リーガルリリーが「キラキラの灰」含むNew Album「kirin」をリリース! 話題の新曲や全国ツアーについてインタビュー
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2024.7.18thu

リーガルリリーが「キラキラの灰」含むNew Album「kirin」をリリース! 話題の新曲や全国ツアーについてインタビュー

2024年8月28日(水)、ロックバンド・リーガルリリーがNew Album「kirin」をリリース! TVアニメ『ダンジョン飯』第2シーズンED主題歌として書き下ろされ、アルバムにも収録される「キラキラの灰」は、国内だけでなく海外からも注目を浴びています。

無垢で個性的な歌声や独創的な歌詞、ライブパフォーマンスなど、同世代のロックシーンの中で異彩を放つリーガルリリー。

今年で結成10周年を迎える彼女たちに、新曲についてや全国ツアー、今後の展望についてたっぷりインタビューしてきました!

リーガルリリー

PROFILE
メンバーは、たかはしほのか(Vo./Gt.)、海(Ba.)。高校在学時より注目を集め、国内大型ロックフェスにも多数出演。アメリカで開催された世界最大級の音楽フェスティバル「SXSW」への出演や、中国ツアーなど海外へのライブ進出も果たす。その他にも、映画『惡の華』主題歌「ハナヒカリ」、TVアニメ『86 -エイティシックス-』EDテーマ「アルケミラ」をリリースするなど、数々のタイアップも担当。2023年には日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブも満員にし、精力的にライブとリリースを重ねる。

色のイメージを頼りに、同じエネルギーで

――3月28日に名古屋で行われたライブで、配信前に「キラキラの灰」を聞いて、とても衝撃を受けました。TVアニメ『ダンジョン飯』のエンディングということですが、本作はどのようにして生まれたのでしょうか?

たかはしさん 原作の漫画を読んだのですが、ページをめくってみると色がついていなくて、灰色で。読み進めていって、そこから感じ取った匂いだったり、音だったり。そういうものから、だんだん膨らんでくる“色”のイメージを頼りにしながら、この曲を作りました。思い出って、今はもう手元にないものというか、喪失してしまったものだと思うんですけれど、灰色のイメージを持っていたんですよね。「キラキラの灰」という言葉には、色味はだんだんなくなっていくけど、思い出したときにまた色がついて、そこから匂いや音があふれだしていく様を表現しています。そういう感情を思い出すために、この曲を聞いてもらえたらいいなと思って制作しました。

――タイトルもそうですが、歌詞も聞く人によって、いろいろな解釈ができる曲だと思いました。「キラキラの灰」を制作するにあたり、どのようなテーマで制作されましたか?

たかはしさん この曲はテンポ的にはミドルで、“ダンジョン”なので、歩みを一歩一歩進めるような、人の歩くスピードを意識しました。

海さん あとは、毎週聞くエンディング曲なので、何度聞いても楽しんでもらえるように制作しました。間奏まではちょっといなたい雰囲気で、灰色の暗い中を歩いているイメージだけど、そこから先に進んでいくと、明るく開けた道が広がるように、キラキラしたコーラスやギターのキラキラした音を重ねています。

――アニメや原作のファン方も、原作を知らない方にとっても刺さる、色んな解釈ができる歌詞だと思いました。作詞の際に意識した点はありますか?

たかはしさん 自分の歌詞って、自分にはわかる感覚で作っているんですけれど、無意識で使っている言葉を歌詞に当てはめすぎると、周りの人には伝わらない歌詞になってしまうんですよね。作品だけじゃなくて、作者の思いやアニメを製作している方々の思い、脚本家の方、声優さんなど、どういうエネルギーがその作品を動かしているのかというところまでしっかりと見て、なるべく同じエネルギーで言葉を生み出すようにしました。

海さん 客観的にほのかさんのそういう姿を見ていると、ちゃんと作品のコアな部分を抽出して、自分のフィルターで表現するのがすごく上手だなと思います。今回でいうと、リーガルリリーがエンディングを担当するあたりから、物語が少しシリアスな展開に入っていくんですが、失ったものを背負いながら進んでいくストーリーを、「キラキラの灰」という言葉通り、思い出がまたキラキラ輝きだすという風に表現していて、アーティストとして尊敬しています。

