2022.12.27tue
老舗の餃子専門店「百老亭 大須店」が復活!名店復活ストーリー【名古屋】
創業は1953年。大須の小路の一角にのれんを掲げ、人情酒場として愛されていた餃子専門店の「百老亭」。店主の病気を理由に閉店するという話題に、常連ならずともうら寂しさを感じた人は少なくないはず。
そんな「百老亭」が約4年の歳月を経て、奇跡の復活を遂げました。
今回は、そんな餃子の名店「百老亭 大須店」の復活に迫ります。そこに秘められたストーリーとは――。
大好きな“お父さん”と共に、伝統の味と大須の賑わいを守る
復活の立役者は現在の店主・小林利起さん。前店主の鈴木さんとは親類縁者でもなく、親子ほど年齢が離れているが、週1回の頻度で杯を交わす飲み仲間だったのだとか。
2018年に店を閉めた後、鈴木さんの体調は回復したものの、「生きがいだった店を失い、気落ちした姿を見るのが辛かった」と小林さん。
「お父さん(鈴木さん)が元気になれば!」その一心で、「僕にやらせてくれませんか」と直談判しました。
「やる!」と決めたものの、料理に関しては冷凍餃子すら焼いたこともないほどの素人だった小林さんの様子を、「最初は包んだ餃子を見て、みんな大笑いしていたよ」と優しく振り返る鈴木さん。
「でも、本気度が異常じゃなかった。驚くほどの速さで見る見る上達していったよ」。今では日々の出来栄えも安定し、鈴木さんがお墨付きを与える腕前に。
変わらない、こだわり抜かれた伝統の「焼餃子」の味
復活当初のメニューは、「焼餃子」のみで勝負。
毎日早朝から一個一個手包みする餃子。休日には2500個ほどの餃子が完売するという人気ぶり。一晩寝かせることであんと皮の一体感が生まれるのだとか。
餃子が浸るほどの水を入れ、強火でゆでた後、一度湯を切ってから焼き上げることで独特のもっちり感に!
「もともと料理好きだったわけでもないから、僕自身が“これやりたい!”という欲とか夢が全然ないんです。ただ、大好きな人と楽しく働けることが幸せ」
鈴木さんが守ってきた味と大須の賑わいを途切れさせない—。肩肘張らない自然体でありながらも、言葉の端々からそんな覚悟が感じられた。
店先に立つと、かつて鈴木産が守り抜いてきたのれんと、小林さんが息を吹き込んだ新しいのれんが重なる。
伝統の味を守りつつも、新しい時代が始まったことを感じさせる。
百老亭 大須店(ヒャクロウテイ オオステン)
- 問い合わせ
- 090-3967-4728
- 場所
- 名古屋市中区大須2-14-27
- 営業時間
- 17:00~21:00
(土・日曜は11:00~14:00、17:00~20:00)
- 定休日
- 火~木曜
- 駐車場
- なし
- 支払方法
- カード不可・電子マネー可
- @100rotei
- 平均予算
- 昼夜1500円
- アクセス
- 地下鉄「大須観音駅」より徒歩で約5分
WRITER
Shizue Hanano
大学卒業後、編集会社に勤務し、レジャー情報に関する雑誌編集、ウェブサイトの立ち上げに従事。紙媒体の企画から執筆まで一貫して携われるステージを求めて北陸・金沢の出版社へ。30歳を機にUターンし、名古屋の編集プロダクションへ。新聞、全国誌、地元タウン誌、フリーペーパー、ウェブサイトなど多様なメディアでのディレクション、編集、 執筆を担当。2011年からフリーランスとして活動中。
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