監督の作品にはいつもクジラが出てきますが、なぜだろう?と思っていました。

『竜とそばかすの姫』にクジラが出てくる理由は、舞台が高知だからです。高知沖には、クジラが見えるんですよね。あと、「酔鯨」という高知のお酒もありますよね。

僕はクジラとかオオカミが好きでよく作品に出しているんですが、“人間によって勝手にイメージを押し付けられた動物”が好きなんです。例えば、オオカミは、中世ヨーロッパのキリスト教では悪者にされていたり、クジラは、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』では、人間が自然を克服して打ち勝つべき象徴として描かれていて、かと思えば、現代では平和の象徴とされていたり…。そういった人間の勝手なイメージづけがありますけど、動物は動物じゃないですか。どっちかというと、動物側に思い入れが強いんですよね。

今回もクジラについては説明がないんですけど、みんな「クジラが良かった」って言ってくれます。『ファイナルファンタジーXII』でアートディレクターを務めた上国料勇さんがデザインを手掛けていて、現実とも虚構ともつかないようなビジュアルになっています。都合のいいクジラじゃなくて、もっと違う意味があるようにできたらいいなと。

次のページ…
主人公を演じた、中村佳穂さんとの出会いは?

LINEお友だち登録

Please Share

映画『竜とそばかすの姫』細田守監督にインタビュー!“「美女と野獣」を現代にアップデートできた”と語る、本作の裏側をお届け

WRITER

Wakana Yamauchi

Wakana Yamauchi

兵庫県出身。京都の大学を卒業後、 編集者になるために名古屋へ。ゲーム、猫、ファッション、写真が好き。自宅をリノベーションして以来、インテリアにハマっている。

  1. トップページ
  2. EVENT
  3. 映画
  4. 映画『竜とそばかすの姫』細田守監督にインタビュー!“「美女と野獣」を現代にアップデートできた”と語る、本作の裏側をお届け

KELLY’S
RECOMMEND
おすすめ記事

PICK UP! 注目の記事

SERIES 連載もの

ABOUT日刊ケリーとは

"GOOD LOCAL"な、
東海のライフスタイルマガジン。

雑誌『KELLY』がお届けする、"GOOD LOCAL LIFE(地元でのよりよい暮らし)"のためのWebマガジンです。「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。身近な巡り合いで、地元がもっと好きになるはず。