“エンガブ”こと「ENVii GABRIELLA」がメジャー初ミニアルバム『Metaphysica』リリース! リーダー・Takassyさんにインタビュー
#インタビュー

2022.4.2sat

“エンガブ”こと「ENVii GABRIELLA」がメジャー初ミニアルバム『Metaphysica』リリース! リーダー・Takassyさんにインタビュー

「オネェがお届けする総合エンターテイメントユニット」として、音楽をメインに、YouTubeやショー、ファッションにアートなど、多彩な才能でエンタメ業界を賑わせている3人組「ENVii GABRIELLA」(エンヴィ ガブリエラ)。

メジャーデビュー後、初めてのミニアルバム『Metaphysica(メタピュシカ)』を3月9日(水)にリリースしました。

『Metaphysica』の発売を記念して、「ENVii GABRIELLA」のリーダーであり、YouTubeチャンネル「スナック・ENVii GABRIELLA」のママであり、サウンドクリエーター・souljuice名義で楽曲制作をしている、Takassy(タカシ)さんにお話をお伺いしました!

ENVii GABRIELLA(エンヴィ ガブリエラ)

プロフィール
アーティスト・作家としてメジャーアーティストにも楽曲提供をしているTakassy/souljuice(タカシ/ソウルジュース)、アーティスト・タレントとしてTVやイベントで活躍するHIDEKiSM(ヒデキズム)、ダンサーとしてイベントやショーなどで活躍するKamus(カミュ)。それぞれ別のフィールドで活動していたが、2016年夏、TakassyがHIDEKiSMへユニットの構想を持ち掛けたことをきっかけに、ユニットを結成した。2017年3月1日、3人によるプロジェクトの開始を発表し、YouTubeチャンネル「スナックENVii GABRIELLA」を開設。「動画で楽しむ新宿二丁目」をコンセプトにした動画はたちまち人気を集め、2022年3月時点で登録者数17万人越え。ファンからは「エンガブ」の愛称で親しまれている。

――『Metaphysica』のリリースおめでとうございます! 3月はミニアルバム発売に、東名阪ツアー開催、結成5周年、Takassyさんの誕生日とお祝い続きですね!

Takassyさん ありがとうございます! 今回は、初めてプロモーションで名古屋に来ました。ツアー初日が名古屋なので、思いっきり楽しみたいと思います!(※取材時はツアー前)

――そんな記念すべきタイミングで発売された『Metaphysica』のコンセプトを教えてください。

Takassyさん 昨年10月にメジャーデビューしてから初めてのミニアルバムになるので、「ENVii GABRIELLA」の名刺になるような作品を作りたいと思いました。
インディーズの時よりも聴いていただく方の絶対値が増えるだろうし、できるだけ多くの方に聴いてもらいたいので、楽曲のバリエーションを増やして、あえて全く違うジャンルの曲を入れて、“どんな人でも楽しめる1枚”をコンセプトにしました。

――今回のリリースをきっかけに、初めてエンガブさんの曲を聴く方が増えていくのも楽しみですね。

Takassyさん そうですね。今は特に、YouTubeからエンガブのことを知っていただく方が多くて、視聴者だけど初めて私たちの曲を聴いた人が、「ユーチューバーがやっている音楽だからと思って軽く聴いたら、わりとガチだった」みたいなコメントをSNSに書かれていたことがあったんです。
曲を聴いてくださった方に「この子たちはこういうことをやっているんだ!」と、きちんと知ってもらえるように、私たちはアーティストとして躊躇なく全部の楽曲を表現できる、ということを示したいですね。

――『Metaphysica』は、どれくらいの期間をかけて出来上がったんですか?

