんのこと考えたでしょ」って言う部分は、男としてはドキッとするような、男性に対しての女性の視線みたいなのがすごく良く書けていて、波瑠さんが前半で抑えていた控えめな芝居がああいうところでビシッと出るのが良いです。

最後に、みかんを見た時の表情とか、原作の小説を読んだ時の読者の感覚を汲んで、雅代自身がリアクションするというような、あのラストの波瑠さんの表情が全てだと思います。波瑠さんは、原作を仕事のオファーよりも先にプライベートで読んでいたそうで、そこから始まっているのも良かったかなと思います。指示を出さなくても波瑠さん自身がもうわかっているように感じましたし、雅代という人をよく理解をされているなと撮影している時にすごく感じました。

実は一番力を入れたのが雅代の部屋

原作では描かれていなかった、映画ならではのこだわりのシーンを教えてください。

武監督  原作には描かれていなかったのですが、雅代の部屋については、かなりこだわってスタッフと議論しました。最後に書き足した部分になりますが、そこがすごく重要になってきましたね。最初は台本になく、一行だけ「雅代は部屋にいる」と書いてありましたが、じゃあ部屋はどうするのかという話になり、ラブホテルを作った親父がいい場所を用意したんじゃないの?とか、いい風景が見える部屋なんじゃないの?って、意見を出し合って「この風景最高だろ?」というセリフも増やしました。また、この部屋で育つ女の子は一体どういう人なのだろう?とか、じゃあ絵を描いている設定にしようとか、美大受験に失敗したっていう一行も原作にあったので、それをヒントに部屋で絵を描いているということにしました。そしたら、じゃあ、ここでどんな絵を描いているの?と、次は美術部の悩みの種に。

雅代の部屋は、台本や原作にもなかったので、内装にも悩んでいたら、札幌のロケで控室に使っていた立派な建物を覗いた時に、廊下にでっかい窓があって、これを屋根裏部屋にできないのかなと思いました。ただの廊下にセットを組み、窓からは、湿原が見えるようにしちゃおうかって話して、合成で湿原をはめ込んで、ここからオールシーズンの風景を見えるように工夫しました。実は一番力を入れたのが雅代の部屋ですね。原風景というのは、みんな覚えているもので、雅代も最後に思い出すのは、親父が作ってくれたあの部屋での思い出になるのかもと、すごく物語が広がりましたね。映画にとってはすごく大きな意味を持たせることができ、スタッフが一番苦労した部分だったのではと思います。僕らの新たな発見でしたね。

合成などはよく映画に織り交ぜる手法なのでしょうか?

武監督  今までもありますが、今回は湿原をはめて、さらにオールシーズンきっちり見せたかったのでCGも入れました。これは新しいチャレンジでしたね。スタッフの中に北海道出身の人も何人かあえて入れた時に、そこの指摘はありました。我々にはわからない、北海道での生活の厳しさや、夏が終わったらあっという間に冬がやってくる感覚など、北海道のスタッフの人たちの話を聞きながら、雪が降ってくるタイミングだったり、木枯らしの音だとか、録音の人も北海道出身の人にお願いしたり、北海道出身の人を技師として入れたのが、通常とは違う感じになりましたね。

歌詞も映画にぴったり!急に降ってきた『白いページの中に』

主題歌の決め手についても教えてください。

武監督  主題歌に関しては、ロケハンで釧路の坂道を見ている時にあっ!と思って、ホテル戻ったらすぐにYouTubeで『白いページの中に』を聴いてみました。自分の原風景と言いますか、小学生の時に聴いていた曲が、急にこの作品に合うのではと思って、久しぶりに聴いたら、ぴったりとはまったので、よし、これでいこうと思いました。普段聴いているわけではないですが、なんか急にふっと来ましたね。歌詞もぴったりでした。

音楽の担当が富貴さんとのことで、本作での音楽へのこだわりも教えてください。

武監督  今回はタンゴでいこうかと提案しました。女性が部屋を出ていくようなイメージがなんかタンゴのような感じがして、編集中はあらゆるタンゴの原曲を貼り付けてみたりしていました。音楽もすばらしい映画になっています。

エンドロールの演出についても教えてください。

武監督  映画はオープニングもタイトルもエンディングも演出なんだなと、子どもの時の経験で知っていて、最後の最後まで名残惜しいなと思う演出ができないかなと思っています。『ホテルローヤル』に関しては、カーテンコールの中で映画が終わっていけばいいなと思いました。後でエンディングでのカットを選ぶこともありますが、今回に関しては最初から台本に書き込んでいました。

『ホテルローヤル』

11月13日(金)よりセンチュリーシネマほかにて公開
監督 / 武 正晴
原作 / 桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)
出演 / 波瑠、松山ケンイチ、安田顕、余貴美子、原扶貴子、伊藤沙莉、岡山天音、夏川結衣 ほか PG12
公式サイト / https://www.phantom-film.com/hotelroyal/
©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会

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