【インタビュー】吉澤嘉代子さんが“青春”をテーマにした二部作の第二弾EP『六花(りっか)』をリリース!
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2024.3.20wed

【インタビュー】吉澤嘉代子さんが“青春”をテーマにした二部作の第二弾EP『六花(りっか)』をリリース!

2024年5月に、デビュー10周年を迎えるシンガーソングライター・吉澤嘉代子さん。2023年11月には、“青春”をテーマにした二部作の第一弾EP『若草』をリリースし、約3年振りとなる全国ツアーを完走しました。

本二部作を通して青春の“光と影” に着目し、『若草』では“光”を表現。 2024年3月20日(水)には、「青春の光の中にも隠れている“影”を表現したい」と、第二弾EP『六花(りっか)』をリリース!

全6曲が収録され、「涙の国」ドラマ『瓜を破る~一線を越えた、その先には』のエンディングテーマにもなっています。吉澤さんが実際に原作を読み込み、作品の世界観に寄り添って書き下ろされた新曲は聞き逃せません!

前作の『若草』とはどんな違いがあるのか、ホールツアーだけでなく、「10周年記念公演 まだまだ修行中。」も控えられている心境をお聞きしてきました!

キーワードは「涙」。気持ちがあふれこぼれるときに生まれる青春

――前作の『若草』に引き続き、今作でも“青春”をテーマにしているということで、どんな仕上がりになるのかとても楽しみにしていました!“影”を表現するために、意識されていたことは何かありますか。

前作の『若草』では、青春の“光”の部分を表現するために、きらめきを集めたような作品にしたいと考えていました。個人的に、特に出てきたキーワードは「風」だったなと感じています。

それに対して『六花』は、作り終えてみたら「涙」という言葉をよく使っていたことに、後から気付きました。だから、意識して書いていた訳ではないんです…!青春と涙って繋がっているというか。青春というのは、気持ちがあふれて、こぼれてしまう瞬間に生まれているのかなと。

――1曲目の「みどりの月」は“エメラルドグリーンの~”と、“影”を連想させない、まるでキラキラがあふれてくるような歌詞に驚きました。こちらを1曲目に収録された理由を教えてください。

「みどりの月」は19歳の時に書いた曲で、初めて社会に触れた衝撃みたいなものを歌にしています。『若草』よりも、もう一段、もう二段上がった主人公像があったので、『六花』はそこから始めようと思い、この曲を1曲目に選びました。

――19歳のときに作られたものが今、形になっているのですね。歌詞は当時書いたものをそのまま使用されているのですか?

「ちょっと稚拙すぎてこれは出せないな」という部分は手を入れて、マイナーチェンジしています。でも、やっぱり一度形になってしまったものって、修正するのは本当に難しいですね…。書いてから時間が経ってしまったというのもあって、今回の青春をテーマにしたEPには必ず入れたいと思ったので、「意地でも書き上げるぞ」という想いで頑張りました。

三浦透子さんと作り出す、儚くも混じり合う2つの声

――2曲目の「すずらん」には、ゲストボーカルで三浦透子さんが参加されていますね。なぜ今回、三浦さんにゲストボーカルをお願いされたのでしょうか。お二人の関係性を知りたいです。

主題歌を歌わせていただいたドラマ『架空OL日記』に、三浦透子さんが出演されていたのが始まりです。そのときは俳優として気になっていたのですが、三浦さんのYouTubeを拝見したときに、初めてこんなにも綺麗な声で歌われる方なんだと知りました。「すずらん」では、どっちが歌っているのか分からない、混じり合う歌声を表現したかったので、三浦さんとご一緒したら、素敵なものに仕上がりそうだなと想像が膨らみ、お願いすることにしました。

――歌詞に“あなたこそ”という言葉が入っていますが、こちらはお互いのことを想い合って歌われているのでしょうか?

