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映画『ゆめのまにまに』初主演&酔蕩天使による「サンローゼ」が主題歌に決定した、こだまたいちさんにインタビュー!
#インタビュー

2022.11.22tue

映画『ゆめのまにまに』初主演&酔蕩天使による「サンローゼ」が主題歌に決定した、こだまたいちさんにインタビュー!

11月12日(土)から公開され、愛知県では11月26日(土)から名古屋シネマテークにて上映される映画『ゆめのまにまに』。初主演を務めるのは、あらゆるジャンルで幅広く活動中のモデル・俳優のこだまたいちさん。さらに、こだまさん率いるバンド「酔蕩天使」による「サンローゼ」が主題歌を担当しています。

このたび、映画公開に向けて、こだまたいちさんに作品の魅力や込められた想いをインタビュー!

こだまたいち

PROFILE
愛知出身。1991年3月13日生まれ。2018年まで『MEN’S NON-NO』専属モデルとして活躍し、ロックバンド「THE TOKYO」のギタリスト、俳優など、フォークシンガー以外にも幅広く活動。今年6月には、ズッコケ・フォークバンド「酔蕩天使(よいどれてんし)」として、テレビ東京系列深夜ドラマ『ザ・タクシー飯店』の主題歌「タクシードライバーブルース」で新たなデビューを飾った。

映画『ゆめのまにまに』

STORY
東京・浅草六区に佇む、とある古物店「東京蛍堂」。不在がちな店主・和郎(村上淳)に代わり、毎日店番をするアルバイトのマコト(こだまたいち)。客足が遠のいて久しい店には、それでも毎日のように誰かしら人が出入りする。馴染みの仲見世の店主、町内会の人びと、古着物蒐集家たち、骨董マニア、女子高生など……。

映画の初主演が決定して

――映画『ゆめのまにまに』初主演、おめでとうございます。主演が決まった時の心境を教えてください。

最初は、何が起きてるかよくわからなくて(笑)。そこから、うれしい気持ちや緊張が一気に押し寄せてきましたね。でも、「そういう感情に浸ってる場合じゃない」と、すぐにやるべきことを考えて、わりと早く切り替えられました。これだけ長い時間、映画の中で登場すること自体、初体験だったので、しらみつぶしに準備していきました。

――オファーをいただいてすぐにしたことは何ですか?

役をいただいたときからある程度の脚本が決まっていたので、まずそれをしっかり入れ込むことから始めました。そこからどんどん書き換えられていく度に、自分の中でもブラッシュアップを重ねていきました。

主人公「マコト」という人物とは

――今回演じた「マコト」はどのような人物だと思いますか?

マコトはあんまり自分のことを話さないんですが、物語の途中途中でパーソナルなことを言う台詞もあるんです。例えば、店主の和郎(村上淳さん)の息子・幸一(遊屋慎太郎さん)と話しているときに、「僕は20代でお酒を一生分飲んだから、もう飲まないんだよ」という台詞があって。観てる人からしたら「え?」ってなると思うんです。

何かやっぱり、隠しているわけじゃないけど、引き出しに仕舞っているような感情や過去がある。過去にそれだけお酒を飲んでて、現在は飲んでないってことは、ある時に、だいぶ人生観が変わったんじゃないかな。変わろうとしたんじゃないかと思うんです。

きっと浅草の人間じゃなくてよそ者で、浅草という商売の街にきて、何かの仮面を被ろうとしてるというか。店主の和郎さんに拾ってもらって、そこがやっと見つけた居場所となって、過去は過去として、現在の自分を再生しようとしている、そんなエネルギーを感じました。

――脚本から「マコト」という人物を汲み取っていったんですね。

脚本からもですが、張元監督とたくさん話し合ったのも大きかったと思います。映画に出てこない部分も、バックグラウンドとして「こうだったんだろうね」って話し合いました。

自分自身とマコトのつながる部分

――マコトとの共通点や共感する部分はありましたか?

共通点じゃなくて違うところになってしまうんですが、色んな人がお店を訪れる中、マコトはとても引き気味というか、存在をそんなに主張しないタイプで、だからこそお客さんがプレッシャーを感じることなく、あの店に立ち寄れるんだと思います。そこで自分はどうかといわれると、わりとその人の素性が気になってしまうタイプなので(笑)、「どうやって来ましたか?」とか「どこから来ましたか?」とか、僕だったら聞いちゃうと思うんですよね。でも、マコトは多分、自分が聞かれたくないことがあるから、相手との距離を測っている。相手に対して興味はあるけど、聞かないようにしてるのかなと。

――社交的なこだまさんと、消極的なマコトなんですね。

マコトは社交的であろうとする時期を越えたというか、そういうのを一回やめたんだと思います。目指している方向の違いかもしれません。でも、僕は今でこそ社交的であろうという意識ですが、昔はなかったので。マコトの一面を自分が元々持っていたということが役に入り込むための役に立ちました。

――撮影中に楽しかったシーンはどこですか?