――アニメ『ダンジョン飯』のオープニング・エンディング曲は、リーガルリリーも含め、BUMP OF CHICKENや緑黄色社会など様々なバンドが手がけていましたが、それぞれのバンドによって作品の解釈が曲に表れていたように感じます。

たかはしさん 音楽を使って、自分の解釈を表現できるのはとても贅沢な経験でした。

――改めて「キラキラの灰」は、お二人にとってどのような曲になりましたか?

たかはしさん 朝も昼も夜も一日中、分からないぐらいの強さで背中を押してくれるような曲です。強い力で押し出される感じじゃなくて、ずっと、弱い力で支えながら一緒に歩いていってくれるような。

海さん でも、リーガルリリーっていうバンドにとっては、とても強い後押しをしてくれた曲かなって、すごく思います。アニメのエンディング曲で、たくさんの人に届いたなというのが目に見えた曲だったので、きっと、これからもずっと大事にしていく曲だし、これからもっと広がってもいい曲なんじゃないかなって思っています。

――「キラキラの灰」はYouTubeの再生回数が現在170万回、ストリーミング再生数が300万回突破したとのことですが、自身でヒットの手応えや実感はありますか?

たかはしさん もっと聞いてほしい。

海さん (笑)。でも、今までよりは確かにあります。リーガルリリーのファンの方だけじゃなくて、アニメファンの方もすごく反応してくれて。

たかはしさん 日本以外でもね。

海さん
 うんうん。そういうのもあって、いろいろな所にちゃんと届いているなという感じはします。でも、もっと聞いてほしい!(笑)

「いろいろ挑戦できた」カップリング曲
――シングルのカップリング曲「ゴーレムの涙」も聴かせていただきました。“リーガルリリーといえば”なゴリゴリのエレキギターが入っていなかったり、シンセが聞こえてきたりと、とても新鮮な一曲でした。新たな試みの一曲だと思いますが、制作してみていかがでしたか?

たかはしさん 『ダンジョン飯』のテーマソングを作りたいという欲望が生まれてしまって、「キラキラの灰」よりも、さらにダンジョン感の強い曲を作りました。

海さん 元々、ほのかさんがRPGやゲームが好きで、『ダンジョン飯』の曲をつくるって決まったときも「ゲーム!」ってなっていて(笑)。「ゴーレムの涙」では、今までのリーガルリリーにはなかったサウンドになって、いろいろ挑戦できた曲になりました。

――前からこういう曲を作りたいと?

たかはしさん そうですね。8bitサウンドの音楽には興味がありました。「ドラクエ」の「ザッザッザッ」という足音を表現したくて、自分のギターにエフェクトをかけて再現した音が、曲の最初に入っています。

新体制での10周年を迎えて

――今年の3月に、リーガルリリーは2人体制に。新体制になって、活動や制作の進め方に変化は感じますか?

たかはしさん エネルギーの変化は特になく、今まで通り、全力ですね。今までも色々と手法を変えたりしながらやってきたので、特に変わらないままですね。変わらず、良い音楽をつくるということを正義として活動しています。

海さん 2人になったので、新しいことをできる良い機会だなと思っていて、これを機にいろいろ挑戦してみようという気持ちです。例えば、どこまでギターロックで進めていくかとか、どこまでサウンドで世界観を追求していくかとか。これからリーガルリリーにとって、どういうものをやっていくのか、いろいろなことに挑戦できているなと思います。どんどん可能性が広がっている感じがして、それがすごく楽しいです。

――お二人からとても前向きなコメントをいただき、ファンとしてとてもうれしいです。2014年に結成されて、いよいよ10周年となりますが、現在の心境をお聞かせください。

