2020.12.24thu
大須に「おにぎりやさん」がオープン。具だくさんの炊き込みご飯やもちもち玄米を使ったおにぎりも【名古屋】
おにぎりと味噌汁だけでお腹も心も満足できる。「一汁一飯」を提案する「おにぎりやさん」が、2020年11月、大須に実店舗をオープン。シンプルな塩むすびや旬の食材を使った炊き込みおにぎり、もちもちの玄米おにぎりなど、約10種類のおにぎりが並びます。
大須に「おにぎりやさん」がオープン。具だくさんの混ぜ込みご飯やもちもち玄米を使ったおにぎりも【名古屋】
中区・大須にテイクアウト専門店「おにぎりやさん」がオープン
地下鉄「大須観音」駅から南へ歩くこと約8分。渋いビルの1階に、おにぎり専門店「おにぎりやさん」があります。
ショーケースに並ぶ約10種類ほどのおにぎりをつくっているのが、店主の杉江さん。土鍋で炊いたご飯のおいしさを伝えたい気持ちから、「おにぎりやさん」をスタートしました。
約5年前からイベントの出店など、実店舗を持たずに営業していた同店が、店を構えた理由は?実店舗のオープン前後の変化とは?店主の杉江さんに伺いました。
やってみて、気づいたらやりたいことにつながった
杉江さん 元々イベントでの営業が主だったため、新型コロナウイルスもあって、中々お客さんに食べてもらう機会が減ってしまって。お客さんに安心して食べてもらう機会をつくりたいと思い、テイクアウト専門店として店を構えたいと思いました。
だから、「店を持つぞ!」と最初から思ってはいなかったんです。でも、お店を持つことで、お客さんとゆっくり話す機会ができて、「私ってこれがやってみたかったんだ!」って後から気付きました。
ーーたしかに、イベントだとなかなかゆっくりお話するのは難しいですよね。
杉江さん そうなんです。生産者さんのことも伝えられるようになったのはうれしいですね。よくお客さんから「お米がおいしい」と言っていただくのですが、愛知県美浜町の杉浦農園さんのお米を使っていて、海苔は三重県鈴鹿市の漁師さんが作っていて……って、おにぎり一つとっても多くの生産者さんがいることを、発信したいと思っています。
ーー他にも実店舗を構えてからの変化や気づきはありますか?
杉江さん あと、汁物を始められるようになり、豚汁を販売しています。それによって、「一汁一飯」を提案できるようになりました。ごはんと汁物があればそれで十分。そんな意味を込めて、場を持つことで具体的に提案をして行こうと思います。
土鍋で炊いた愛情たっぷりのおにぎりは約10種類
「おにぎりやさん」のおにぎりは、シンプルな塩にぎりや旬の食材を使った炊き込みおにぎり、もちもちの玄米おにぎりなど、約10種類のおにぎりが並びます。
中でも人気は、おかかの混ぜ込みご飯の上に味玉をドンと乗せた「味玉ちゃんにぎり」や、季節替わりの炊き込みおにぎりです。
杉江さん 三重県伊賀市の長谷園さんが手掛ける土鍋を6個使って炊いています。1つの土鍋につき5合しか炊けないので、商売的には非効率ですが、おいしいを優先したい。非効率とわかっていても、洗っては炊いてと何回も繰り返しています。
ーー「おにぎりやさん」のおにぎりは、お米だけじゃなくて、海苔も塩もおいしくて!シンプルゆえに素材のおいしさをダイレクトに感じます。
杉江さん 海苔は鈴鹿の漁師さんのもの、塩にぎりには、少し贅沢に粗めの種子島の天日塩を使っています。また、ねぎ味噌にぎりの味噌は、自分で仕込んだ手前味噌を使っています。
実店舗を始めてからスタートしたという玄米おにぎりは、「ミルキークイーン」という品種を使用。圧力鍋を使って炊いていると言います。
杉江さん 土鍋だとパラパラとした炊き上がりですが、圧力鍋で炊くと、かなりもちもちになるんです。ミルキークイーン自体も、もっちり感が特長なので、うちのは独特の食感だと思います。今まで玄米が苦手だった人が、「ここのは食べれる!」と言ってもらうことも多くてうれしいですね。
ーーそうなんですね!たしかに、「おにぎりやさん」の玄米おにぎりは、もちもちで玄米の香ばしさや香りも良くて、玄米好きさんもそうでない人もよろこばれそうです!
お腹も心も満ちていく、「一汁一飯」を形に
実店舗を構えてから始めた味噌汁は、味噌をほぼ月替わりで変えていく予定だとか。2020年12月は、山梨県の五味醤油の味噌を使った「具だくさん豚汁」。
人参、大根、舞茸、豚肉など7種類の具材が大きめにカットされているので、まるで食べるスープのような食べ応えのある一品です。
杉江さん 「おにぎり2個と汁物だけだと足りないかな」と思うお客さんが多いですが、豚汁は300mlで具だくさん、お肉もお野菜も入っていて、ボリュームがあります。手軽だし栄養バランスもとれていて、おにぎりと食べれば腹持ちもいい。「一汁一飯」を知ってもらうきっかけになったらいいなと思っています。
生産者とお客さんの架け橋となる、おいしいものが集まる場所へ
また、「おにぎりやさん」では、「美濃加茂茶舗」のほうじ茶・煎茶・玄米茶や、「ホーリーバジル+陳皮ブレンドティー」など、おにぎりに合うドリンクも販売中。
「ホーリーバジル+陳皮ブレンドティー」は、畑を持ち、無農薬野菜を作っているスタッフが独自でブレンドしたもの。
おにぎりを通じて生産者の思いを届ける杉江さんに、今後やりたいことについて、最後に伺いました。
杉江さん 今も店頭でお菓子を置いていますが、物販をもっと増やしていきたいですね。
そして、お米や味噌の量り売りもやってみたいと思っています。自分だけにいいものをとどめておくのはもったいないので。
あとは、味噌仕込みのワークショップを「TOKONAME STORE」さんでずっとやっているのですが、ここでも少人数制で、みんなと一緒にできたらいいなと思います。
「おにぎりやさん」には、これからもいろんなおいしいものが集まる場になる予感。シンプルなおにぎりだからこそ、いろんなものと合わさって表現できるのかもしれません。
ぜひ「おにぎりやさん」に足を運んでみてはいかがでしょうか。