Takassyさん キングレコードからメジャーデビューできると決まって、昨年10月に『Moratorium(モラトリアム)』がデビュー初シングルとして、配信限定でリリースしたんですけど、実は、もうその時からこのタイミングでミニアルバムを出そう、というプランで動いていたので、大体約半年くらいですかね。
10月から3カ月連続でシングルをリリースしたんですけど、シングルが1曲出るころにはそっちのけで次の曲、みたいな感じになっていました(笑)。リリースしながら、ミニアルバムの内容も固めていったという。


――「Moratorium」は、フラメンコ音楽のように情熱的ながら、少し切ないサウンドが素敵でした!

Takassyさん 「Moratorium」がメジャーデビューの1stシングルに選ばれた時は、「この曲で良いんですか?」って何回も聞きました(笑)。そうしたらスタッフの方から「これはスルメ曲だよ」って言ってもらって、「そうなのかな?」と思いながらリリースしたら、ファンの皆さんも会社が言っている通りの反応でした。「あ、人の言うことを聞いておいた方が良いな」と思いましたね(笑)。

――「Moratorium」は、ファンの方へお披露目の機会がありましたね。

Takassyさん 昨年8月の東阪ツアーで初めて披露したんですけど、その時はシングルリリースするとは決めていなかったんですよ。候補が他にもある中で、スタッフの皆さんは初めから「Moratorium」が良いと。今までのエンガブは、アゲアゲの曲が割と表題曲になっていたので、ヌーディーな雰囲気の「Moratorium」はデビュー曲としてどうなんだろうと、私たち3人はちょっと迷っていたんです。
でも、いかにも“オネェです”って感じの曲ではなくて、ちゃんと音楽をやらせてくれようとしているんだ、と私たちは思えたので、この曲を選んでもらったことがすごくうれしかったです。「Moratorium」のリリースは、自分たちの中でも意味のあるものでした。


――「DYSTOPIA(ディストピア)」は、歌詞から力強い意志を感じました。

Takassyさん エンガブっていわゆるゲイのユニットなので、LGBTQについていろいろ情報が入ってくるんですけど、私たち3人ともSNSとかではそういった発信はあまりしないようにしているんです。
それは、私たちは「“LGBTQ”という言葉自体がなくなるのが一番」と考えて活動しているのと、「音楽をやっているなら、メッセージは音楽で発信するべき」と思っていて、音楽という楽しむものにのせて、感じ取ってもらいたい、という気持ちが強いからなんです。
「DYSTOPIA」は特に、LGBTQや世の中の抑圧されているものに対してのメッセージを込めています。でもバラードとかにするとひたすら重くなるので、あの軽快な感じのトラックで作りました。

――MVの世界観・演出も印象的でした。曲作りの段階でMVの構想もしているんですか?

Takassyさん 曲を作っている時は、音だけじゃなくて、自分の中で世界観のイメージができていて、それを音に変換していくっていう感覚に近いですね。
「DYSTOPIA」に関しては、モノトーンとまではいかないんですけど、ちょっと色彩が薄いというか、暗めで荒廃した感じで、最終的には明るいところにみんなが出ていくための歌というイメージです。これをメンバー2人に伝えて、イメージの共有をして作っていきました。

――MV撮影時のエピソードはありますか?

Takassyさん 一人ひとり、顔に黒い液体が垂れていくシーンなんですけど、実はうちのマネージャーがすごく高いところからアクリル絵の具で垂らしていたんです!
Kamus・HIDEKiSM・私の順番で、私は2人の様子を見て撮影したので、私のかかり具合が一番きれいです(笑)。あのシーンは一発勝負だったので、マネージャーが一番辛かったと思います。だから「大丈夫、失敗しても責めないから」って言いました(笑)。


――エンガブさん初のロック・チェーン「CABARET」は、イントロから引き込まれました!

Takassyさん 今回のアルバムは、Carlos.Kさんがアレンジで全編に関わってくださっているんですけど、「CABARET」は、ゼロの段階から私が1番のデモを作って、Carlos.Kさんに渡して、2番以降は全然違う感じにしたいとかディスカッションをしながら作ったんです。

――MVではエレベーターが上がってフロアが変わる演出がありましたが、Takassyさんにとって人生のステージが変わった瞬間は?

