【インタビュー】伊東歌詞太郎さんがベストアルバム『三千世界』をリリース!
#インタビュー

2022.2.16wed

【インタビュー】伊東歌詞太郎さんがベストアルバム『三千世界』をリリース!

“希代の歌い手”として、若い世代のネット・SNSユーザーに絶大な支持を集めるアーティスト・伊東歌詞太郎さん。2月16日(水)、約4年半ぶりのアルバム『三千世界』が発売されます。

今回のアルバムは、自身初となる2枚組のベストアルバムで、新曲「絆傷(キズナキズ)」も収録。さらに、音楽にフォーカスした書籍『一唱懸命』も同日に発売されます。アルバムに込めた想いやこれからの展望など、様々なお話を伺いました。

伊東歌詞太郎

プロフィール
2014年にアルバム『一意専心』でメジャーデビュー。アジア圏を中心とした海外でも人気が高く、自身の活動と並行して他アーティストへの楽曲提供やプロデュースも行なっている。2018年には、初の小説『家庭教室』、2020年には初のエッセイ『僕たちに似合う世界』を上梓。作家活動に加えてアニソンの歌唱、ラジオ/ネット番組のパーソナリティーから声優業までマルチな才能を展開。2021年7月、ビクターエンタテインメント・コネクストーンから再メジャーデビュー。メディアでの顔出しはしておらず、狐のお面がトレードマーク。

――今回は、約4年半ぶりのアルバムということで、リリースおめでとうございます。ファン待望のアルバムで、今回は31曲収録とボリュームもありますね。アルバムを出された今の率直な気持ちを聞かせてください。

歌詞太郎さん ありがとうございます。「いいものを作りたい!」という気持ちで、いつも出来上がるまでに全力を尽くし、今作はベストアルバムという括りではありますが、オリジナルアルバムと変わりなく達成感を得ています。
――そうなんですね。新曲の「絆傷(キズナキズ)」は、歌詞太郎さんの歌声も相まって力強い応援ソングのように聞こえました。

歌詞太郎さん 「絆傷(キズナキズ)」は、自分の悔しさが詰まっている一曲で、ある意味、応援歌かもしれないですね。4年前、喉の手術をしてから、自分が何カ月も歌えなくなることも含めて、すごく悔しいことがいっぱいあって、それがそのまま曲になっていったんです。

何が悔しかったかというと、音楽がすごく好きで、愛しているから、僕はもう音楽が目的になっているんですよ。でも、音楽を目的にしている人だけじゃないっていうことに、良くも悪くも気付いてしまったんですね。歌詞の「さよならいつかのビリーヴァー」というのは、自分に向けた言葉です。“みんなが音楽を目的に生きている”という理想像を描いていた自分に、別れを告げた曲ですね。でも、自分の芯の部分は絶対に変わることはないので、傷つかないために牙を向かなきゃいけない時が来るんだなと思って、この曲ができたんです。だから、僕と同じ思いをした人がこの曲を聴いたとき、この悔しさが伝わって、応援になったらいいなと思います。

――歌詞太郎さんは歌い手としても人気で、色んな方の曲を歌われていると思いますが、どのような基準でカバー曲を選んでいるのですか?

歌詞太郎さん 人で選んでいるのではなく、聴いてみて良いかどうかで決めていますね。「すごい良い曲だな」って思って、愛している歌を歌っています。これはカバーの話ですが、オリジナルの作り方も同じです。自分が「この曲良い!」って思っているから、世に出すだけであって。楽曲を選ぶこととか、オリジナルで何を出すかも含めて、愛しているか、愛してないかっていう基準だけですね。

――本当に好きなものを今までも選んできたんですね。そうやって聴くと、また一曲ずつの捉え方も変わりそうですよね。

歌詞太郎さん なので、選曲が一番苦労します。愛しているものしか出さないので、順位がつけられないんです。僕の歌ってきた曲って200曲以上あって、正直全部聴いてほしいので、選曲が大変でした(笑)

――今回、アルバムのタイトルが『三千世界』ということでしたが、この言葉はどういった意味なのでしょうか。

歌詞太郎さん 辞書で引くと、仏教用語で「ありとあらゆる、この世に存在する世界全部」という意味です。「森羅万象」に近い言葉ですね。

『一意専心』という最初のアルバムの時は、“歌うことに専念するぞ!”っていう内容だったんですよ。その次の『二律背反』は、カバーだけじゃなく、自分のオリジナル楽曲も半分ずつ入れていたんですね。歌い手としての伊東歌詞太郎というものが先に認知されたんですけど、シンガーソングライターの僕もいるわけで、「異なる2つの命題がお互いに立っている様」というのがぴったりだと思って付けました。

そうなったら、3枚目は『三千世界』しかないなと、何年も前から思っていたんですよ。今回、“ありとあらゆるもの”という意味がついたベストアルバムを作れたのは、一つの偶然なんですよね。そういった意味でも、ぴったりなタイトルだったんじゃないかと思っています。

――ジャケットのデザインを手掛けたのは、みっ君さんということで。今回は、桜があしらわれたデザインでしたが、そういったことは一緒に話し合われているんでしょうか。また、どのような意味を込めてジャケットを作っているのですか。

歌詞太郎さん 自分のインディーズのCDも、みっ君さんに描いてもらうことが多かったんですが、作品を一緒に作る時は、「この曲はこうで、これが収録されるアルバムなんです」って話はしていますね。説明した上で必ず言っているのは、「自由にやってください」ってことですね。デザインや絵を描くことは、僕の本業ではないから、本業の人が考えたものが一番良くなる。もちろんきちんと考えますが、やっぱりちゃんと任せると、想像を超えた斜め上のものが出てくるので、いつもそうしていますね。

――信頼関係があるからこそできることですね。オンライン限定盤は、様々なグッズと小説の最新作がついてくるんですよね。こちらは、前回の『家庭教室』のストーリーの続きなんでしょうか?