たかはしさん バンドが人生の約3分の1を占めていて。自分自身はあまり変わらないのですが、同世代のバンドとか、フェスやライブでよく会うバンドもどんどん変わっていくし、その時々で人気なアーティストも目まぐるしく変わっていく。そういう音楽の流れを感じることがあって。そんな中でもリーガルリリーは、どの時代にいても通じるような、時代を感じさせないバンドでありたい。そういう気持ちでずっとやり続けているなって、10年経った今思います。

海さん 私がリーガルリリーに加入してから5、6年経つんですが、毎日新しい刺激的なことが起きているので、すべてがすごく新鮮で、本当にそんなに経ったかな?って。でも、今回の10周年ツアーで、10周年を意識したセトリを組んでいて、昔の曲を久々に聞いてもかっこいいよねって、本当に古くないなって思えるんですよね。昔の曲を、今の自分たちで見せれるのは、かっこいいと思えることをちゃんとできているなって思います。

たかはしさん 古いとか古くないとか、何がそう感じさせるのだろうかって考えたんです。例えば、今みんながこれがいいって思っているから、そう見えてきたみたいな感覚とか。みんながおいしいっていうから食べてみよう、おいしいかもしれないっていうバンドワゴン効果みたいなものがあると思っていて。音楽に良し悪しはないと思うんですけど、その人の愛とか心地よさとか、感情を追求したものが良い音楽だと私自身は思っていて、そういう音楽は永遠に古びないと思うので、自分の感情を大切にしたいと思います。

二人のこれから挑戦してみたいこと

――アメリカで開催された世界最大級の音楽フェスティバル出演や、海外ライブなど、様々なことを達成してきたリーガルリリーですが、今後やってみたいこと・挑戦してみたいことはありますか?

たかはしさん 海外でワンマンライブしたい!

海さん 絶対にします!

――素敵ですね…!

海さん あと、めっちゃ広い野外フェス。

たかはしさん いいね! 後ろの方の人たちは寝ながら聞いてるみたいな。

海さん めっちゃいい。

――去年、愛知で開催されている「森、道、市場」にも出演されていましたよね。

海さん そうなんです! 海が見えるところで、とてもよかったです。すごく楽しかったし、大好きなフェスのひとつです。お店が出店していたりして、いろいろなカルチャーが集まっていて、すごくかっこいいフェスだなと思って。また出れるように頑張ろうと思います!

あと挑戦してみたいこととして、リーガルリリーって、プラネタリウムライブとか、音楽以外のカルチャーや芸術と融合させたライブができるので、たくさんやってみたいです。バンドの表現としてどこまで世界を広げられるか、という挑戦はすごくしてみたいと思っていて。人に伝えるという部分での幅をどんどん広げていきたいなと思います。

たかはしさん こういう音楽やライブの楽しみ方があるんだよって伝えたいです。ライブハウスに行って聞くという文化があるじゃないですか。だけど、それだけじゃないってこと。ライブハウスじゃなくても聞けるんだよってことを伝えたいですね。

10周年記念ツアー「わたしたち、はだしたち」

――7月から、10周年を記念した全国ツアーが開催中です。『わたしたち、はだしたち』というツアータイトルが付けられていますが、どのような思いが込められていますか?

海さん リーガルリリーは10年間、自分たちが本当にかっこいいと思うものをちゃんと紡いできたので、勝負服みたいなものをまとって、みんなに会いに行きたいなと。裸足で。一番体重のかかる足の裏はずっと敏感でいたいし、大切なものや音楽を今の感覚と照らし合わせて、新しい気持ちでツアーを周っていきたいなという気持ちを込めてタイトルを付けました。でも、お祝いなので、みんなにはただ単に楽しんでほしいです!私たち的には、ちゃんと10周年を周るぞっていう意気込みでいます。

――10周年を振り返るじゃないですが。

海さん 振り返るっていうのも大きいのですが、これからをちゃんと楽しみにしてもらえるようなライブが大事だなと思うので、10周年を迎えたリーガルリリーを見て、これからもっと楽しみだなって思ってもらえるように周りたいと思います。

名古屋の人たちは「生き生きしてる」「あたたかい」

――7月21日には、名古屋公演に来ていただけるとのこと。名古屋には何度かお越し頂いていると思いますが、名古屋に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?

