『機動戦士ガンダム』の主題歌『Line of sight』の制作秘話

――続きまして、5月10日(水)、ニューシングル『Line of sight』の発売おめでとうございます!1年ぶりの新曲で、待ち望んでいたファンの方も多いと思います。今回は、『機動戦士ガンダム アーセナルベース LINXTAGE』のテーマソングの書き下ろしですよね。オファーがあったときは、どんなお気持ちでしたか?

「まさかガンダムの主題歌をやらせてもらえるとは!」と、とてもびっくりしました。去年出したアルバム『MIRROR』は、コロナ禍を受けて作ったので、今までに比べるとナチュラルな曲ばかりでした。なので、そこから今の『Line of sight』に向かうまでに、楽曲制作に少し息詰まった部分もあって。『MIRROR』のモードから一個ギアを入れるのに、何かきっかけが必要だなと思っていたタイミングでのオファーだったので、すごくいいきかっけきっかけになりました。

――実際にHARUNAさんは、ガンダムシリーズの作品をご覧になったことはありましたか?

私は観たことがありませんでしたが、弟がすごくファンでとても喜んでいましたね!メンバー内では、歌詞を書くにあたってRINA(Dr&Vo)が観ていて、いい意味でイメージが変わったし、とても観やすかったと言っていました。『水星の魔女』という新シリーズは、今までのガンダムファンだけではなく、たくさんの人に向けて作っているみたいなので、今までのガンダムを知らない人でも楽しめる作品になっているそうです!

――デビューしてから今まで、『鋼の錬金術師』や『戦国BASARA4』、『ゲゲゲの鬼太郎』など、さまざまなアニメの主題歌やオープニング・エンディングテーマに楽曲が起用されていますが、今回はどういう流れで曲が出来上がったのですか?

作曲を担当したのはMAMI(Gt&Vo)で、いつもは曲ができたら、自分の思い描いているものを打ち込んでデモにして聴かせてくれるんです。だけど、オファーをいただいたときが、ちょうど制作に行き詰まっていた時期だったので、今回はいつもと作り方が違いました。
MAMIから、「テンポの速い激しい曲をポンッと生み出すのは、少し難しいかもしれない」という話があったので、「弾き語りで、Aメロ・Bメロ・サビと、メロディーのカケラが少しでもできたら、その都度聴かせてもらうのでもいいよ」という話をしました。何か思いついた時点で弾き語りをボイスメモで録ってもらって、「Aメロこんなのができたんだけどどうかな?」と、何パターンか送ってもらい、その中からみんなでチョイスしていくという作業を繰り返しました。

アイデアを色々出してくれたのはMAMIで、それをみんなでセレクトして繋ぎ合わせて、曲を作り上げました。「なんとなくこんなメロディーでいこう!」と、今回はメロディーが先にまとまってから、RINAに歌詞を書いてもらったんです。

――「楽曲はこんなイメージで作ってほしい」などのオーダーはありましたか?

今回は、アーケードゲームの主題歌ということで、戦闘シーンの1番盛り上がっている部分で使いたいというお話でした。「ガンダムは昔からある人気の作品だけど、楽曲を通してもっともっと勢いを増していきたい」というオーダーをいただきました。それを受けて、テンポは速い方がいいかなとか、バンドサウンドで攻めていってもいいかなとか、いろんな話をしながら曲を作っていきました。

――曲が出来上がったときは、どんな気持ちでしたか?

ガンダムの主題歌として書き下ろした曲ですけど、自分たちの今の気持ちとリンクしていましたね。コロナ禍を経て、またここからライブや活動を、新しいSCANDALとしてやっていきたいなと思っていたタイミングだったので、「まだまだやれるぞ!」という気持ちになるような、前向きな歌詞に背中を押されて。バンドを結成して17年経っても、まだこんなに新鮮な気持ちになれるんだなって、今回すごく感じさせられました。

――最近のSCANDALとは一味違って、『瞬間センチメンタル』の頃が思い浮かぶような、力強さや爽快感を感じました。レコーディングで意識したことはありますか?

歌に関してもストレートにぶつかりました。こういったバンドサウンドは、自分的に歌いやすく得意な曲調なので、テクニックというよりは気持ちで、曲に身を任せて歌いましたね。

SCANDAL「Line of sight」- Music Video

――MVは、曲の疾走感が表現されていて、とてもかっこよかったのですが、どういったコンセプトで作ったのでしょうか?

昔からお世話になっている監督の方に、久しぶりに撮っていただきました。とても信頼している方なので、「この曲を聴いて、思い描く通りにしてください!」とお願いすると、めちゃくちゃかっこいい演奏シーンを撮ってくださって、すごくうれしかったですね。今回、ストーリー性は持たせておらず、今のバンドの空気感が存分に出ているMVになりました!

――どれくらいの時間をかけて撮られたのですか?

最初は個々を撮って、最後に全員で撮りました。夜までかかったので1日くらい?昔は衣装やセットを替えて撮っていたこともあるので、24時間以上かかっていたときもありました。なので、それに比べると短い方ですね!

――カップリング曲の「Vision」は、RINAさんが作詞作曲を担当されていますよね。歌詞がRINAさんらしくて、「Line of sight」ともまた違ったノリのいい曲となっていますが、どんな風に出来上がったのですか?

お正月くらいにメンバーそれぞれが自分で作った曲を持ち寄って集まったんですけど、そのときにRINAがDTMで音を繋ぎ合わせて、こんな雰囲気!と聴かせてくれた曲なんです。そのときはまだ曲として完成していなかったんですけど、年明けにみんなでスタジオに集まって、RINAが作ってくれたメロディーを基に、ちょっとコードを変えたりして作り上げました。

「Line of sight」は、割と派手なバンドサウンド中心ではあるけど、勢いを出すために、それ以外の音を効果的に入れて作っているので、「Vision」は4人の音だけで、派手すぎずシンプルにかっこいい曲を目指しました。浮遊感のあるメロディーが新しくていいなと思っています!

――他のメンバーが持ち寄った曲も、今後形になるのでしょうか?

今後どういう風に形にしていくかは分からないけど、それぞれ少しずつ制作を進めてはいるので、楽しみに待っていてください!!

LINEお友だち登録

Please Share

SCANDAL、ニューシングル『Line of sight』を発売!HARUNAさん(Vo&Gt)にインタビュー

WRITER

Mamu Kunita

Mamu Kunita

富山県出身。雑誌『KELLY』のアートディレクターで、編集は勉強中。写真を撮ること、音楽を聴くこと、料理を作ることが好き。東海の良さを“言葉”と“写真”と“デザイン”で伝えたい。

  1. トップページ
  2. ENJOY TODAY
  3. インタビュー
  4. SCANDAL、ニューシングル『Line of sight』を発売!HARUNAさん(Vo&Gt)にインタビュー

KELLY’S
RECOMMEND
おすすめ記事

PICK UP! 注目の記事

SERIES 連載もの

ABOUT日刊ケリーとは

"GOOD LOCAL"な、
東海のライフスタイルマガジン。

雑誌『KELLY』がお届けする、"GOOD LOCAL LIFE(地元でのよりよい暮らし)"のためのWebマガジンです。「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。身近な巡り合いで、地元がもっと好きになるはず。