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#アート

2022.8.8mon

国際芸術祭「あいち2022」が開幕!愛知芸術文化センターの展示をレポート

愛知県を舞台にした国際芸術祭「あいち2022」が7月30日(土)に幕を開けました。展覧会には、国内外から100組のアーティストが参加。愛知芸術文化センターをはじめ、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)、計4カ所の会場に多数の現代アート作品が展示されています。

指揮を執るのは、芸術監督・片岡真実氏。今回のテーマである「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」は、愛知出身のコンセプチュアル・アーティスト、河原温氏が電報で自身の生存を発信し続けた《I Am Still Alive》シリーズに着想を得たもの、と話します。

コロナ禍やウクライナ侵攻など、このような不安定な時代だからこそ必要な“今、を生き抜くアートのちから”を感じられる、最先端の芸術作品が集まっています。

マルセル・ブロータース《政治的ユートピアの地図と小さな絵画1または0》1973

現代美術展の冒頭は、世界地図の「Monde(世界)」の部分を理想郷「Utopie(ユートピア)」に書き換えた、マルセル・ブロータースの展示から始まります。芸術には、パンデミックや政治的な争いを直接的に解決することはできないかもしれない。けれど、想像力で別の世界をイメージし、生きる意味を考え、困難な今を生き抜くことはできる。「あいち2022」に込められた願いと問いかけが込められた、プロローグとなるカルトグラフィー作品です。

続いて展示されているのが、「あいち2022」のテーマの着想となった、河原温による《I Am Still Alive》シリーズ。1970年から30年間、「私はいまだ生きている」というメッセージを送り続けた、約900通の電報から為る作品です。膨大な“生存の証”を目の当たりにして、思わず言葉を失ってしまいます。

ローマン・オンダック《イベント・ホライズン》2016

さらに歩き進むと、木の幹を用いた展示が現れます。1本のオークの幹を100枚に切断し、その年輪に応じた1917年から2016年までの歴史的な出来事を刻印した、ローマン・オンダックの作品です。展示期間中、床面に設置されている各ピースは毎日1枚ずつ壁に掛けられ、会期最終日の10月10日にはすべてが壁面に移動する仕掛けとなっています。

塩見允枝子の「スペイシャル・ポエム」シリーズや、愛知出身の三輪美津子の《READ・MADE》、Twitterに投稿し続けた和合亮一の詩などが並ぶ展示室も見応えがありました。

リタ・ポンセ・デ・レオン《魂は夢をみている 生きる価値とは何かについての詩人ヤスキン・メルチーと新納新之助と友人たちの言葉》2022

こちらは、木琴のように叩いて音を出せる、リタ・ポンセ・デ・レオンの作品。言葉が記された木製の音板は入れ替えることもできるので、言葉の連なりやその意味合い、音の違いをぜひ体感してみてください。

パブロ・ダヴィラ《転移の調和》2022

照明が落とされた展示室の暗闇に浮かび上がるのは、2.2×7.2mの巨大なスクリーン。視界いっぱいに広がる、白・黒・グレーのパターンの動きを眺めていると、一瞬にも永遠にも感じられる、不思議な時間が流れていくようでした。

アンドレ・コマツ《失語症》2022

半透明のビニールシートで仕切られた、巨大な迷路のような展示も。「拡声器やハンマーが示すものは何なのか?」解説を読む前に、作品が暗示するメッセージを考え、読み解くのも現代アートの楽しみ方の一つ。

カズ・オオシロの展示

一見、何の変哲もないアンプに見えるこちらの作品も、ぜひ会場で近づいてよく鑑賞してみてください。

シュエ ウッ モン(チー チー ターとのコラボレーション)《雑音と曇りと私たち》2020-2022

荒川修作+マドリン・ギンズ《問われているプロセス/天命反転の橋》1973–1989

岐阜県養老町にある「養老天命反転地」をはじめ、人間が「死なないために」生きられるよう設計した“天命反転”のための建築を国内外にいくつも完成させた、荒川修作+マドリン・ギンズの作品。

その他、ネオ・ダダイズム・オルガナイザー(ネオダダ)に参加した、名古屋出身・岸本清子の作品も多数展示。既存の社会からの脱却を目指した、エネルギッシュな作風に釘付けに。

ここでは作品をすべて紹介しきれませんでしたが、実際に一通り鑑賞してみると、作品同士がゆるやかにつながりを持ち、鑑賞を進めるごとに思考が広げられるようにキュレーションされているように感じられました。

愛知芸術文化センターの他、一宮市、常滑市、有松地区にも、足を運ぶ価値のある現代アートが点在しています。陶芸や染織など、愛知県ならではの文化とアートを掛け算する作品も見どころの一つ。塩田千春による大規模なインスタレーション作品が展示されている「のこぎり二」や、奈良美智の彫刻とペインティング・ドローイングのある「オリナス一宮」も見逃せません。

感性を刺激する、数多くの作品と出会える「あいち2022」。そこに込められたメッセージを見つめ、自分自身や様々な物事と向き合ってみてはいかがでしょうか。

国際芸術祭「あいち2022(ニーゼロニーニー)」

期間
2022年7月30日(土)~10月10日(月・祝)
会場
愛知芸術文化センター(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2)
一宮市、常滑市、有松地区
※開館は10:00~。閉館時間は会場により異なります。詳細は公式Webで確認ください
休館日
愛知芸術文化センター 月曜日(祝日は除く)
一宮市 月曜日(祝日は除く)
常滑市 水曜日
有松地区 水曜日
現代美術展 料金
フリーパス一般3000円、学生2000円
1DAYパス一般1500円、学生1200円
※中学生以下・障害者手帳提示と付き添い1名無料
公式サイト
https://aichitriennale.jp/

※掲載内容は2022年8月時点の情報です
※価格は税込み表記です

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WRITER

Wakana Yamauchi

Wakana Yamauchi

兵庫県・加古川市出身。京都の大学を卒業後、 編集者になるために名古屋へ。ゲーム、猫、ファッション、写真が好き。自宅をリノベーションして以来、インテリアにハマっている。

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