2022.7.17sun
約40年の時を経て2022年2月オープン。まちに開かれた「大阪中之島美術館」をレポート!
名古屋から車で2時間半ほど。2022年2月、大阪市の都市部に新しくできた「大阪中之島美術館」は、なんと構想から約40年もの期間を経てオープンしました。
今回はこちらの見どころや、展覧会情報をお届け♪ この夏のおでかけに、ぜひ、チェックしてみてくださいね。
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2022年2月オープンの「大阪中之島美術館」
遠くからでも目立つ黒い建物が、今回の目的地です。
名古屋からは高速道路で約2時間半。電車の場合は約1時間半の京阪「渡辺橋駅」から徒歩約5分で到着します。
中へ入ろうとすると、まず出迎えてくれたのは、目を引くネコのオブジェ。
こちらは大阪出身の作家・ヤノベケンジ氏の「SHIP’S CAT(Muse)」。同シリーズは他の施設などでも見られますが、こちらはこの美術館のために作られた、シンボル的存在です。
この日は天気もよく、一緒に記念撮影をしている人をたくさん見かけました。
いよいよ入口から中へ。中央は吹き抜けになっており、1階の階段下から見上げると、黒を基調にした直線的でスタイリッシュな空間に圧倒されます。
フランス語で「アーケード」「小径」という意味の「パッサージュ」をコンセプトに、建物は建築家・遠藤克彦氏が設計しました。
2階にあるのは、大阪のデザイン会社「オットーデザインラボ」が運営するミュージアムショップ。オリジナルグッズをはじめ、関西の作り手によるデザイン性の高いアイテムなど、衣食住にまつわるものを販売しています。
取材時には、開催中だった開館記念特別展「モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」に合わせたオリジナルのアイテムも。
こちらはおすすめの、大阪のブリュワリー「箕面ビール(みのおビール)」のクラフトビール(550円+税)。こちらは展覧会が終了する7/19以降も、所蔵作品を用いたオリジナルグッズとして、夏季の間販売します。今後は企画展ごとにフレーバーやラベルを替えて展開するそうなので、要チェックです。
1・2階は誰でも入場できるエリアですが、チケットを購入すると、エスカレーターで4・5階へと上ることができます。
エスカレーターから見える階下の眺めも注目のポイント。空間をじっくり楽しめるよう、エスカレーターのスピードをあえて遅くしているそうです。
4階で待ち構えていたのは、ロボット型の巨大彫刻「ジャイアント・トらやん」。全長は7.2mで、近くで見ると迫力があります!
作品横の階段からは、近くで撮影もできますよ◎
気になる企画展は、今後以下のものが開催予定です。
展覧会 岡本太郎
- 期間
- 7/23(土)~10/2(日) ※月曜日休館(9/19を除く)、日時指定制(30分ごと)
- 時間
- 10:00~18:00(最終入場は17:30)
- 料金
- 1800円(高大生は1400円、中学生以下無料)
- 概要
- 1970年「大阪万博」の「太陽の塔」で知られ、日本を代表する芸術家の一人・岡本太郎(1911~1996)の芸術人生を振り返る大回顧展。あまり注目されてこなかった晩年の作品なども紹介しながら、その生涯をたどります。
- 特設サイト
- https://taro2022.jp/
開館記念展 みんなのまち 大阪の肖像(第2期)
- 期間
- 8/6(土)~10/2(日)※月曜日休館(9/19を除く)
- 時間
- 10:00~18:00(最終入場は17:30)
- 料金
- 1200円(高大生は800円、中学生以下無料)
- 概要
- 開館を記念して開かれている「大阪」をテーマとする展覧会。明治時代から大阪の歴史を象徴する絵画やポスターに加え、第2期では展示室の中に昭和の工業化住宅を実寸で再現。家具や家電などを、当時使われていたリアルな姿で展示します。
広報さんへインタビュー
——オープンまで約40年の月日がかかった理由は?
広報・山本さん 約40年前、大阪の実業家であった山本發次郎のコレクション約600点もの作品群を、まとめてご遺族から大阪市に寄贈していただいたこともあり、大阪市制100周年記念事業の一つとして大阪市で「近代美術館を建てよう」という構想が、1983年に立ち上がりました。
「まずはコレクションを充実させる」という考えで、建物の建設は後回しになっていたのですが、その間に市の財政悪化、市長の交代など様々なことが起こり、時間がかかってしまいました。何度も規模やコンセプトの調整を重ねて、2022年2月にオープンに至りました。
開館時、作品のコレクションは約6000点にもなりましたが、美術館の開館“前”にこれほどの数が集まった美術館は、全国的にも珍しいと思います。
——コンセプトの一つ「パッサージュ」に込めた想いは?
広報・山本さん 「パッサージュ」という言葉はフランス語で、「アーケード」「小径」という意味です。この美術館でいうと展示室以外の共用部分で、人が自由に通れる場所、行き交う場所をそう呼んでいます。
例え展覧会を見なくても、人々が行き交える場所、賑わいのある場所にしたいという大阪市の意向を、建築家の遠藤さんが形にしてくださいました。
美術館は入りにくいイメージがありますが、1、2階にそれぞれ3箇所ずつ入口を設けています。「中之島を歩いていたら、自然に入っていた…」といった感覚で、楽しんでいただけるといいなと思います。
——美術館として、これからの展開は?
この建物は大阪市が建てましたが、運営は民間企業が行っています。そうすることで、より自由に近隣の企業やNPO法人、大学と連携することができます。
先日も2階のフロアでファッションショーを行ったのですが、ワークショップやイベントを通して、これまでにない新しい“美術館像”を作っていきたいです。
また、1階には東京・表参道に続き全国2店舗目のショップ「HAY」が出店している他、8月にはフレンチのカフェレストランもオープンする予定です。そちらもぜひ、注目してください。
建築やショップも魅力的で、普段美術館にあまり行かない人でも楽しめるミュージアムだと思いました。今後の企画展も気になるものが多く、大阪観光の際にはぜひ立ち寄りたいと思います!
大阪中之島美術館(オオサカナカノシマビジュツカン)
- 問い合わせ
- 06-6479-0550(代)
- 住所
- 大阪府大阪市北区中之島4-3-1
- 営業時間
- 10:00~17:00(最終入場は16:30)※7/23(土)~10/2(日)は~18:00(最終入場は17:30)
- 定休日
- 月曜定休(祝日の場合営業、翌平日休)※9/19(月・祝)、20(火)は開館
- 駐車場
- Pあり(有料)
- カード・電子マネー
- カード・電子マネー可
- 公式サイト
- nakka-art.jp
- 料金
- 展覧会により異なる
- アクセス
- 京阪「渡辺橋駅」より徒歩で約5分
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