――改めまして、コンビ結成30周年おめでとうございます!! 30周年を迎えた、今の率直なお気持ちを教えてください。

多田さん　そうですね…。やっとここまできたな…。（渋い表情）

善しさん　30周年とは、あんまり思わないですね。もちろん、周りの皆さんからは「30年、やっててすごいよね」とか言っていただくんですけど、僕たちはただやっているだけなので（笑）。なので、特別何か思うことはないですね。

多田さん　逆に、30年やっていることが知られるのが恥ずかしいと言いますか。正直、自分から言いたくはないんですよね。年齢を聞かれるのと一緒なのか…。
周りが、「え、30年もやってんの？」みたいなリアクションになっているような気がするんですよ。
この前、きよし師匠の60周年のイベントに出させてもらったんです。上には上がいるというか、30年はまだまだだな、と思いますね。もちろん、周りの人から「30年すごいな」と言われるのは、ありがたいですけど。自分たちでは、いつの間にか30年というのと、まだまだこれからだな、という感じですね。

――ずっと続けるのは、すごいことです。お二人は中学校の同級生なので、コンビ歴30年以上の仲ですね。

多田さん　そうですね。そう考えると、36年ですね。人生の3分の2は一緒です。恐ろしいですね（笑）

――今回はその30周年を記念する全国ツアーですね！ どんなコンセプトで、どんなライブになるのか、教えてください。

善しさん　こういうテーマでやろうかとか、そういうのは特にないんですよ。ただ、ネタを作り始めるので、「新しいネタをやる」というのが、コンセプトに近いかもしれないですね。出来上がって、こういう感じだなという後付けはあるかもしれませんけど。今回も、作って出来てきたネタを、まず名古屋で試させていただくという（笑）

多田さん　良い反応をしていただく名古屋で、まずやらせていただきます（笑）。なので、いつも名古屋公演だけ、公演時間がめちゃくちゃ押すんですよ。

善しさん　延長、延長でね。

多田さん　とりあえず、できたネタを全部やりたいので、予想以上にいつも延びてしまうんです。名古屋でしかやらない構成と言うか、結果、名古屋でしかやらないネタが出てくるんですよ。すべてを見たい方は、ぜひ名古屋に来ていただきたいですね。
そこからいろいろ精査していくと言いますか、まとめていく感じです。なので、本当に、名古屋公演に来ていただく方にはお世話になっています（笑）

善しさん　最終公演の大阪でやる、110％くらい増量してますね（笑）。そこからやらないネタができて、まとめていって、大阪公演を迎えるっていう。

多田さん　だからこそ、名古屋はいつも盛り上がるのかなとも思います。いらん部分とか、なんでこんなネタやったんやろ？みたいなネタまでやるので。エンディングとかでそういうのを話すと、また盛り上がる印象があります。それと、いつもだとコントが多めなんですけど、今回は例年よりも漫才多めです！

――漫才を多めにするのは、どんな理由があるんですか？

多田さん　今年、『THE SECOND ～漫才トーナメント～』という賞レースが始まったこともあって、漫才をやろう、という話になりました。あとは、30周年なので、今までのあんなネタやこんなネタもやりたいなとも思っていますね。

――ファンの方にとって、新ネタも、人気のネタも見られるのはうれしいですね！ ネタは、どれくらいの期間をかけて作っていくんですか？

多田さん　僕たちは、ネタができていない状況が怖くて、バタバタで作るのも嫌なので、いつもお正月休みが明けたら、秋から冬の単独ライブに向けて、ネタを作るという感じですね。

――基本的には、お二人で話し合いながらネタを作っていらっしゃるんですか？

善しさん　そうですね。あとは、作家さんも入って、3人で話し合って作っています。

――ネタ作りはテーマ先行ですか？ それとも、会話から自然とネタが固まっていくのでしょうか。

多田さん　大体、こういうのがやりたいっていうのがあって、それいいなとか、それはちょっとなとか意見を出していますね。毎日の打ち合わせは、2時間までって決めているんですよ。ダラダラやっていてもしょうがないので。
話していくうちに作るというよりも、2時間の打ち合わせを効率良くするために、各自、案を考えてきて、打ち合わせの場で話しています。それで、2時間経ったらパッと終わります。それを毎回繰り返して、ネタが出来上がります。
なので、「昨日あれ見た」とか「最近あの映画観た」とか、そういう雑談は一切ないです。楽しい感じの打ち合わせではないですよ（笑）

善しさん　映像を撮ったら、ひどい画になると思いますよ。

多田さん　人を笑わそうとしている人たちとは思えない（笑）

善しさん　悪いこと考えている人たちみたいな。むしろ、そういう人たちの方が楽しく打ち合わせしているかもしれない（笑）。まあ、こういう話し合いを繰り返して、ちょっとずつ出来ていくって感じですね。

――堅実なネタ作りですね。打ち合わせは2時間というルールの他に、ネタ作りに関して、ルールやルーティーンはありますか？

多田さん　“燃えるような気持ち”になる設定を心掛けています。「これやりたい！」という気持ちですね。気持ちを込められないと、お客さんも笑ってくれいないと思うので。これは、ネタでも、トークでも一緒ですね。

善しさん　大体、打ち合わせが夜7時くらいからなんですけど、ルーティーンで言うと、それまでに食事をとって、そこから家族に送り出してもらうっていう。会社員のお父さんと同じですね。僕の場合は、夕方6時くらいの出発ですけど。打ち合わせ前、家にいる時は、晩ご飯を食べる、子どもをお風呂に入れる、そこから「行ってきます」と。

多田さん　夜勤ですね。僕も夕方5時半に夜ご飯を食べて、6時くらいに出るんですよ。これは、夜勤に行く感じです。

善しさん　夜勤って言っても、2時間ですけどね（笑）

――（笑）

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長年、単独ライブを続けるのは
“芸人ができるチケット”をもらうため!?