音が良くて大森さんが思わず見ちゃった、ロイヤル劇場のスピーカー
庄司さん 『トレインスポッティング』は、音楽の使い方もいいですよね。
大森さん その入り方もさ、フィルムで観るとまたなんかいいね。
須藤さん ちなみに音楽の入り方がいいとは、どういう点が特にでしょうか?
庄司さん まず頭のIggy Popの「Lust For Life」とかでね。高速モータービートですか?ルーリードだとか。
大森さん 浮遊感がある楽曲とか。ロイヤル劇場のさ、スピーカーがいいよね、昭和の感じで。今、新しい映画館に行くとすごいじゃないですか、ドルビーとか。
庄司さん 平成の映画なのに昭和を感じさせる。
大森さん すごいよね。音がよかったので、スピーカー見ちゃった。
庄司さん いわゆるそのハイブリッドじゃない感じね。
大森さん それがあえてね、アナログ感出されると。
須藤さん デジタルリマスターだと、映像のバキッとしたブレとかないじゃないですか。だからちょっと痛んでいる感じもすごくいいなと思って。
大森さん セットして回したなっていう感じがさ、いいね。
庄司さん 音楽で言ったら結構面白い話があって。『トレインスポッティング』は、作り物をイギリスのTOMATOと言うところがやっていて、そこの社長のサイモン・テイラーさんとお付き合いがあるんですが、Underworldってグループがサントラに入っていて、「Born Slippy」のボーカルのカールがそのTOMATOでバイトしたんですよ。それで、この映画のCDをTOMATOがやるってなったときに、ちょっとうちのバイトに売れないミュージシャンがいるから一曲入れさせてくれって言って、それがUnderworldなんですけど、それで売れて、TOMATOのビルが建ったという。
須藤さん TOMATOって当時流行りのデザイン集団みたいな感じなんですね。他にどんなものを手がけているんですか?
庄司さん 日本で言ったら、テレビ朝日のロゴとか。
須藤さん あの、現場で起きるインスピレーションみたいなのをすごい感じて。良くも悪くも映画を観ていると、理屈でこう積み立てられているような映画ももちろんたくさんあるんですけど、現場で考えたようなカメラワークがバシバシ出てくるのがすごいいいなと思いました。いろんな音楽とか映画とかをいろんな人のクリエイティビティの活性化の場所みたいに1本の作品がなっているのが、いろんな人の熱狂を作り出しているんだろうなと思って。90年代ぐらいの映画を観ると、やっちゃえみたいな遊び心が見えますね。
庄司さん 自由だったかもしれないですね。
大森さん 確かにすごいね。決めてくるから。でも、これはわりと計算してやってんじゃないかな。どうなんだろうね。
須藤さん クラブ出てきて、ダイアンの女性と会うときの外観の赤とか、あのタクシー乗って行くか行かないかと迷うときにライトが入るんですけど、その光の色が全然リアルなタクシーの色じゃない。そういうカラーライトの使い方がこう、例えば、今カラーライトで映画作る人って、中国語映画とかでよくあるんですけど、大体街の光の色を拾ってリアルっぽく照明を作ったりするんですけど、全然関係ないんだなと思って、そこにこの時代の映画の持ってた自由みたいなのをすごく感じて、夢見ちゃうな。
庄司さん それこそウォン・カーウァイ監督がよく使っていたカメラマンとかもそういう色の使い方してたもんね。
大森さん それも絶対意図してるんだよね。みんな多分、鈴木清順監督の影響を受けてるんじゃないかな。
須藤さん 鈴木清順監督が大好きで、ロイヤル劇場で僕が初めて観た映画が鈴木清順監督のでした。
人気古着屋「TRAVIS」限定のトレインスポッティング×ロイヤル劇場オリジナルTシャツが誕生!
庄司さん ロイヤル劇場でね。そしてなんか今日、限定のTシャツがあって。
大森さん いいな、それ!
須藤さん かっこいいですね!
大森さん それどうしたんですか?あ!僕も着てる!似てるなって思ってました(笑)
庄司さん 僕たち白なのに南朋さんは黒なんですか?(笑)こちらは、東京の恵比寿で洋服屋さんをやっている原田くんがデザインしました。
大森さん 今回、そもそも僕がここにいる理由は原田くんなんですよね。岐阜でこういうことがあって、そういうことがあるのでどうですか?みたいな。
庄司さん それ、奇遇にも俺も一緒ですね。じゃあ、今回はキーマンなんですね。
大森さん プロデューサーといっても過言ではない。
庄司さん 須藤さんと僕らをつないでくださった。
大森さん そんな原田くんにちょっとご挨拶しておいていただきましょう。
原田さん キーマンの原田です。古着と映画が好きで、ポスターとかグッズも販売している店です。Tシャツのデザインなんですけども、冒頭とラストで主人公・レントンが走りながら言う、チューズライフから始まる、人生を豊かにするもの。元々、チューズライフって、スコットランドの麻薬撲滅のスローガンのような標語だったんですけど、そこからレントンが俺にはそんなの不要だ、ヘロインがあればいいみたいなことを言うんですが、そのセリフが結構ベタすぎるんで、そこじゃなくて、序盤のタイトルが出た後に、薬物抜くためレントンが自分の部屋にこもっちゃう。その時に必要なものを羅列するのを、そこにチューズを付けてデザインに入れています。意味としては、引きこもっているより出かけよう映画館へという思いを込めてちょっとだけ変えて“チューズユアシアター”にしています。作品では、最後にもう一発必要だみたいなギャグが入りますが、その最後の一撃ならぬ最後の一作というか、一作を観に行こうという意味も込めました。
その後、ママが用意してくれたっていうセリフがあるんですけど、それを「TRAVIS」という店なので、“TRAVIS”が用意したってちょっと我の強さを出しています(笑)襟裏のタグは、カチンコデザインで、ロイヤル劇場さんのお名前と今日の日付を入れております。そして、ブラックだけ南朋さん限定カラーとしてちょっと特別に上等な生地のもので作っています。
大森さん 言い方(笑)
原田さん ちょっと値段は変わるんですけれども、限定の色で当店のインスタグラムにも上げておりますのでご確認ください。すごく男前に写っておりますので、今日の映画ぐらい興奮するかなと思います。映画館がなくなってから泣いても仕方ないので、みなさん、映画館にもっともっと行きましょう。僕も行きます。最後に、今朝なんですけど、貝印さんので髭を剃ってきて、デザイン共々バッチリと仕上がっています!
須藤さん こちらも売り上げの一部がロイヤル劇場にも還元されるので、この特別な日にぜひみなさん買っていただけたらと思います!
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