2022.7.22fri
「ATELIER OPÉRA」(アトリエ オペラ)夫婦2人の愛らしさとセンスが調和する、幸せを運ぶスイーツ【昭和区・曙町】
吹上と御器所の中ほどから、阿由知通を東へ入った通り沿い。2021年5月に誕生したのが、シンプルなデザインでまとめられた、控えめな店構えの「ATELIER OPÉRA」(アトリエオペラ)です。
ガラス扉を開けて店内に入ると、両サイドの壁やカウンターの3分の2ほどのスペースに、色も形もさまざまな焼き菓子がずらり。
エディブルフラワーが花咲くクッキーや、飴色に輝く焼きたてのカヌレなど、つい目移りしてしまうバラエティに富んだラインナップです。
カウンター下のショーケース内では、個性派ぞろいの焼き菓子に囲まれるように、麗しい佇まいのケーキが華やぎます。
きび糖のやさしい甘さが際立つ、焼き菓子&ケーキ
この店を営むのは、フランスの「ミッシェル・ブラン本店」で研鑽を積み、「ホテルナゴヤキャッスル」で腕をふるった店主の髙津昌史さんと、洋菓子の世界大会で3位に輝いた経験を持つ奥様の美緒さん。
親しみやすさがありながらも、磨き抜かれた美しいフォルム、洗練された味わいに仕上げられたスイーツたち。人懐っこく愛らしい笑顔の内に秘められた、夫婦それぞれの職人としてのプライドを伝えているようです。
夫婦での明確な役割分担は決めていないものの、生菓子とふんわり生地の焼き菓子は昌史さん、焼き菓子全般は主に美緒さんが担当することが多いそう。
子ども連れの家族から年配の方まで、安心して食べていただけるようにと、国産のバターや小麦粉、やさしい甘さのきび糖など厳選した原材料を使用。無条件に「おいしい!」と感じられるシンプルさと、2人の多彩なアイデアから生まれる意外性のある素材使いや食感の妙が、訪れるたびに新しい発見と楽しみを与えてくれます。
「フラワーサブレ」(380円)や「きび糖ブール・ド・ネージュ」(250円)など、焼き菓子は1日40種類前後をラインナップ。定番に加えて、旬の食材や季節ごとに登場する新フレーバーなど、美緒さんの豊かな感性と遊び心が光ります。
ご主人の昌史さんが担当する生菓子のショーケースに目を向けると、そのおいしさを訴えかけてくるように、キラキラと輝くケーキたちに思わずうっとり。幸せなティータイムの風景を想像すると、つい頬が緩んでしまいます。
中でもひときわ目を引いたのが、色鮮やかな「きび糖ショートケーキ(苺)」(620円)と、新作としてお目見えしたばかりの「なめらかピスタチオプリン」(400円)。
きび糖ショートケーキは、季節ごとに登場するフルーツをふんだんに使った一番人気。きび糖のほのかな甘さが、フルーツの味わいを際立たせています。
もちろん、店名の由来にもなっている、昌史さんのスペシャリテ「オペラ」(580円)もお忘れなく。オペラを象徴する艶々のチョコレートグラサージュをあえて取り入れず、薄いチョコレートをのせているところに昌史さんのこだわりが光ります。見た目の立体感やパリパリ食感など、オリジナリティあふれる仕上がりです。
さらに最近、口コミやSNSで評判になっているのがフルオーダーのバースデーアイシングケーキ。アイシングケーキの講師を務めていた経験を持つ美緒さんが、打ち合わせから完成まで細かく希望を聞き取り、オーダーメイドで仕上げます(アイシングケーキは、限定数のため、希望日前月の月初めから受け付ける予約は、即日で埋まってしまうこともあるそうです)。
夫婦2人でつくり上げた、温もりに満ちたパティスリー
店のデザインやロゴマーク、コック帽のイラストは、昌史さんのアイデアを美緒さんが手描きで形にしたものをベースにするなど、夫婦で手がけた部分も多いそう。
店を彩るフラワーコーディネートは、美緒さんが信頼するお花の先生に依頼。シックなお店のアクセントとして、温もりをプラスしています。
店名の「オペラ」に込めたのは、「オペラの生地にしっとり染み込んだコーヒーシロップのように、地域に浸透したいという思いです」と話す昌史さん。生まれ故郷であるこの地で、町の人に愛されるお店を目指します。
夏には、気軽に食べられるアイスも登場! 長く愛され続けるお店でありたい。
——お店をオープンしたきっかけを教えてください。