歌詞を書いていたときは、全くそうは思っていませんでした。ですが、2人で歌う妙というか、結果、互いに想い合っているような感じになって、それはそれでとっても素敵になったなと感じています。

――ミステリアスな役を演じられることが多い三浦さんですが、レコーディングはどんな雰囲気で行われたのでしょうか。

レコーディングに立ち合わせていただきましたが、素の三浦さんは颯爽としていて、本当に素敵な方でした。この曲はコーラスがとても多い曲で、私もレコーディングに何時間もかかってしまったのですが、三浦さんは事前にコーラスの旋律をくださいと言ってくださって。量が多すぎて参考にならないのでは…と思いつつ、お送りしたら、セリフを覚えるみたいに、全部体に入れてきてくださったんです。私よりもはるかに早い時間でレコーディングを終えられて、役者さんってやっぱりすごいなと、改めて感じました。かっこよかったです。

作品の世界観に寄り添って、書き下ろされた新曲

――3曲目の「涙の国」は、すでにライブでも披露されていますね!ドラマ『瓜を破る~一線を越えた、その先には』のエンディングテーマで、吉澤さん自身も原作のトリコになっていたようですが、その熱い想いを特に込めているフレーズがあれば教えてください。

原作は、エンディングを担当させていただくことが決まってから読みました。日常の中にいるキャラクターたちが、傍から見たら「そこまで悩まなくてもいいんじゃない?」と思うような悩みでも、周りに言い出せず、自分なりに抱え込んでいる姿が印象的で。それを具体的な言葉で表現すると、誰かの物語になってしまいそうだったので、はっきりした表現を使わずに、包みこむような言葉選びを心がけていました。なので、やっぱり“光が差すたびに色が変わる ここは不思議ね涙の国よ”を選びます。ここから歌詞を書き始めたのも理由の一つです。

登場人物たちが、自分の気持ちを初めて他人に打ち明けるときに、涙も一緒にあふれている姿が目に焼き付いて。当然なんですけど、何に対しての涙なのか、誰と一緒にいるときの涙なのかで、涙の意味って変わってくるなと感じました。それを教えてくれるのは、相手=あなたなんだということを書きたいなと。

――先ほど、このフレーズを最初に作られたとお聞きしましたが、実際に音楽作りをするときは、どこのフレーズから思いつくことが多いのでしょうか?

はじめに思いつくのはタイトルです。自分の中から出てくる物語にしろ、何かの作品を彩る曲にしろ、まずはタイトルが決まらないと書き出せません。自分の胸を射抜く、きゅんとする言葉がモチベーションになって、最後まで書き切らせてくれるんです。

当時の想いを形にしたものから、お気に入り曲のセルフカバーまで収録

――4曲目の「オートバイ」は、家族に内緒で家を抜け出す曲ということで、6曲の中で、歌声に一番力強さを感じました。歌い方のこだわりは何かありますか?

この歌い方は自分でも初めてしたなと思っていたので、気付いてもらえてうれしいです。中性的な表現というか、少年にも少女にもなれるような、そんな歌声を目指しました。わりと自分の歌声だと、少女性が強く出ている楽曲が多いなと思っていましたが、「オートバイ」では、聞く人に主人公の姿をいろいろ想像してもらいたいです。

――5曲目の「魔法はまだ」では、YUKIさんの楽曲をセルフカバーされていますね。“影”というコンセプトがある中、他の方が作った曲を収録しているところが気になりました。この曲をカバーされることに決めた理由を教えてください。

「魔法はまだ」は、作詞がYUKIさんなので、私には書けない歌詞がこの歌には詰まっています。私自身もとてもお気に入りの曲で、いつかセルフカバーしたいという気持ちがありました。YUKIさんがライナーノーツで、「女子高校生同士の恋の物語です」と書かれていたのを見て、甘酸っぱさを感じ、青春をテーマにした今作にはぴったりなのではと思いました。報われない感じもあって、切なさも含まれているところが、“影”っぽいなと感じています

――6曲目の「ゆとり」は、学生時代の終わりに書いたと拝見し、昨年まで大学生活を送っていた自分のことを思い出してしまいました。しっとりとしたメロディーの中にも、“陽だまり”や“居眠り”といった心がポカポカになるような歌詞が隠れていて、まさに卒業ソングでした!これを最後に持ってきた理由を教えてください。

今回、「青春」を出会いと別れに分けて、“光と影”として描きたいと考えていました。「ゆとり」は、大学を卒業した後に書いた曲だったので、二部作の締めくくりには持ってこいだなと。大学時代はレポートも多いし、ライブもあり、曲の締め切りに追われと、大変な思いもたくさんしましたが、喉元過ぎればキラキラフィルターがかかって、今では美しい記憶として残っています。

