誰に感情を入れるかによって全く見方が変わってくるので、そこも楽しんでほしい
――タイトルにあります『罪と悪』についてどのように考えていらっしゃいますか?
石田さん 『罪と悪』…これは難しいですよね。罪というのは、少し僕の中では表面的と言いますか、そんなイメージがありますね。だから、人の見方や人生経験によってはある角度から見ればそれは罪じゃない?と、いうような感覚かな。悪というのは、もうちょっと人の心の奥底にあるようなもので、された側が嫌な思いや不快な思いを感じた時点で、それは悪なんじゃないかなと思います。どうですか?この質問はすごく難しいなと思いますが、そんな感じがしましたね。
――生みの親に聞いてみましょう。
齊藤督監 人の捉え方でいろいろな解釈が求められると思います。ちょっと漠然とした答えをテーマにさせてしまっていますけど、罪というのは決まり事としてあって、悪は概念じゃないですか、人がどう思うかという、それを分かった上で生きている人間たち、そして罪を背負った人たちが、果たしてそれはすべて悪なのかということが、僕が書いた時に思ったテーマなんですね。
罪を犯した人がすべて悪人ということで、僕たちが見た概念として悪人なのに裁かれない人もいて、そういう人間も劇中に出てきます。そういった罪と悪もあるけれど、その中でもう一つ、罪悪感というのが、かなりこの少年たちに残した深い傷と言いますか、罪を背負ってもらったり、なんであんなことをしてしまったんだと、春以外はそれを乗り越えられなくて、悩んで苦しんでしまう。でも、その罪を背負って悪人になった春という人間は、すべてを受け入れているかのように生きているけども、下の人間にえぐいことをやらせているし、決して男らしいいい男でもないんです。ただ彼の存在は、じゃあ町の悪なのか…桔平さんにも言ってもらいましたけど、悪人って放っておくと当然違う町でも必ず犯罪を起こして、その連鎖を切るときに彼が一つのよりどころで、石田さんのセリフで言ってもらった、「よるべなき若者たちに人気の就職先なんだろ」という側面もあって、彼が囲うことによって町の一つのバランスを作っている。それをじゃあ、彼が罪人だっていうことを決して断罪もできないし、でもそれだけじゃなく、「罪というのは、認めなきゃ罪じゃねえんだ」というセリフもありますが、いろいろ取材したときに出てきた言葉で、そうやってやんないと彼らももしかしたら罪悪感、真面目に正面から向き合った瞬間に罪っていうものに自分が押し潰される感覚がもしかしてあるのかなとも思ったりもしました。いろんなパターンの罪を背負った悪人だとか、罪を逃れている悪人だとか、そういったトピックスを置かせてもらったんで、いろんな側面から観てもらって、どこかこのタイトルがスポンって落ちるところがあれば、それはそれで僕はうれしいですね。
――語りたくなる作品で、ここはどう思う?とか、質問されたりしますね。
齊藤督監 いろんな視点から観てくれますので、お子さんがいる方は、やっぱり大人が作る世界のせいで子どもがいつも被害者になっているという、この世界自体がよくないと思ったとか。まだまだいろいろ語れることがありますね。
――結末が分かってから、もう一度ご覧になって観ていくとまた違う視点で観られますね。
石田さん そうそうですね。誰に感情を入れるかによって、この作品って全く見方が変わってくると思うので、そこも楽しんでいただけたら、うれしいですね。
齊藤督監の名古屋めしは味仙!行くときにいつも気をつけていることがある!?
――愛知県出身の石田さん、監督におすすめの名古屋めしをお願いします。
石田さん 個人的に好きっていうのもあるんですけど、ひつまぶしを監督にはぜひ!
齊藤督監 ひつまぶしはもう最高です!本場のこの地では、本当に何年間に1回ぐらいしか食べられないんで(笑)
――監督は、よく名古屋で撮影されていたから、名古屋のことはよく知っていますよね?
齊藤督監 助監督時代に撮影で何度も訪れさせてもらっていて、いつもパンチのあるお昼ご飯の弁当が出てきて、名古屋の人はこれを食べているだと、ものすごく元気の出るお弁当でした。10年以上前かな…撮影が終わった後は、味仙の今池本店で、まだ東京でのブームが来ていない地元だけだった時に連れてってもらって、そこから撮影終わる度に行って、いつも腸詰めから始まってと…
――石田さん、まだ行ったことないんですよね?
齊藤督監 僕のほうがだいぶ詳しいですね(笑)
石田さん そうなんですよ。監督のほうが名古屋詳しいかもしれないですね(笑)
齊藤督監 〆は台湾ラーメンですよ!〆の台湾ラーメン食べる時は、食べたら次の日とんでもなくニンニクの匂いがするんで、次の日のスケジュール確認していました(笑)。俳優部のそばへ行って、ニンニク臭いって言われたらね、怒られちゃうんで(笑)
石田さんへのバースデーサプライズ!“37年間で1番うれしい誕生日”
――実は本日は、石田卓也さんのお誕生日です。ケーキが運ばれてきます!37歳おめでとうございます!今日は持って帰ってくださいよ(笑)
齊藤督監 おめでとうございます!
会場 (拍手)
石田さん 37歳です!ありがとうございます。すごい!びっくりです!
齊藤督監 石田さん、37歳おめでとうございます!政治家のパーティーみたい(笑)。出会った頃は、20代の元気な石田さんでしたが、こうやって37歳の誕生日を地元名古屋で迎えられて、またこの映画でPRに一緒に迎えられたってことが本当にうれしいんで、まだまだこれから40代になった石田さんも30代後半になっても楽しんで、頑張って!
石田さん ありがとうございます!もしかしたら37年間で一番うれしい誕生日かもしれません!
――今日は、こんなたくさんのお客さんの方にお祝いしてもらっています!
石田さん ありがとうございます!まさか自分の地元でこんなにたくさんの人にお祝いしていただけるなんて、思いもしませんでした。このケーキのプレートもすごくカッコイイですね。
――石田さんはもう名古屋のスターですが、どんどんと頑張っていただきたいなと思いますので、抱負をお願いします。
石田さん 37歳。もちろん、いろんな作品でいろんな役を演じたいと思っていますし、今、農業に興味があって、農の道も極めていけたらいいなと思っています。役者の道も農業の道も両方やっていけたらなというのが今の目標かな。
――農業とエンタメですね。相性が良いと思います!ありがとうございます!またこういったステージの前で立っていただければなと思っております。はい、本当におめでとうございます。
石田さん ありがとうございました!
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