オーナー・高津さん 勤めていたホテルが休業することになり、思い切って夫婦2人でお店を開こうと決意しました。実家からも自宅からも近い、吹上辺りでお店を開きたいと思って探していたところ、2020年の12月、この場所を紹介していただいて。半年弱の準備期間を経て2021年5月にオープンしました。
——お店のコンセプトを教えてください。
オーナー・高津さん 私が子どもの頃から優しく見守ってくれている町の方々や、小さなお子さんまで、地域の人に親しまれ、長く愛され続ける店でありたいというのが願いです。
——今後、どんなお店にしていきたいですか。
オーナー・高津さん 男性お一人の方やファミリー層、ご年配の方など、幅広い方に来ていただいているので、皆さんに喜んでいただける商品を2人で作り続けていきたいです。夏にはアイスも新登場する予定ですので、お楽しみに。
お店に入ると、やさしい笑顔が印象的な、仲睦まじいご夫婦の人柄が伝わってくるような穏やかな風に包まれます。親しみやすさを感じながらも、美しい佇まいや計算された味わい、独創的なラインナップからお二人のプロ意識が伝わってくる品々。自分のご褒美に、来客用のお菓子に、あの人への手土産に…と、甘い香りと愛らしい見た目に惹かれ、ついあれもこれもと目移りしてしまいます。
ATELIER OPÉRA(アトリエ オペラ)
- 問い合わせ
- 052・784・7168
- 場所
- 名古屋市昭和区曙町3-19-7 FITビル1F
- 営業時間
- 10:30~17:00
- 定休日
- 日・月・火曜
- 駐車場
- 15台(共同※「名古屋神召キリスト教会」駐車場)
- カード
- 不可
- 電子マネー
- 不可
- ホームページ
- https://atelier-opera.com/
- アクセス
- 地下鉄「吹上駅」より徒歩で約7分
「DRUM(ドラム)」ちょい飲みもあり!美食×自然派ワインのネオ酒場が誕生。【千種区・吹上】
2022年2月、地下鉄「吹上駅」から徒歩3分の場所にお目見えした「DRUM(ドラム)」。オープン以来、吹上の夜に新たな彩りを生んでいると話題を呼んでいます。 東京の名店、名古屋市東区・高岳のフレンチで腕をふるい、30歳を機に自身の店を開いたというオーナーシェフの岡山さんに、お店や料理にかける思いを伺いました。 オーナーの自宅に招かれたようなプライベート感満載のカウンター 名古屋高速が地下を走る国道153号線沿い。通りを照らす灯りに誘われてガラス戸を開けると、ライブ感いっぱいの厨房から漂う香りと音に食欲がそそられます。 厨房は、岡山さんが好きなブルーを基調に、自らタイル貼りをしたという趣味部屋のような空間。好みのレコードや雑誌、学生時代の恩師から贈られた色紙を掲げるなど、岡山さんのプライベート感に満ちたキッチンを眺めていると、自宅のディナーに招かれたような安らぎに包まれます。 ホワイトボードにびっしり書き込まれた日替わりのアラカルトは20~30種類。フレンチを主体にした、ジャンルレスなラインナップです。メニューを見ているだけで「どんな味のハーモニーなんだろう?」「これに合うワインは?」と想像が広がり、目移りしてしまいます。 アンティークチェアがランダムに並ぶカウンター。卓上では、常連客から開店祝いに贈られたというキャンドルが優しい灯りを落とします。 店の奥にはテーブル席が1卓。名古屋市北区の「TAIYO FLOWER」による花のコーディネートも彩りを添えます。 新しい味覚と出合える、バイアスにとらわれない料理 「新玉ネギのポタージュ カニ リンゴ イクラ」(1600円)。旬菜のポタージュは岡山さんのスペシャリテ。 食材は、豊田市の契約農家から仕入れる無農薬の西洋野菜や、高校時代の先輩が作る新鮮野菜が中心。信頼の置ける目利きが、毎日市場で仕入れてくる旬の魚介を見ながら、その日のメニューを思案します。 食材も料理に使う器もこだわりの自然派ワインも、仕入れ先のもとへ足を運び料理への思いを語りながら、共鳴できるパートナーにお願いしているとか。顔の見える関係性を築くのが、岡山さんの流儀です。 料理に合わせて提案してくれる自然派ワイン。グラスワインは日替わりで、赤白各2~3種 。 