Takassyさん それはもうメジャーデビューですね。ちょうど「CABARET」の制作の時、Carlos.Kさんとの打ち合わせで、「今のエンガブって、RPGで言う、次のステージに入る時の登場人物だとか立ちはだかるモンスターが変わる、あの感じにすごく似ているんだよね」っていう話をしていたんです。
メジャーデビューするにあたって、キングレコードのスタッフの皆さんと知り合って、エンガブのために動いてくれる方がまた増えていくのが目に見えて、「あ、次のフロアに行ったんだな」という風に感じていたんですよね。なので、こういうコンセプトが浮かんだのかもしれないです。

――いつもピンヒールで華麗にパフォーマンスされていますが、体力維持のためにされていることはありますか?

Takassyさん 3人それぞれジムに行ったりしているんですけど、一番は慣れですかね。エンガブ結成前、ソロでアーティスト活動していた時は、ヒールを履いてパフォーマンスしていなかったので、エンガブの活動を始めてからはまずヒールに慣れるために、リハーサルとか現場では必ずヒール履いていました。
普段からヒールを履いていらっしゃる女性の方がたくさんいると思うんですけど、一日ずっと履いているのは大変ですね。その大変さが身に染みて、昔、女の子のダンサーに「ヒール履いてダンスして」と演出の提案をしたことがあったんですけど、その子たちに謝りました。
男性はヒールを履いていないから、女性の大変な気持ちがなかなかわからないです。歩幅を合わせてくれる人、足が痛い時にケアしてくれる人って大事ですね。
あとは、コスメ一つ買うにしても金額が高いってことを男性は知らない人が多いですね。私が男友達といた時、コスメを買うのに付き合ってもらったら「え! そんなにするの?!」って驚いていました。エンガブとして活動していると、そういったことに気づく機会がとても多いです。

――soul juiceさんとして、以前は他のアーティストへ楽曲提供されていましたが、自分たちの曲作りにおいて一番大切なことは?

Takassyさん 「HIDEKiSMとKamusの存在を常に意識する」ことです。2人のことを忘れて独りよがりで曲作りをして、2人が曲に共感できなくなってしまうのが一番怖いと思っています。
これはエンガブの活動にも同じことが言えますね。リーダーとして決めなければいけないこともありますが、何かをやる時には2人のことを考えて、3人でやったらどうなのかとか、あの2人はどう思うだろうと必ず考えるようにしています。

――まさに“メンバー愛”ですね!

Takassyさん もちろん、2人のことはすごく愛しています。ただビジネスパートナーでもあるので、3人が上手く機能するには、ちゃんとバランスを取らないといけないと思うし、3人の関係をきちんとしておくことが、ひいてはこのプロジェクトを機能させるのに一番大事だと考えています。
仕事の処理速度とかも大事かもしれないですけど、これまでの経験から、私は一緒に仕事をしている人と、どれだけコミュニケーションを取れるかで、仕事の効率が変わってくると感じていて。どんな仕事においても、3人という最小限の組織のコミュニケーションとか意思疎通というのは、ちゃんとしておきたいと思っています。

――曲作りの段階で、HIDEKiSMさんとKamusさんに曲を聴いてもらうことはありますか?

Takassyさん はい。毎回楽曲の一番初めのデモ段階で、事務所の社長と、今回はキングレコードのスタッフみんなと、それと同時にメンバーにも聴いてもらっています。最終的に商品となるものなので、会社がOKするっていうのが大前提なんですけど、私以外の2人がこの曲を自分の曲としてパフォーマンスしたいって思ってくれないと意味がないので。
会社に提出する前に、まず2人に聴かせたこともありますね。2人の反応が良くないっていう時はあんまりないんですけど、2人の意見を聞いて修正をする時はあります。

――『Metaphysica』の中で、Takassyさんご自身がデモ段階で「これはキタ!」っていう曲は何ですか?

