五感で鑑賞する、サイフォンで淹れるアート作品
サイフォンは「高温・短時間」でコーヒーなどを抽出する器具です。サイフォンで抽出したコーヒーは、香りの豊かさと、澄みきった後味が特徴。
昭和の喫茶店ブームの頃に、多くのお店や家庭に普及し、その後喫茶店の低迷とともにあまり見かけなくなっていきました。しかし、近年流通しているスペシャルティコーヒー豆の風味・個性を鮮明に味わえることから、再びサイフォンブームが訪れています。
こちらのお店では、「コーヒーの香りや味わいを、景色として記憶に残してほしい」という思いから、“季節”や“風景”をイメージした名前の、浅煎りから深煎りのコーヒーメニューがそろいます。攪拌(かくはん)の仕方を変えることで、お客さんの好みに合わせて、コーヒーの味わいや香りを調整できるのは、プロの技術があってこそ。
技術があるからこそ、マニュアル化したコーヒーを出すのではなく、お客さんに寄り添った味わいの一杯や、サービスを提供したいというオーナー。オーダーに迷ったらぜひ、その日の気分や好きなテイストを気軽に相談してみて。
「サイフォン=コーヒー」のイメージが強いと思いますが、このお店ではコーヒーに留まらず、サイフォンで抽出した紅茶や、日本茶、ハーブティーなど、豊富なお茶メニューも提供しています。
サイフォンは「高温」で抽出するのが特徴の器具。煎茶や日本茶を高温で抽出すると渋さが出てしまい、サイフォンとの相性は悪いと言われてきました。しかし、こちらのお店では、「融解熱」の原理を利用した、お茶に合った低温抽出で、サイフォンでも煎茶や日本茶を楽しむことができます。
サイフォンでコーヒーやお茶を抽出する際、目には見えない“ナノバブル”が発生すると言われています。そのナノバブルが液体に溶け込むことで、その香りが口内に広がり、より深く長く香りの余韻を楽しむことができるのだとか。
コーヒーやお茶を、よりおいしく味わえる形状や材質、厚さにこだわり、陶芸家と制作した特製の器。ゆらぐ切れ目が入った器の側面からは、中の色味が透けて見えます。特にハーブティーはその香りだけでなく、赤・青・黄など、美しい天然の色味を見せてくれ、その癒し効果も抜群。
コーヒーやお茶と同じくらいお酒が大好き、というオーナーのセレクトで、お酒の種類も豊富にそろいます。オーナー曰く、お酒のお供にはもみじの盆栽がイチオシ!もみじの葉やその影を眺めながら、盆の上で楽しむビールは、なんとも贅沢です。
特別な一杯に合わせて楽しみたいスイーツ
コーヒーやお茶と一緒にぜひ味わってほしいのが、愛知・豊田市の人気パティスリー「パティスリータブロウ」の季節のケーキや、焼き菓子、自家製の和菓子などのスイーツ。
さらに7月末より、盆栽を模したオリジナルデザート「盆彩たっぷりん」が新登場!今後は、オリジナルのスイーツを増やしていくそう。
丁寧に淹れられた一杯に、好みのスイーツとミニ盆栽を合わせて盆の上を彩れば、それはアート作品にも似た美しい“香りの風景”となります。
石木花という小さな盆栽の、置き方や、向き、その楽しみ方に「正解」というものはありません。難しい言葉で述べる必要のない、自分だけの香りの景色を味わってください。
WRITER
- トップページ
- ENJOY TODAY
- Kanon Imai
- “盆栽×コーヒー”の新嗜好体験を提供するサイフォン専門店「彩盆の間」がオープン!【中村区・名駅】