旬の素材を自在に操り、オリジナリティ溢れる調理法や意表を突く食材の組み合わせによって生み出される品々。食べ進めるごとに味覚や食感、香りが変化し、最後の一口まで楽しみが尽きません。オーナーの美学が宿る自然派ワインとのペアリングに、ついつい杯が進んでしまいます。 名前の由来は「でら旨い=DeRaUMai」 ——お店をオープンしたきっかけを教えてください。 オーナー・岡山さん 30歳で自分の店をオープンすると決意していて、気軽にふらりと立ち寄れるようなアラカルト中心の店をつくりたいと思っていました。だからこそ、自分の発想や料理のキャパを広げるために、対角線上にあるような正統派の店で腕を磨いてきました。 ——お店のコンセプトを教えてください。 オーナー・岡山さん コンセプトはないです。ビストロでもフレンチでもイタリアンでもない。ジャンルとか固定概念にとらわれず、おいしいものを提供したいと思っています。お店の名前も「DeRaUMai」の綴りから命名したもので、特に音楽とは関係ないんですよ。 ——今後、どんなお店にしていきたいですか。 オーナー・岡山さん これからは和食の要素なども取り入れつつ、もっと料理の幅を広げていきたいですね。ずっとプレーヤーとして厨房に立っていたいという思いがあるので、将来的にお店を広げたり増やしたりということは、今は考えていないです。もし2店舗目を開くことになったとしても、僕はいつもここにいると思います。 ライター 花野 店に入った瞬間、空間も人柄も含めて岡山さんの世界観にグッと引き込まれます。意外な食材の組み合わせなど、メニューを眺めながら味や香りを想像するだけでワインのグラスが空いてしまうほど、遊び心いっぱい。そして期待を超える表情豊かな料理から、食材の新しい魅力に出合えるのも楽しいですよ。 撮影/千葉亜津子 ※価格はすべて税込み ※掲載内容は2022年6月時点の情報です。 ※新型コロナウイルス感染症の影響で、掲載内容は予告なく変更する場合があります。公式サイト・SNSで事前にご確認ください。
「アンティークマーケット吹上」1棟丸ごとアンティーク尽くしのビルで宝探し【千種区・吹上】
地下鉄「吹上駅」からすぐ。20年以上にわたり、名古屋のアンティーク好きの聖地として親しまれる「アンティークマーケット吹上」。 7階建てのビルには、時代もテイストも異なる様々なアンティークアイテムがフロアごとに並びます。オーナーの金本さんに、お店の楽しみ方やアンティークの魅力を伺いました。 時代やテイストも多彩なアンティークが、フロアごとにずらり 1階と5階には西洋骨董家具がずらり。英国やフランスを中心にオーナーが直接買い付ける家具やステンドグラス、ドアや門扉など大型のアイテムが所狭しと並びます。 2階と4階には日本の歴史が薫る骨董が集結。昭和レトロな和小物やブリキの看板、アイアングッズなど、マニアも垂涎のアイテムが満載です。 1950年代に海外に輸出されていた日本製の食器も。貴重な絵付け前の白磁はそのまま使ったり、オリジナルの絵付けをしたりといろいろな楽しみ方ができる人気アイテムです。 3階は西洋の暮らしをイメージさせるキッチン雑貨や食器、パイン材の家具などが並び、女子心をくすぐる大人かわいい空間。シャビーシックな小物など、日常づかいできるアイテムも見つかります。 ビル内には工房もあり、購入商品の修理やメンテナンスもお任せ。息を吹き返したようによみがえったアンティークを自宅に迎えることができます。 屋上に広がる緑豊かなカフェでブレイクタイム 7階に広がる、緑豊かな屋上ガーデンカフェ「Le Jardin」。ショッピングとあわせて、のんびりランチやスイーツを楽しめます。 カフェだけの利用もできますが、使用する食器の中には階下で買える物もあるので、お気に入りの食器探しにも最適です。ティータイムには、セルフサービスで利用できるルーフトップバルコニーへ。名古屋の街を望む絶景が広がり、心休まるブレイクタイムを過ごせます。 時を刻んだモノから伝わる感動や魅力を伝え続けたい ——お店をオープンしたきっかけを教えてください。 オーナー・金本さん 学生時代から骨董が趣味で、骨董市巡りなどをしていました。好きが高じて久屋大通の辺りに初めて店を開いたのが、40年ほど前のこと。