かわいいヤギは、食べられちゃうかもしれないヤギ!?島の厳しさを教わる(髙橋さん)
――髙橋さんはそうそうたる顔ぶれの中でいろんなことを諸先輩方から教えていただいたと思いますが、何か吉岡さんとのエピソードを教えてください。
吉岡さん 何もないよ!そんなこと教えないよ!(笑)
髙橋さん 本当に教えていただいたことはたくさんあるんですけど、心にしまっておきたくて・・・。ちょっとジャブ程度のものでもいいですか?
与那国島で現場に向かっている最中に民家の前にヤギがいて。ペットで飼われているんだなって思っていたんです。これちょっとなかなかな話なんですけど(笑) 「あれ、ペットですか?」って、吉岡さんに聞いたら「あれは、ヤギ汁だよ」って(笑)
吉岡さん 歓迎の意味を込めて振舞ってくれるんですよ“ヤギ汁”を。そのためのヤギだよって。ヤギかわいいかわいいって言っているけど、あのヤギは食べられちゃうかもしれないヤギなんだよっていう。芝居の話とは違います(笑)
髙橋さん すみません!(笑)
――ヤギのその後の厳しい人生を教えてもらったんですね。
髙橋さん それが出てきてしまって、すみません!(笑)
吉岡さん ヤギ汁食べた?
髙橋さん いや、食べてないです!
久々にキャスト陣がみんなそろっても親戚の人が集まったような感覚だった(中江監督)
――その話を聞いた後だと、なかなか食べにくいかもしれないですが、そうだったんですね。中江監督は、久々に『Dr.コトー診療所』のキャスト陣みんながそろった時はどのように感じました?
中江監督 本当に16年ぶりの人もいたんですけど、あんまり年月を感じなかったです。「ついこの間まで撮っていましたよね~」みたいな感じで。なんか懐かしいとも違うし、久しぶりでも、なんだか不思議な感じでしたね。
――キャストのみなさんが家族のように?
中江監督 そう、親戚の人が集まったみたいな感じだったんで、なんか違和感なく撮影に入れました。
――監督は、キャストのみなさんからドラマシリーズを振り返ると、本当に大変だったという話も聞いております。そのあたりはどうでしょう?かなり待ち時間があったりとか?
中江監督 待たせている方なので…僕にはよくわからないんですけれど(笑)いや、大変だったと思います。僕自身も結構大変で、「やっぱり、やろう!」って言いながら、「これ、もう1回やるの!?また大変だな」って僕自身が思ったり、最初は撮影を始めるのにちょっと躊躇しました。
――映画を撮影した時は、ドラマシリーズの時の懐かしさはありましたか?
吉岡さん もう大変です(笑)本当にスケジュールがあってないようなものなので、「いつになったらこのシーン終わるのかな・・・」って思うと、完全に千本ノックを受けながら限界突破をしていました。モニターで観ていて、“判斗先生、ちょっと大変だな”って思って、判斗先生が手袋をはめるのを手伝ったり、思わずしたぐらい監督は厳しかったですね。「まだまだ」って、何か奇跡を待っていたんでしょうね。
――髙橋さん、何十テイクも重ねたシーンがあったそうですね?
髙橋さん ありましたね、島民のビック4と。何もないゼロの状態で観て欲しいなと思いますけど。そういうシーンもありまして、基本的に愛の千本ノックは受けていたなと。
――泉谷しげるさんと最初にお会いした時はビックリされたと聞きました。いかがでしょうか?
髙橋さん 最初に泉谷さんとのシーンがあった時「俺たちにビビんじゃねーぞっ!」って言われて、それにちょっとビビりました(笑)っていうのがありましたね。
――吉岡さん、これがまた『Dr.コトー診療所』らしい一面でしょうか?
吉岡さん 判斗先生、本当に忙しいので、湾岸スタジオの前室で2人でいた時に、あと生田さんもいたのかな。その時に、「ちょっとでも横になれる時に寝てた方がいいよ」って言っても、「大丈夫です、大丈夫です」って言っていて。「コトー先生命令だから15分でも横になってなさい!」っていう風に言って、ちょっとウトウトっとしかけた時に役柄のしげさんのまんまで泉谷さんがいらっしゃるんですよ(笑)判斗先生、(横になったのに)また起き上がってしまうので、大変だなと思いながら。泉谷さんは泉谷さんで、サービス精神旺盛な方なので、盛り上げよう盛り上げようとしてくださって。
五島先生同様、判斗先生に教えてもらったオペシーン
――ちなみに今回、髙橋さんも医師っていうのは初めてで。吉岡さんにもお聞きしたいんですが、ドラマシリーズを通じて島民の人たちに認められて家族のような存在になっていくという部分においてコトー先生を16年ぶりに演じて、苦労した部分はありましたか?
吉岡さん コトー先生に関して言うと、医師を育てると言いますか、コトー先生によって何かが変わって、また医師としての一歩踏み出すという。三上先生だったり鳴海先生だったり、それが今回は判斗先生で、今後『ドクター判斗物語』を僕はお客さんとして観たいなと思っています。継承してください(笑)
――髙橋さんも医師を演じる上で、大変だったことはありましたでしょうか?
髙橋さん 初めてだったというのもありましたし、判斗自身のバックボーンが医者の家庭に育った設定だったので、判斗の人生を考える上で、志木那島で暮らしているみなさんと同じように、パッと出の人間にはなりたくなかったので、ちゃんとバックボーンを考えたて臨もうと思って内側から作りました。あとは、医療シーンも見て、その手際だったりとかどういったオペがあるのかを勉強しました。
吉岡さん 今回、教えてもらいました、判斗先生に。「吉岡さん、こうですよ」って。僕もすっかり忘れちゃって。「どうやったっけ?」みたいな(笑)オペのシーンは、五島先生同様ずいぶん助けられました。
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ドラマを思い出しながら観てくださる人の歴史と僕らの歴史をこのスクリーンで共有できたら・・・
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