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本日公開!『湖の女たち』主演の福士蒼汰さん、松本まりかさん、大森立嗣監督が登壇した名古屋舞台挨拶をレポート
#映画

2024.5.17fri

本日公開!『湖の女たち』主演の福士蒼汰さん、松本まりかさん、大森立嗣監督が登壇した名古屋舞台挨拶をレポート

本日、2024年5月17日(金)公開の映画『湖の女たち』の公開を記念し、4月22日(月)に舞台挨拶付き先行上映会が「ミッドランドスクエアシネマ」にて開催。主演の福士蒼汰さん、松本まりかさん、大森立嗣監督が登壇しました。

『パレード』や『悪人』など、数々の小説を手がけてきたベストセラー作家・吉田修一さんと、ドラマ『MOTHER マザー』や映画『星の子』を世に送り出した大森立嗣監督が、10年ぶりにタッグを組んだ本作。介護施設での殺人事件をきっかけに、あぶり出される過去の“原罪”と未来への光との拮抗を描くヒューマン・ミステリーです。
今回ダブル主演として、濱中圭介役に福士蒼汰さん、豊田佳代役に松本まりかさんを抜擢。身も心もさらけ出す難役を渾身の演技で体現しています。

そして、とある事件のトラウマを引きずる刑事役に浅野忠信さん。薬害事件に関係した被害者の過去を探る週刊誌記者・池田由季役に福地桃子さん、介護施設で働く職員に財前直見さんなど、豪華キャストがそろっています。

この記事では、福士さんと松本さんが役を演じるにあたっての覚悟、作品に込めた想い、監督が二人を配役した理由などをたっぷり語った舞台挨拶の様子をレポート!

Story

介護施設で起きた殺人事件の捜査にあたった西湖署の若手刑事・濱中圭介とベテランの伊佐美佑は、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行っていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った介護士・豊田佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。一方、事件を追う週刊誌記者・池田由季は、この殺人事件と西湖署が世に公開しなかったある薬害事件に関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠ぺいされてきた恐るべき真実…。それは、観るものの想像を超えた過去の闇を引き摺り出すー。そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の圭介と、容疑者となった佳代の行方とはー。

映画製作のきっかけは原作者からのラブコール

――まず、お一人一言ずつ挨拶をお願いします。

福士さん
濱中圭介を演じました福士蒼汰です。公開前の全国上映会で、名古屋のみなさんにこの映画を体感してもらえるということが、すごくうれしいです。本日はよろしくお願いします。

松本まりかさん
松本まりかです。本日は多くの方にお越しいただき、本当にうれしいです。この映画に対して、みなさんがどういった感想を持つのか、どういう感覚になるのか、とても興味があるので、観た後はSNSなどに感想をぜひつぶやいてください。この映画を観て、とにかく感じて欲しいです。

大森立嗣監督
監督の大森立嗣です。先日、東京で上映前にご挨拶させてもらったのですが、名古屋に来ることができて、 少しずつ「この映画が公開されるんだな」と実感が湧いてきました。なかなか一筋縄ではいかない作品です。作品の中には主演の二人が「これは演技なのだろうか」「こんなことしていいのだろうか」と思うようなシーンもありますので、楽しんで観ていただければうれしいです。

――大森監督は、原作者の吉田修一さんと、映画『さよなら渓谷』で「モスクワ映画祭審査員特別賞」を受賞されて以来10年ぶりのタッグでしたが、今作を制作されたきっかけは何だったのでしょうか。

大森監督
「吉田修一さんの小説の書評を書いてほしい」と依頼されて書いたところ、編集者さんからお礼の手紙をいただいたんです。そこに「吉田さんが、大森さんに映画を撮ってほしいとつぶやいております」という言葉が綴ってあって、気持ちよくなっちゃいまして…。なかなか難しい小説なんですけど、だからこそ、挑戦したくなってしまったのがきっかけです。

――ご指名されたということで、少しプレッシャーがあったのでは?

大森監督
プレッシャーはなかったです。原作者に指名していただく機会はなかなかないことなので、すごくうれしかったです。吉田さんは映画好きとしても知られていて、数多くの作品を観ているんです。私が撮った映画も、おもしろいときはメールをくれるのですが、つまらないときは…(笑)。うれしさの半面、緊張もあります。

今までに出会ったことがない役柄の自分に驚き!

――福士さん演じる濱中圭介は、施設の介護士たちを執拗に取り調べで追い詰める役で、今までに見たことのない一面を観ることができました。今回の役柄で、新たに発見したことはありますか?

福士さん
『仮面ライダー』やアクション映画などのエンターテインメント作品に出たときは、「次はどんなかっこいいポーズをしよう」とか、「どんなかっこいい言い方にしよう」ということを頭で考えて演じることで、バシッと決めていたんです。でも今回は、「脳みそではなく、脊髄で反射してお芝居してほしい」と監督から要望があったので、客観性より主観性を強くしました。完成した映画を観るときに、「主観が強いから、自分がやってるっていう風に見れるのかな」と思ったのですが、全く違う自分がいて驚きました。「俺こんな顔してたんだ」「あんなふうに人を追い詰めていたんだ」っていうのは、劇場で観るまでは気づかなかったです。そういう意味での発見は、他の作品より大きかったです。

――ご自身で観てもびっくりされたんですね。

福士さん
人を追いつめるシーンで、いやらしい顔をしていて、かなり驚きました。

――松本さんは、濱中圭介に身も心も奪われる介護士の豊田佳代を演じられましたが、介護士を演じるうえで、何か準備されたことや悩んだことはありますか?

