成島監督の作品では珍しい喜劇を演出するにあたって、面白い点や監督らしい部分はありましたか?
小池さん 私が一番面白いなと思ったのは、ケイ子(橋本愛)の兄がシベリアから帰ってきたばかりで飢えているはずなのに、演じている皆川猿時さんが太っているという(笑)。(シベリア)で何を食べたらこんなに太るんだろう?と思って(笑)。普通、ガリガリの人をキャスティングするじゃないですか。皆川さんがお痩せになって現場に来るのかなと思ったら丸々太っていて、近い距離なのに大声で喋るし(笑)。皆川さんが登場しただけで“あ、これは笑っていいんだ!”という展開に持っていくのは監督の映像マジックであり、キャスティングの勝利だと思いました。成島監督の作品は初めてですか?
大泉さん 初めてですね。監督の演出によって、台本もさらに面白くなっていくんだなと感じました。一つひとつの見せ方が面白いんですよね。「グッドバイ」の言い方にしても、異常に顔を近づけて言ってみたりとか、声にならないような声で言ってみたり。独特の雰囲気を作り出すのが監督の手腕なんですね。皆川さんの怒り具合とか、声の張り方とか、怖い絵画が出てきたりと緊迫する中にも笑えるポイントがある中で、橋本愛さんを泣かせてしまうからね。僕たちは、ずっと笑いを堪えているのに橋本愛さんだけ泣かないといけなくて、彼女は大変だったと思います(笑)。細かいところを探せば探すほど面白いですね。
小池さん 1回観ただけだとなかなか客観的に見れないので、はやく始まったらスクリーンで見たいですね。次のページ…
小池栄子さんが演じるキヌ子、
カラス声の出し方やとても綺麗な衣装について