2022.7.19tue
【名古屋の老舗銘菓】食べる人を笑顔にする、青柳総本家の「カエルまんじゅうとケロトッツォ」
1879年(明治12年)に大須仁王通りで蒸し羊羹の製造を始め、数年後にはういろう作りもスタートした青柳総本家。143年の歴史の中で、名古屋名物として親しまれる「青柳ういろう」をはじめ、「きしめんパイ」や「カエルまんじゅう」、「ケロトッツォ」など、数々の人気商品を生み出してきました。
今回は広報の木下さんに、それぞれの誕生秘話やおいしさの秘密、食べ方のアレンジ方法などについて教えてもらいました。
職人の手仕事による、かわいい表情が魅力の「カエルまんじゅう」
カエルまんじゅうが誕生したのは、1989年のこと。創業110周年を記念して、青柳総本家の「柳に飛びつくカエルのロゴマーク」をモチーフに作られました。かわいらしい見た目と、薄皮生地の中にこし餡がたっぷりと詰まった満足感が相まって、カエルまんじゅうは30年以上愛されるロングセラーに。4月20日〜8月下旬までは、期間限定で「抹茶あん」のカエルまんじゅうも販売さてれています。
「実は、カエルまんじゅうの目や口は、真っ赤に熱したコテを使って、職人が一つひとつ焼き入れしているんです」と広報の木下さん。食べる人を思わず笑顔にしてしまう、カエルまんじゅうの愛らしい表情は、今でも職人の手作業によって生み出されています。
木下さんのおすすめのアレンジは、カエルまんじゅうの胴の部分に切り込みを入れ、トースターで10〜20秒ほど温めてからバターを挟む食べ方。溶けたバターがこし餡と一体となり、あんバターのような味わいが楽しめるそうです。
マリトッツォ風のアレンジがSNSで話題となり商品化!
このカエルまんじゅうのアレンジレシピから生まれたのが、「ケロトッツォ」です。昨年、おうち時間に楽しんでほしいと、SNSでカエルまんじゅうをマリトッツォ風にアレンジする方法を紹介したところ、販売を望む声が多く寄せられ、約1カ月という異例の早さで商品化されました。
現在、販売されているケロトッツォは、「ラムレーズン&くるみ」と「クリームチーズ&レモン」の2種類。どちらもベースになっているのは、生クリームとクリームチーズをミックスしたクリームです。その配合を何度も試し、ふんわりとした口溶けを実現しました。
「ケロトッツォの消費期限は、製造日より3日なのですが、1日目、2日目、3日目と味わいが変化していくのも面白いところ。個人的におすすめなのが、3日目。挟んだクリームと中のこし餡がよく馴染んで、マリアージュが堪能できます。一方で、フレッシュな味わいの1日目が好きという方もいらっしゃいます。ラムレーズン&くるみのレーズンはラム酒漬けになっているので、コーヒーや紅茶だけでなく、意外とお酒にも合いますよ」
身近な人へのプチギフトに最適な「Willows」
身近な人へのちょっとしたギフトや自宅用として、ういろうをより気軽に楽しんでほしいと、今年3月に誕生したのが「Willows(ウィロウズ)」です。箱の中に入っているのは、小分けタイプのういろうが2個。味もミックスベリーやマンゴー、ココナッツレモンなどフルーツ味が中心で、紅茶にもマッチします。
「食べる1時間くらい前に冷蔵庫で少し冷やして、バニラアイスやヨーグルトと一緒に味わうのもおすすめです。現在の3種類のラインナップは8月末までで、9月からは違う味わいのウィロウズが登場しますので、ぜひチェックしてみてください」
ロングセラー商品にもスポットライトを
——青柳総本家のこれまでの歩みを教えてください。
木下さん 最近ではケロトッツォやウィロウズを発売するなど、新たなチャレンジを続けていますが、実は、当社は何十年も前から様々な挑戦をしてきました。例えば、1931年から国鉄名古屋駅構内でういろうの立ち売りを開始したり、1964年には東海道新幹線の開通とともに車内販売もスタートしたり、1981年には一口サイズのういろう「四季づくし」を発表しました。ういろう自体も、あらゆる食材を使って試作をしてきました。こうしたチャレンジする社風がベースとなって、きしめんパイやカエルまんじゅうなど、青柳ういろうに続く定番商品も誕生したのだと実感しています。
——現在、力を入れていることは?
