3月にリリースされるベスト盤は、ファン投票で収録曲が決まったんですね。
今までも「弾き語りベストを作ってください」という声はいただいていたものの、大変だからやってなかったんですよね(笑)。でも15周年だし、弾き語りしかない!ということで、ついにやることに。せっかくだから選曲はリクエストをもらうことになったんですが、気持ち的には「さらに大変じゃん!」というのと、「自分で選ばないから、その時ならではの選曲になるのは楽しみ」という気持ちの半々でスタートしました。ファン投票の結果を見てみて、いかがでしたか?
上位の曲はある程度は予想通りでしたが、アルバムにしか入ってない曲や、楽曲提供の歌、CD 未収録の曲も入ってきていて、自分で選曲したらこうはならなかったと思うので、すごく面白いなと思いました。「環状8号線」はインディーズの曲で、リクエストはよくもらっていたけど、タイアップもついてないのに、「こんなに上位に来るのか!」と。あとは、キーが高い歌ばっかりでレコーディングどうしよう、みたいなところもありました(笑)
初回盤のボーナス・トラックは藤田さんの選曲ということですが、「共犯者」と「臆病な恋の歌」の2曲を選んだ理由は何ですか?
直近で出した配信シングルの「臆病な恋の歌」は入れることが決まっていて、あと1曲をどうしようかとなった時、「共犯者」は、ファンの方の中では印象が強い曲かなと思ったんです。ライブでリクエストをいただくこともあって、47都道府県を弾き語りで周った時にも何回か歌っていましたし、弾き語りで深く表現できる曲なので、やりがいがあって面白いかなと。通常盤で選ばれた20曲は綺麗な感じの曲が多いから、シリアスな曲を一つ入れました。弾き語りの音源は、デビュー以来初めてということですが、今回のベスト盤は、目の前で歌っているようなライブ感のある音になっていますよね。レコーディングのエピソードを聞かせてください。
レコーディングは、1日に1曲、できたときは3曲くらいのペースで録っていたんですが、一曲につき何回も何回も歌うわけではないから、不思議な空間だったなあと。1日3時間で帰れるような日はなかったですね。結構おにぎりを食べてました(笑)。集中力を使うから、歌う前に食べて、終わったらまた食べて。一曲につき何回も歌うわけではなくて、やっぱり最初に録るテイクが良いので、いかに一発目の集中力を高められるかが重要で。集中力が高まるのを待って、「今!」みたいな。演奏していた時間よりも、何か食べていたり、ブースの中に入ってストレッチや顔を動かしたりして、準備をする時間の方が長かったかもしれないですね。私はピアノがそんなに得意じゃないから、ピアノの弾き語りとなると、自分の中の難易度が10倍ぐらい上がるんです。歌だけのレコーディングの時も集中力は使うけど、真剣さが全然違ったような気がしますね。本当に競技に向かうような感じでした。