幸一(遊屋慎太郎さん)が持ってきてくれた魚を二人で焼きながら語り合う場面ですね。ずっと店内のシーンが多いんですけど、そのシーンだけは同じ建物ですけど、お店として使われている場所ではなくて、空も見えている風通しのいいお店の3階部分で撮影しました。あの時は、撮影も根詰めてやっていて、緊張感もすごかったので、とてもリフレッシュになりましたね。

――遊屋慎太郎さんとは、撮影以前に交流はありましたか?

交流はなかったんですけど、僕が雑誌『MEN’S NON-NO』(集英社)の専属モデルをやっていた頃に、遊屋くんもモデルとして出てたんです。現場で一度お会いしたことがあって、「誰だ、この格好いい人!?」ってなったのを覚えています。その後、知らないうちに同じ事務所に(笑)。

舞台でもある「古物店」の印象

――マコトは古物店でアルバイトとして働いていますが、アルバイトに関する思い出はありますか?

良い思い出はなかなかないですね。親戚のおばさんが漫画喫茶をやっていて、中3の夏休みにそこでお手伝いをしたのが最初のバイトです。何もかも間違えまくって、何も覚えれないし、めちゃくちゃでした(笑)。

――撮影を通して、古物店で働いてみたいとは?

実際に働きたいかと言うと、自分の性格を踏まえると、そこで働ける人間ではないなと思いましたね(笑)。自分はモノを扱えるタイプの人ではないので。それは、モノを触るときの仕草や所作に表れるというか、実際、今回の舞台でもある古物商店「東京蛍堂」の店主・稲本淳一郎さんの所作も繊細で。自分は昔から、真面目にやっていたのに技術や家庭科の評価が2だったくらい、かなり不器用なので、働くには自信がないですね。

――これまで古物やアンティーク雑貨などに触れたことはありましたか?

ふらっと地方へ行ったときとか、アンティークショップや古物店を目にしたら入りますね。元々、好きで。あと、僕の友達が親と一緒に神奈川県の葉山で古道具やアンティーク家具を売っているお店をやっているので、彼に「お店立っていてどう?」とか、役作りの一環で話を聞いたりしました。

撮影地・浅草六区「東京蛍堂」

――今回の撮影地である「東京蛍堂」はいかがでしたか?

本当に素晴らしいお店でした。ビートたけしさんの自叙伝『浅草キッド』(太田出版)の舞台にもなった「浅草六区」という大衆芸能が盛んなエリアがあって、お笑い芸人さんがチラシを配ってたりしてて、その通りはすごい賑やかなんです。そこに、ふと細い路地があって、入っていくと「東京蛍堂」があるんです。そのランウェイのような道を緊張しながら歩いていくと、タイムスリップをしたような空間に辿り着く。店主の稲本さんたちが建物自体を改装に改装を重ねて作り上げた、まさに“こだわりの塊”でした。

店内は、物がずらっと並んでいて、形もすごく変わっていて、どういう構造なんだろうって思うほど階段があったり、半地下があったり、不思議な空間でしたね。

――「浅草六区」という街自体はいかがでしたか?

撮影が去年の9月末だったんですが、コロナの影響で緊急事態宣言や蔓延防止法だとかで、浅草のお店がかなり閉まってたんです。撮影の準備期間に浅草の空気をたくさん吸おうと歩き回ってたんですけど、今までの浅草ではないんだろうなと感じていました。

――時間軸も現実世界に合わせた脚本で、コロナの状況を反映させてマスクを着用した撮影だったとか。

張元監督が「“その時の浅草“を撮らないといけない」と。マスクもそうだし、お店のシャッターが閉まっている様子も映っていますね。この作品自体、表の浅草というよりも浅草のB面の部分にフォーカスしているので、観光客ではなく地元の住民が行く道やお店、生活感が意識して描かれていると思います。

主題歌「サンローゼ」と映画の密接な関係

――今年6月にデビューした、こだまさんがギターボーカルを務めるバンド「酔蕩天使」が今回の主題歌を担当されましたが、主題歌が決定したときは、どのような心境でしたか?

6月にドラマ『ザ・タクシー飯店』(テレビ東京系列)の主題歌を担当させていただいたのもそうですが、映画の主題歌をやるというのは昔から思い描いていた目標だったので、とてもうれしかったです。ただ、主演が決まった時と同様、恥ずかしくない物を作らなければとすぐに切り替えました。

――主題歌である「サンローゼ」は、前回同様、映画のために書き下ろされたんですか?

