昨年24歳で、本当にポイントとなる年だったんですね
自分の人生の中で忘れられないだろうと思う出来事がいくつもあって、その時にドラマのプロットを見て、主人公はじめ登場人物の皆さんが、正義や愛を持ちながら錯綜していく姿に自分も気持ちが重なっていって。「私、この人のこと愛しているのかな?憎んでいるのかな?」と分からなくなって、その分からない過程で出ていく答えを端折らずに、曲に落とし込みたいと思ったんです。なので、「これだけ悲しかったよ」「これだけ苦しかったよ」「なんであんなこと言っちゃったんだろう?」という後悔や、目を背けたくなるようなことから逃げずに向き合いました。「会えてよかったと君が笑う もう自由だよ」という最後のワードがあるんですが、そのワードが出てきたときには「あ〜!よかった」ってホッとしたんです。いろんな後悔や苦しみがあるけれど、これから私が人生を歩んでいく上で、きちんと美しいものとして残していけるなと自信になりました。最初から、「もう自由だよ 幸せになってね」ではなくて、後悔も痛みも含めてこの曲を残しておきたかったのだと思います。お話の中でも、やはり一つの言葉には絞り出せない感じがありますね。詞を書いているときも、いつもの制作に比べて言葉が出ないことの方が多かったですか?
逆に出すぎちゃって…。今まで言いたかったことや伝え切れていなかったことが、「うわ〜~!」って、あふれたんです(笑)。それもあって、さっき質問してくださったみたいに、「他者にどう思われる」よりも、自分の中に溜まっていたものが、どんどんとせり上がってきて。「なんであのとき、あんな判断をしちゃったんだろう?」とか、「どうして?なぜ?」と、“why”の連続だったんです。『未完成』の歌詞を見ていると、辻褄が合っていないんですよね。「もういい!せいせいした!」と言ったと思ったら、「ごめん、もう一回戻ってきて」って混乱していて、10秒前に歌っていることと、今歌っていることが全く違うんです。でも、それが人生のリアルな姿だと思います。一回答えを出したからといって、それを覆してはいけない決まりはないし、だからこそ揺れ動く心が出てくる。今回の『未完成』は、ものすごく“自分の心”と正直に向き合った結果だと思います。次のページ…
豊かな表現力による『未完成』の歌詞やMVについて