Takassyさん 「これはキタ!」って、もうこれ絶対みんな好きになるだろうなっていうニュアンスですよね。私、本当に自信がないタイプなんですよ。デモの段階で「これきました!」って言ったこと1回もないと思います。いつも「こういうのできたんですけど、聴いてもらえますか?」っていう感じ(笑)。
スタッフとかメンバーにデモを送ったのに返事がこないと、あんまり良くなかったかなと思ってドキドキしながらずっと待っていますよ。でも、数日後に「超良かったよ!」って連絡がきて、「あぁ、やっと寝れる」みたいな(笑)。
あんまり自信を持たないというか、デモの段階では思い入れを持たないように心掛けています。ダメって言われた時にショックだから、後の自分のために保険をかけておくんです(笑)。なので、一発目で「これ絶対ヒットする!」っていう感覚になったことはないんですけど、周りから言ってもらって、「やっぱりいい曲作ったんだ!」ってじわじわと実感が湧いてくるタイプですね。

――歌詞はどのように作られているんですか?

Takassyさん エンガブの曲に関して言うと、私の経験とか考えがほぼ反映されています。あとはエンガブでいろいろ話している時に、2人のエピソードとか考えを聞いて、曲に盛り込んでいますね。やっぱり3人でやっているので、自分の意思・意見だけの曲じゃなくて、2人にも自分の曲だと思ってもらいたいんです。
仮に周りの友達とかのエピソードを入れて曲にしても、それに自分たちが共感できれば良いんですけど、できれば3人から発信するものに関しては、3人の中から出てくるものを発信したいっていうのがあるんです。

――5周年を迎えたエンガブさんですが、今後の活動への意気込みを教えてください。

Takassyさん 「5周年だからと言って気張らない」というのが意気込みですかね。5年続けてこられたので、また次の5年を今よりさらに上のステージに持っていくために、一つひとつのことをちゃんとやっていきたいな。
あとは楽しみながらやりたいです! 慣れとかで楽しくなくなってしまうのが一番嫌なので、今日のこの取材もそうですし、一つひとつ楽しみながらやりたいと思っています。

――最後にファンの「GAVii」(ギャビー)の皆さんへメッセージをお願いします!

Takassyさん 『Metaphysica』は自信作です! 8曲それぞれジャンルが違っていて、必ず、みんなにとっての“お気に入りの1曲”があると思います。なので、みんな買ってね(笑)。
このアルバムをきっかけに、新たにファンになってくれる方がいると、とてもうれしいです。そして、次にお会いする日を楽しみに、エンガブの曲をたくさん聴いて待っていてくださいね。

メジャー1stミニアルバム『Metaphysica』

2022年3月9日リリース
CD+DVD/4400円
<CD収録曲>
1.Finally Found You
2.Cabaret
3.Ride/Reboot
4.Sorry Not Sorry
5.Dystopia
6.女優(仮)
7.Moratorium
8.ハッピーハッピーウェイウェイドンチー

<DVD収録内容>
1.「Moratorium」Official Music Video(Full Version)
2.「ハッピーハッピーウェイウェイドンチー」Official Music Video(Full Version)
3.Making of the MV「ハッピーハッピーウェイウェイドンチー」


※掲載内容は2022年3月時点の情報です
※価格は税込み表記です

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“エンガブ”こと「ENVii GABRIELLA」がメジャー初ミニアルバム『Metaphysica』リリース! リーダー・Takassyさんにインタビュー

WRITER

Satomi Hirata

Satomi Hirata

千葉県出身。週末の楽しみは、東海の温泉やスパに足を運ぶこと。ヨガ、お散歩も大好きな健康オタク。名古屋歴は浅いながらも、日々の発見を大事に、新鮮で楽しい情報をお届け。

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