松本さん
介護の実習はもちろん実施しましたが、座学が一番大事な学びになりました。今まで「介護士さんがどんな思いで介護をされているのか」ということを、 全く逆の発想で考えていたんです。極端な言い方になってしまうかもしれないのですが、介護することは、“介護をしてあげる”“お世話をしてあげる”という感覚だと思っていましたが、本当は“介護をさせていただいている”“利用者さんに介護をさせていただいてありがとうございます”の気持ちでいることだったんですよね。そのことを知ったときは、目から鱗で、鳥肌が立ちました。
介護士の傍ら、父のお世話をしてきた豊田佳代として、はじめは本当の意味での感覚を掴むことができていなかったんですけど、介護の座学を通して、彼女の“生きざま”への理解が深まりました。佳代は、介護の仕事が自分にとって、とてもありがたくて、生きがいで、居場所を求めているんだと実感することができました。あと、介護士の離職者の方ってすごく少ないようなんです。

――そうなんですね。介護士さんの仕事って結構大変なイメージがありますよね。

松本さん
介護士の仕事を辞めても、また戻ってくるっていうケースが多いそうなんです。大変なこともたくさんあると思いますが、介護士の仕事において利用者さんから感謝されることで「自分は誰かのために何かをできている」と存在意義を感じられるなんて、素晴らしい職業ですよね。介護職の見方が変わったのは、自分の人生にとってありがたい経験でした。

監督はキャストを愛しすぎている!? 二人を抜擢した理由

――お二人のお芝居がとても印象的な本作ですが、主演のお二人をキャスティングされた決め手をお聞かせください。

大森監督
福士さんは、頭が良い人なのかなと感じていたので、だからこそ彼は「今のままでは良くない」と思っているはずだと勝手に推測したんですよね。なので、この映画のこの役をやってくれるんじゃないかなと思ったんですよ。初めて会ったときに(福士さんが自分のことを)信じてくれているなって感じました。だから信じ返そうっていう気持ちになりました。演じる役に関して、解釈の話をした記憶はあまりなく、細かい芝居の話もしてないんです。でも、勘がいいのか、どんどん成長して、撮影が始まったときと終わりでは別人のような芝居をしてくれました。素晴らしいです。

――福士さんは今の言葉を受けていかがでしょうか。

福士さん
監督が先ほどおっしゃっていたように、信頼していました。初対面のときに、監督のスタンスが自分にとって心地良かったのを覚えています。具体的には、人の捉え方や考え方を信頼しようと思ったんですよね。撮影中は、役についての言葉は交わさなかったですが、心が通い合っていた感じでした。どんどん成長していったと言われて、うれしさはありつつ、同時にふがいなさもあります。希望通りの演技を最初から提示できればよかったなと思います。
監督のどの作品を観ていても、“俳優想い”だなって感じるんですよね。だから“切なさ”を感じちゃうんですよ。監督から愛されすぎて信頼されすぎちゃうと、愛し返せるかなって。まあ、愛し返せるからいいんですけどね(笑)

――お二人ともラブラブですね。松本さんのことも教えてください。

大森監督
(松本)まりかが10代の頃から知っていて、長い付き合いなんですよ。僕が監督、まりかが主演で、一緒に映画ができるっていうことだけでとてもうれしいです。20年くらい前から、お互い映画界でずっと生き残っていることがすごいことで、さらに一緒に映画ができるっていうことは奇跡なんです。そして、たまたまこの作品で再会できて、このタイミングでこの作品だったことが、まりかにとっても良かったのかもしれないですね。

――撮影のために約1カ月滋賀県で過ごされたとのことですが、撮影期間にどこかへ行きましたか?

松本さん
「琵琶湖」のほとりにある、皆さんとは少し離れた別の宿にずっと一人でいたので、どこにも行っていません。(佳代という役を演じる上で、)壁にぶち当たりながら、絶望していました。「わからない。どうしたらいいんだ」っていう痛みを感じながら、この撮影に挑んでいました。

――劇中で佳代が住んでいる家もすごく珍しいですよね。

松本さん
そうですね。『湖の女たち』の撮影の1週間ぐらい前まで、東海テレビ『最高のオバハン中島ハルコ』という愛知が舞台のドラマを撮っていたんです。なので、前の役を自分の中から抜かないといけないと思って、佳代が住んでいる静かな「琵琶湖」を自分自身に体感させていました。なので、そういった意味の隔離方法を選択しました。

福士さん
最初は、みんな一緒のホテルだったんですけど、まずまりかさんがいなくなり、次に浅野忠信さんもいなくなってしまって、結局一人になりました(笑)どこかに行った話だと、福地桃子さんとマネージャーさんたちと一緒に「竹生島」に行きました。そこで、お皿を鳥居の中に投げる願掛けがあって。