歌詞太郎さん これは続きというよりも、実は逆行したストーリー(前日譚)なんです。前作は、灰原先生という主人公が各家庭に入り、家庭教師という役割を超えて、勉強を教えずに家庭の問題に飛び込むという話でした。今回は、なぜ彼は勉強を教えずにそういったことばかりやる人になったのかという話になっています。灰原先生は大学生なんですけど、そこから時間が逆行して、人格形成に影響を受けた人物たちとの、中高生あたりの話になっています。0章みたいな感覚で作った本ですね。

――今回、アルバムと同日に『一唱懸命』を発売されますが、音楽にフォーカスした書籍はこれが初めてですよね。

歌詞太郎さん 『僕たちに似合う世界』というエッセイでは、自分の人生と音楽両方を語っていましたが、今回は“ミュージック・クロニクル”というぐらい、自分の音楽活動に特化した内容になっていますね。メイン企画は、「本人の100曲解説」というもので、実は同日発売になったのは偶然なのですが、書籍で解説されているのを見ながらアルバムの曲を聴くのも楽しいんじゃないかなと思ってます。

――歌詞太郎さんは、これまで路上ライブやワンマンライブでお客さんとの関わりを大切にしてきたと思いますが、今はなかなか難しい状況ですよね。

歌詞太郎さん そうなんです。現状、一番やりにくくなってしまっているのが、路上ライブですね。僕は、路上、ライブハウス、ホール、配信の4つのライブの柱全部があると補完されるなと思っていて。人生、お金や時間の都合で、生で音楽が聴きたくても聴けないこともあるじゃないですか。そんな時も、路上ライブなら比較的気軽に聴きにいける。それぞれに良さがあると思っていますが、距離感とかその空間を共有している感覚とか、そういうものは路上ライブに勝るものがないんですよ。僕自身は路上ライブ出身アーティストだと思っているので、ライブハウスで学んだことと路上ライブで学んだことは、同じくらい大きいんです。なので、思い出がたくさんありますね。

――この状況が明けたら何をやりたいですか?

歌詞太郎さん やっぱり路上ライブですね。伊東歌詞太郎として初めてのライブが決まった時に、生放送でたまたま目にした「やっぱり東京なんですね」というコメントがすごく心に残っていて…。全国を路上ライブで回ったからこそある“今”だと思うので、例えば兵庫だったら神戸じゃなくて丹波とか、愛知は名古屋じゃなくて違う場所とか。「絶対ここではライブなんてやってくれないでしょ」と、お客さんが諦めている場所に行ってライブをやりたいです!

伊東歌詞太郎ベストアルバム『三千世界』
通常盤(2CD)3850円
初回限定盤(2CD+DVD)5940円

<収録曲>※全形態CD共通
【DISC1】
1.ピエロ
2.惑星ループ
3.小夜子
4.しわ
5.神のまにまに
6.Role Praying
7.ミルクとコーヒー
8.帝国少女
9.約束のスターリーナイト
10.アストロ
11.チルドレンレコード
12.脳漿炸裂ガール
13.帰ろうよ、マイホームタウン~追想~
14.僕だけのロックスター
15.パラボラ~ガリレオの夢~

【DISC2】
1.北極星
2.キリトリセン
3.タイムトラベラー
4.少女と魔法のロボット
5.恋愛裁判
6.少女レイ
7.Heeler
8.さよならだけが人生だ
9.Fairytale,
10.タイムマシン
11.ムーンウォーカー
12.真夏のダイアモンド
13.百花繚乱
14.I Can Stop Fall in Love
15.magic music
16.絆傷(キズナキズ)

※掲載内容は2022年2月時点の情報です
※価格は税込み表記です
※新型コロナウイルス感染症の影響で、掲載内容は予告なく変更する場合があります。公式サイト・SNSで事前にご確認ください

LINEお友だち登録

Please Share

【インタビュー】伊東歌詞太郎さんがベストアルバム『三千世界』をリリース!

WRITER

KELLY Editors

KELLY Editors

「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。

  1. トップページ
  2. ENJOY TODAY
  3. インタビュー
  4. 【インタビュー】伊東歌詞太郎さんがベストアルバム『三千世界』をリリース!

KELLY’S
RECOMMEND
おすすめ記事

PICK UP! 注目の記事

SERIES 連載もの

ABOUT日刊ケリーとは

"GOOD LOCAL"な、
東海のライフスタイルマガジン。

雑誌『KELLY』がお届けする、"GOOD LOCAL LIFE(地元でのよりよい暮らし)"のためのWebマガジンです。「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。身近な巡り合いで、地元がもっと好きになるはず。