たかはしさん 名古屋は、働いている人たちの顔色がみんな生き生きしてる。例えば、挨拶とか。表情がすごく素敵です。

――そう言ってもらえて、とてもうれしいです。

海さん ライブしていても、いつもあたたかいですよね。頻繁に行くってわけじゃないので、「よかった、待っててくれた!」っていつも感じます。会場のボトムラインも、すごく大好きな箱です。

――名古屋で行ってみたいスポットなどはありますか?

海さん 王道の名古屋スポットみたいなところを観光してみたいです。名古屋城とか。

たかはしさん うんうん。

海さん あと、最近オープンしたジブリパークも。今は人が多そうなので、落ち着いたら行ってみたいですね。

――ぜひいつか行ってみてください! 最後にファンの皆様に一言、お願いいたします。

たかはしさん これまで日本を何周も回って見えてきたものを、ライブハウスに閉じ込めるようなライブにしたくて。名古屋のボトムラインにも音楽を閉じ込めたくて。一緒に当事者になってほしいと思います。

海さん
 リーガルリリーのライブを実際に来たことがある人は、なんとなくわかると思うんですけど、それぞれの楽しみ方が集結していて、自由を尊重できる場所なんです。これからも、そういうみんなに寄り添えるバンドでいたいと思っています。どんな状況のどんな人にも楽しんでもらえるライブにするので、新曲から昔の曲まで、とにかく楽しんでほしい。

――ありがとうございました!

New Album「kirin」
2024年8月28日(水)RELEASE

初回生産限定盤 (CD+Blu-ray)
KSCL-3540~41 / 6600円
スリーヴケース仕様

通常盤 (CD)
KSCL 3542 / 3,300円

[CD]
1.天きりん
2.キラキラの灰
3.17
4.ハイキ
5.春が嫌い
6.夏のエディ
7.me mori
8.ムーンライトリバース
9.海月星
10.60W
11.地球でつかまえて
12.ますように
Bonus Track:sayouna ra asa! (初回生産限定盤CD Only)

[Blu-ray]
2023年7月2日に開催した日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを全曲収録
「リーガルリリー YAON 2023」 Live at 日比谷野外大音楽堂 2023.7.2
1. ジョニー
2. たたかわないらいおん
3. ハイキ
4. トランジスタラジオ
5. 僕のリリー
6. 地球でつかまえて
7. overture
8. 教室のドアの向こう
9. 管制塔の退屈
10. ライナー
11. アルケミラ
12. 若者たち
13. GOLD TRAIN
14. 東京
15. the tokyo tower
16. ぶらんこ
17. ハナヒカリ
18. ノーワー
19. 1997
20. リッケンバッカー
21. はしるこども
<Encore>
22. 魔女
23. 蛍狩り

CD購入はこちら
https://kmu.lnk.to/zdftOD

「キラキラの灰」STREAMING/DL:
https://kmu.lnk.to/TwinklingAsh

リーガルリリー 10th Anniversary TOUR 2024
7月20日(土)GORILLA HALL OSAKA
7月21日(日)名古屋BOTTOM LINE
8月31日(土)高松DIME
9月07日(土)札幌cube garden
9月14日(土)広島CLUB QUATTRO
9月15日(日)福岡DRUM Be-1
9月21日(土)仙台darwin
9月22日(日)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
9月28日(土)金沢AZ
9月29日(日)京都磔磔
<追加公演>10月11日(金) 台北THE WALL Live House (台湾)
<追加公演>10月16日(水) 恵比寿LIQUIDROOM

チケット
7/20大阪〜9/29 京都公演 チケット一般発売中!
https://linktr.ee/regallily_10th_TOUR

※掲載内容は2024年7月時点の情報です

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リーガルリリーが「キラキラの灰」含むNew Album「kirin」をリリース! 話題の新曲や全国ツアーについてインタビュー

WRITER

Eri Kimura

Eri Kimura

三重県出身。学生時代は、読書や映画鑑賞、バンド活動に、アパレル店員として働くなど多趣味全開で奔走。現在は新人編集者として奮闘中!

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