松本さん
そんな楽しいことしてたんだ…。

観客
(笑)

福士さん
映画の作品名『湖の女たち』って書いた皿を投げたら、見事に鳥居に入りました。俺だけ入ったんですよ。楽しかったですね。

観客
(拍手)

福士さん・松本さんの名古屋の印象

――松本さんは何度か名古屋へは来てくださっているようですが、名古屋の思い出や印象があればお聞かせください。

松本さん
「おいしい」という印象ですね! あと、この舞台挨拶前にテレビ局での収録があったんですけど、私たちが各部屋を通るたびに、スタッフの皆さんが拍手で迎えてくださったんです。なんて温かい方々なんだろうと思って、ここまで出迎えられたことはなくて心から幸せな気持ちになりました。

――福士さんはいかがでしょうか。

福士さん
久しぶりの名古屋ですね。実は高校からの友人が転勤して名古屋に住んでいるんです。それがきっかけで遊びに行ったときに、友人たちと一緒にひつまぶしを食べました。おいしかったです。

松本さん
わかる~! ひつまぶしっておいしいよね。

福士さん
ねぇ~! おいしいよね。

――今日も召し上がることができたらいいですね。監督は毎回名古屋に来ていただいていますが、印象はいかがですか?

大森監督
名古屋は好きですよ!

福士さん
どんなところが?

観客
(笑)

大森監督
名古屋駅前に「シネマスコーレ」と「ミッドランドスクエア シネマ」があることが素晴らしいですね。

――ありがとうございます。最後に一言ずつメッセージをいただけますでしょうか

松本さん
まず、この作品を撮ろうと思われた大森監督の決意は凄まじいものだろうな、と感じながら演じていました。監督の“俳優を信じきる”という演出を受けて、並々ならぬ覚悟がないと、ここまで人を信頼することができないと、この作品で知ることができました。また、演技だけでなくて、どう生きるかということも学べた作品です。
監督の覚悟がとても深いところで表れていて、伝わってきます。なかなか言語化できない作品ですが、そういったものを皆さんに感じ取ってもらえると信じています。そして、この映画にたっぷり、どっぷり浸かってもらえればと思っています。今日は本当にありがとうございました。

福士さん
『湖の女たち』は、人間の心の奥底を描いた作品であり、鑑賞して複雑な気持ちになるかなと思います。言葉で表せない感情が湧き上がる作品かもしれませんが、そのわからない部分も含めて(映画を観た)自分のことを理解してあげると、この作品を一歩理解したことにも繋がるのかなとも思います。「なんかわからないな。でもここはちょっとわかるかも」「これはあれに繋がっているのかもしれない」というように、物語やキャラクターのその先を想像しながら、自分なりの解釈をしていただければと思っています。本日はありがとうございました。

大森監督
原作の記者は男性ですが、映画では、まだ世の中にあまり疑いがない“若い女性”に変更しました。彼女が事件を徐々に知っていくにつれて、彼女の純粋な心がグラグラと揺れていきます。心が美しい記者の彼女は、“もしかしたら世界は汚いかもしれないけど、もしかしたら美しいのかもしれない”と信じたいんですよね。
その記者は、圭介と佳代の関係性を見ることはできませんが、観客の皆さんは二人の関係性を観ることができます。圭介と佳代が、“世界はもしかしたら美しいのかもしれない”ということをしていると思って、映画を観ていただけると、より観やすくなると思います。ラストシーンで、彼らが琵琶湖の沖へ旅立って、自分自身と戦っている姿がものすごく好きです。

――今日は素敵なお話をいただきました。ありがとうございました。

介護施設で起きた殺人事件を発端に暴かれてゆく男女の人間模様を描いたヒューマン・ミステリー『湖の女たち』は、2024年5月17日(金)から絶賛公開中です。観る人の理性や感性を大きく揺さぶる作品をぜひ体感し、感じたことを周りの人と共有してみてください。

『湖の女たち』

出演
福士蒼汰 松本まりか
福地桃子 近藤芳正 平田満 根岸季衣 菅原大吉
土屋希乃 北香那 大後寿々花 川面千晶 呉城久美 穂志もえか 奥野瑛太
吉岡睦雄 信太昌之 鈴木晋介 長尾卓磨 伊藤佳範 岡本智札 泉拓磨 荒巻全紀
財前直見/三田佳子 浅野忠信
原作
吉田修一『湖の女たち』(新潮文庫刊)
監督・脚本:大森立嗣
製作幹事・配給
東京テアトル、ヨアケ 
公式サイト
https://thewomeninthelakes.jp/
X
@thewomeninthelakes

©️2024 映画「湖の女たち」製作委員会

※掲載内容は2024年4月時点の情報です

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WRITER

Yuna Hoshikawa

Yuna Hoshikawa

愛知県出身。まだまだ未熟なひよっこ編集部。ファッションと旅行が好き。暇を見つけては、お気に入りの洋服を着て、一人旅へ出かけるほど。何事も、思い立ったらすぐ始める派。

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