――卒業ソングと言いつつも、実際に歌詞を見ると寂しさを感じる歌詞は一切なく、そこが吉澤さんらしいですね。

“光と影”と言いつつも、光を書けば書くほど、影の部分も見えてくるし、影の中にも光を見出すことができるのだなと感じました。

初回限定盤

通常盤

――今回のEPは全体を通して、一つひとつのメッセージ性が強く、聞いた側が想像を膨らますことができる曲が多いと感じました。ジャケットのような、冬の冷たい空気感を感じるような歌詞もあり、曲を作るときはどんなものからインスパイアを受けているのか気になります。

いつ聞いてもその人の人生に寄り添えるような曲にしたいと思い、普段は季節感を出さないように曲を書いています。でも今回は、空気の冷たさや、これから来る春の芽吹きみたいなものをふんだんに入れたいと考えていたので、あえて春の季語を取り入れてました。なので、汲み取っていただけてうれしいです。でも実際に作っているときは、夏や秋なので、全然冬の情景は想像がつかなくて。そういうところは想像で補う必要があるので、小説や映画、友達の話から刺激を受けて作ることが多いです。

吉澤さんのベスト“名古屋めし”は…?

――2024年4月からは「吉澤嘉代子 Hall Tour ” 六花”」が始まりますね。前回の「吉澤嘉代子 Live house tour “若草”」は、名古屋でのライブも久しぶりだったとのことで、ファンの方のリアクションはいかがでしたか。

名古屋でライブをするのは本当に久しぶりだったので、始まる前から絶対に盛り上がる予感がしていました。ですが、予想以上に皆さんも熱くなってくださって、やっぱり名古屋では熱いライブができたなと思います。すごく楽しかったです!

――“名古屋めし”は堪能されましたか?お気に入りはありますか?

あります…!隙を見つけては、ひつまぶしを食べに行ってます(笑)。キャンペーンやリリースイベントで名古屋に行くときはもちろん、前回のライブのときは、朝早くに食べに行ってから、ライブに望んでいました。今日も実は、昨日から前乗りして堪能してきました!もしかしたら、名古屋の方より食べているかもしれません(笑)

――どこのひつまぶしがおいしかったですか?

どこも東京にはない味で選び難いですが、やっぱり「あつた蓬莱軒」がおいしい…!

ホールツアーと10周年記念ライブについて

――「吉澤嘉代子 Hall Tour ” 六花”」への意気込みをお願いします。

前回の『若草』では、同世代のミュージシャンと一緒に久しぶりにライブハウスを回れたので、それはそれはとても楽しかったのですが、『六花』ではまた違ったとっても素敵なミュージシャンをお呼びしています。編成もドラムレスで、音楽的にはしっとりした雰囲気が作れると思っています。

――ドラムレス! 「吉澤嘉代子 Live house tour “若草”」に行った方も必見のライブですね。

ユーフォニアムやサックスなどの管楽器も入ってくるので、大人っぽいムードになるのではと、私自身もとても楽しみです!

――このホールツアーの後には、10周年記念公演を控えられていますが、こちらも編成など、すでに考えられていることはありますか。

どのライブも全部セットリストが違うので、構成を考えていたときに、どの曲を入れようか選べるぐらい、たくさんの曲を書いてきて良かったなと感じました。10周年では、“まだまだ魔女修行中。”というタイトルを付けて、初心に帰るというか、歌で10年やってこられたのは、本当に奇跡だなと。その感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思います。一夜限りなので、お祭り騒ぎになりそうです。

EP『六花』
通常版(CD)2750円
01 みどりの月
02 すずらん
03 涙の国
04 オートバイ
05 魔法はまだ
06 ゆとり

「吉澤嘉代子 Hall Tour ” 六花”」
2024年4月18日(木)名古屋公演
会場名古屋市公会堂 
開場18:30/開演19:00

2024年4月19日(金)大阪公演
2024年4月21日(日)東京公演

「吉澤嘉代子10周年記念公演 まだまだ魔女修行中。」
2024年5月14日(火)
LINE CUBE SHIBUYA 
開場18:00/開演19:00


※掲載内容は2024年3月時点の情報です

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【インタビュー】吉澤嘉代子さんが“青春”をテーマにした二部作の第二弾EP『六花(りっか)』をリリース!

WRITER

Mizuki Seto

Mizuki Seto

愛知県出身。大学でデザインについて学び、編集職に憧れて入社。趣味はテニスと好きなバンドのライブへ行くこと。休日は愛用のカメラを片手に気になるカフェを巡っている。

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