木下さん 新商品の開発はもちろんですが、ロングセラー商品についても、もう一度、お客さまに知っていただけるような取り組みに力を入れています。例えば、この4月には、1979年に誕生した「きしめんパイ」をパッケージも含めてリニューアルしました。きしめんに使われることの多いむろあじ節のエキスと、丸大豆たまり醤油を使い、よりコクとうま味をプラス。あわせて、新商品の「台湾きしめんパイ」も発売しました。また、定番商品の「青柳ういろう」は、1箱1本入りだったものを、昨年から1箱ハーフサイズのういろう2本入りに変更。それぞれ個包装されているので、まずはハーフサイズをそのまま味わい、翌日にもう半分をアレンジして食べるという楽しみ方もできます。
——ういろうのおすすめのアレンジを教えてください!
木下さん 先日、朝の情報番組で取り上げられた「焼きういろう」を紹介したいと思います。作り方は簡単で、青柳ういろうの「しろ」を少し厚めにカットして、米油を垂らしたフライパンに乗せ、6面すべてをこんがりと焼くだけです。ちょっとコゲすぎかなと思うぐらい、焦がすのがポイント。青柳のういろうは国産の米粉からできているので、表面がおこげのようにパリッとなり、中がふわとろで、新感覚のおいしさが堪能できます。仕上げにバターや粗塩を少しのせてもおいしいです。ちなみに、黒砂糖を使用している「くろ」を焼きういろうにすると、カヌレのような味わいが楽しめます。ぜひ、お試しください!
——最後に、これから目指すことついて一言お願いします。
木下さん 青柳総本家では、『お菓子を通じてたくさんの人を笑顔にすること』を、常に大切にしています。これからもお客さまが思わず笑顔になるような、アッと驚くようなお菓子を作り続けていきたいと考えています。
常にチャレンジ精神を持って新商品を開発するだけでなく、既存商品のおいしいアレンジの仕方まで、SNSなどを通じて発信するという柔軟さが、長く愛され続ける秘訣なのだと実感しました。青柳ういろうやカエルまんじゅうなどは、私もお土産として利用させてもらったことがあったのですが、こうして開発秘話を伺うことで、より親しみを感じることができました。
青柳総本家 大須本店
- 問い合わせ
- 052-231-0194
- 住所
- 名古屋市中区大須2-18-50
- 営業時間
- 10:00〜18:30(喫茶は12:00〜 ※LOは17:00)
- 定休日
- 水曜(祝日の場合は営業)
- 駐車場
- なし
- 支払方法
- カード・電子マネー可
- アクセス
- 地下鉄「大須観音駅」より徒歩で約3分
※掲載内容は2022年7月時点の情報です
【名古屋の老舗銘菓】天然海老の風味が癖になる、坂角総本舖の「ゆかり黄金缶」
名古屋土産の定番として長く愛される「ゆかり」。1枚につき7尾の天然海老を贅沢に使い、7日間以上熟成させて二度焼きすることで、エビのうま味や風味を高めています。こうした江戸時代にルーツを持つ独自の製法から、おいしさの秘密、おすすめのアレンジ方法、注目の新商品まで、坂角総本舖の広報・森野さんと山田さんに話を伺いました。 7日間以上熟成させた後、二度焼きして風味を高める 10枚入918円 「ゆかり」のルーツは、江戸時代に横須賀(現在の愛知県東海市)の漁村で作られていた「えびはんぺい」にあります。1666年に、横須賀に御殿を建てた尾張藩二代藩主の徳川光友公は、漁師たちが近海でとれたエビをすり身にして焼き上げていた「えびはんぺい」を口にし、そのおいしさを絶賛。それ以来、徳川家への献上品となったそうです。 現在も、坂角総本舖の本店から歩いて5分ほどの場所に、その横須賀御殿の跡が残っています。 えびはんぺいをもとに、創意工夫を重ねてゆかりの原型となる「海老せんべい」を生み出したのが、坂角総本舖の初代・坂 角次郎(ばん・かくじろう)です。 一度焼きしたえびはんぺいを天日干しにして、うま味を凝縮。それを、さらに火鉢や七輪で炙り焼きにすることで、海老の香ばしさを堪能できるせんべいに仕上げました。 炭火に近い遠赤外線網焼き器で、二度焼きする様子 「今でも、基本的にはこの初代・坂 角次郎が生み出した製法を、大切に受け継いでいます」と教えてくれたのは、広報の山田さんです。現在も、海老の頭は手作業で取り除き、海老の身だけを使用。機械化された部分はもちろんありますが、一度、鉄板で挟み焼きにした後、7日間以上にわたり乾燥・熟成させ、遠赤外線網焼き器で二度焼きすることで、海老の豊かな風味と香ばしさを引き立てています。 よりサクサクに、デザインもポップにリニューアル 看板商品のゆかりに次いで、人気を誇っているのが「さくさく日記」です。