今回の「サンローゼ」は、僕が何年か前に作ったソロの頃の曲なんです。それを監督が気に入ってくれていて、ぜひ今回の映画の主題歌にと。その後、酔蕩天使でリアレンジさせていただきました。

――そうだったんですね。映画と歌詞とで関連している部分が多く感じたので、てっきり書き下ろされたのかと思いました。

実はその逆で、監督が曲を聴いてくださり、「サンローゼ」からインスピレーションを受けて作っていただけたみたいなんです。「時計を少し戻しすぎたの/あなたと私/知らない同士」という歌詞があるんですけど、登場人物の真悠子(千國めぐみ)の心情を表しているというか。真悠子を形成するうえで、この曲はヒントになってたんじゃないかなと思います。

自分の曲をモチーフに脚本が作られていくのはうれしいですし、そういう解釈だったんだという気付きもあって。自分の中にあった抽象的だったものが映像や物語になっていくと、改めて納得するような感覚もありました。

「人の弱い部分にグッとくる」

――11月23日には「サンローゼ」を含めた、全8曲収録の1stアルバムがリリースされるということで、どれも個性的な歌詞と愉快なメロディが印象的でした。特に「爪が伸びてますね」は聴いていてとても楽しかったです。普段、どんなところからインスピレーションを受けられますか?

実は「サンローゼ」も「爪が伸びてますね」も共通点があって。僕、人の弱い部分というか、人が見られたくない部分を見ちゃうクセがあるんです。

「サンローゼ」も喫茶店で一人座ってるときの哀愁とか、本人からしたら絶対見られたくない部分だよなって。「爪が伸びてますね」も、爪が伸びちゃってるのを見られるのとか恥ずかしいと思うんですけど、そういうところにグッとくるっていうか。そういうフェチなんです。あんまり話すと変態みたいになってしまうんですが(笑)、自分自身のエピソードより周りの人を見て着想を得ることが多いです。

あと、チャップリンの名言にもある「人生はクローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇。」のように、その時に嫌だなって思ってることも、引きで見たり、時間が経ってからその時のことを思い返したりすると、めちゃくちゃ面白かったりするんですよね。ダメだったこととかを歌詞にしてみると、絶対面白くなっていくっていう確信があります。

――これから酔蕩天使で挑戦していきたいことや目標はありますか?

第一は、とにかく良い曲を作り続けたいです。昔から「俳優になりたい」「ミュージシャンになりたい」という夢を持っていて、やっとその土俵に立ってみて思うのは、本当の意味で「俳優になる」「ミュージシャンになる」というのは、永遠の課題なんだということです。ずっと技を磨いて、続けていきたいです。台湾や韓国などのアジアに出てみたいとか、紅白に出てみたいとか、酔蕩天使として見たい景色はたくさんありますね。

映画『ゆめのまにまに』の見どころ

――最後になりますが、映画『ゆめのまにまに』の見どころを教えてください。

まずは、「東京蛍堂」のロケーションやお店の雰囲気を、映画を通して味わっていただきたいです。そして、マコトがお店にくるいろんなお客さんを相手にしていく人間模様や、事情を抱えた真悠子がマコトとの会話や、店の常連の唐子(中村優子さん)との会話を通して徐々に心を開いていく様子など、人間の心の機微を感じていただければと思います。

映画『ゆめのまにまに』
2022年11月26日(土)より名古屋シネマテーク他、全国順次公開
公式サイト
https://yumenomanimani.com/

酔蕩天使 1st Album
7inch Jacket『ヨイテン』(HILLS RECORDS)

2022年11月23日(水)発売&配信リリース
https://www.yoiten.com/post-281/

<収録曲>
1.落第ブルース(バイト編)
2.タクシードライバーブルース
3.サンローゼ
4.悲シマズ
5.石物語
6.卒業年華
7.爪が伸びてますね
8.コ・ウ・カ・イ

酔蕩天使アフタヌーン・ミニライブ&アルバム即売会
2022年11月27日(日)
開場12:30、開演13:00、終演14:00
会場:Sunset-BLUE(http://sunset-blue.net
住所:名古屋市中区東桜2-18-24サンマルコビルB1F
電話:052-325-3410
チケット:税込2000円(ドリンク代別途600円)
お問い合わせ:[email protected]

※掲載内容は2022年11月時点の情報です

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Eri Kimura

Eri Kimura

三重県出身。学生時代は、読書や映画鑑賞、バンド活動に、アパレル店員として働くなど多趣味全開で奔走。現在は新人編集者として奮闘中!

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