店が手狭になってきたので、23年前にこの場所に移転しました。 ——お店のコンセプトを教えてください。 オーナー・金本さん 使っている材料の質の高さや頑強な造り、手の込んだ繊細な技など、古いモノには古いモノなりの良さがある。だからこそ出合えた瞬間、手にした時に感動するし、じんとした気持ちになるんです。その魅力をずっと伝えていきたいですね。 ——今後、どんなお店にしていきたいですか。 オーナー・金本さん 店のある吹上エリアは、新しいマンションなどもどんどんできて、新しい人の流れができています。街の人にも愛され、遠方の方にとってもわざわざ行きたくなるような店であり続けたいです。 ライター 花野 店に入った瞬間、時代も国境も超えてタイムトリップしているような気持ちになり、ワクワク感が止まりません。イスやテーブルなど、空間の主役になるものだけではなく、レトロかわいい食器や愛らしい雑貨など、インテリアのちょっとしたアクセントになるものもいっぱい。お家に連れて帰りたくなる、お気に入りとの一期一会をぜひ楽しんでください。 撮影/千葉亜津子 ※価格はすべて税込み ※掲載内容は2022年6月時点の情報です。 ※新型コロナウイルス感染症の影響で、掲載内容は予告なく変更する場合があります。公式サイト・SNSで事前にご確認ください。
人気店の新たな一歩。「nodate.(ノダテ)」の無機質な空間に灯るドキドキと喜び【昭和区・御器所】
鶴舞で10年近く愛されるカフェ「nocake.」の姉妹店としてオープンした「nodate.(ノダテ)」。暖簾をくぐると、カジュアルで温かみのある「nocake.」とは全く異なる、色味のないシンプルな景色が広がります。 2022年2月、御器所にオープン 調理器具、什器を黒、白、透明で統一した店内。 客席側にはあえて照明をつけず、木漏れ日のように光を間接的に取り入れるなど、細かい演出も施されています。 店頭には物販スペースも。店主・林さんが自ら手掛けるブランド〈ニトヲオウ〉の箸(3000円)や折敷(5000円~)も販売しています。 スパイスを効かせた、多彩なメニュー カウンター席で味わえるのは、極力農薬を使わない野菜や多彩なスパイスを組み合わせた料理・スイーツ、新しい飲み方を提案する日本茶やお酒など、目にも舌にも新しいものばかり。 ランチの「麻婆カレー」(1000円)は、四川の麻婆豆腐をベースにしたピリ辛が食欲をそそります。 夜はアラカルトの他、コース(5000円~)や200種類以上のアルコールも用意しています。 こちらは淹れ方を変え、3煎まで楽しめる日本茶「べにふうき」(500円)。3煎目には花山椒を入れて。ロック、水割り、ワイングラスでの飲み比べなど、様々な飲み方のメニューがあります。 6種類ほどラインナップするチーズケーキ(500円~)は、「レモンとカルダモン」など食材の組み合わせが面白いです。 店主・林礼一さん SEから起業し、鶴舞に「nocake.」をオープン。カフェ営業にとどまらず、イベント・ウエディングのケータリングや音楽活動、ブランド〈ニトヲオウ〉の立ち上げなど、幅広く活動している。 17時で店のコンセプトが切り替わり、ロゴや音楽、使用するカトラリーも変化。 夕方からは人が来店する度に、カウンター席にはランプが灯されます。訪れる人々の驚きの声や楽しむ笑顔が、モノクロの空間に彩りをそえるようです。 撮影/千葉亜津子 ※価格はすべて税込み ※掲載内容は2022年5月時点の情報です。 ※新型コロナウイルス感染症の影響で、掲載内容は予告なく変更する場合があります。公式サイト・SNSで事前にご確認ください。
WRITER
Shizue Hanano
大学卒業後、編集会社に勤務し、レジャー情報に関する雑誌編集、ウェブサイトの立ち上げに従事。紙媒体の企画から執筆まで一貫して携われるステージを求めて北陸・金沢の出版社へ。30歳を機にUターンし、名古屋の編集プロダクションへ。新聞、全国誌、地元タウン誌、フリーペーパー、ウェブサイトなど多様なメディアでのディレクション、編集、 執筆を担当。2011年からフリーランスとして活動中。
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