2001年に登場したこの商品は、友人の家を訪れるときなどに、よりカジュアルなギフトとして使いやすいよう、一口サイズでサクサクとした軽やかな食感に仕上げられています。 この「さくさく日記」が今年の6月、さらにサクサクに、デザインもかわいらしくポップにリニューアル。気軽なプレゼントや自宅用としてよりぴったりな商品となりました。 「デザインはカジュアルですが、作り方はゆかりと同じく、海老の頭を手作業で取ったり、一度焼きしたあと乾燥熟成させたりと、手間ひまをかけ丁寧に作られています。ぜひ、海老の濃厚なうま味や、帆立の甘味とコクを堪能してください」と広報の森野さんは話します。 1枚わずか5kcal、パッケージもかわいい「姫ゆかり」も人気商品の一つ 廃棄される海老の殻を生かした商品にも注目! ――ゆかりのおすすめの食べ方は? 森野さん まずは、そのまま味わっていただくのがおすすめですが、アレンジとしては、ゆかりの上にモッツァレラチーズをのせて、オーブントースターで30秒ほど焼くのがおすすめ。溶けたチーズの上にケチャップをちょっと付ければ、ピザのような味わいが楽しめます。また、意外とバニラアイスやチョコレートなどの甘いものともよく合います。 ——新たな商品について教えてください。 山田さん 食品ではないのですが、従来は廃棄していた海老の殻をなんとか活用できないかと長年研究を重ね、今年2月「EBIKARA MIRAI(エビカラミライ)」というハンドクリームとして商品化に成功しました。海老の殻に含まれるキチンという成分は、超極細繊維(ナノファイバー状)にすることで肌にすっと馴染み、潤いをもたらします。また、ベタベタしておらず、肌に塗ってもサラッとしているのも特徴。このEBIKARA MIRAIは、オンライン通販限定のアイテムになっています。 ——最後に、これからについてお聞かせください。 森野さん 初代が、えびはんぺいをもとに作り出した海老せんべいを、「ゆかり」として商品化したのが1966年。それ以来、半世紀以上にわたり、多くの方に味わっていただける商品として成長してまいりました。先代や現代表が、繰り返し口にしている言葉が「不易流行」です。手間ひまをかけて作り上げる味は大切に守りながら、時代に合わせて変えるべきところは変えて、100年以上愛されるブランドへと育てていきたいと考えています。 WRITER SUGIYAMA 個包装になったゆかりの袋を開けた瞬間、海老の香りがふわっと広がり、噛むほどにうま味があふれ、ついつい何枚も食べてしまいます。そのおいしさの秘密は、創業当時から受け継がれた、手間ひまを惜しまない製法にあるのだと実感しました。また、海老の殻を活用したハンドクリームの開発は、SDGsにもつながる注目の取り組みだと感じました。 坂角総本舖 葵店 問い合わせ 052-932-0261 住所 名古屋市東区葵3-18-15 坂角 葵ビル1F 営業時間 9:00〜18:00 定休日 無休 駐車場 2台 支払方法 カード・電子マネー可 公式サイト https://www.bankaku.co.jp アクセス 「千種駅」より徒歩で約2分 ※掲載内容は2022年7月時点の情報です
老舗和菓子店「元祖 鯱もなか本店」のオンラインショップがリニューアル!
「元祖 鯱もなか本店」は、名古屋土産「鯱もなか」を主力とする明治創業のお菓子屋です。しかし、後継者がいないこと、コロナの影響によるお土産の需要が激減したこともあり、 2020年末に長い歴史に幕を閉じようとしていました。そんな時、今まで専業主婦をしていた3代目の娘・古田花恵さんが30代にして4代目社長に就任しました。 7月末にはオンラインショップをリニューアルし、昨年同月に比べサイト訪問者数は3倍、売上は前月比の2倍に。「名古屋ご当地のお菓子で少しでも旅行気分を味わってもらい、コロナ疲れの全国の方々を笑顔にしたい」との想いで、名古屋の魅力を発信する場として、新しい企画も進行中です。ぜひ、公式サイトをチェックしてみてください。
かわいい和菓子のお取り寄せ3選!岐阜の老舗のおすすめをチェック
お取り寄せ・通販で楽しめる、おいしい和菓子をご紹介!月刊KELLY3月号「お取り寄せ」特集の中から、岐阜のローカルメディア「さかだちブックス」さんにピックアップしていただいた、人気老舗店のおすすめ商品をご紹介します。 日刊KELLY|名古屋の最新情報を毎日配信!2021.01.22月刊ケリー3月号は『おいしいお取り寄せ』特集https://kelly-net.jp/enjoytoday/2021012206001237971.html2020年大好評だった「神社とお寺と、おやつ」特集をグレードアップ!分散参拝を意識しながら、2021年の良いスタートを一緒に切りましょう。 かわいい和菓子のお取り寄せ3選!