単独ライブを続ける一番の理由とは

――COWCOWさんは、2008年から毎年、単独ライブを続けていらっしゃるんですね。単独ライブを大切にされている理由は?

多田さん もちろん、寄席とかも楽しいんですけど、僕らだけを観に来てくれるお客さんの前でやるっていうのは、単独ライブならではの気持ち良さなんですよね。これは一度味わうと止められない、というのが一番の理由です。
あとは、“ネタを作っていかないといけない”みたいな気持ちもあります。「今年ちゃんと単独ライブやったから、来年も一年間、芸人できますよ」という感覚なんです。単独ライブの最終日に、「来年、一年間芸人やっていいですよ」というチケットをもらうみたいな。
本当に、単独ライブをやらないと気持ち悪いと言うか、「来年、芸人できひんやん」という感覚になってしまうんですよね。

――単独ライブが身体に染みついている感じなのでしょうか。善しさんはいかがでしょうか?

善しさん 二人の中で“ネタを作る作業”がないと、究極、芸人として終わると思うんですよね。僕たちのスタイル的には、劇場が中心ですが、テレビなどのネタ番組とかバラエティーに出させてもらっています。主軸は劇場で、そこでネタをやる。劇場はネタができたり、ネタをブラッシュアップしたりする場で、その大元になっているのが、単独ライブという感覚です。
ミュージシャンの方は、アルバムを発表しますけども、芸人はネタを先に作って、アルバムという形で単独ライブをやるみたいな感じです。その後に残らないものもあったりするんですけど、作る作業というのは繰り返していった方が良いんじゃないかと思いますね。
ネタを作らないのは、止まるのと一緒です。活動休止とまではいかないですけど、ネタを作った上での毎年の活動という感じですね。ミュージシャンの方がスタジオに入る感覚で、僕たちは会議室に入っています。

――お話を伺って、お二人の根底にあるのが、お笑いに対する愛だと思いました!

多田さん ありがとうございま~す!(ドヤ顔)

COWCOW全国ツアー「COWCOW 30th LIVE」のポスター

――(笑)。ポスタービジュアルも、とても素敵ですね! 昨年はコンビ結成29周年で、29(ニク)にかけて、焼肉屋さんの前での撮影でしたが、今回のポスターのテーマについて教えてください。

善しさん 昨年の「29(ニク)」の流れもあって、30周年なので、「3」とか「〇(丸)」とか、そういうのに関連する所で撮れたらいいな、と思っていたんです。
そうしたら、子どもの保育園の送り迎えで、自転車に乗っていたときに、道路に書いてある法定速度「30」の文字が入ってきて。「30キロ」って、車の速度で考えると、ゆっくりじゃないですか。これは、僕らにぴったりだと思いました。ゆっくり進んできた30年間。80キロは出ていないけど、事故が起きないようなスピード感で(笑)。
それで、ぼんちおさむ師匠の弟子で、写真が撮れる、ぼんちきよしに撮影をお願いしました。芸歴で言うと、僕らの一つ下の後輩なんですよ。「こういうの撮りたいから、30キロの道路を探しておいてほしい」と頼んで、あの道路を見つけてもらいました。大阪市内なんですけど、ちょうど良い道でしたね。

――立ち止まっているんじゃなくて、お二人で一緒に歩いてる感じもすごく素敵です!

善しさん 過去のポスターやチラシも見たんですけど、今回が一番、僕たちの素に近くて自然なカットですね。

この30年を振り返って印象的な出来事とは

――多田さんと善しさんの間柄も伺えるお写真ですね! お二人は中学校の同級生からコンビになられましたが、コンビとしての30年を振り返ったときの、印象的なエピソードを教えてください。

善しさん 僕らはライブを重ねてきたんですけど、相方(多田さん)が、2012年に『R-1グランプリ』に出て、優勝した後のライブですかね。会場がすごい盛り上がって、お客さんにもすごく喜んでもらったのがとても印象的です。

多田さん 僕は、昔、相方(善しさん)が、「キムタク」さんに似ていると3人くらいに、立て続けに言われていたことですかね。

善しさん KELLYさんに迷惑がかかるといけないから、「某イケメン芸能人」と書いておいてください。「何、載せとんねん」ってなる(笑)

多田さん それで、相方が満更でもない感じで、ご本人に寄せたパーマをあてていたんですよ。「あ、真に受けているな」と思いました(笑)。でも本当に、3人くらいに立て続けに言われたよね。

善しさん 若いときは、誰かに似ているとか言われることがありましたね。

――パーマをあてたのは、思い当たる節がありますか?

善しさん 散髪屋さんに行くと、いつもお任せなんですよ。そのときも、「パーマあてたらどう?」みたいな感じだったと思います。

多田さん まあ、パーマにOK出したのは本人ですしね。そのころ、パーマが流行っていたのも、きっと念頭にあったと思いますし。関西のジャニーズさんに間違われたこともあったよね。

善しさん あったなあ(笑)。昔、電車の中で、女子高生の方が隣に座ってきたんですよね。「大好きです。先輩とかのライブにも行っていて…」と言って、そのころ流行っていたシール帳みたいなの開いて、見せてくれたんですよ。そうしたら、ページをめくれど、めくれどKinKi Kidsさんの写真とかで。「これはジャニーズの誰かと間違われているな」と思いました(笑)

多田さん そう考えると、このポスターの相方の表情が、「俺、ジャニーズに間違われていたときあったよな~」みたいな感じですね。「今はこんな風やけど~」みたいな。そう見えてきましたね。30年で、僕は見た目変わっていないですけど、相方は見た目が変わりましたね。まあ、そういうときを経て、30年を迎えました。

LINEお友だち登録

Please Share

【インタビュー】「COWCOW」コンビ結成30周年! 名古屋公演から全国4都市のツアー「COWCOW 30th LIVE」がスタート!! チケット情報も要チェック

WRITER

Satomi Hirata

Satomi Hirata

千葉県出身。週末の楽しみは、東海の温泉やスパに足を運ぶこと。ヨガ、お散歩も大好きな健康オタク。名古屋歴は浅いながらも、日々の発見を大事に、新鮮で楽しい情報をお届け。

  1. トップページ
  2. ENJOY TODAY
  3. お笑い
  4. 【インタビュー】「COWCOW」コンビ結成30周年! 名古屋公演から全国4都市のツアー「COWCOW 30th LIVE」がスタート!! チケット情報も要チェック

KELLY’S
RECOMMEND
おすすめ記事

PICK UP! 注目の記事

SERIES 連載もの

ABOUT日刊ケリーとは

"GOOD LOCAL"な、
東海のライフスタイルマガジン。

雑誌『KELLY』がお届けする、"GOOD LOCAL LIFE(地元でのよりよい暮らし)"のためのWebマガジンです。「地元での暮らしがより心地良く、自分らしく、喜びを感じる日々になりますように」。そんな思いを込めて、まちの情報を丁寧に編んだコンテンツを配信します。身近な巡り合いで、地元がもっと好きになるはず。