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【連載コラム】編集部コバヤシの「美術館と癒しの備忘録」-memo.10『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』-

2021.01.29〈Fri〉

最終更新日:2021/02/14

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最終更新日:2021/02/14

こんにちは! 2月に発売するケリーのチーフを担当で、ありがたいことに毎日忙しくさせてもらっているコバヤシ(@maikoba_22)です。毎月15日更新のコラムも今月だけズラしてもらいました…(涙)。

さてそんな近況はさておき、今回は、先日内覧会にお招きいただきました「愛知県美術館」で開催中の『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』をご紹介していきます。通常は撮影ができないところも今回は特別に撮影できた箇所もあるので、そんなところも交えて、個人的ハイライトをお届けします。

【連載コラム】編集部コバヤシの「美術館と癒しの備忘録」-memo.10-

『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』

圧巻の展示作品数に驚き!


東海地区での開催では過去最大級の個展となり、その展示作品数はなんと、687点! 一周見終わったことには、もうヘトヘトで…久しぶりに疲れました…(笑)。

それもそのはず。今回は、横尾さんの幼少期から今までの80数年という生涯を辿りながら、イラストレーターやグラフィック・デザイナー、画家、芸術家といった多岐に渡る活躍ぶりの軌跡を一堂に展示しています。構成としては、①戦時中、戦後である少年時代の記憶、②イラストレーターとしての活躍、③グラフィック・デザインから絵画へと活動領域を移した「画家宣言」以降の作品、④ターニングポイントともなる2000年代以降の4つの時代に区分され、当時の時代背景や状況に絡めながら作品を紹介しています。


《暗夜光路 眠れない街》2001年 公益財団法人アルカンシエール美術財団 / 原美術館コレクション

横尾さんの作品の中でも最大の連作に発展し、今後のターニングポイントにもなった、総数150点以上のY字路の作品。どこかで見たような既視感や懐かしさと合わせて、見知らぬ土地のよそよそしさを表現することで、子どものころに感じた不安な気持ちを想起させます。

“二手に道が分かれている=全く別の世界に繋がっている”ことを意味するかのように、対照的な表現をする作品もありました。皆さんも数々の選択をしながら日々過ごしていると思いますが、いかにその選択が重要なことであるかを感じました。


「赤の魔宮」では、幼少期に住んでいた兵庫県の明石や神戸の街が空襲を受けていた時の情景を表現。その景色が赤の世界を死と結び付ける原点となり、赤を血や生命の色として表現し1990年代後半に集中して描かれたそう。

絵画は、その時代を生きてきた人が見たこと、感じたことを次世代につなぐ役割も果たしていると思っているので、まだ私が生まれる前の出来事を直接感じることができたような気がします。その反面、戦争などの苦しい時代を生きてこなかった私たちには絶対に生み出せないような描写もあり、一つずつ理解ができるようになっていくのもアートの一つの楽しみ方だなと改めて思いました。そして、今を生きる私たちにしか表現できないこともきっとあるんだろうなとしみじみ。


展覧会の最後には「WITH CORONA」と題して、横尾さんが毎日Twitterで更新している作品を展示。自分の作品やテレビの画面、街の風景など様々なビジュアルに、マスクや口を重ねたコラージュ作品シリーズです。マスクのない日々が当たり前だと思っていたころと今は当たり前の概念が違うものになっていて、「当たり前ってなんだろう?」と考えさせられました。もちろん会期中も作品が投稿されるので、日を追う度に美術館の展示作品も増えていきますので、ぜひ注目を!

個人的なハイライトはこちら


《滝のインスタレーション》1999-2021年 作家蔵

「このインスタレーション作品はぜひ観てもらいたい!」と思ったのがこちら。1988年ころから5年間、横尾さんは滝をモチーフにした絵画を50点ほど描いていたことがありました。その際に集めていた滝のポストカード数が、1万3000枚。膨大なコレクションが一堂に集結したのがこの作品です。隙間なく、壁にびっしりと並んでいます。
コレクションしたもの自体も作品になるんだなと思いつつ、収集癖の私でもここまで集められるかな…と思ってみたり。


《滝のインスタレーション》1999-2021年 作家蔵

ただ単に並べているわけではなく、床を鏡にすることで空間全体が滝のポストカードに包まれる工夫もあります。コレクションの数と展示方法でも圧倒されるのですが、ポストカードを一つずつ見ていると、場所も水の流れ方も水量も角度もすべて異なっているので、見比べる楽しさもあります。


所狭しと並んでいる作品が好きなんだとバレそうですが、こちらもすごかった! 数百人にも及ぶ文豪やアーティストたちを、様々なスタイルや手法、色調を駆使してそれぞれの個性的な特徴とともに描き分けています。いろいろなものを対象にしてきた横尾さんだからこそ成せた作品にあっぱれです。
皆さんは何人著名人を見つけられましたか? ぜひ会場でも答えを見る前に当ててみてくださいね。

オリジナルグッズも盛りだくさん!


「GENKYO EYE and MOUTH まんじゅう」(税込756円)。

横尾さんの世界観をそのまま引き出したようなポストカードやノート、ハンカチ、マグカップ、缶バッジ、さらにはまんじゅうまでそろいにそろっています。

展覧会で見つけたお気に入りの作品を家でも堪能したいですし、グッズをきっかけに周りの人に展示の内容を話してみると、きっと新しい発見もあっておもしろいと思います。


「Mask:TOUGUE MOUTH」、「Mask:OPEN MOUTH」(どちらも税込2750円)。

「WITH CORONA」の作品のトレードマークとされるマスクも販売しています。これをつければ、あなたも作品としての写真が撮れますね。コロナもアートのパワーで吹き飛ばしていきましょう!

展覧会の詳細はこちらからどうぞ!

今月の癒し


私の家のベランダから見える景色をお届け。最近在宅勤務の日々が続き、私は外の景色が良く見える部屋で作業をしているのですが、会社にいるよりも太陽の動きによる時間の流れとか、天候の変化に気づきやすいので、ちょっとした息抜きに夕日を眺めています。何日か連続して撮影しますが、一日として同じ表情をみせない空模様は見ていて飽きませんね。今日はどんな夕日が見えるのか楽しみにして、日々を頑張ります!

次回は、2月15日(月)です(早い!笑)。遅れないようにしっかり更新してきます~ので、お楽しみに。

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