岐阜の老舗のおすすめをチェック ツバメヤ柳ヶ瀬本店の「ツバメようかん 詰め合わせ」(3本入り 税込832円) 一口サイズのようかんは、珍しいカカオ味がお気に入り。 3本をツバメ模様の箱に詰め合わせ。北海道産小豆、鹿児島県産粗糖、岐阜県山岡町の寒天を使った「あんこ」、埼玉県三芳町産の富の川越いもの味を生かした「おいも」、有機カカオと小豆の香りとコクが自慢の「カカオ」をどうぞ。 おすすめコメント 「上品でかわいらしい一品。甘さ控えめで、素材の味がしっかり感じられます。手土産にもぴったり!」 昨年夏に神田町通りに移転オープン。名物の「ツバメわらび」はぜひゲットして。 ツバメヤ柳ヶ瀬本店 問い合わせ 058-265-1278 住所 岐阜市神田町4-13 営業時間 9:00~19:00 定休日 月曜 公式サイト http://tsubame-ya.shop/ 注文方法 オンラインショップ・電話・FAX・店頭販売 田中屋せんべい総本家の「YES! SENBEI CAN / NOT COOKIE セット」(税込3240円) ネーミングセンスが最高!キュートな缶にも心躍ります。 「みそ入大垣せんべい」が有名な、老舗せんべい屋の新提案おやつ。焼印が目を引く伝統のせんべいが詰まった「YES!SENBEI CAN」と、ネオ感あふれる7種類のせんべいが入った「NOT COOKIE」のセットで販売。新旧の良さを堪能して。 おすすめコメント 「どちらのせんべいも、素朴な味わいで、お茶やコーヒーと一緒に味わう時間に、彩りと笑顔を添えてくれますよ。」 本店から車で約10分の場所にある「FACTORY SHOP」。職人がせんべいを焼く様子を見ることができます。 田中屋せんべい総本家 問い合わせ 0584-78-3583 住所 岐阜県大垣市本町2-16 営業時間 9:30~18:00(日曜は~17:00) 定休日 水曜 公式サイト https://tanakaya-senbei.stores.jp/ 注文方法 オンラインショップ・電話・メール・FAX・店頭販売 稲豊園の「疫病退散!妖怪アマビエ入り猫まんじゅうセット」(税込1900円) そのユーモアで疫病も退散!? 話のネタになること間違いなし。 “シュールかわいい”と評判の名物「招福猫子まんじゅう」(5個入り1380円・税込)に、マスク姿の猫子まんじゅうとアマビエのセットが仲間入り。皮の生地と中の餡の種類は、それぞれ異なるため、微妙な味の違いが楽しめます。 おすすめコメント 「三毛猫や黒猫…食べるのがもったいないほどのかわいさ!地元が誇る名店で、お墨付きのおいしさです。」 創業100年を超える、老舗和菓子店。飛騨・高山観光に合わせて、全国から人が集まります。 稲豊園 問い合わせ 0577-32-1008 住所 岐阜県高山市朝日町2 営業時間 9:00~18:00 定休日 火曜 公式サイト https://www.tohoen.com/lineup/ 注文方法 オンラインショップ・電話・FAX・店頭販売 ローカルメディア さかだちブックス編集部さん リトルクリエイティブセンターが運営する出版・編集メディア。毎日更新のWebでは岐阜を中心にさまざまな情報を発信。 https://sakadachibooks.com/ ※掲載内容は2020年12月時点の情報です ※価格は送料別(冷蔵・冷凍便につき、通常の送料とは別途料金が発生する場合があります。詳細は、各店舗へお問い合わせください) ▼こちらの記事もあわせてチェック! 日刊KELLY|名古屋の最新情報を毎日配信!2021.01.26ツウが選ぶ、おすすめお取り寄せ3選!人気スイーツやご飯&パンのお供もhttps://kelly-net.jp/enjoytoday/2021012605504237934.html憧れのあの人は、普段どこのショップの、どの商品をお取り寄せしているんだろう?今回は、文筆家 甲斐みのりさんが選んだ、とっておきの品々をご紹介します。 日刊KELLY|名古屋の最新情報を毎日配信!2021.01.23【お取り寄せ】三重・いなべ「フライベッカー サヤ・八風農園」のおまかせパ...https://kelly-net.jp/enjoytoday/2021012305501537595.html「景色もごちそう」のグッドロケーション。藤原岳の麓に立つ、ログハウス「フライベッカー サヤ」は、週3日営業の人気ドイツパン屋です。「フライベッカー サヤ」のおすすめが、こちらの「おまかせパン&旬野菜セットBrot&Gemüsekasten」(税込3000円)。※季節ごとに内容・数量は異なる、数量限定、発送日は応相談
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