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【連載コラム】編集部コバヤシの「美術館と癒しの備忘録」-memo.12『蜷川実花展』-

2021.03.15〈Mon〉

最終更新日:2021/03/15

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最終更新日:2021/03/15

こんにちは! 変わりやすい天気が続き、そろそろ春がやってくるな~とソワソワしているコバヤシ(@maikoba_22)です。昨日は雲一つない快晴で、とっても気持ちが良かったですね。

さて、そんな清々しい晴れやかな日に松坂屋美術館で開催中の『蜷川実花展』を観てきました。写真作品を写真におさめるという不思議な感覚に陥りながら、いろいろなことを考えるきっかけを与えてもらいました。今回は、そんな思考の一部を語ります(笑)。

【連載コラム】編集部コバヤシの「美術館と癒しの備忘録」-memo.12-

『蜷川実花展―虚構と現実の間に―』

写真から見る、美しさと儚さ


最初は、日本の国花でもある桜の写真。壁、床一面に写真が貼られ、さらに様々な桜の写真が飾られていました。まさに春先取り。「死ぬ間際にも桜を見たい」ほど、桜が好きな蜷川さん。日本の桜がほとんどクローンであることに文明の宿命を感じているようです。


「永遠の花」をテーマにした次のコーナーでは、色鮮やかな花々が可憐に咲き乱れるようにパネルが並びます。蜷川さんは墓地に供えられた枯れることのない造花を見たとき、この世を去った人との記憶を永遠に留めておきたいという欲望を象徴していると衝撃を受けたそう。特定の時期にしか咲かない花たちも蜷川さんがシャッターを切ることで、作品の中で永遠に咲き誇り、人々の記憶に残っていくんだろうなと。


展示の最後のコーナー「INTO FICTION / REALITY」では、こんな撮り方・切り取り方があるんだと参考にしつつ、たった1枚からどれだけいろんな情報を引き出せるか向き合いました。美しい中にどこか儚く、切なさを感じさせる写真が多いように感じられ、対象物の裏表さえも表現しているのかなと思いました。

自分と、いのちと、向き合う

撮影NGの箇所もいくつかあり、ここでは写真とともに紹介できないことが残念でもありますが、今回いろいろな思考を張り巡らされたのはすべて撮影NGの展示場所でした。


「INTO FICTION / REALITY」コーナーにて。

蜷川さん自身が自分をモノクロで撮影する「Self-image」では、自己のアイデンティティについて。
今や世界中を駆け巡り、名だたる写真家・映像監督として活躍している蜷川さんも私たちと同じ一人の人間であること。自分とは比べものにならないくらいすごい人はたくさんいるけれど、肩書きに踊らされず、いかにその人の個性や本質と向き合えるかを突き付けられた作品でした。

自分が思う自分、相手から見える自分は少なからず違って見えていて、そのギャップに悩むこともあると思います。立場や状況が変われば、変化していくものでもあり、「自分はどんな人?」という問いは、人生をかけて作り上げていくのが答えのような気がします。私は蜷川さんの写真と対話をすることで、目の前にいる人のいろんな気持ちを無下にするような人ではなく、喜びや悲しみに寄り添い合える自分でありたい、と思いました。


「永遠の花」コーナーにて。

父であり、偉大な演出家だった蜷川幸雄さんの最期を記録した「うつくしい日々」でも、人生観を問いかけられました。いい意味で特別を感じさせない日常的な淡い風景写真に加え、日記のように実花さんの思いを綴った言葉に感極まりました。いつの間にか幸雄さんの“まなざし”に代わった実花さんのように、私も誰かにとっての“まなざし”でいられるように。

写真からこれだけの思想に発展するとは思わず、たまには写真展にも足を運んで見ようと思いました。ぜひ、気になった人は行ってみてくださいね。

展覧会の詳細はこちらからどうぞ!

今月の癒し


先日そろそろ運動不足を解消しないと…と思い立ち、金華山でプチハイキングをしてきました。初心者向けの瞑想の小径は、小1時間で頂上に着くので、ほど良い運動量でした。といっても体力は落ちる一方なので、頂上まであと一歩というところでは息も結構上がり、しんどかったです…!(笑)ですが、久しぶりに汗をかいて気持ち良かったので、これからも定期的に登りに行きたいなと思います。

一年間、ご愛読ありがとうございました! 来年度も引き続き同じテーマで書いていきます。次回は、2021年4月15日(木)です。お楽しみに。

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