「日常の至るところで姿を出す“怪物”を表現しよう」

――「いじめ」や「モラハラ」などの社会問題が描かれていますが、このテーマを扱うにあたって、どのようなことを意識されましたか?

最初にもらったプロットの段階で、「攻めているな」と思って、逃げずにちゃんと向き合わなければいけないと。色々調査をしたり、勉強会を開いたりもしました。ただ、学校で起きる事件だけれど、学校批判ではないと感じて。この映画は、組織というものが持つ、個人に対しての抑圧だったり、暴力性だったりを伝えるものだと思ったので、そこを踏まえた上で、きちんと描写していこうと。組織や親の心など、日常の至るところで姿を出す“怪物”を表現しようという意識ではいました。

――物語の中心となる2人の少年を演じる黒川想矢くんと柊木陽太くんはオーディションで選出されたとのことですが、どこが決め手となりましたか?

子役はいつも直感なんです。ただ、タイプの違う二人を選ぼうとは思っていました。色んな組み合わせで見てみても、あの2人の役割や雰囲気にスタッフも満場一致だったと思います。僕も迷わなかったです。

個人的には黒川くんの横顔のラインが好きだったのと、柊木くんに関していうと、役柄に求めている達観した感じというか、人生3週目のような感じが好きでした。

――「カンヌ国際映画祭」にも出品されたということで、現地での反応はいかがでしたか?

前回もそうでしたが、街中歩いてると、観た方々から声をかけてもらえるんですよね。それもカンヌのいいところだな、と。あとは、やっぱり子役の2人を誉めてもらえることも多くて、「あの2人は最後どうなったんだ?」っていう質問も結構多いです(笑) 観終わった方々の表情も晴れやかで、良かったです。今回、作品に携わった制作スタッフがたくさん来てくれて、皆もうれしそうでしたね。

――ありがとうございました!

今回、映画の公開を記念して『怪物』オリジナルトートバッグ(非売品)を3名様にプレゼント!

▼ご応募は下記の応募フォームより
【応募締め切りは2023年6月30日(金)まで】

映画『怪物』

公開日
ミッドランドスクエア シネマ他で絶賛公開中!
監督・編集
是枝裕和
脚本
坂元裕二
音楽
坂本龍一
出演
安藤サクラ 永山瑛太 黒川想矢 柊木陽太
高畑充希 角田晃広 中村獅童 田中裕子
STORY
シングルマザーの早織は、息子の湊と大きな湖のある町に暮らしている。湊は同級生の依里と仲が良く、子供たちは自然の中で穏やかな日常を過ごしていたが、ある日学校で喧嘩が起きる。双方の言い分は食い違い、大人やメディアを巻きこむ騒動に発展していく。いったい 「怪物」 とは何か。 登場人物それぞれの視線を通した 「怪物」探しの果てに、 私たちは何を見るのか。 その結末に心揺さぶられる、 圧巻のヒューマンドラマ。

©2023「怪物」製作委員会
※掲載内容は2023年6月時点の情報です

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【絶賛公開中】カンヌ映画祭で2冠!映画『怪物』是枝裕和監督にインタビュー

WRITER

Eri Kimura

Eri Kimura

三重県出身。学生時代は、読書や映画鑑賞、バンド活動に、アパレル店員として働くなど多趣味全開で奔走。現在は新人編集者として奮闘中!

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